ゲッチョのコラム



 1   病気
更新日時:
H20年12月2日(火)
週末。山梨へ。
ネーチャーゲーム協会のナチュラリストセミナーの講師。これで3度目だ。
会場には顔なじみになった顔がちらほら。3回とも参加してくれている人がいるのだ。
「ゲッチョ病にかかったんです」
本人曰く・・・である。
いや、違う、と思う。
僕は病原体ではない。
僕は媒介者だ。
生き物は本来おもしろいものなのだ。
それに気づくと病気になる。
病原体は生き物や自然自体のおもしろさだ。僕はそれを伝染してまわっているだけにすぎない。抵抗力のある人も多いのだけれど、たまにこうしてまんまと伝染る人がいる。
今回のテーマは土壌動物。
『土をつくる生き物たち』を教科書にして、土壌動物を捜したり、虫や動物の糞でジュエリーをつくったり・・・。
アリスアブの終齢幼虫やら、ツツハムシのケース入り幼虫など、僕にとっても目新しいものも見つかる。久しぶりに野ネズミウオッチもしてみる。糞ジュエリーづくりでは、びっくりするような作品も飛び出し・・・。
生き物やは病にかかっているようなものである。
僕やマキコはこうした状態にある人を、愛情をこめて「いたんでいる」と表現している。
これは病にかかっている、という意味と、「異端でいる」という意味をひっかけている。この時代、異端でいることの重要さもこめて。

 2   バナナまで
更新日時:
H20年12月2日(火)
ゼミの時間に学生の差し入れにカキを持っていった。喜ぶかと思いきや、微妙。
あんまり包丁を使ったことがないらしい。
まじ?
急きょ、ゼミの時間で皮むきにチャレンジさせる。
「だって、ピーラーがあるじゃん」
そんな声が聞こえてくる。
うーむ。そういう風潮があるのは知っていたけれど、そろいもそろって、僕のゼミの学生がそうだとは。
「だって、めんどくさいよ」
うーむ、うーむ。
「りんごとかも、誰かが皮をむいてくれれば食べるけど、自分じゃわざわざむかない」
「みかんもめんどくさい。缶詰のみかんのほうがいいよ」
「じぶんで皮をむくのはバナナまで」
「冷凍食品食べてればいいじゃん」
えーっ!えーっ!
「センセイの反応が笑える」
「そのうち、体にいい、とか無農薬とか、そういうレイショクができるって」
そういう問題か!?
「それにいざとなったら自分でも皮むきぐらいできるよ」
いざって、いつ?
こんなやりとり。ここのところ、ずっとひっかっかっている問題の根っこを学生に教えてもらえた気がした。僕らは、年々、消費者にしたてあげられつつあるのだ(消費者庁なるものの名も聞くし・・・)。かつては市民とよばれた人々が、今は消費者にしたてられていく。こどもたちが育っていく過程の中で、さまざまな「まじない」がかけられ、「選ぶ」ことはできても「買わない」ことの選択肢は想定外にされてしまっている・・・。
「でも、自分のこどもができたら、冷凍食品なんかたべさせない」
学生は、こういう。
案外、したたかな面もある?
まだ、わからない。
でも、世の中のまじないに気づき、それを解くすべをもたなければと思う。
 

 3   今日の時間
更新日時:
H20年12月2日(火)
 
すみません。ごぶさたしてます。
なかなか書き込む暇ができなくて・・・
 
週末。時間外授業。土曜日の昼過ぎから夜の十時まで、ぶっつづけ。
今回のテーマは魚。まず学校のバスに乗って、魚市場に行く。4人ずつチームをくんでもらい、1000円内で、好きな魚をゲット。それを持ち帰り、実験室で観察したあと、調理して食べる・・・という授業だ。なにせ魚をさばいたことがない学生も少なくない。買った魚を三枚に下ろすのに、わざわざくじ引きをしたほど(すすんでひきうけるほどのやり手がいなかったということ)。それでも、なんのかんのといいつつ料理はうまくできた。普段の授業では見せぬくらいのハイなテンションで授業がもりあがる。(夜の授業はなんだかハイになるものなのだ)
ついでに小笠原のポンちゃんから送ってもらったマグロの胃袋を解剖する。
「深海魚!」
学生たちのテンションにつられてこちらもテンションをあげる。マグロの胃袋の中から、銀色に光ったひらたい魚体が見えたので、思わず叫ぶ。
「えーっ、深海魚!?」
マグロの胃の中からは、トガリムネエソが11匹も出てきた。見たことのない様なイカも9匹でてくる。さらにそのムネエソの胃の中からは、どうやらミズウオではないかと思われる幼魚の半消化されたのの姿が・・・。
「食物連鎖!」
学生が叫ぶ。
「いろんな生き物の胃の中を見てみたい」
ついぞ聞いたことがなかったような反応までかえってくる。
これに気をよくして、理科室の冷凍庫の中身を開陳。ラブカ、キジ、エトセトラ、エトセトラ・・・。
いままで大学の中で、こんなに充実した授業の時間はなかった。でも、授業によっては、こんな時間もすごせるのだ・・・と思った。できうれば、こうして過ごした時間が、あらたな時間を生みだしていけばよいのだけれど。
翌日、今度はフィールドワーク。あれれ・・・。学生たちのうち、5人が朝寝坊で集合時間に間に合わない。ガクッ。いや、こんなもんだろう。それでも、あの時間だけは確かだったと思う。

 4   まなばん
更新日時:
H20年10月6日(月)
ホッシーがあいかわらず無茶をする。
今度はスコーレのアンテナショップをたちあげた。
その名もまなばん。
真南蛮・・・で、沖縄後で東南アジアのことだ。開店にあたって、ホッシーみずからアジアまで商品の買い出しにでかけた。生産者と消費者をつなぐ、フェアトレードの店であるのだ。
また店では食事も出すことになっている。料理担当はスコーレ専門部の卒業生二人である。料理は主にベトナムのフォーとカレーだ。
みなさん、もし沖縄にくることがありましたら、ぜひまなばんによってください。平日(土曜日も)の11時から22時までやっています。場所は安里にほど近い、栄町の市場内です。

 5   いもむしはんたー
更新日時:
H20年10月6日(月)
じつにひさしぶりにヤンバルにでかけた。
ようやく沖縄も秋らしくなった。まだ半袖で十分だし、大学にも冷房が入っているけれど、夜になれば風が涼しくなった。夏の間はカンカン照だったけれど、夏の終わり頃から雨も多くなった。そこでヤンバルまで冬虫夏草をチェックしにいったのだ。結果から言うと、ダメ。去年、ウメムラセミタケをみつけたポイントも、今年は何も生えていなかった。沖縄島の冬虫夏草はあいかわらず難しい。
かわってイモムシモードに切り替える。
林内のアカメイヌビワが丸坊主だ。ヒトリモドキの仲間の幼虫に食べられてしまったらしい。しかし、ほかのイモムシはいっかな見付からない。しばらくして、ようやく葉をすべて食べられてしまった低木に大きなイモムシがくっついているのに気が付いた。食べ残された葉柄をちぎってみると、独特のにおいがする。クサギだった。その食草の種類と幼虫の形からして、シモフリスズメの幼虫と思われた。こいつは夏前に、大学構内のジャスミンの木に大発生した種類だ。
ヤンバルからの帰りがけ、野生のサトイモ(古い時代に渡来してノラ化したもの)を見に行った。そこでもサトイモの葉がなにものかに食べられているのが目に留まる。イモムシもあっけなく見付かる。緑色の体に、黄色い縁取りのある、濃い緑の眼状紋。シタベニセスジスズメの幼虫だ。
お目当ての冬虫夏草は見あたらなかったけれど、イモムシの入ったビニール袋を乗せて、僕は意気揚々と那覇へと戻った。



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