国から地方への税源移譲、補助金の削減、地方交付税の改革を同時に進める「三位一体」改革を巡って、地方分権改革推進会議と地方制度調査会が対立し、推進会議内でも税源移譲の先送りで委員間で対立している。このため地方自治の本来の姿を実現するといいながら一向に具体化してこない。
「官から民へ、中央から地方へ」という掛け声は良いし、「三位一体で改革する」という考え方も良い。但しこれらは方向を示すだけで、目的や目標が不明確であり、「やれる所からやる」という考え方に問題があり、やらなければならない事をまず明確にしなければならない。
現在はよく3割自治などと言われるように、地方公共団体は自治体というより、政府の下請け機関となっている。このため全国画一的な政府の施策によって無駄が多く、又地方公共団体も自立精神を失っている所が少なくない。このため既に国と地方の債務残高は高水準で、現在の制度・政策を続ければ財政破綻に至る恐れがあると骨太の方針で政府自身が認めている。
我々は地方が中央にぶら下がる現状から、地方が自立して国を支える形に変えることが、地方自治の実現であり、財政再建の基本であると考える。この為には次の事をしなければならない。
1.全国的行政組織の変更
地方自治を実現するためには地方の組織の変更がまず必要となる。人数が少ないと行政効率が悪いので、3000以上もある市町村を、基礎的自治体として平均40万人位の全国300程度の市にまとめ、都道府県も解体して10〜13の州にまとめて「市」の広域連合体として機能させる。これにより、住民と行政の距離を近づけ、税金を通じた住民参加を実現し、地方行政の意欲と活力を向上する。
2.国・州・市の役割分担の明確化
生活に密着したものは「市」が主権をもって取扱い、広域的に連携を要するものは「州」で扱い、「国」は国際公共財、ルールの設定・監視、調査・研究に機能を絞る。従って現在の省は全廃し、5庁制とする。
3.税源体系の転換
国は市場介入を撤廃し、民営化を進め、行政改革と事務移転で大幅に歳出を削減し、地方レベルでも再編効果、市場介入の撤廃、行政改革などで歳出の削減をはかり、その上で合理的に税源配分の転換を行う。
4.移行処置
以上の事を即座に実行することは不可能であるが、5〜10年かけて行政システムの変更、税源配分の変更、民営化などの移行処置を講じるアクション・プランを作って計画的に実現する。
以上の様に、出来ることからやるのではなく、やるべき事を明確にして計画的に処理して行くことが成功の秘訣である。
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