以前にもアピストの繁殖飼育に関することは記しましたが、今回は産卵後の雄の隔離について記してみたいと思います。
以前、<アピストの産卵〜その2>でバエンシィ(旧インカ50)の産卵記事を掲載したとき産卵後、雄を隔離したと書きました。
しかし今になってこれが本当に正しいことなのか疑問に思えてくるようになりました。
確かにマニュアルでは雄を隔離することが一般論になっていますが、これもその時の状況に応じて行うことであって安易に雄を隔離することは果たして良いのかと思ってしまうケースが最近起きています。
ではまず雄を隔離する理由についてまとめてみたいと思います。
1.産卵後、雄のプレッシャーによる雌の食卵の危険性。
2.産卵後、雌の攻撃によって雄が死亡する危険性。
3.稚魚浮上後、食仔する危険性。
など他にも色んな理由が考えられますがここではこの3ケースに絞ってみたいと思います。
1に関しては産卵以前に雌も産卵床を確保しておりよほどのことが無い限りありえないとは思います。
むしろ雄のプレッシャーよりも無精卵、水質の変化などの飼育環境全般による他の要素によって食卵すると思われます。
2に関しては産卵してなくてもありえることで水槽内に多数の障害物などを設置してあげれば解決できると思います。
3も1と同様個体同士のプレッシャーにより食仔をすると言うよりはその他に原因があるのではと思われますし、2と同様多数の障害物を設置すればある程度解決できるのではと思います。
基本的に雄を隔離するケースは2のケースによるものと思われます。
2のケースに当てはまらなければ雄の隔離の必要性は無いのでは?と思い我が家では2のケースが発生しない限り雄の隔離を行わず稚魚がある程度育つまで親魚と稚魚を一緒に飼育するようになりました。
我が家での実践
1.ジュルアエメラルド
産卵前:比較的雄雌の仲も良く安心して飼育できる状況でした。
雌が産卵床を確保しても雄に対して威嚇はするもののじゃれあう程度でした。
産卵後:産卵前と同じ状況。
稚魚浮上後:雄雌ともに仲良く稚魚の仔育てを行い混泳シーンも見ることも出来ました。3週間後に親魚と稚魚を分けました。
2.ビタエニアータ・マムリ
産卵前:雄が強く一時は雌の隔離を考えましたが、雌も上手く雄の攻撃をかわしていました。
雌が産卵床を確保すると立場が逆転しました。
産卵後:雌の威嚇、攻撃が激しくなりましたが多数配置した障害物のおかげで雄も死亡までは至りませんでした。
稚魚浮上後:雌は雄に対して威嚇はしますが攻撃は幾分緩和し雄が雌と稚魚の周りをうろつき両端にある別個体のアピストにガラス越しから威嚇、攻撃をしていました。
この光景はどう見ても他魚から稚魚を守っているように見えました。8日後に稚魚と親魚を分けました。
3.ビタエニアータ・テフェ
産卵前:お互いのテリトリーに侵入してきた時に威嚇、攻撃をする程度でした。
どちらかというと雄が強かったです。
産卵後:雌が餓死するのでは思うくらい産卵床からまったく離れず結構長い間、産卵床になっていた植木鉢の中に引きこもってました。
たまに顔を出すと雄がちょっかいを出して雌も逃げる有様でした。
なので食卵も考えました。
稚魚浮上後:通常なら産卵後から雌が強くなると思っていたのですがそれほどでも無かったです。
どちらかというと雌が幾分強い程度です。
稚魚浮上後も雄が雌にちょっかいを出してました。
それがエスカレートしてしまいには雄が雌を追い回すときもありました。
両端のガラス越しの個体に対して雄雌とも激しく威嚇、攻撃行動を見せ雄雌とも稚魚がガラス面に近づくと口に入れ障害物や安全と思われる場所に移動させてました。
最後には雄が雌から仔育て権を完全に奪い稚魚も雄の周りに集まるようになりました。
1週間後に稚魚と親魚をわけました。
以上のとおり雄がいても食卵、食仔なく雌が雄を痛めつけることもなく期間的に差はあるにせよ、雄雌一緒に仔育てが出来ました。
この実践は意図的というか偶然的な部分もあって以後、色んな個体で比較、観察してみるべきだと思ってます。また雄雌一緒に仔育てをさせるメリット、稚魚に与える影響なども今後考えていくべきだと思ってます。
結論としては自分は出来るだけ雄を隔離せず飼育したいと思ってます。
最近上記の実践経験を通じてこちらの方が自然、自生地の繁殖方式に似ているのではと思えてきました。
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