括弧の博多漫遊録
2004/10/29
なぜ、今博多か?
1 10月にはどこかに旅行する予定だったのに、何も準備しないうちに10月になってしまった。
2 大手旅行業者ののカタログで博多フリープランを見つけた。値段も手ごろで、安売り切符等を探しても、自分で切符を買ってホテルを探せば2倍くらいになってしまうと思った。
3 「吉野ヶ里遺跡」が発見されて以来、その名に惹かれて1度は行かねばと思っていた。

2004年10月25日(月)
 明日は西から雨との予報、沖縄付近には台風24号が待ち受け状態という中、わざわざ西へ西へ。「増俳」の掲示板で、Kさん、Oさん他から、いただいたアドバイスを元に立案した計画を実行すべく、羽田10:30発のフライトで、一路福岡へ。
  秋草の咲きて滑走路は曠野
 空港からは、地下鉄空港線で中州川端へ11分。荷物を預けて西鉄福岡まで歩いて、そこから大宰府へ向かう。すべて予定通り。天候悪化を警告するかのように不気味な蒸し暑さである。
 昔さだまさしという歌手が「飛び梅」という歌を歌った。その歌のおかげで、太宰府天満宮には、心字池と梅が枝餅というものがあると知った。大宰府駅から天満宮までの、電線を取り払った参道は、土産物屋さんが両脇にびっしりというありがちな構造をしているけれど、広くていい感じである。 

韓国人の団体をはじめ、外国人が目につくものの、月曜日であるせいか、また不気味な天候も影響しているのか人出は多くない。心字池の三つの赤い橋を渡った。憧れの梅が枝餅も食べた。
 一番の収穫はここから徒歩3分で着く光明禅寺の庭園を見たこと。苔寺という別名を持つという、石庭の美しいわびさび感いっぱいの古寺だ。金ぴかでないのがよい。(写真下1列左)
 ホテルに帰り、本格化した秋雨の中、博多の屋台というものを体験しに出かけた。専門のサイトまであり、その情報を得ていたので、近くの「日銀前」エリアで探すことにした。サイトに名前のあったNで、手作りのツミレを味わった。店主は18年間もM部屋に所属した力士だったそうだ。
10月26日(火)
 雨(^^;)。台風は普通の低気圧になりそうだと。でもやはり雨は雨。予定通り鹿児島本線からJリーグのチームがある町、鳥栖へ。そこで長崎本線に乗り換え、9:43に吉野ヶ里公園駅着。私と連れの2人だけ参加の定時ツアーを実施してくれ、巫女姿の女性に園内を一巡しながら解説していただいた。
 この広大な 環濠集落は西暦開始時期前後数百年にわたる歴史を持つ「クニ」と考えられているようだが、「魏志」倭人伝にある邪馬台国はここだという説もあるくらいで、公園内北内郭とよばれる区域には、政の行われた(国会にあたる)建物(写真下2列左)と並んで、呪術を行う巫女の在所だったと考えられる建物も復元されている。邪馬台国論争は、最近畿内説が有力らしく、私が最近読んだ白石太一郎先生の著書では、大陸文化が玄界灘を経て北九州に入ってきたものであることは前提としつつも、地域的な連合政権、さらには大きな広域連合政権という考え方を通して、畿内説を基本として論を進めておられる。
 高官の身に沁む床で詮議かな
 国立の施設であるだけに吉野ヶ里歴史公園はよく整備されている。昼食をとってから、雨中((^^;))駅へ。この駅も立派な建物。駅員さんはお一人だが、実に親切で丁寧な接客をされる方だ。12:48で佐賀まで行き、そこから特急「みどり11号」で有田へ。タクシーで「県立博物館」、さらに「有田陶磁美術館」へ。運転手さん曰く「景気はどん底、廃業が相次いでいます。100円ショップで間に合いますからね。」
 上有田駅まで歩いた。道の両側にびっしり並んだ店も閑散といった雰囲気。小さなどんぶりを買ったりしながら、駅前のM商店へ。大きな看板「3億円」の文字。入ってみると1室に大物が多数展示され、総額3億円ということだった。(写真下2列中)私は、フツーの売り場にあった特価品の菓子皿を買った。
 上有田についた頃雨が上がる。(埼玉では夜まで降ったようだ)。ここは無人駅である。乗車時に整理券を取る。雨上がりの町のところどころにレンガ造りの煙突が見える。イスタンブールのトプカピ宮殿の宝物の中には、伊万里焼がたくさん陳列してあった。伝統文化が衰退していくのは哀しい。
 そぞろ寒佐賀の電車に佐賀の顔
 夜は居酒屋で芋焼酎2種を喫する。魚がうまかった。浮かれて那珂川端に。中州の明かりが川面ににじむその上空に月が出ていた。今夜は十三夜、後の月であった。(写真下1列中)
 秋の灯の中洲川端濃く薄く
10月27日(水)
 能古島への渡し船は姪浜を8:30発。地下鉄の駅から驚くほど遠い。埋め立て埋め立てで浜が遠のいたとタクシーの運転手さん。天気は上々と思いきや、北風が吹き、チョコッと雨滴が混じる。
 無造作に渡船出にけり秋の海
 10分で着。バスで「のこのしまアイランドパーク」へ。コスモス苑だけがシーズンといったところでうら寂しい。時間が早いので、イケ面の香港人青年一人が熱心にデジカメを操っているだけ。頼まれてシャッターを押してあげた。六地蔵というものがあり、かわいい表情だ。(写真下2列右)近くにある壇一雄記念碑まで大急ぎでピストンし、10:08のバスで船着場へ戻る。一雄辞世の句、モガリ笛、いく夜もがらせ花ニ逢はん
 船着場から歩いて壇一雄旧宅へ。こんもりとした木々に囲まれ、大木が2本。石蕗が咲く。正面海越しに姪浜の遊園地の観覧車が見える。海と本島と両方に執着があったのだろうか。
 陽水と一雄の島に秋の潮
 姪浜からタクシーでマリゾンへ、福岡タワーはすごい。美しく整えられた博物館どおりを地下鉄駅まで歩いた。この町の並木はモチノキが多い。立派な赤い実を揃ってつけている。
 黐の実の路地にも赤き博多かな
中州川端まで戻り、櫛田神社まで歩く。立派な神社で、博多の総氏神としての歴史を持つという。川上音次郎ゆかりの社でもあると知った。
 Oさんお奨めの連合市場で買い物、博多駅まで歩いてフライトの時間を待つ。
 秋寂の櫛田神社に力石

光明禅寺の庭園 中州の十三夜(後の月) JAL機内から十四日月、手前は主翼
古代の国会 三億円の商品(丸兄商店) 能古島のアイランドパークにある六地蔵の一
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こんな訳で無事帰ってきました。天候に恵まれたとはいいがたいのですが、人生色々と総理大臣も言っておられますから、これはこれでよかったと思います。情報を下さった皆様に感謝申し上げます。
 帰りの飛行機から月が見えました。(写真上1列右)14日の月齢ですが、1日ごまかして、
 傾きて後の月見せ機窓かな  括弧
でした。(2004.10.29)