最終更新日:H19年4月15日




 6月6日   単純(ポエム)
電気屋さんに行った。
目的の物があるフロアーまで、真っ直ぐに行くつもりが、私の体は途中で止まってしまう。
そして、私はまるで、それに引き寄せられるように方向を変更する。
それは・・・通路に設置されていたガチャガチャ。
ミニチュアのフィギュアに目が無い私は、一つのガチャガチャにくぎづけになる。
それは、ドリンクのフィギュア。
12種類あって、どれもかわいい。
早速しようと、お財布を手に取る。
小銭入れを見て、思わず動きが止まる。
「10円玉しかない・・・。」
ガッカリの私。
でも、私の横には強い味方がいた!
「マーちゃん!お金貸して。」
マーちゃんと呼ばれた人は、私にアッサリと200円を差し出す。
1回100円のガチャガチャ。
キャ〜!2回出来るじゃん?
そう心で万歳の私。
だけど、1回200円と思っているマーちゃんには・・・内緒。
踊りだす心を隠して、
「ありがとう。」
とクールに答えちゃう私。
さっ、さっ!頑張っちゃうわよ!
何がでるかな〜。
ドキドキの私。
100円を入れて、慎重にダイヤルを回す。
「ゴト。」
と音を立てて、カプセルが落ちてくる。
この重い音。高価な物が落ちてきたような音。
期待を胸に私はカプセルを手に取る。
紙が入っていて中が見えない。
気持ちがあせり、うまくテープが取れなくてイライラする。
やっとの思いで開け、待ちに待ったフィギャアとのご対面。
それは、『アミノバリュー』の名前をチョット変えた『アシノバスー』(『足伸ばす』という意味みたい・・・イラストが足を伸ばしてました。)。
狙っていた物ではないけど・・・。
ま、まいいや!
もう1回あるし!
私は、次にかけて100円を投入する。
「あれ?200円じゃなかったの?」
というマーちゃんを完全に無視して私はダイヤルを回す事に集中する。
「ゴト。」カプセルが姿を現す。
ドキドキしながら、カプセルを開ける。
「わぁ〜〜〜!!!」
思わず叫んでしまう。
私の手に握っているフィギュアを見て、マーちゃんはこういう。
「一緒やん!もったいないな〜。」
って・・・。
12種類もあるのに・・・一緒のが2つ。
しかも、『アシノバスー』やし・・・。
ガッカリの私。
あまりのショックに、最初の目的も忘れて、電気屋を後にして車に向かう。
「買い物よかったの?」
マーちゃんの言葉も耳には届かない。
自分のくじ運の悪さに、ホトホト嫌気がさす私。
車に乗り込む。
すると、マーちゃんがある事に気付く。
「なー、これ、光ってるねんけど・・・。」
「光る??」
フィギュアを2つ共マーちゃんに渡していた私は、光ってるなんて全く気付かなかった。
1つ受け取る。
けど、光っていない。
「光ってないで!」
という私に、
「光ってたって!!」
と言い張るマーちゃん。
信じない私に、フィギュアの入っていたカプセルを渡す。
「何か紙入ってるやん。見てみなよ。」
私は、仕方なくカプセルを手に取り、中に入っている紙を手に取る。
それには、12種類のフィギュアの写真が載っていた。
見れば見るほど、他のは・・・かわいい。
余計、むなしくなる私。
そんな私の目にとまったある文字。
『12種類のうち、この4種類だけ、ボタンを押すと光ります?』
そして、その4つが写真で載っていた。
「アシノバスーが・・・載ってる!!」
私の言葉に、マーちゃんもその紙を覗き込む。
「ここ、押せば光るねんて!」
と言って、私はマーちゃんが持っているアシノバスーに付いている上のボタンを押す。
オレンジの光がピカ!っと光る。
「おお〜!!これや!
さっき、これが知らない間にどっかに触れて光ったんやな!」
と言いながらマーちゃんはうれしそうに、何度もボタンを押してピカピカやってる。
「この光るの、12種類のうち4種類しかないんやて。
3分の1の確率やな。」
その私の言葉に、マーちゃんは目を輝かす。
「じゃあ、同じのやったけど、すごいやん!
どうせなら、光った方がお得やし、かわいいもんな!
あんた、運がいいやん!」
『運がいい』・・・。
その言葉に、沈んでいた私の心は、一気にテンションが上がる。
同じのが2つ出た事にショックを受けていた私は、跡形も無くどこかへ行ってしまった。
スッカリ元気になった私は、我に返って思い出す!
「あっ!買い物あったんや!
ちょっと、買ってくるわ。
待ってて〜。」
と財布を手に取り、車を飛び出し、また電気屋に向かって走り出す。
「ホント、単純な子やな〜。」
とつぶやいたマーちゃんの言葉など、その時の私の耳には届いていなかった。
        END
 


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