2003/05/29
第1位 七人の侍 監督 黒澤明 |
54年 東宝
世界中の映画人を圧倒した黒澤アクション映画の金字塔! 迫力ある戦闘シーンが輝きを放つ傑作時代劇!!
時は戦国時代。山間の農村に住む農民達は不作に喘いでいた。その上、付近の野武士達が野盗化し、収穫の時期になるとわずかな食料を狙って襲ってくるのだった。ついに追いつめられた村人達は、侍を雇って戦うことを決意する。貧しい彼らが与えられる報酬は「飯を腹一杯」。庄屋を襲った盗人を退治した腕自慢の勘兵衛は、村人達に懇願され侍探しを始める。そして勘兵衛を含めて五郎衛、平八、勝四郎、七郎次、久蔵、菊千代の七人の侍が揃った(このくだりは秀逸)。勘兵衛たちは村に柵を巡らせ、農民達に訓練を施して野盗たちの襲撃を待ち構える…。
黒澤明の代表作。迫力ある戦闘シーンの一つ一つが輝きを放つ。三船敏郎を始め、七人の侍それぞれのキャラクターを生き生きと演じる志村喬、宮口精二、木村功、千秋実ら俳優陣もそれぞれが素晴らしい。また、所々に織り込まれたユーモアやヒューマニズムも黒澤映画ならではの味わいを醸し出している。
10歳の時の映画だがオンタイムで観ている、その後も池袋の文芸座で観たり、ビデオで観たりとその都度新鮮だ、劇場の大型スクリーンでもう一度観て見たい。黒澤明の時代劇は傑作ぞろい。「隠し砦の三悪人」の千秋実と藤原釜足はスターウォーズのロボットに、「用心棒」はマカロニウェスタンに「七人の侍」はご存知荒野の七人にと世界の映画人に影響を与えた。また、「蜘蛛の巣城」は山田五十鈴が出色。(映画を観た後シェイクスピアのマクベスを読んだ)
「影武者」は残念だった長篠の戦をキッチリ撮れれば「七人の侍」に匹敵する映画になりえたと思う、ハリウッドの資本で撮ればと思う。
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2003/05/27
第2位 掛時次郎 監督 池広一夫 |
61年 大映
「沓掛時次郎」といえばいまさらいうまでもなく長谷川伸の数ある股旅物のなかでも最も感動的で、しかも颯爽とした名作だ。
高校生のとき友人のH君と周遊券で北海道を旅行した帰り青森駅で金が尽き夜行列車を待つ間に観た。
信州・沓掛生まれの時次郎(市川雷蔵)は渡世の義理から、六っ田の三蔵を斬る。苦しい息の下から三蔵に、女房おきぬ(新珠美千代)と倅・太郎吉の行末を頼まれた時次郎は二人を連れて熊谷宿まで逃げのびるがおきぬが病に倒れた。熊谷宿は貸元の徳兵衛と助五郎の兄弟分権蔵との出入りが始まろうとしていた。時次郎は、徳兵衛の助っ人をかって出た。そして助五郎を倒したが、おきぬは息絶えてしまった。おきぬの父親に太郎吉を託した時次郎はまた旅に出るのだった。橋幸夫の主題歌「拗ねてなったか性分なのかー」がいい、もう泣けて、泣けて。市川雷蔵は、忍びの者、眠狂四郎もいいがこの1本、37歳で世を去ったのは69年7月17日。
併映の美貌の都(宝田明・司葉子)ともども今でもハッキリ思い出す。
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2003/05/25
第3位 宮本武蔵 監督 内田吐夢 |
61年 東映
吉川英治原作の「宮本武蔵・全五部作」を年に一作づつ映画化し、五年がかりで完成させるという壮大な構想で始まった。錦之助の武蔵、木村功の又八、入江若葉のお通、丘さとみの朱実、高倉健の佐々木小次郎、さらに三國連太郎の沢庵といった顔ぶれで、武蔵の成長を錦之助の成長とあわせて内田吐夢が撮りきった。
「笛吹童子」から「柳生一族の陰謀」まで東映時代劇を支えきった大スタア中村錦之助。源氏九郎の颯爽とした二刀流、一心太助のいなせな町人、森の石松、清水の次郎長の任侠もの、番場の忠太郎、沓掛時次郎の渡世人。何を演じても錦之助の魅力が溢れている。錦之助を変えたと言われる「風雲児 織田信長」から二年後「宮本武蔵」が撮られ、第五部「巌流島の決闘」が撮られた65年で東映時代劇の全盛時代は終わった。錦之助はその後テレビで子連れ狼、破れ傘刀舟、竜馬がゆくなど、眉をそり白塗りをしない精悍な姿で活躍していたが、肺炎のため逝去(享年64歳)3月10日午後2時41分。残念。
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2003/05/23
第4位 椿三十郎 監督 黒澤明 |
62年 東宝
時代劇のベスト10を選ぶと半分以上が黒澤明監督になるぐらい好きだか、もう1本これを取り上げたい。
領主が江戸に上がっている間の城内で起きた贈収賄事件に立ち向かおうとする若侍たち。その密談を、たまたま立ち聞きした椿三十郎(三船敏郎)は、若者たちの無思慮を心配して、加勢することになる。敵役(仲代逢矢)との鬼気せまる一騎討ちの間合い、斬ったときの3メートルも上がる血飛沫、皆んな立ち上がって拍手をした。
前作「用心棒」の好評に答えてこの年の正月映画(1/1封切)として公開された。東映のオールスター映画に対抗するように、若侍に加山雄三を始めとする若手俳優を起用、入江たか子、団令子、小林桂樹もみんなはまり役、特に最後にちょつと出た伊藤雄之助のとぼけた家老はもうけ役だ。お正月映画らしいコミカルタッチに描いた娯楽作品、黒澤明にもう少しこんな映画を撮って欲しかった。黒澤のビデオは殆ど持っている、そろそろDVDに買い替えようかな。
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2003/05/20
第5位 座頭市物語 監督 三隅研次 |
62年 大映
27年間で26作も作られた勝新太郎のライフワークになった作品。
子母沢寛の短編を映画化した、シリーズ第1作。全編を通じて抑えた表現を通している中で、座頭市の居合の鋭さを見せる部分だけはケレン味たっぷりに描くなど、メリハリの効いた演出が見事、この作品では、座頭市と平手造酒1対1の真剣勝負が見所。
後のスーパーマンになってしまう前の、かなり人間臭い座頭市と平手造酒のキャラクターの描写も彫りが深く秀逸だ。壷振り、居合い抜きで、目明きの及ばぬ凄腕である座頭市は飯岡助五郎の客分となる。彼は釣りで知り合った肺病やみの浪人・平手造酒に友情を感じるが、彼は助五郎と犬猿の仲である笹川繁造の食客であった。天知茂の平手造酒は出色。シリーズでは森一生、岡本喜八らもメガホンを取ったが、最後の二本は勝新自身が監督を勤めた。78年にアヘン所持事件を起こし、80年には「影武者」降板、81年には勝プロダクションを倒産させ、90年には麻薬所持で逮捕など世間を騒がせたが、破天荒な生き方は映画にかける情熱とあいまって勝新の魅力となっている。97年6月21日、ついに帰らぬ人となった。享年65歳。
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2003/05/15
第6位 13人の刺客 監督 工藤栄一 |
63年 東映
話は、将軍の弟の明石藩主がバカ殿で、乱暴狼藉のしほうだい。彼を老中にさせないために、幕府は正面きって反対できないので、刺客を送り込む。刺客は全部で13人。明石藩主が参勤交代で国元に帰る道筋を襲う計略をたてる。相手は百人を越える大名行列。まともに闘っては勝ち目がない。一つの宿場町を買い取り、仕掛けをつくりこんだ迷路にする。ここに本体と分離させた藩主一行の小部隊を追い込んで闘う。この計略、作戦がめっぼう面白い。
ラスト30分におよぶ集団チャンバラも、せまい路地を活かし、様々な殺陣を延々とみせてくれるが、みな、けっして、恰好よくない。本当のきり合いってこんなもんかなと思う。
東映時代劇のスタアシステムが行き詰まり起死回生をかけて作った大作、片岡千恵蔵、嵐寛寿郎、西村晃、内田良平、里見浩太郎、藤純子、丹波哲郎、山城新伍と新旧入り混じった俳優の集団劇。
チャンバラシーンは57年新東宝の嵐寛寿郎の「修羅八荒」が最高、敵と会えば(すぐ会う)即チャンバラ『アラカン』は最高、この映画にも出ている。
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2003/05/14
第7位 切腹 監督 小林正樹 |
62年 松竹
生活に困窮した武士が、藩邸の門前を借りて切腹をして武士らしく死にたいと申し出る。どこの武家屋敷でも玄関先を血で汚されたくないので、いくばくかの金を与えて追い返す。津雲半四郎なる武士も彦根藩邸でそれを申し出るが、それはたかりであって以前にも同じような若者がいた事を、伊井家の家老が話し始める。無残にも娘婿を切腹させた伊井家への復讐のため、その切腹に立ち会った三人の凄腕の家臣の髷をとる、それぞれの決闘場面は胸のすくものがある。最後に大殺陣が繰り広げられた末、半四郎は自ら切腹して果てた。社会派といわれる小林正樹が人間の条件でトコトン付き合った仲代達矢と橋本忍の脚本で初めて撮った時代劇。演技派、仲代達矢と個性派、三國連太郎の丁丁発止のやりとりがみもの。脇役陣も芸達者を揃えた傑作。
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2003/05/13
第8位 薄桜記 監督 森一生 |
59年 大映
五味康祐の原作を読んでから映画を観た。大映時代劇の若き世代を狙う市川雷蔵と勝新太郎が、隻腕の剣豪丹下典膳、赤穂義士随一の剣客堀部安兵衛となって、火花を散らして競演する。
吉良家討入直前の堀部安兵衛の回想によって物語は展開。安兵衛の高田の馬場への駆けつけというスピーディーな決闘、そこを通りかかった丹下典膳との出会い。二人がそれぞれに破門され、互いに織りなす意外な運命が二転、三転。安兵衛は播州浅野家へ、典膳は千坂兵部の知遇に応えて吉良の付人と、それぞれ仕えることになる。二人が皮肉な立場へと追い込まれる中で、武門の意地と友情を描き出す。
市川雷蔵の陰に隠れがちだった勝新太郎を直接ぶつけて売り出そうとした大映だが、離縁した妻の兄に黙って片腕を斬られ隻腕になった剣士を悲壮感たっぷりに演じる雷蔵には及ばなかった。勝新はこれで白塗りをやめ、不知火検校、座頭市物語と独特の存在感をもつ役者になっていくのは3年後だ。
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2003/05/10
第9位 新吾十番勝負 監督 松田定次 |
59年 東映
若い頃の吉宗が町娘のお鯉との間に1人の男の子をもうけた。その子の名前は美女丸という。ある嵐の日、美女丸が男にさらわれる。その男とはお鯉の許婚であった間崎庄三郎である。それから、二十年、美女丸は梅井多聞道場で凛々しい自源流青年剣士に成長していた。将軍となっていた吉宗は庄三郎を許し、美女丸に葵新吾という名前を与える。
師匠の梅井多聞が剣のライバル武田一真(月形龍之助)と戦って破れ、新吾は「多聞先生の仇」と一真を倒す決意、そして武田一真を追い旅立つ。将軍吉宗の御前試合で一真に勝ちお鯉の方と吉宗と親子の対面をする。実父吉宗から諸国往来自由のお墨付きと捨て扶持一万石を授けられた新吾は、剣一筋に生きる決意をする。
新吾十番勝負4部作、二十番勝負3部作、新吾番外勝負と計8本作られた大ヒットシリーズ。
錦之助とともに東映時代劇全盛時代を担った、長谷川一夫を継ぐ美男俳優、若様侍捕物帳で人気を博しこの作品で人気を不動のものとしたが、62年大島渚監督の「天草四郎時貞」では大ブーイング、後にテレビに移り、「銭形平次」は888回に及ぶ長寿番組になったが、84年59歳で亡くなる。
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2003/05/08
第10位 忠臣蔵 監督 渡辺邦男 |
58年 大映
明治43年から今まで忠臣蔵をテーマにした映画は34本、戦後だけでも14本作られている。
江戸城下向の勅使接待役に当った播州赤穂城主浅野内匠頭(市川雷蔵)は、指南役吉良上野介(滝沢修)から侮辱を受け、城中松の廊下でついに上野介に刃傷におよび即日切腹。大石内蔵助(長谷川一夫)ら四十七士が無事本懐を遂げるまでの大叙事詩。大映永田会長の悲願、忠臣蔵を映画の職人渡辺邦男が勝新太郎、鶴田浩二、京マチ子、山本富士子ら豪華配役陣で天の巻、地の巻あわせて3時間の大作に仕上げた。
初めて観たのは54年松竹の忠臣蔵「松本幸四郎(先代)の内蔵助」その後東映で片岡千恵蔵、市川右太衛門、東宝で再び松本幸四郎、最近では高倉健が新解釈(四十七人の刺客)の内蔵助を演じている。
NHKでジェスチャーの司会をしていた小川宏と大学時代の同級生だといつも言っていた高校の社会の教諭が62年東宝の忠臣蔵(松本幸四郎、現幸四郎の父)を観て泣けて、泣けてと感激し『お前らも観ろ』と言っていたが、大映の忠臣蔵が一番、市川雷蔵の内匠頭は最高。
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