自分は戦争経験の無い平和な時代に生まれた世代になる。
いつもこの時期になると大学時代のR教授のことを思い出す。
大学時代この時期、自分はちょうどサッカー部の合宿で一年で一番厳しい練習を行っていた。
朝から10km走、朝食後午前9時から11時までフィジカルを中心にしたインターバル、午後は1時から4時まで試合形式の練習を休まずぶっとおしで行う。4時からまたまた10km走。その後個別に筋トレ。
練習が終わるのは7時頃。
こんな練習を合宿期間中約3週間休まずこなす。
中には途中でへばって逃げる者もいた。
こんな練習をこなすのでその後行われる試合は多少相手より技術は劣っても走力や精神力では負けることは無い。
合宿中の練習を考えると45分ハーフの試合なんぞ楽に感じてしまう。
今考えると恐ろしいことをしていたと思うもんだ。
こんな非科学的練習をこなして死にそうになっている8月6日にR教授が必ず焼酎片手に合宿所に訪れる。
そして同じ学部のサッカー部の連中を呼んで酒盛りが始まる。
もちろん合宿中は禁酒禁煙。
けどこの日だけは我が学部のサッカー部だけは無礼講だ。
教授は広島出身の被爆経験者。
この日は一人でいると過去の事を思い出し淋しくなるらしい。
若い連中と一杯飲みながら楽しく過ごしたいようだ。
日頃厳格な教授もこの日だけは歌う踊る。
自分たちも一緒になって疲れも忘れてはしゃぎまくりだ。
酒宴も終盤に入ると教授がゆっくり語りだす。
被爆経験の話。
教授は若い世代に色々と伝える義務があると言いながら語りだす。
4年間同じ話を聞いた。
変な言い方になるがある意味、毎年興味を持って話を聞いた。
年々、聞く自分の感じ方が違うので自分が成長しているのを感じることが出来て悲惨な話ではあるが嬉しい気持ちにもなったもんだ。
自分は戦争体験もなくもちろん被爆した経験も無い。
平和な時代に生まれて本当に良かったとつくづく感じる。
しかし平和におぼれて過去の事をうやむやには出来ないと思う。
綺麗事とかそんな事を言われようが今自分が出来る事は教授の語った悲惨な過去を自分よりも若い世代に伝える事だと思ってる。
この時期になるといつもこんな事を考えては平和ボケしている自分に活を入れる。
これもR教授のおかげ。
本当に感謝している。
久しぶりにあの時のように一杯やりたい。
そしてまたあの時のように話を聞きたいもんだ…
最後に広島で被爆され亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。
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