Last updated: 2008/4/22

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演目の解説
  近々ある舞台へちょっとお誘い♪


11    忠度(ただのり)
up date:
June 04,2005 
お呼ばれして頂きますお仕事先で舞わさせて頂きます♪
大垣センチュリーロータリークラブにて
 
平家物語に描かれている薩摩守忠度(さつまのかみただのり)は大将軍で年は40歳 しかも和歌の達人です!
 
自分の歌を托す為に都の和歌の師である俊成の邸に馳せ戻ったり、辞世の短冊をはさんで戦にでたり…豪勇の武将ですが、世阿弥はそのような人として『忠度』は描かれていません。能の忠度は軟弱です!
 
能では敦盛のように若々しい白面の風流貴公子であり、村紅葉の錦の直垂を着て『千載集』に自詠歌を【読人不知…よみひとしらず】とされてしまった無念の妄執によって出現します。
 
千載集にある歌は…
    『さざ波や 志賀の都は 荒れにを 昔ながらの山桜かな』
  (時代は変わり時は過ぎて面影はなくても 
             山桜のみ美しく今も昔も変わらず咲いている)
 
この歌は能ではすっぽり切り捨てています。
    『行き暮れて 木の下蔭を 宿とせば 花や今宵の主ならまし』
 
歌の主題ともいえる桜…この一木を極心として俊成ゆかりの僧・前シテの老人・忠度の霊が統一された空間に収まっています。
世阿弥の優れた作品の一つともいえます。
 

12    鉄輪(かなわ)
up date:
May 18,2005 
大阪にあります市岡高校の学生鑑賞能で舞わせて頂きます!
2005年6月7日 大槻能楽堂にて
 
夫婦の形は様々です。どのような理由であれ、1度冷えた愛を取り戻すのは至難の業!
 
現代のように家庭裁判所や調停などのない時代…また男性が女性の家に通う結婚方式(通ひ婚)は現代のように書面に縛られることがないもの。
その点、お互いの愛情も緩いかというとそうではありません。今より精神的な結びつきは強いかも知れません。
 
その代わり相手の気持ちが離れてしまうと、男性への想いが強い程 女性は報復の気持ちを呪詛などに委ねます。
 
平家物語『剣之巻』…丑の刻詣(うしのこくもうで)よりとられています♪
 
 貴船神社に夜お参りに行く女性の姿…それは夫が新しい女性になびいてしまった為に、報復を考えています。
赤い襷を掛け 顔に丹塗り 頭に鉄輪(五徳)を載きその足に火を灯して憤りの心を持つと鬼になる!
 対して夫は陰陽師・安倍晴明(あべのせいめい)を頼り…浮気はいけませんネ!

13    放下僧(ほうかそう)
up date:
July 14,2005 
2005年5月25日 『杜の会』  (東京芸術大學卒業の能楽師の有志による研鑽会)  
東京の観世能楽堂にて…この度は私は仕舞『放下僧』を舞わせて頂きました!
 
「放下僧」…下野の国(今の栃木県)に住む牧野小次郎は父の敵である利根信俊(そねのぶとし)を討とうと兄に助太刀を求めます。
兄は出家をしているので一旦は断るものの、弟の説得に負けて協力することになります。兄弟は当時人気のあった放下と放下僧に身を変えて故郷をたちます。
 
一方で最近の夢見の悪い信俊は、瀬戸の三島明神に参詣の途中で2人の放下に逢います!2人はそれとは知らずに禅問答を行う内に…なんと信俊の家臣の失言により敵の信俊だと解ります。
 
曲舞や鞨鼓などの芸づくしで相手を油断させている隙に2人して父の敵を討つのです。一生懸命に芸を次々と見せる…はやる気持ちを抑えて兄弟の親を思う気持ちがあらわれています。
 
 
 まず仕舞(しまい)とは…能の一曲のメインの部分をお装束を付けず紋付き&謡いのみで舞うことをいいます!
 
 
 

14    草子洗小町(そうしあらいこまち)
up date:
May 21,2005 
2005年1月19日に東京の観世能楽堂にて「草子洗小町」のおツレにてお舞台にで出させて頂きました。平安時代の優雅なストーリーをちょっとのぞいてみます!
 
「草子洗小町」・・・小町というからには そう小野小町のお話です!
 
王朝時代の歌合わせの優雅な場面に時代は違いますが多くの歌に通じた人を登場させて、そのなかに小町を配してその英智を描いている能です。
 
歌合わせの当日、大伴黒主(おおとものくろぬし)は自分の歌合の相手が小町と知ると、敵わないと思い小町が翌日の歌合にだす歌を口ずさむのを聴いて万葉集の草子に書き入れます・・・小町が詠む歌を古歌といって恥をかかせようという魂胆。
 
歌合の当日、歌を詠じた小町に黒主は万葉集の古歌だと訴え、証拠として自分が入れ筆した万葉集の草子を見せます。
小町は嘘と解っていますから、その草子を洗い清めたいといいます。
 
自分を認めてほしいと誰もが心に抱えている思い・・・心に隙をつくってしまうと魔が差しちゃいますよ(^^;
 

15    経正(つねまさ)
up date:
May 21,2005 
2005年12月5日に大阪の大槻能楽堂で「経正」のお能をさせて頂きました。その解説や時代背景を私の目線からちょっとのぞいてみました!
 
「経正」・・・平家物語で登場する平家方の若い公達(きんだち)です。須磨寺にある青葉の笛で有名な敦盛(あつもり)のお兄さん!
 
弟は笛の名手ですが、お兄さんの経正は負けず劣らず琵琶の名手でした。
幼い頃より仁和寺の守覚法親王に可愛がられ、青山(せいざん)という琵琶を親王に拝借していました。戦いに行くことになり、その琵琶を親王に返した後討ち死にしてしまいました。
親王は哀れに思い、僧の行慶(ぎょうけい)に琵琶を手向けて経正の菩提を弔うようにいいます。その夜・・・経正の霊がおぼろに現れます。経正は自分が好きだった琵琶を懐かしげに弾き、時がたつのも忘れ楽しみますが、突然に修羅(しゅら・・・地獄の一つ)の苦しみに苛まれて、その姿を見られまいとして灯火を消して消えてゆきます。
 
戦さの苦しさよりも音楽をこよなく愛した若い貴公子の姿・・・皆さんの目にはどんな風にうつるでしょう!私も品よく凛々しい経正を演じたいです♪


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