コラム


29    驚くべき中学生の教科書
更新日時:
2001/10/29 
 最近扶桑社の「歴史」「公民」の教科書が国の内外で問題にされている。中・韓両国は内容がはっきりする前から、何処でネタを手に入れたのか、猛烈な批判を展開し、歴史教科書の修正を要求してきた。歴史観は国によって違うのは当たり前で、自国の価値観に修正せよと外相に厳命するなど主権侵害も甚だしい。
 
 そこで市販している扶桑社の歴史と公民の教科書を買って読んでみた。なかなかよく書けているよい教科書だと感じた。特に公民の教科書など、今の大人の再教育に使ったらよいのではないかと思う程であった。しかし扶桑社以外の出版社の教科書にどんなことが書いてあるのか興味があり、扶桑社とどのように違うのか知りたいと思っていた。
 
 たまたま新聞に書評が紹介され、例の大田図書館で探してみたら在庫していたので早速下記図書を読んでみた。
 「歴史・公民」全教科書を検証する−教科書改善白書−三浦朱門編著
 小学館文庫 01年7月1日初版、8月10日第三版発行、定価619円+税
本書は中学生の歴史・公民それぞれ八社の内容に検討を加えたものである。八社とは、大阪書籍、教育出版、清水書院、帝国書院、東京書籍、日本書籍、日本文教出版と扶桑社である。三浦朱門編著となっているし、又三浦氏がそんなまめな仕事をするはずがないと思って調べたら、執筆したのは「子供たちに良い教科書を・・・」を合い言葉に、2000年4月8日設立された「教科書改善連絡協議会」に参画している教育学者、研究者が中心になってあたったと記されていた。
 
 本書では全ての教科書の記述内容について、学習指導要領(例えば歴史では、わが国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる等)を物差しにして検証し、徹底比較を試みている。協議会がどのようなメンバーか分からないが、三浦朱門は同年代で歴史的体験が似ているためもともと考え方が近いということもあるが、一方産経新聞の正論のメンバーとして世間的には少し右翼的と見られ、扶桑社に近い存在と思われているので、その点はあらかじめ念頭において読んでみた。
 
 読んでみて驚いた。扶桑社以外の7社の教科書はすべていわゆる左翼思想、反戦、一国平和主義、自虐史観に凝り固まっている。歴史教科書では全般を含めて古代から現代まで26区分して私なりに各社の比較を試みた。妥当を○、不充分を△、不良を×としてリストを作ってみたら、扶桑社のみ殆ど○で、他社は○が最低1個、最高でも4個(帝国書院)しかなく、清水書院には△が多いが、他は×が殆どであった。
 
 公民の方では、扶桑社にも厳しい意見がいくつか出されているが、全体の傾向としてはやはり歴史と同様、扶桑社と他社には大きな開きがある。やはり戦後民主主義の進歩的文化人的な論説が多く、考え方が一面的で公に対する視点が欠如しているものが多く、公民の教科書としては致命的である。例えばボーダレスというと、すべて国家の存在意義を無視するような論説が多いが、現実にはボーダレス化しているのは経済、情報、犯罪などに限られており、技術競争、安全保障、民族問題など逆の立場にあることを忘れている。地球市民だとか個人の自由などを強調しているが、自立した個人とは公と私のバランスのとれた生き方ができる個人のことであり、国家とか社会に対して正しい認識をもたせるべき公民の教科書としてふさわしくないものが多い。
 
 子供の教育は将来社会に大きな影響を及ぼす。左翼売国奴勢力から扶桑社は排撃されているが、それ以外は現代の国際常識から全く逸脱しており、ここまでひどい教科書が使われているとは正に驚きであり、世論を喚起して正常化する何らかの対策が必要である。


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