最終更新日:H19年4月15日




 4月15日   最高級のおもてなし (ポエム)
息を荒らしながら、私は急斜面を登る。
フラフラとよろけ。
それでも、必死で斜面を登る。
20分後、行き着いた先は、小高い山の頂上。
ここから見る景色は、私に笑顔をくれた。
なんていうんだろう。
いろんな想いを抱えていた自分が・・・。
いや、自分の人生そのものが、すごくちっぽけに思えた。
悩む事。不満に思う事。腹が立つ事。
そんな人生において、重要と思えていた全ての物が、とてもちっぽけで、そして・・・笑えた。
 
「しょーもない。」
 
そう言えちゃうくらい、自然は私を解放してくれた。
 
「ありがとね。」
 
知らないうちにそう囁いていた。
もちろん、返事なんて期待してない。
っていうか、ないでしょ。
相手は、自然なんだから。
でもね、自然は、やっぱり、すごいんだよ。
不可能を可能にしちゃうんだもん。
私に、ちゃんと返事をくれた。
あたりの木が、急にザワザワとざわつきだした。
 
「な・・・何?」
 
私がそう言った瞬間、急に突風が吹き荒れた。
帽子が飛ばされそうになる。
慌てて、帽子を押さえて首をすくめ、目をつぶりかけた私の視界に入ってきたものは・・・。
 
「何・・・これっ!」
 
つぶるはずだった瞳は、この上ないくらい開いてた。
周りにあった花たちの花びらが、目の前を舞う。
緑の芝生が、そよそよと揺れ、まるでそれは、波のように揺らめいた。
大きな杉の木が、葉を順番に揺らし、音楽を奏でる。
ここにいる全ての者たちが、私を歓迎してくれているようだった。
 
「あんたたちは、すごいよ。」
 
笑顔で言った私の言葉に、彼らの演奏は、ユックリとおさまっていく。
そして、やがて、信じられないくらいの静けさが、辺りに広がった。
さっきまでの、演奏会が嘘のようだった。
 
どんなおもてなしよりも。
どんな言葉をかけられるよりも。
彼らのおもてなしに勝るものはないだろう。
そして、私は口にする。
 
「また・・・来るから。」
 
心が小さくなった時。
何もかもが嫌になった時。
私は、また、ここに来るだろう。
あなたたちの最高級のおもてなしを求めて・・・。


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