肝臓病教室

急性肝炎の特徴 C型急性肝炎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2006年06月16日
■輸血や入れ墨などで感染
 C型急性肝炎はC型肝炎ウイルス(HCV)の感染を契機として起こる病気です。HCVはフラビウイルス属に属するRNAウイルスで、後述するG型ウイルスや、野口英世博士で有名な黄熱病ウイルスやデング熱ウイルスなどがこの仲間です。わが国では人口の約1.4%がHCVを保有しているといわれています。HCVをもっている保有者の血液を介して感染します。血液を介して感染するわけですから基本的にはB型急性肝炎と同様の感染ルートにより感染しますが、HCV保有者の血中のHCV量はHBV保有者に比べて大幅に少ないので、感染ルートは限られています。つまり輸血や入れ墨、針刺し事故など直接的に血液と接触するルートで感染しますが、性行為などではあまり感染しません。夫婦間感染も一生で数%と考えられています。わが国では日赤により供血者に対して第2世代のHCVは抗体のスクリーニングを行うようになってから、それまで年間16万人存在した輸血後C型肝炎の患者数が数百人程度に激減しました。これまでも輸血以外のルートで感染、たとえば針を換えない予防接種、入れ墨、民間の針治療などでも知られていましたが、C型肝炎の知識が普及し、使い捨て針などが普及するようになり、C型急性肝炎の患者数全体がわが国では激減しています。事実この2?3年、私どもの病院でもC型急性肝炎をみることはまれになりました。
 
慢性化しやすいC型
 C型急性肝炎がA型、B型肝炎ともっとも異なる特徴は、慢性化しやすい点にあります。輸血後は60?70%、非輸血後でも40?50%、成人であっても慢性化します。この理由は免疫学的な排除反応が弱いためではないかと考えられています。そのためかA型やB型の急性肝炎と比べて症状が緩やかで、輸血後C型肝炎の半数くらいはまったく症状がみられず、検査をしなければ肝炎を発見できません。知らないうちに病気になっていて、しかも慢性化してしまうという意味ではC型肝炎は怖い病気です。
 C型肝炎の検査法には一般に第2世代や第3世代の抗体測定法と、PCR(polymerase chain reaction)といって微量の核酸を試験管内で大量に増幅させる方法により、HCVの核酸、つまりRNAを検出することで診断します。HCVが急性に感染した場合は1週間程度で肝臓で増殖したHVCのRNAがPCRで検出できるようになります。抗体の産生は遅れて1カ月後ごろですから間に合いません。ですから、急性C型肝炎は原則としてHCV RNA の検出で診断します。
 
与芝 真 : 肝臓病の生活ガイド, 医歯薬出版, 東京, 1998 より改変
 
 
 
 

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