現役時代から通算すると、世界各地に110回以上旅行する機会があった。年齢から考えてそろそろ海外旅行も終わりに近付いたが、まだ東アフリカと南アフリカへは行ったことがないので一度訪ねてみたいと思っていた。そこでいつも利用しているユーラシア旅行社の「アフリカ物語15日間」の本年秋出発のツアーに参加しようと思い立った。
このツアーは、香港、ヨハネスブルグ経由でケニアのナイロビに飛び、ナクル湖国立公園、キリマンジャロの裾野のアンボセリ国立公園で野生動物のドライブサファリを行うと共に、大地溝帯を見たりマサイ族の村に立ち寄る。ついでタンザニアに入り、ンゴロンゴロ自然保護区(世界遺産)、タランギーレ国立公園でやはり自然と野生動物の観察を行う。一旦ナイロビに戻ってジンバブエの首都ハラレに飛び、黒人王国時代の石造建築遺跡である大ジンバブエ遺跡(世界遺産)を訪ね、ブラワヨを経由して世界三大瀑布の一つビクトリアの滝(世界遺産)を観光し、サンセットクルーズを行う。次いで空路南アのヨハネスブルグへ行き、近郊のゴールドリーフシティ、行政都市プレトリアを観光し、空路ケープタウンへ飛び、喜望峰をはじめケープタウン周辺の名勝地を廻り、空路ヨハネスブルグ、香港経由で帰国するというスケジュールである。
何しろ土地勘がまるでないので、まず図書館へ行ってJTBと「地球の歩き方」の旅行案内書を借りてきて、一応の予備調査を行った。折角遠くまで行っても、事前の知識が充分でないと、見るべきものも見ないで帰ってくることになり勿体ない。そのような観点からみると、他の地域と異なり、東・南アフリカに関しては旅行ガイドブックだけでは甚だ内容が不充分であり、更に別途調査の必要性を痛感した。
まず折角ドライブサファリで野生動物に出会っても、鳥獣に関する知識が著しく劣ることを自覚しているので、サフアリを楽しむためにという副題のついた小倉寛太郎著「フィールドガイド・アフリカ野生動物」(講談社)を借りてきた。著者は日航ナイロビ支店長として3回計8年余ケニアに滞在、その他60数回東アフリカを訪問し、90年定年退職後も1年の1/3以上を現地で過ごし、外国人として唯1人の「名誉野生生物保全監理官」に任命されている。多くの野生生物が名前と写真で示されており、どこの公園でどのような生物がどのくらい見られるかが表示されていると共に、旅や写真撮影の手引きまで載っている。これを元に我々の行く先でどのような生物に出会う可能性があるか事前に勉強してゆくつもりである。
アフリカでは自然が注目されると共に、現在の人類発生の地でもあるが、ヨーロッパ諸国がアフリカ各地を植民地化する際暗黒大陸と称したように、文字による伝承がなかったせいか、その歴史はあまりはっきりしない。たまたまユーラシアの推奨する参考書に挙げられている高橋英彦著「東アフリカ歴史紀行・・・ナイル川とインド洋の間に」(日本放送出版協会)を近所の大田図書館で見つけて借りてきた。この著者も三菱商事で1981〜1985年の間ケニアのナイロビ駐在事務所長であり、その間東アフリカ各地を旅行した記録である。
遙かなる遺跡文化への旅に始まり、流浪の民族と部族、王国の伝承に続き、インド洋を介してアラブ、インドから中国(明)との交流、列強支配の植民地時代からアフリカの自立へと、確かにアフリカの歴史を辿る紀行文である。しかし出てくる地名、部族名、言葉の意味など、博学の著者と違って、この本ほど読んでいてちんぷんかんぷんな感じがしたことはかつてない経験であった。やはりもすこし系統的な歴史書を探さなければいけないと思い、インターネットで調べているが、なかなかこれぞと思うような図書に巡り会えない。しかし幾つかの候補を探したので、もっと地理的、時間的に系統的な歴史を頭に入れてから現地へ出かけたいと思っている。
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