| 壱の1〜12 |
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1.転宅し仏壇開き盆支度
2.大の字になり秋蝉を聞きゐたり
3.町役場有線放送秋暑し
4.老農夫納屋の暗きに小豆打つ
5.惜しみつつ独り見てゐる秋の虹
6.うら山の木立のひまの秋の空
7.私も頼られてゐるゑのこ草
8.我が庭に邯鄲見つけ見失ふ
9.穴惑ひ追ふ猫をわれが追ふ
10.母ほどの齢の友や秋の薔薇
11.好物をつくりませうか秋の暮
12.天高く独り暮らしも悪くなし
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| 弐の1〜11 |
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1.妹と共に来てゐる墓参り
2.在りたれば傘寿の父の魂迎
3.客去りし座敷に仰ぐ盆の月
4.日をうけて猫とわれゐる秋の昼
5.もぎとりてまことに赤き唐辛子
6.大の字に咲けぬものあり大文字草
7.亡き父とも友とも秋の蝶舞へり
8.保育所の今静かなり昼の虫
9.独り仰ぐ十六夜月に雲かかり
10.在りし日の父の笑顔や金木犀
11.百舌一声迷ひし心決まりけり
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| 参の1〜9 |
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1.こほろぎや隣の子らの声やみて
2.道端の草白茶けし秋旱
3.水澄むや四十路の貌のそこにあり
4.木犀の匂ひし父の三回忌
5.秋の風熱き珈琲香りけり
6.むかご飯滅法旨しと友の言ふ
7.九官鳥の父さんと呼ぶ秋うらら
8.二人ぐらしの大西瓜あましけり
9.まどろめば亡き父の声秋の昼
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| 四の1〜10 |
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1.独り居のコーヒーブレイク昼の虫
2.鰯雲半人前と言ふ勿れ
3.ふかし芋喰らふ退屈してをリぬ
4.猫の視る先にちひさき穴まどひ
5.うそ寒や拭ひ上げたるポリ容器
6.格子戸の鍵かけをりし十三夜
7.俄かなる来客ありぬ菊日和
8.鶺鴒の群来て夕餉時刻かな
9.好きなことやれる仕合せ文化の日
10.黄菊摘む独りだからが口癖に
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| 五の1〜 |
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