ayaの闘病に際して私は今までセカンドオピニオンを受けることはしていませんでした。
ayaの脳外科主治医や小児科医師団の方々は常にカンファレンスの場を持たれている様子がわかり
集学的治療がなされているであろう様子がうかがえましたし、何より脳外科主治医殿は言葉の端々から
信頼するに足るDrだと感じていたからです。
(脳外科主治医殿はフロアが違うのにしょっちゅう小児科ナースステーションに顔を出される方でした。)
退院時のムンテラの時も納得して退院したつもりでした。
が、実は私の心中では常に不安に思っていたことが一つだけありました。
「放射線の脊椎照射をなしえなかったこと」
ayaの場合放射線に対する感受性が高く(この表現が適正であるのかはわかりませんが)初回の2Gy照射で
治療開始時3500あったWBCが1800まで低下し、このペースで照射するのは危険と放射線医から
ストップがかかり、治療を中断せざるを得なかったという経緯からでした。
オペ直後の検査 入院中の定期的な造影剤を使用してのMRI検査 どの段階でも播種は認められなかった。
腫瘍は全摘できている。脊椎照射はあくまで予防照射・・・主治医からそう告げられ、今後慎重に経過を見守り
もし何かあったときに・・・・その時にまた照射しよう そういう方向で納得したつもりでした。
が・心中は不安で仕方がなかったのです。
「セカンドオピニオンをしてみたい。」
でも誰にセカンドを求めるの?セカンドをするとき資料がいるだろうけれど、それはどうするの?
資料提示を主治医に求めたら、今まで築いてきた信頼関係はくずれない?崩れてしまったらayaの予後は誰に見てもらえばいいの?ずっと悩んでいました。
そんなことを考えながら半年ばかり悶々とした日々を送っていたある日 ふと思いついて登録だけしていて発言を一度もしていなかった「小児脳腫瘍の会」の「髄芽腫スレッド」に「HPを開設しています」のカキコをしました。
孤軍奮闘の私は思いをわかってくれる方との交流をもっとできればいいなと考えていたからです。反応は・・・未だにわかりません。
しかしある日「東 慧くんのお母様」からメールを頂きました。
「ICEで治療を受けられたようですが、放射線の脊椎照射がなされていないようですね。
きちんとした集学的治療がなされたのか、術後の検査がきちんとなされているのか把握されておかれたほうが良いですよ。後悔しないために」と丁寧な言葉で書かれていました。
そのメールへのお返事に「集学的治療はなされていると思う。納得もしているつもり。主治医は信頼できると思う。でも一抹の不安は隠せない。でもセカンドする勇気もなかなか持てずに悶々としています」と送りました。
このメールに慧君のお母様がお忙しい中、お知り合いの小児科医にメールで問い合わせをしていただきました。
以下転記です。
「お問い合わせの件ですが、発症からすでに1年9か月を無再発で経過しており、
悩ましいところです。化学療法の内容にもよりますが(ICEといっても抗がん剤の
投与量が様々なので)、標準リスクの約半分の方は脊髄照射なしでも治癒します
。もし、脊髄に今後大きくなって再発と認識されるはずの小さな病変が存在する
とすれば、今追加照射を行ってそれを予防するのも、再発が明らかになってから
照射するのと大差がないようにも思います。照射をすればかなりの低身長になる
でしょう。
ここまでくれば、3か月に一度の脊髄MRIで監視をしながらこのまま経過をみるの
がよいのではないでしょうか。」
このメールにどれだけ感謝して、どれだけ安心したでしょう。このコラムを読んでいただけた方には
きっとわかって頂けると思います。セカンドをしたいと思いつつ勇気が出なかった私。
間接的ではあるけれど、セカンドを受けることが出来たことによって納得でき、安心できたこと。
慧君のお母様から頂いたメールの一文を転記します。
「患者家族の思いは皆同じだと思います。
慧の時も、再発時にセカンドを考えたのですが、結局、戻って来た時の
ことを考えればその勇気が出ませんでした。見限られたら、次はどの病院に
慧を連れて行けばよいのだ、と。
しかし今にして思えば、大失敗でした。あの時点で他の病院又は先生に
診てもらっていれば、慧の運命も変わっていただろうと悔やまれます。
また結果は同じだとしても、裁判をすることもなかったかも知れません。
小児脳腫瘍のような難病にはセカンドはどうしても必要かと思います。
それによって誤診も医療過誤も防げるのではないでしょうか。
また慧のような悲劇も避けることが出来るのではないでしょうか。
しかし現実は、患者家族の真意は、子供のことを思うとなかなか勇気を
出し得ないのが現状です。
もし積極的に主治医の先生の方からセカンドを勧めてもらえれば、
患者家族にとってどれ程有り難いことか、また悔いを残さずに済むか、
とつくづく考えさせられます。またいっその事、セカンドを義務付けることが出来れば、
医療過誤も裁判も、悔恨も避けられるのではないでしょうか。」
そして問い合わせていただいた小児科医からも「ayaちゃんのケースではセカンドを求めても主治医との関係に何ら問題はなかったのではないかと思います。そして積極的にセカンドを求めることをぜひ広めてください」と回答があったことも書かれていました。
何だかまとまっているのかまとまりがないのかわからないこのコラムになりましたが、慧君のお母さんの思いをぜひ一人でも多くの方に紡いでいかなければ行けない・・・そう思ってキーを叩いています。
簡単な病気ではない脳腫瘍 標準的治療法が未だ確立されていないこの疾患 でもその治療如何で自分の子供の将来が左右される。だからこそ病気のことをよく知り、一人の先生の意見だけではなく、出来れば多方面から意見を求め、子供にとっての最善を尽くしてやることが難病を持った子供の親としての仕事の一つなのだなと考えています。
セカンドを求めた結果 主治医と同じ見解であればそれは今受けている治療への自信となり、精一杯のサポートをしてやることの礎となるのだと、今回の東さんとの関わりから強く感じました。
昨年末東さんからサポートを頂いたお陰で、今年のお正月は本当に心穏やかに過ごすことが出来ました。感謝しています。
そして本来はもっと早く自分から積極的にセカンドを求めていれば、もっと早く気持ちが穏やかになっていたのだろうなと考えています。
これからはこの気持ちを少しでも多くの方に伝えながら、ayaの予後をしっかりサポートしていきたいと思っています。
「みんな幸せに」・・・・
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