2008/4/14


8              〃      Part2
更新日時:
H18年1月29日(日)
「すごぉーい!なんで、サンガそんな事まで、わかっちゃったのぉ〜?」
 
って。
それには、サンガはもちろん、「えっ?」て驚いちゃう。
そんなサンガの驚きに気付かないトーワくんは、「あのねぇー、実はね・・・。」と話を続けようとする。
もちろん、サンガは、「おい、待てっ!!」と慌てて止める。
私も心の中で、必死で叫んでた。
 
お願い・・・トーワくん、何も言わないで!!
 
って。
だけど、そんな勝手な思いなんて、神さまが聞き入れてくれるわけがない。
トーワくんの口は、私とサンガに知らなかった現実を語った。
 
「チナリは、そぉーきの事が、大好きだったんだよ。
それでねぇー、チナリと蒼輝は、結婚する予定だったんだぁー。
おじいちゃんや国のみぃーんなも、大賛成だったんだよぉー。」
 
トーワくんの声が聞こえたあと、私の耳に何かが床にぶつかった音が聞こえた。
その音にサンガが、勢いよく振り返る。
 
「おいっ!翠っ!しっかりしろ!!」
 
そういって、サンガは私の元へ来てくれる。
床にぶつかった音は・・・私が、しりもちをついた音だった。
情けない事に、私は体中から力が抜けてしまい、その場に座り込んでしまった。
サンガが、私に必死でかけてくれている声も、トーワくんが私の様子に驚いて、自分が余計な事を言ってしまったと慌てて口を抑えている姿も・・・見えてるし、聞こえてるけど、頭の中に何一つ入ってこなかった。
その時に気づいた。
私の胸の奥で、ザワザワとうごめいていた物。
それは、チナリさんと蒼輝の『本当の関係』だったんだ。
私は、心のどこかで、勘付いていた。
前に、『蒼輝がチナリさんに対して後ろめたさがある』とトーワくんが口にして、それをヒビキさんがすごい剣幕でトーワくんの口を止めた。
その時に、蒼輝とチナリさんの間には、兄妹って事、以外にも何かあるんじゃないかと思っていた。
だけど、まさか、2人が愛し合っていたなんて・・・。
それじゃあ、王として大切な豹の力を失ってまで、チナリさんを救おうとした蒼輝の想い。
そして、蒼輝を豹に戻す為に、命の危険を覚悟で試みて、命を失ってしまったチナリさんの蒼輝への想い。
これは、家族愛じゃなくて・・・純愛?
そんなの・・・私に入り込む隙間なんてないよ。
蒼輝が私を守ろうとしてくれているのは・・・。
愛してくれているのは、チナリさんの身代わり?
彼女と同じ私が『女豹』だから?
心の中で色んな事を考えて、私は胸が押しつぶされそうになる。
自分一人じゃ、かかえきれなくなって、私はたまらず泣いてしまう。
その姿を見ていたサンガが、私を優しく強く抱きしめてくれる。
 
「大丈夫だから。」
 
サンガのその優しい言葉に私は、たまらずサンガに抱きつく。
そして、涙声になりながら、必死で彼に言った。
 
「助けて・・・サンガ。」
 
って。
彼は、「大丈夫。大丈夫。」とただそれだけをいって、私の髪をなでてくれた。
私はこれから、どうしたらいいの?
私は一体・・・誰を愛して、誰を信じたらいいの?
もう何も信じられなくなった。
だけど、これだけは信じる・・・いや、信じたかった。
ボロボロになった私を、支えてくれているこのぬくもりを・・・。
私を抱きしめてくれているサンガのぬくもりだけは、嘘じゃないって・・・それだけは、信じたかった。
 
☆☆☆7章 END☆☆☆
 
 



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