歴史道楽

 
 

100    「大東亜戦争の総括」を読んで(その1)
更新日時:
2005/05/06 
 
 「大東亜戦争の総括」は丁度終戦後50年に発行されたが、発端は平成5年8月23日、当時の細川首相の「侵略戦争」発言への対応を巡り、自民党靖国関係三協議会が活動の一環として「歴史・検討委員会」を設置し、公正な史実に基づいた日本人としての歴史観の確立を求め、「大東亜戦争を如何に総括するか」を基本テーマに、毎月1回講師を招いて、講話及び質疑応答を計20回開催して纏めたものである。歴史・検討委員会は、委員長・山中貞則、事務局長・板垣正で衆議院議員76名、参議院議員29名、計105名であった。
 
 全体の構成は四部からなり、第一部大東亜戦争に至る道程(講師4名)、第二部大東亜戦争の終結とアジア(講師4名)、第三部占領と東京裁判(講師5名)、第四部終戦五十年の節目に(講師6名)であり、「はじめに」と「あとがき」がつき、委員一覧と執筆者プロフィールが巻末に掲載されている。以下第一部から第四部に亘り、題名と講師(氏名・生年・職業)、及び講話の要点について簡単に紹介する。尚これを契機に「新しい歴史教科書を創る会」が出来て、現在も話題を呼んでいる歴史教科書が生まれたようである。
 
第一部 大東亜戦争に至る道程
 
☆大東亜戦争はなぜ起こったのか・・・中村粲(昭和9年生、東大文卒、独協大教授)
 大東亜戦争は、日露戦争以来、日米40年の確執が極頂点に達したもので、日本の大陸政策とアメリカの極東政策の不一致から起きたものである、と日露戦争以来の様々な歴史を述べている。即ち日露戦争、韓国併合、第一次大戦、ワシントン会議、満州事変、支那事変、ABCD包囲網、南部仏印進駐、日米交渉と三国同盟、無理難題のハルノートと続く。そして開戦の理由は自衛戦争であり、結果として東南アジア諸国を独立させるという使命を果たした、と結んでいる。巨視的な国際情勢の見方を重視している。
 
☆弱肉強食から平等共生の時代へ・・・総山孝雄(大正5年生、近衛歩兵四連隊通信中隊                       長、東京医科歯科大名誉教授、日本学士院会員)
 総山氏は昭和13年東京高等歯科医学校卒業後、近衛歩兵三連隊に入隊し、次いで南支、仏印、タイに進駐し、大東亜戦争ではマレー、スマトラ攻略に参加し、終戦後近衛師団渉外将校としてインドネシア独立運動にも関与し、昭和21年復員した。その後歯学研鑽の道に復帰し、東京医科歯科大教授、名誉教授となり、その間国際歯科連盟の理事、副会長を11年勤められた。はじめに歴史を哲学的にみれば、大東亜戦争までは世界は弱肉強食の時代であり、大東亜戦争後はじめて平等共生の時代になったのであり、その変化を重視すべきである、としている。又実体験から、日本は欧米人の侵略からアジアを守り、解放するために戦ったのである。利己的な侵略をした白人達さえも謝罪しないのに、侵略を押し返すために戦った日本のみがどうして謝罪しなければならないのか? それを卑屈に謝罪すれば、その功績が消え、忘恩的な非難を誘発するだけである、と述べている。
 
☆幕末から大東亜戦争まで・・・松本健一(昭和21年生、東大経卒、麗澤大教授、評論家)
 最近のイギリスの歴史学会は「大東亜戦争」という呼び名でよいと主張している。(占領軍が禁止して太平洋戦争という名を強制した。) 幕末から大東亜戦争まで一貫した流れは「攘夷戦争」である。砲艦外交で日本に開国を迫ったペリーは、実は「白旗」を突きつけて戦争を迫ったのであり、源平の白旗・赤旗伝説とは異なるもので、今日の常識でいえば降伏を申し入れたのである。
 
☆歴史教科書は子供達に何を教えているか・・上杉千年(昭和2年生、國學院大文卒、高                校教員を経て、歴史教科書研究家、日本教師会参与)
 昭和57年以降教科書問題が起こった。教育の根幹としては教育基本法の改正が必要で国旗・国歌も問題である。戦後左翼一辺倒的な歴史教科書は、文部省の村尾次郎主任教科書調査官の活躍で殆ど正常化されつつあった。そこで押しまくられた日教組(社共両党が応援)は東京教育大家永三郎教授をかついで教科書訴訟を行った。そこえマスコミの誤報から昭和57年第一次教科書騒動が発生し、以後「侵略」「南京大虐殺」「従軍慰安婦強制連行」が政府の対応のまずさと重なって、国連人権委員会でも取り上げられ、ナチスのユダヤ虐殺、アメリカの原爆、に匹敵する残虐行為をやった国家として今や国連公認になろうとしている。従軍慰安婦の数10万〜20万も作り話である。
 
参考文献:大東亜戦争の総括 歴史・検討委員会編、展転社、平成7年8月15日第1刷
定価3800円、大田区立羽田図書館210.7タ
 


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