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2006年1月から、研修生を二人受け入れた。
どちらも非農家で、新規就農の希望者である。
私の研修生受け入れに対する考え方は、具体的かつ実践的に就農のノウハウを教えていくことにある。私自身の経験を伝えていくことで、彼らをより早く就農させていきたいと考えている。
私が新規に就農しようとしたときいくつかの公的機関に相談に行った。しかしいずれも具体的なアドバイスは受けられないばかりか、いかに農業が大変で、それで食べていくことは至難の技であるということばかりを説かれた。「新規就農の相談窓口」ではなく、「新規就農を諦めさせるための窓口」ではないのかとさえ思った程だ。
私は研修生と日々農作業をしながら、私の経験を具体的に話し、やる気さえあれば必ず夢を実現できるということを伝えていきたいと考えている。
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35歳独身。横浜で長年サラリーマン生活をしてきたが、農業への憧れを実現すべく昨年末で退社し、2006年1月初旬から永香農園で研修している。福津市の実家から軽トラックで通っている。
目指す農業スタイルはもちろん無農薬の有機栽培。品目はまだ確定していないが、多品種少量栽培で、直接消費者へ販売するような営業方法を考えている。
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妻子のある40代。広渡君に比べ条件は厳しいが、彼よりも農業経験は長い。若いときには外国を放浪した経験も持つ。福津市内から車で通っている。
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堆肥を撒く作業は重労働だ。この畑だけで12トンの堆肥を、全て手作業で撒いていった。
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初めてトラクタに乗った。使い方を教え、運転させてみた。ハンドルの切れ角が深いこと、ブレーキが左右分かれていること、クラッチを切らないと止まらないことなど車との違いはあるが、半日乗ればすぐに覚えた。多少の畝の曲がりはご愛敬。
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請負作業の合間の休憩。春の陽気に笑顔も出る。
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松尾君の畑が決まった。永香農園から5分ほどの地にある。池の畔の農業環境抜群の地だ。4枚に分かれてはいるが、約5反の畑が揃った。
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初めての集合写真。私と妻と、二人の研修生。二人が植えたニンニク畑にて。
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ヤーコンの畑にチップを撒く。二人で一輪車を使い、ひたすら撒いていく。
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広渡君は草刈りが上手になった。こんな複雑な地でも、実に巧く丁寧に刈っていく。
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手前に見えるのがヤーコンの苗。この畑に2000個のヤーコンが植わっている。手入れも大変である。
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引き抜き、結束し、運ぶ作業中。この後、茎を切り、ハウスに吊していく。
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6月下旬から、晴れ間を見てネギを定植した。奥の家まで70メートル。一本一本手で植え付けていく。苗はもちろん自家育苗したモノ。
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草刈りをした後のヤーコン畝。草刈り機でヤーコン畝の除草をした。ヤーコンを切らずに草だけを刈っていくのはかなりの技術がいる。彼らはもうそこまでできるようになった。
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友人の松本さんと児玉さんが来宅。研修生の二人も来て宴会を。左後ろから、広渡君、松尾君、児玉さん、松本さん、私。
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ニンニク畑に、モミガラと木材チップを撒いた。炎天下の中、4トンのチップと大量のモミガラ散布作業はきつかった。
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2006年1月から研修に来ていた広渡君(中)が新たな道を歩むことになった。自然農を勉強すべく福岡県二丈町にいく。その地で新たに就農地を探すことになる。長い間お疲れさん、そしてこれからも夢を諦めることのなきよう「本気」という言葉を贈った。体に気を付けて、頑張りやあ。
『本気ですれば大抵のことができる。
本気ですれば何でも面白い。
本気でしていれば誰かが助けてくれる』
※下記は広渡君の書いた研修感想文です。
「研修9ヶ月間を振り返って」
広渡寿一
昨年まで故郷を離れてサラリーマンをしていた頃、農業をやりたいと以前からの思いがあり、静岡の農業学校へ行こうと考えていました。
その年、実家に帰省した際、母が私のために何か参考になればと「永香自然農園」の記事が掲載された新聞の切り抜きを差し出しました。私が生まれ育った町で新規就農して有機農業を実践している方がいるとは自分にとっては意外なことであり、非常に興味深くその記事を読みました。
その後、年内に会社を辞めることが決まり、農業学校への希望と同時に、もし片岡さんの農園で研修生として受け入れてもらえるのであれば実家から通えるのではと考えるようになりました。農園を訊ねてみたいと思っていましたが場所も連絡先も判りません。そこでホームページとメールアドレスが出ていたので訪問希望との旨を伝えたところ、快く引き受けていただき大変嬉しくなりました。
早速出張ついでに実家へ帰り、その足で農園を訪れました。片岡さんは私の思いを聞いて下さり、就農の道標と農業経験を身に付けるのであればここに来ればよいと言って下さいました。非常に嬉しい気持ちになったのですが農業学校への思いもあり迷っていました。何度かメールでやり取りした結果、片岡さんの真摯な返事が印象に残ったのと、実践で就農への近道をと考え、お世話になることを決めました。
翌年1月5日から研修が始まりました。それまで農業経験といえば体験程度でしかなかった私にとって農業への第1歩でした。作業は農園で主としているアスパラでした。苗の定植、収穫を終えたアスパラの枝切りといった作業を行いました。片岡さんは的確な指示と実例を示して下さったので戸惑うことはありませんでした。小雪がチラつく寒い冬でしたが新鮮な気持ちで望めたので苦にはなりません。また休憩場所がハウスで、しかもストーブで暖をとることができたので気分も和みました。しかも奥さんである広見さん自家製おやつの差し入れまであり有り難い思いでした。
1月終わり頃、露地畑がある今西で周囲にある竹を伐採。竹が幾分荒廃していたのと太陽の光が畑に十分射すようにとのことです。作物を育てるには畑だけでなくその周囲の環境も視野に入れていかなければならないことを実感しました。堆肥撒き、ボカシ肥作りなど体力勝負の作業もあり実に変化に富んでいました。それは単調な作業一辺倒ではなく気分を切り替えられるように片岡さんが計画を立て、配慮していただいた部分もあるのでしょう。
新たに研修生として松尾さんが来るようになり、農園が賑やかになりました。私はどちらかといえば堅い話が多いので、松尾さんが加わり3人となったため会話が弾み緊張感が取れた気がします。勿論、片岡さんと2人だけの時間が窮屈だったわけではありません。
農園の地主である伊藤さんの応援依頼を受けてトマトの誘引や畑周囲に有刺鉄線を張る異なる仕事も経験しました。「ご苦労さん、助かった」と声を掛けていただいた時はそれぞれ別の農家でありながらお互い助けあう事の大切さ、人の繋がりの大切さを学んだ気がします。
4月、実習用として畑の一部を使って好きなものを植えてみないかと打診があり、午前中は研修、午後は実習の毎日となりました。興味がある野菜の種を買い、栽培に関する本を読み、自分なりにやってみましたが経験や知識が乏しく試行錯誤の連続でした。しかし芽が出てゆっくりではありますが成長していく様を見ていると楽しくなります。
素人である私は、土の状態や野菜の素質も良く判らないまま、無肥料に近い状態でやっていた事もあり、苗の成長に大きなばらつきが出てくるようになりました。芽が出ればうまくいくと想像していた自分にとって考えさせられる場面でありました。それはいかに片岡さんが綿密に堆肥を投入して土作りを行い、追肥などを行って作物を育てているか知らされる思いでした。
就農として土地を紹介していただいた時もありましたが、私の中では研修を少なくとも一年通してからと考えていたので迷った末、折角のご好意にもかかわらず断ってしまいました。出来るだけ早く土地を借りて就農へ踏み切って欲しいと願いがあったのでしょうが、私には一人でやっていく技量を備えていなかったため躊躇してしまいました。
春が訪れて新たにカボス畑とその向かいにある畑が加わり計5カ所となりました。全ての畑を合わせるととても広いものです。三人での作業なのでまだ良いのですが、これを一人でこなすと考えると気が遠くなります。農業は狭い土地では収益が上がりません。いかにして作付けを増やし、年中途切れることなく供給できるか大きな課題だと思います。また、後に土地探しを行った結果ではありますが、新規就農者が条件の良いまとまった土地を見つけることの難しさも感じました。
夏になり草の勢いが増し、草刈りの日々でした。単調な毎日が続いたのと、両親と先行きのことで揉めたこともあり何か気持ちが落ち込んでしまいました。今後どうしたらよいのだろうかと悩む時間が多くなったのです。私が目指している多品目少量栽培と、この農園でのあり方が違っていたのもひとつの理由でした。最初の「農業をやる」という気持ちが薄らいできたのです。
しかし、片岡さんは口を閉ざしつつある私に常に悩みの相談に乗り、一方で独立を促すよう働きかけて下さいました。その頃からもっと具体的に自分の道を作っていかねばと考えるようになりました。
以前より二丈町へ行く機会が何度かあり、そこの土地柄に魅せられた思いがありました。この地で農業を始めようと決め、土地を探すため知人や役場を訪ねてみましたが今だ見つかっていません。しかしかねてより片岡さんは、就農したい地域に腰を据えてじっくり探す方が良いと助言して下さっていました。とにかくあれこれ考えるよりは飛び込んで行かねばと気持ちが前向きになり引っ越しを決意いたしました。
9月、引っ越しの日が決まり研修を終えることになりました。月日が経つのは非常に早いものです。2月、3月頃はまだまだと思っていたのが暑かった夏を越えて過ごしやすい秋を迎えつつあります。ここでの研修生活は農業が孤独ではなく、様々な方と縁があり関わり合えるのだと強く感じました。研修が始まるまでは想像もしなかった他農家さんと出会えたこともありました。片岡さんのご自宅に招いていただき、お酒を飲み交わす日もありました。
新天地では新たな出会いがあることを期待すると同時に、今までお世話になった方々との繋がりも大切にしていきたいと思います。片岡さんとの出会いから約1年となります。これからも良き相談者、先輩としてお付き合い下さるよう宜しくお願いいたします。
ありがとうございました。
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平日は忙しいOL。週末の時間を作って研修に来ている。農業は将来の夢のひとつであるが、他の研修生のようにそれひとつに絞り込んでいるわけでは、まだない。若いから、これから色々な経験をしていきたいのだと。
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2週間前に自分で植え付けたニンニクの畝の除草作業をする高瀬さん。自分で植え付けただけに、一層愛おしい。
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市内から自転車で通う中道彩さん。自然環境問題を勉強してきて、農業も体験したいと2月から研修に来ている。興味のあることにどんどん突き進んでいく積極派タイプだ。
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カボス畑で草刈りをする中道さん 。草刈機も経験があるからと、すぐに使いこなした。
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