歴史道楽

 
 

65    フランスの少数民族
更新日時:
2004/10/29 
 
 フランスの長い歴史の中で、様々な民族が侵攻、衝突、共存、融合しながらこれまで国家を形成してきた。従ってフランスは現在でも様々な文化、習慣、言語を持つ民族が多く暮らす多民族国家である。
 フランス革命当時、現在のフランス語を話す人は全人口の半分以下だったという。その後の中央集権化で一言語主義政策がとられたが、第二次世界大戦後地域語の振興として、ブルトン語、バスク語、カタルーニャ語、オック語、コルシカ語などの保護が始まった。
以下フランスの南西部から右回りに周辺各地に散在する九つの少数民族の概要を示す。
 
*カタルーニャ人
 フランス南部スペイン国境地帯の東側と、スペイン北東部のカタルーニャ地方に住んでいる。ローマ人をはじめ種々の民族に侵略され続けたが独自の文化と言語を守り通した。カタルーニャ語はラテン語から派生したが、フランス語とスペイン語両方の要素がある。
*バスク人
 フランスとスペインの国境地帯、ビスケー湾沿岸とピレネー山中に住んでいる。スペイン側では過激な独立運動が盛んである。民族的にはケルトに近いが、他のヨーロッパ民族とは全く系統の異なるバスク語を話し、この語源については未だに解明されていない。
*ブルトン人
 5世紀頃アングロ・サクソン族のイギリス侵入から逃れ、海を渡ってフランス北西部のブルターニュ半島に移住したケルト人の子孫で、ケルト語系のブルトン語を話す。
*ノルマン人
 フランス北西部のノルマンディ地方に住んでいる。10世紀頃のデンマーク人入植者の子孫で、独特の言語はあまり残っていないが、バイキングで有名なノルマン人らしく、方言に海や船に関する古代ノルウェー語が残っている。
*ピカルディ人
 フランス北部、ノルマンディ地方の東側のピカルディ地方に住み、ケルト人とローマ人両方の血を受け継いでいる。ローマ時代にはガリア・ラテン語を話していた。東からフランドル系民族が入ってきて、その文化と織物の生産技術を持ち込んだ。
*フラマン人
 フランスとベルギーの国境地帯の北部に住み、フランドル人とも呼ばれる。ゲルマン民族の一部族でフラマン語を話すが、ベルギーで話されるフランス語に相当する。
*アルザス人
 フランスとドイツの国境地帯のアルザス地方に住んでいる。祖先はゲルマン系民族の一部族である。この地方は地下資源が豊富なので、ローマ時代からフランスとドイツの領土争いの種で、独領になったり仏領になったりしている。言語はドイツの一方言であるアルザス語、木造の家とビールを好み、気質的にもドイツ人に似ている。
*プロヴァンス人
 フランス南東部のプロヴァンス地方に住んでいる。BC600年頃ギリシャ人が入植し、その後ローマ人により文化や言語もラテン化された。気質や容貌はイタリア人に近く、地中海の影響が濃い。言語はフランス南部で話されているオック語を語源とするプロヴァンス語を話す。
*コルシカ人
 地中海に浮かぶコルシカ島に住んでいる。1世紀頃イタリア北西部からリグリア人が移住し、その後ギリシャ中部のフォカイア人、ローマ人、バンダル族、ゴート人が入った。700年に亘るイタリアの支配下で文化、生活感情などはイタリアに近い。イタリア・トスカーナ地方の方言に似たコルシカ語を話す。
 


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