中公新書1617として笠原英彦著「歴代天皇総覧−皇位はどう継承されたか」が2001年11月25日に発行されている。全体が五つの時代に分かれ、神話時代の天皇として第1代神武天皇から14代仲哀天皇まで、古代の天皇として第15代応神天皇から第81代安徳天皇まで、中世の天皇として第83代後鳥羽天皇から、北朝5代の天皇を含めて第107代後陽成天皇まで、近世の天皇としては第108代後水尾天皇から第121代孝明天皇まで、最後に近現代の天皇として第122代の明治天皇から第124代の昭和天皇まで、皇位が如何に継承されたかを中心に記述されている。
昔小学校時代には歴代天皇名を丸暗記したものであるが、天皇の事績については極く有名な天皇に限って学んだが、本書では124代総ての天皇ばかりでなく、北朝5代の天皇まで含めて、情報が提供されており、そのような事が有ったのかと今更思いを新たにした。更に第33代推古天皇以降は生年−没年、即位−退位年、が記されており、上皇の期間も記されている。(第40代天武天皇と第99代後亀山天皇のみ生年不詳) そこで早速歴代天皇の一覧表を作り、ご即位年齢、皇位在位期間、崩御年齢、性別などチェックすると、今まで気が付かず、本書にも記載されていない事をいろいろと目にする事ができたので、その中の主な事項を報告する。
現在の皇室典範では皇位の継承は男子に限られているが、古代には推古、皇極(斉明)、持統、元明、元正、孝謙(称徳)と6人8代の女帝がおられた。更に近世に明正、後桜町の二代の天皇がおられ、合計すると8人10代となる。古代の女帝の即位年齢は比較的遅く平均45才であるが、近世の二女帝は7才と13才である。在位期間は推古天皇のみ36年間と長く、他の女帝は平均すると7.6年である。尚重祚されたのは歴代全体で皇極、孝謙の二女帝のみである。
第79代六条天皇、第87代四条天皇は2才で即位されており、古代の終わりから中世のはじめにかけて幼くして即位された方が多い。全体で10才未満で即位された天皇は24方おられ、10才から20才未満のご即位は28方にのぼる。推古天皇以後は92代であるから半数以上が幼少でのご即位となっており、成人となるまで上皇や関白、将軍など時代によって異なるが権力者が政務を見るという形態がとられている。逆にご即位年齢の高い例としては、斉明天皇の63才、光仁天皇の62才、次いで光孝天皇の55才が挙げられる。
第85代の仲恭天皇は4才で即位され、その年に譲位されているが、在位期間が10年未満の天皇は32代の天皇にのぼる。10年から20年未満が34代あり、20年以上30年未満が17代、30年以上が9代で、最長が昭和天皇の63年間、次が明治天皇の45年間であった。第3位が第119代の光格天皇で39年間、第四位が第33代の推古天皇、第102代の後花園天皇、第103代の後土御門天皇で共に36年間となっている。
崩御された年齢も最年長が昭和天皇で89才であり、次が第108代後水尾天皇の85才、その次が第57代陽成天皇の82才である。推古天皇の75才をはじめ75才以上で亡くなられた天皇はその他お二方しかおられない。一方若くして亡くなられた天皇としては、安徳天皇の8才を筆頭に20才未満で5代の天皇が亡くなられている。第87代四条天皇は2才で即位、10年間在位されて12才で崩御されている。
その他皇位継承のイレギュラーなものとして、一つは第81代安徳天皇と第82代後鳥羽天皇の間に2年間、南北朝時代の第98代長慶天皇、第99代後亀山天皇と北朝5代のあとを継がれた第100代後小松天皇の間に、10年間の皇位重複期間があり、逆に古代には皇位空白期も少なくない。皇位継承の歴史は時代時代の影響を受け、正に波瀾万丈である。
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