2006年5月31日に東京観世能楽堂での『杜の会』(…東京芸術大学本科の卒業生有志の研鑽を目的としています会)にて 能『巻絹』をさせて頂きました。
三熊野詣での歴史は宇多上皇から始まるとされる古いものです。熊野は神々が往来する霊場として昔から天皇がその霊力に肖る為に御幸なさる場所でした。
ワキが今上天皇の命によって熊野に巻絹を納める為に日程を定め諸国の者に調達を命じます。
一人の使者(ツレ)は大切な巻絹を持って音無天神に寄り、梅の美しさに惹かれて和歌を詠んでいて、その時刻に遅刻してしまいます。
ようやく都に到着するものの勅使(ワキ)がその遅刻を鹿って戒めますと『その者は昨日音無天神で一首の歌を詠み、私に手向けてくれたお陰で三熱の苦しみから解き放たれたので、その者の縄を解くように…』
そう言って天神の憑依した巫女(シテ)が現れて彼を助けます。巫女は和歌の徳を語りつぎますうち、神懸かりの状態で神楽を舞っているうちに、熊野の多くの神々が次々と憑依して乗り移り、最後に巫女はふっと我に返るのです。
このような神々の出現は昔の人にとっては恐ろしくも、またお目出度くもあるのでしょう!
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