法話


楠(くすのき)
楠(くすのき)
 今日は雪が降りましたね。お寺の木々にも雪が積もり、まるで白い花が咲いたようです。お寺にはモチノキ・楓・木蓮などの庭木が植えられています。また、この写真のように、雑木ですが大きな楠も立っています。
 雑木とは自然に生える木。庭木とは違い、観賞用にわざと植えられた木ではありません。生命力が強いんですね。ですから長源寺に限らず、楠の生えているお寺はたくさんあります。
 私が修行していたお寺の老師(住職)さまは、楠を眺めながらこのようにおっしゃられました。「楠は賢い木じゃ。秋の落葉の時期には葉を落とさない。暖かくなると葉をおとす。」  
 楠の落葉の時期は、初夏あたりからです。秋は紅葉などでお寺も、境内の掃き掃除で大変なのです。そのことを老師さまは言われておられる。そう思っておりました。
 
 月日が流れ、はたしてそうであろうか?と考えるようになりました。楠という木は、そう珍しい木ではありません。むろん人間の目から見ればですが。 
 楠はどのように見ても楠です。生命力の強さから、すぐに葉を繁らせ大きくなります。いくら落葉の時期が違っても、やはり葉は落ちます。老師がおっしゃられたかったことは、どのようなものにも長所もあれば、短所もある。とくに人間は、他人の短所は見つけやすい。短所ばかり見るようになる。それではつまりません。人も木も物も同じで、その長所を探してみましょう。そこから理解が生まれるのです。目の前にある木々ですらそうなのです。人間一人一人のお付き合いの中にも、理解しあえない問題はないのです。
       

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