異文化探訪記


Tuesday, 22 October,2002    大連からハルピンへ8日間(その8)
 
[総括]
 
(旅程)
 98年の10月に中国本土に15日間の旅を行い、北京→蘭州→敦煌→西安→桂林→広州→上海→蘇州→上海と廻った。今回は東北地方ということで南から、遼寧省の旅順→大連→瀋陽、吉林省の長春→吉林、黒竜江省のハルピンと移動し、内蒙古自治区を除き、東北三省の主要六都市を観光した。僅か8日間であったが、満州を体感する最低限の旅であったと思う。ただ初日にいきなり旅順で203高地に登ったり、又吉林で388mの高句麗山城跡に登ったり、殆ど毎日都市間を移動したり、朝が早かったり、結構体力的にはきつい旅行であった。しかし同行者17名、高齢者ながら一人の落後もなかった。
 
(動機)
 もともと日本から近いのに出掛けたことがないというのが旅行の動機であるが、本年春ロシアを旅行した際、ロシア人ガイドがロシアは沢山戦争して勝ってきたが、日露戦争だけ負けて甚だ残念であると言ったのに刺激されたのも影響している。更に満州事変や満蒙開拓団などの歴史も調べていたので一度現場も見てみようという事になった次第である。ただ歴史をよく勉強して行かないと中国の反日宣伝に乗せられる怖れがある。
 
(ガイドの違い)
 中国本土とは地理的、歴史的相違があるばかりでなく、スルーガイドが同じ西安の旅行社からきているのに、本土では劉桂民君という男性が実にオープンマインドに何でも話に乗ってくれたのに対し、今回は倪華麗さんという若い女性で殆ど一言も発せず全く対照的であった。従って若者の意識だとか一人っ子政策の問題点について話し合うことができず、単なる表面的観光に終わったのは大変残念であった。ローカルガイドも何かスルーガイドに監視されているようで、あまり自由な発言が聞かれなかった。ただ長春のガイドは株は下がるしリストラが行われていると時代の変化を表現していた。
 
(一般印象)
 訪問した都市はいずれも予想以上に綺麗であり、立派であった。最近の経済発展のせいかも知れないが、古い市街は潰して新しい市街を再開発していた。
 又住民は勿論贅沢な恰好はしていないが、皆きちんとした服装で、髪型も含めて日本のように乱れておらず、明るい表情だったのはむしろ好感を持てた。
 一寸面白いのは、あちこちに一様に7階建てのアパートが林立しているが、これは7階まではエレベーターをつけなくてもよいからだという。
 又道路や都市を接続する鉄道もよく整備されているように思うが、駅前の車の超大混雑と道路横断の危険はやはり中国独特であった。
 ただ4年前の本土では、列車の軟座車は殆ど外人で、中国人は硬座車に乗っていたが、今回は公用か社用か知らないが、軟座車にもかなり中国人が乗るようになってきており、急速な時代の変化を感じた。
 食事は勿論全食中華料理であったが、味はどちらかというと中国の北の系統で、南の広州や上海ほど美味しいとは感じなかった。ただ大連の海鮮料理はやはり美味しかった。又一卓(九人)に三本位ビールがサービスされ、追加は一本5〜15元であり、地ビールの種類が多かった。
 尚大連やハルピンには一部の地域にロシアの影響が残っており、大連や長春の町中には今も日本の建物が残って使われている。
 
(歴史認識)
 現在の中国はCHINAといいながら支那とは呼ばせず、満州と言わずに東北地方と言う。又満州国とは言わずに必ず偽満州国という。又満州事変とは言わずに九・一八事変といい、支那事変と言わずに中日戦争という。
 今は満州でも漢民族が圧倒的のようであるが、清の時代には漢民族の移入は認められなかった。歴史的に万里の長城の北は北狄であり、扶余−高句麗−渤海−遼−金−女真−後金−清と連なり、明らかに漢民族とは別のグループである。現在も多くの少数民族が生活しており、中国が昔から満州を支配してきたわけではない事は明らかである。
 又満州国も独立国が著しく少なかった当時、欧州を中心に23ヶ国より承認されており、一方当時の中国共産党は国民党と内戦中であり、満州ではなんと自ら認めているようにテロ集団に過ぎなかった。
 にも拘わらず一方的な欺瞞的歴史認識を元に明らかな反日教育を行っているのは甚だ怪しからぬ話で、日本政府として明確な抗議を行い、受け入れなければODAは断固停止処置をとるべきである。
 具体的には瀋陽の九・一八歴史博物館の展示解説が問題であり、長春の旧満州国政府機構の建物を現在も全部利用しているにも拘わらず、一々偽満州国の名称を付加している。結局現在の満州は、中国の共産党独裁によって、完全に植民地的支配を受けているように見える。歴史認識の面で江澤民は実に怪しからぬ男であるとの感を深くした。
                      (おわり)
 
 

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