最終更新日:H19年4月15日




 6月9日   天使の笑顔(ポエム)
天気のいい朝。
今日の私は、いつもと違う。
なぜなら、何年かぶりに、自転車にまたがり、近くの運動公園へと向かった。
今日は、ゴールデンウィークの、なか日という事もあり人が多かった。
目的が無い私は、ユックリとペダルをこぎながら、広い運動公園を一周する。
周りきった私は、ある場所に着くと、自転車から降りて、近くのベンチに腰を降ろす。
そこは、日陰になっている上に、風も適度に吹いていた。
私は気持ちよくなって目をつむる。
そして、だんだん私の心が無になり、何も頭で考えなくなった時、私の周りでクイズが始まった。
「カキーン。」
「わぁ〜!!!」
わかったっ!これは、野球だな。
きっと、今点数が入ったんだ。
「走れぇ〜。」
「ピピィ〜!!」
これは、なんだ??
聞こえてくる方角から推測すると・・・。
あっ!サッカーか。
さっき、サッカー場の裏の控え室への入り口付近に、若い子がいたもんな〜。
男前はいなかったけど・・・。
ちょっと、余計な事まで思い出して苦笑いの私。
さっ!気を取り直して、次々!
次に訪れてくる音に私は期待を持つ。
「バシ!バシ!」
「アウト!!」
これは・・・体育館から聞こえてくる。
何かが、はたき落とされる音・・・。
う〜んなんだ??
ちょっと、苦戦してしまう。
真っ白な私の頭の中に、なぜか『みのもんた』さんが出てくる。
選択ではないくせに、なぜか『クイズミリオネア』になってる・・・。
彼の顔が私の答えをせかす。
え〜、なんだなんだ〜。
必死に考えぬいて・・・わかった!
バトミントンだっ!
そう答えた私に、みのもんたさんは、間髪を入れずにこう言う。
「ファイナルアンサ〜?」
って・・・。
だから、これはミリオネアじゃないっちゅ〜の。
と、自分に突っ込みながらも、頭から消えないみのもんたさん。
仕方なく、彼に答える。
「ファイナルアンサー。」
「正解!!」
意外にあっさり答えたみのもんたさんに、ズコとこけてしまう私。
そんな私に、次の問題が届く。
「ダンダンダン。」
「パシュ。」
「キャァ〜〜!!」
これを聞くと、高校時代に流行っていた『スラムダンク』というマンガを思い出す。
私の親友が大好きだった。
高校の卒業アルバムに書く『将来の夢』の欄に、彼女は、『流川くんと結婚する!』
と書いていた事を思い出し、「プッ。」と噴出し笑いをしてしまう。
すると、今度は私の頭に、しっぽの生えた小憎らしい悪魔が姿を現す。
「お前だって、すごい事書いていたぞ!
『玉の輿に乗るぞ!』と書いてなかったか?」
げっ!!なぜ、それを!!
私は、慌ててその子悪魔を頭から抹消する。
「ウギャ〜。」と言って彼は姿を消した。
はぁー、びびった。
「ふぅー。」とため息を付く私に、またしてもみのもんたさんが登場!
こっちをにらんでいる。
あっ!まだ答えてなかったか・・・。
我に返り、私は彼に答える。
「バスケット。」
「はい、正解!」
今度は、「ファイナルアンサー。」すらも言ってもらえなかった・・・。
冷たいみのもんたさん・・・。
すごく悲しくなる私をよそに、みのもんたさんは私の前から姿を消した。
私の中で、クイズが終わったのだ。
「はぁー、終わったか〜。」
とつぶやく私の耳に、空からある音が届く。
それを聞きながら思ってしまう。
テレビを見ている時とか、話をしている時とか、「うるさいっ!」と何度も言ってしまうこの音。
だけど、こうやって気持ちを落ち着かせて音に身をゆだねていると、こんなにも心を落ち着かせる音だったんだな〜。って。
たぶん、この音を聞いて育っているから、余計にそう思えてしまうのかもしれない。
そして、私はまだ目をつむったまま、いろんな音を堪能していた。
その時だった。
私の右足の太ももに、小さな暖かい物が触れた。
驚いて目を開ける。
なんと、そこには1歳半くらいの男の子が突っ立っていた。
キョトンとした顔で私を見る男の子。
どうしていいかわからない私は、ちょっと引きつった顔で笑う。
その顔に、その子は驚く所か、私に「ニコー。」と、とてもかわいい笑顔をくれた。
そして、「バイバイ」と言って、私に手を振って、お母さんのもとへと帰っていく。
その笑顔はまさに天使の笑顔。
その子を見送りながら、手を振る私の顔にも笑顔が出来る。
それは、さっきとは違って、心から笑っている笑顔だった。
私も、あの子みたいな天使の笑顔になっていただろうか??
         END
 


前のページ 目次 次のページ

HOME