どんなに遠くでも、その存在を知らせるSAKURA。
太くて頼れる木には、似つかわしい程の繊細な花びら。
手のひらに簡単に乗ってしまうほど、小さい。
向こうの景色が見えてしまうほど、薄い。
一枚はこんなにも無力なのに・・・。
たくさん集まると、こんなにも目立つ・・・。
強くて、たくましくて、そしてそれは・・・心を潤す。
どうしてだろう?
あなたを見ると、心が安らぐ。
どうしてだろう?
あなたを見ると、笑顔になる。
どうしてだろう?
あなたを見ると、天からの涙を・・・きらってしまう。
天よ・・・どうか、泣かないで。
この幸せを消さないでと・・・。
私は、あなたの命乞いをしてしまう。
だけど、あなたは教えてくれた。
あなたにも、強さがあるのだと。
自分の意志で、命を伸ばす事も出来るのだと・・・私に教えてくれた。
だって、ほら?見てっ!
1枚になったあなたは、ヒラヒラと舞って・・・。
そして、行き先は、地?
ううん、あなたは、違った。
あなたは、地へは行かずに、空へと昇っていった。
あなたの命を救ったのは、風。
あなたを、青空へと、運んでくれた。
見るはずもないあなたを、私は地上から離れたこの高所で、見るの。
それも、上から下に堕ちるSAKURAじゃなくて、下から上に登るSAKURAを・・・。
私は、あなたに見とれていた。
ビデオの巻き戻しでしか見れないシーンを、私はナマで見ているんだもん。
私が、まるで、ビデオの中にいるみたい。
私が・・・一旦停止してしまった。
呆然と立ち尽くす私の瞳とあなたの薄ピンクの花びらが、重なり合う。
「そんなに、みつめないで。」
あなたのそんな声が聞こえた気がした。
私の熱い視線を受けながら、あなたはそのまま、鳥たちとたわむれながら、とても楽しそうに、天へと登っていった・・・。
私に、命の強さと、自然の強さを、まざまざと見せつけながら・・・。
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