小泉首相の靖国神社参拝に対して、中国のみ、首相がA級戦犯を祀ってある所に参拝するのは怪しからぬ、と批判しており、之に対して国内の意見は2分している。参拝賛成論の立場から反対論に対して反論する。
まず第一に、個人と個人の間においてなら謝罪という儀礼はあり得るが、国家と国家の間では、謝罪などという行為は成り立たないという国際関係の常識を弁えていないのは頓珍漢である。国家は絶対価値であって、いかなる国も他の国の上に聳えることはなく、従って他の国の下に屈することもない、というのが現代の国家観念の基本である。
国家間の連帯を保つ必要が生じたり、紛争を解決しなければならない時に採択される唯一の方法は条約である。条約を結ぶ、或いは条約を廃棄する、それのみが国家間の行動様式である。
国家が国家を侮辱したり罵ることはあってはならぬことであり、ある国家が相手国に何かよからぬ遺憾の念を持つた時は、正規の外交交渉の場に持ち込み、事態を理性的に解決すべきである。
以上のことを為し得ぬ国は、近代国家としての道を踏み外していると言わざるを得ない。一旦条約に調印した以上は、二度と再び以前のことは問題にしないと、互いに合意したと納得するのが、近代国家に共通の常識である。条約が成立したあとから、昔のことを持ち出して駄々をこねているのは、日本に対しては韓国と中国だけである。
以上のことから、戦後日本が締結した条約に基づいて本件の検証を行う。
まず戦争状態を終結させた1951年のサンフランシスコ講和条約では、第四章 政治及び経済条項の中に次のような条文がある。
第十一条 [戦争犯罪]
日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。これらの拘禁されている者を赦免し、減刑し、及び仮出獄させる権限は、各事件について刑を課した一又は二以上の政府の決定及び日本国の勧告に基づくの外、行使することができない。極東国際軍事裁判所が刑を宣告した者については、この権限は、裁判所に代表者を出した政府の過半数の決定及び日本国の勧告に基づくの外、行使することができない。
「裁判を受諾し」とあるが、これはJudgement(判決)をAcceptしたのであり、「裁判」は外務省の誤訳である。極東国際軍事裁判の判事の中で唯一国際法に通じていたパール判事は、A級戦犯は国際法違反であり、全員無罪を宣告している。又裁判では日本の行為は共同謀議による侵略行為と断定したが、責任者のマッカーサー元帥が、朝鮮戦争で解任後に米国上院で、東京裁判の判決は間違いで、日本にとっては自衛の戦争であったと証言している。(つまり共同謀議による侵略戦争という判断は間違いであったということ。)
更に日本国内では次のような動きがあった。
1952年:「戦傷病者戦没者遺族等援護法」改正、遺族に扶助料を支給。
1953年:戦犯赦免釈放を求める4000万人に及ぶ署名もあり、「戦争犯罪による受刑者の
赦免に関する決議」が国会で全会一致で可決。
1955年:「戦争受刑者の即時解放要請に関する決議」について、サンフランシスコ講話条
約第11条の手続きに基づき関係11ヶ国の同意を得る。
1956年:A級戦犯は赦免し釈放
以上の事から、A級戦犯の赦免・釈放は連合国の了解を得て、合法的に行われているという事実を正しく認識すべきである。
尚支那事変・大東亜戦争で連合国側で戦っていたのは蒋介石総統の中華民国であった。そこで戦後すぐ1952年8月日華平和条約が結ばれている。こでは日本に対して賠償は請求していない。支那は政権の正統性に強く拘る国なので、明→清→中華民国→中華人民共和国、この系統図に固執しなければならない。中華民国から正統を受け継いだ合法政権であれば、蒋介石が約束したとおりに賠償放棄も踏襲しなければ面目が立たない。
中華人民共和国については、1972年9月の日中共同声明、1978年の日中平和友好条約が結ばれ、中華民国同様に、賠償権は放棄され、一件落着している。調印した以上は過去についてとやかく言わないのが近代国家の心得である。それでもしつこく昔のことを言い立てるのは、この国がまだ近代国家として成熟していない証拠であり、友好の名のもとに日本側から媚態を呈するのは本質的に誤りで、中国に対して正面から、早く真っ当な外交意識を持てるよう成長を促すべきである。
尚細川、村山、小渕の三首相による謝罪は上記に記したとおり、近代国家としては非常識であり、いずれも国会では承認されなかったという事実がある。又細川発言に対する反論として、国会議員が19名の各方面の専門家を動員して「大東亜戦争の総括」という図書を刊行している。そこでもA級戦犯が国際法違反であることが明記されている。更に最近小泉首相が村山談話を引用したのも同様に問題である。
又靖国神社はA級戦犯の合祀に時間が掛かったが、政教分離の原則から政治的圧力は受けない。又中国には元来神は存在せず、そのくせ日本の神々にいちゃもんをつけるのは内政干渉というか非常識過ぎる。更に中曽根首相以来、首相が靖国参拝を躊躇しているのがむしろ問題で、それ以前は首相が靖国神社に参拝するのは当たり前であり、中国からも全く文句をつけられなかった。第一、中華人民共和国の初代毛沢東主席は、日本軍が蒋介石軍を弱体化させてくれたお蔭で政権がとれた、と日本に感謝している。中国の抱える内政上の問題から、江沢民以来反日政策をとっているのが諸悪の根源で、日本としても靖国問題で断固とした態度をとることが求められている。又民主主義や法治主義でない、共産主義や人治主義の国には注意深い警戒が必要であり、友好関係を長期的に維持することは現実問題として甚だしく困難であると思わざるを得ない。。
以上、小泉首相が靖国神社に参拝して、護国の英霊に感謝するのは、様式は各国それぞれ違うとしても、近代国家としてはごく当たり前の行為である。A級戦犯とは過去の話であり、合法的に赦免し釈放され、中には後に首相になった人もいる。それに文句をつけるのは非常識ないちゃもんであり、日中平和友好条約で禁止している内政干渉も甚だしいと言わざるを得ない。朝日新聞をはじめ、中国の明らかに非常識な要求に迎合する進歩的知識人と称する反日的日本人が少なくないが、これは日本人として積年の弊害である島国根性からの脱却が遅れている為であり、近代国家としての国際常識を一刻も早く身につけることが緊急に必要である。
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