(1) ゲルマンの大移動
紀元三七五年からゲルマン民族の大移動が始まったと歴史の書物には書かれているが、実はこれはゲルマン諸族が東方民族に押されて、西方への大侵略を行ったものである。彼等は元来は森の民であり、ローマ帝国を滅ぼして現在の西欧を支配するに及んだが、文明化したのは十世紀以降のことであった。
(2) ロンドンの歴史
ロンドンには有名な大英博物館とは別にローマ時代の遺跡の跡にロンドン博物館があり、ロンドンの歴史を分かり易く解説展示している。一寸驚いたのは紀元十世紀頃まで、ローマ、ゲルマン(アングル、サクソン)、ノルマンの侵略による暗黒時代と定義していることであった。なるほど言われてみれば確かにその通りである。尚現在の王朝も昔はハノーヴァ朝といって、ドイツ北部の出身であった。
(3) モンゴルの西征
十三世紀、モンゴルはユーラシア大陸を一気に西方まで征服し、文字通り世界史の創始者となった。ロシアは勿論のこと、ヨルダンのアンマンでもモンゴルがやってきて昔のローマ時代の遺跡を破壊していったという。中国にあった元などは、東アジアの植民地政府であったようで、資本主義などというものも、彼等が東から西へ伝えたという。
(4) ポルトガル・スペインの世界征服(十六世紀)
一足早くイスラムを撃退したポルトガルのエンリケ王子のアフリカ西岸探検に始まり、コロンブス、アメリゴ・ヴェスプッチのアメリカ侵略、コルテスのアステカ帝国征服、ピサロのインカ帝国征服など、数千万の原住民を虐殺し、東をポルトガル、西をスペインで世界を二分した。十六世紀はイベリア半島が世界経済の中心地になったが、利益消費のみで再生産できず、スペインの無敵艦隊敗北で衰退した。尚チリ、アルゼンチンでは原住民絶滅、グァテマラでは一九九二年未だに原住民虐殺中であるという。
(5) オランダ・イギリス・フランスによる植民地支配
十七世紀はオランダが北米に進出したが、英、仏両国に排斥され、一転してアフリカ・インド洋岸のポルトガルの貿易拠点を奪取し、インドネシアを三三〇年間植民地として搾取し、一六六二年より四十年間ではあるが台湾を支配した。
十七世紀後半から十八世紀にかけて、北米、インド、中近東など英仏間で植民地争奪戦が行われ、十六〜十八世紀、ポルトガル、スペイン、オランダ、イギリス、フランスで奴隷貿易を行い、推定一億人を連れだして、八十五%途中死亡させてしまった。十九世紀末にはエチオピア、リビア、南アフリカを除きアフリカ全土を植民地化した。順位は仏・英・独・白・西・伊の順で、その後の分割も民族、文化、生活を無視したものであった。
(6) アメリカの原罪
一六二〇年ピルグリム・ファーザーズがプリマスに上陸した。一七三二年イギリスから侵入した植民者が十三州成立させ、一七七六年独立宣言を発し、自由と平等を謳ったが、人権の尊重では原住民や奴隷を除外するというダブルスタンダードであった。
一八三〇年のジャクソン強制移住法など先住民の土地収奪と抹殺をはかったもので、インディアンとの戦争が西部劇と称され、一八七六年のリトル・ビッグ・ホーン戦で頂点に達し、一八九〇年ヴンデッド・ニーのスー族虐殺で幕となった。但し奴隷は急増した。尚オリンピックでの黒人の活躍は強い奴隷の掛け合わせの結果であるという説もある。侵略戦争の常套手段として、最初負けてそれを思い起こせというやり方が続いており、一八四六年米墨戦争は「リメンバー・アラモ砦」、一八九八年米西戦争は「リメンバー・メーン号」であり、その延長で一九四一年「リメンバー・パールハーバー」となったものである。一八九三年ハワイ、一九〇三年パナマも謀略で編入したり保護領化したものである。
(7) ロシアの野心と領土拡張
ロシアはモンゴル、オスマン帝国、ポーランド、スェーデンによる支配の後、一六九六年トルコよりドン川河口を奪取、一七〇〇年スェーデンを破ってバルト海の覇権を獲得し、一七〇六年カムチャッカ半島を占領、一八五八年清国より黒竜江以北の地を獲得、更に一八六〇年清国より沿海州を獲得、一八六七年アラスカを領有した。一八九五年日清戦争で日本が獲得した遼東半島を三国干渉で返還させて軍事基地として奪取し、一八九九年義和団の乱に便乗し、露清密約で満州を狙う。一九〇〇年露韓密約で朝鮮半島のロシア化をはかり、一九〇四年日露戦争となった。一九一九年革命でソ連が成立し、マルクス主義処刑者は百万人に達した。
(8) 廿世紀の三大国家犯罪
ソ連の強制収容所+ナチスドイツのユダヤ人虐殺+アメリカの原子爆弾投下の三つが挙げられる。尚マルクス主義侵略の犠牲者数は世界で一億七千万と言われている。
(9) 二十一世紀を迎えて
現在のアフリカの貧困、民族と宗教紛争、中近東問題など、すべて白人侵略の後遺症である。従って近世史と特に廿世紀の総括が必要である。原住民を征服して未だに居座っている白人国家は、アメリカ、カナダ、中南米諸国、オーストラリア、ニュージーランドなどであるが、一九九二年の先住民族世界会議で「インディアンは必ず白人に勝つ」と宣言しているそうである。
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