コラム


36    原子力発電の革命的新方式
更新日時:
2001/12/21 
 
(八方塞がりのエネルギー問題)
 エネルギー源を歴史的に見ると、長く続いた薪炭から、産業革命と共に石炭の時代となり、やがて石油、更には天然ガスの時代となっている。又核分裂を利用した原子力が次の時代を担うと思われてきたが、種々の問題を抱えている。更に高速増殖炉や核融合も大分研究したが、実用性は確立されていない。更に化石燃料は炭酸ガスの発生で温室効果による地球温暖化が心配されている。かといって原子力が頼りにならぬので、太陽光や風力等の自然エネルギー利用がもてはやされているが、現状では容量的に需要を賄いきれない。ということで目下八方塞がりの状態で、将来に対する明るい展望が求められている。
 
(原発革命の提唱)
 古川和男氏は次の図書で、全く新しい原理の原子力発電方式を提唱し、早急に問題点を検証して実用化し、世界のエネルギー問題の解決をはかることを提唱されている。やはり基本原理から考え直すことが新しい開発につながる。ただ原理的にはなかなか難しくて完全に理解することは困難だが、専門家ないし専門研究機関の早急の検討を期待する。
 
 文春新書187、「原発」革命 古川和男著、文芸春秋、700円+税、01-8-20初版
 
(軽水炉原発の主要問題点)
まず現在の原発の主な問題点として次の6項目を指摘している。
1.核燃料が固体であり、それが密封されている。(燃料体も被覆管も放射線
  照射で損傷し、その修復や核分裂生成物の除去が面倒なことと、ガスが
  高圧になり危険をはらみ、製造費も巨大になる)
2.燃料集合体の交換・位置換えの作業量が膨大である。
3.運転性能が柔軟でない。(再起動困難で、電力負荷変動に対応できない)
4.小型炉に適さない。
5.冷却剤・減速材に水を使用している。(あまり高温にできず、発電効率が低
  くなり、放射線による分解で爆発性の水素を発生したり、材料の腐食も難
  問である。)
6.ウラン燃料中にプルトニウムなど超ウラン元素が生成される。(プルトニウ
  ムは核兵器原料となり、その核拡散、核テロ対策が大きな問題である。)
 
 これに対し、古川氏は理論的考察、基礎的実験結果に基づき、早急に次のような原発の革命的新方式を開発・実用化し、世界のエネルギー問題を解決すべきであるという提案を行っている。(現在、トリウム溶融塩国際フォーラム代表、溶融塩熱技術協会会長)
 
(トリウム溶融塩核エネルギー協働システムの構想)
第一原則:固体でなく液体のフッ化物フリーベ系溶融塩核燃料を使用。
     (核反応、熱輸送、化学処理媒体の3機能を兼ね、特性予測が容易)
第二原則:ウランでなくトリウムを利用。(プルトニウムなどの超ウラン元素は
      できず、資源は十分存在し独占されない)
第三原則:核燃料増殖施設と発電炉の組み合わせで核燃料増殖サイクルを
      完成。(加速器溶融塩増殖炉を核燃料増殖生産工場とし、発電炉
      と組み合わせる)
 
(新しい原子力発電システム構成施設)
1.溶融塩発電所 (需要地の近くに設置、50万kw迄の2〜3種類を標準化)
2.加速器溶融塩増殖炉
  (世界に20〜50ヶ所の地域センター内に集約的に運転管理される)
3.化学処理・炉機器解体及び廃棄物処理工場など
  (増殖炉と同様に地域センターで集中管理される)
 
以上


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