山の上にある露天風呂。
ここから、見えるものといえば、決まってる。
緑に覆われた、大きなたくさんの山々。
そして、雲一つなく深い青い色をしている、綺麗な空。
それを見ていると、思うの。
「こうやって、前を向いて、進まなきゃ。」
ってね。
人生は、前を向いて歩くもの。
そうしなきゃ、生きていけないって・・・。
そう思っていたんだけど・・・。
私は、お風呂から上がろうと、立ち上がる。
その時、私の視界に入ってきたのは、正面にそびえていた山でも、広い空でもなかった。
それは、この小高い場所より下にある土地。
そこには、ろくなものがないと思っていた。
私に、感動を与えるものなどないと思っていたのに・・・。
「す・・・ごい。」
おもわず、見とれてしまった。
均等に埋められた桜が、綺麗に咲き誇ってる。
その間には、色とりどりの水仙が、こちらを見てる。
夕暮れ時、少しずつ色が付き出した窓。
それを見て思ったの。
これは、歴史だって・・・。
人生は、生きれば生きるほど、その人の歴史が出来るでしょ?
それは、自然も一緒なんだって。
草木が生きれば生きるほど、自然にも歴史はできる。
上を向いて、山や空が美しくし生きているように、下で生きてきた物たちもいる。
まるでそれは、過去と未来のように見えた。
下で生きるものたちは、こうやって、積み重ねて生きてきた過去。
そして、上を見上げ、勇気を与えてくれる広大さと温かさをくれるのは、未来。
そう気付いたらね、思っちゃったの。
私の人生はどうだろう?って・・・。
私の過去も、自然の過去のように、素晴らしいものだったろうかって?
たまには、後ろを振り返って、自分の人生を見てみるのもいいかも?
だって、自分が、誰よりも知っていて、詳しく語れる『人生』なんだよ。
たまには、後ろを向いて、大笑いするのも・・・いいんじゃないかな?
自分を知り、認めることは、大きな力になる。
きっとその力は、大きな山や広い空にも負けないくらいの、素晴らしい未来への第一歩につながるはずだから・・・。
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