12月15日(土)に、県立巨摩高校で「櫛形山の自然と保護」の第8回講座がありました。
今回は、巨摩高自然科学部生徒による「伊奈ケ湖の植生」「櫛形山のトンボ」の研究発表と、顧問の時田先生の「自然を調べる」のお話がありました。
巨摩高校自然科学部の櫛形山の研究は40年以上前から行われており、高い評価を得ております。櫛形山のアヤメ約3,000万株というデータも同部の調査が根拠となっています。その伝統は今も受け継がれており、受験勉強で大変な時期、地道に研究を続けている高校生がいることは、たいへんすばらしいことだと思います。
「伊奈ケ湖の植生」では、
○ 1986年と2006年の植生を比較し、南北両伊奈ケ湖付近の開発が進み、施設設備の建設による伐採などによって、調査ルート沿いに見られる樹種が減少している。
○ 草本では、帰化植物の進入によりイネ科、タデ科を中心に種類が増えている。
○ 多く見られたのは、キク科(33種)、マメ科(19種)、イネ科(15種)、バラ科(15種)、カエデ科(11種)などである。
等興味深いデータが示されました。(写真上)
「櫛形山のトンボ」では、2006・2007年、櫛形山を中心とした標高1860mから244mまでの山間部と平野部を含む地域でトンボの捕獲調査を行い、計178匹のトンボを調べた結果が報告されました。
○ 特に多いのはナツアカネで全体の06年52%、07年36%を占め、山頂から平野部まで広く分布している。
○ この地域には、アキアカネ・ナツアカネ・ノシメトンボ・コノシメトンボ・ミヤマアカネ・マユタテアカネ・ネキトンボ・リスアカネの8種類が分布している。
○ ミヤマアカネは、中腹の断層湖に沿って分布しており、新しい開発地には、マユタテアカネやネキトンボが局地的に分布している。
など、細かいデータをもとにていねいな発表がありました。
時田先生の「自然を調べる」の講義では、自然を調べる目的、対象、方法、調べてわかること、調べたことの生かし方などのお話がありました。(写真下)
櫛形山についてもお話がありました。
○ 櫛形山を守るために知ることは、
・生物のデータベース(住民台帳)
・櫛形山版レッドデータリスト
・潜在自然植生
・持続可能な利用の形
・草刈りの功罪(アヤメだけを守るのか?)
○ 櫛形山の植生管理
・草原として維持するのか、森に返すか
・保全種と競合種(進入種)の特定
・現地の自然に植生管理(草原の特徴)
・火入れ、刈り取り、動物に食させる をすべきか否か
・選択的刈り取りとボランティアの育成
・モニタリングとフィードバック
来年1月から櫛形山の調査が本格的に始まるそうですが、「櫛形山の自然」について考えなければならないこと、しなければならないことがたくさんあります。
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