─────── 「会社更生」、「民事再生」関連(2) ───────
海野和夫
◎ 真柄建設株式会社民事再生とJV責任 2008/7/11 債権者説明会
1 真柄建設民事再生債権者説明会
真柄建設株式会社は、2008年7月5日、大阪地裁に民事再生を申請。
2008/7/11 債権者説明会が大田区民センターでおこなわれました。
○ 負債総額 約348億円
○ 真柄建設の主たる事業内容は、建築工事及び土木工事の請負、設計、施工等です。
○ 資本金 69億円
○ 債権者
2008年6月末日現在の負債総額は、約348億円であり、その主な内訳は以下のとおりです。
@ 金融債権者
3 社、合計約100億円
A 一般債権者
約2000社、合計約240億円
B リース債権者
3 社、合計約8億円
○ 公租公課及び従業員関係(賃金・退職金等)の未払いはありません。
○ 「メインバンクの北國銀行は、真柄建設が民事再生を申立てた場合、再生手続中の運転資金の支援をDIPファイナンスによりなすこと、また、地元経済への影響を考慮し地元有力企業である真柄建設の再生のため、有形無形の支援をすることを表明しており、引き続き同行の支援は得られる見込みです」とのことです。
「DIPファイナンス」 民事再生を申し立てた企業(真柄建設)への民事再生計画策定中の融資のことです。
○ 「スポンサー企業による資本参加あるいは事業譲渡による事業再建も視野に入れて、柔軟に対応していく所存です」としています。
(以下は、2008/7/11大田区民センターでの債権者説明会に出席して、質疑応答の中で得た情報です。質疑応答の一部に過ぎません。記録者の主観が入りますから、あくまでも参考程度に考えて下さい)
Q JVはあるのか? あるとすればどのくらいか?
A 35件ある。真柄建設メインが20件、真柄建設サブが15件。
Q 下請として施工した工事はあるのか?
A 5件ある(他のゼネコンの下請)。
Q 弁済率は?
A 現時点では未定。
Q 弁済の原資として何を考えているか? バランスシートそのものから、銀行からの融資、スポンサーからの資金投入、利益を出して利益の中から、など考えられるが、どれを弁済原資と考えているのか?
A 利益の中から、また手持ち資金からなど考えられる。スポンサーは未定で、スポンサー探しも同時並行でやっていくが、自主再建をめざしていきたい。
Q JV工事については、JVを構成する他社が、少なくとも出資割合に応じて、また100%という判例もあるが、真柄建設に代って弁済することになる。
A 真柄建設がメインのJVについては、真柄建設1社が発注者となっているので、JVの他社の責任は生じない。
Q JVの解釈・運用については、見解が異なっていることを、申し上げておく。
Q 1次下請業者の困難を緩和するために、1次下請への銀行からの融資は考えているのか?
A 北國銀行は、相談窓口を設け、1社1社真摯に対応していく。
少額債権の弁済については、「債権者1社あたりの債権の総額が30万円以下(消費税込み)の債権者に対する弁済については、支払うことが可能である」として、「この30万円以下の債権の支払い方法については、現在のところ2008年8月末を予定している」としています。
2 JV責任について
倒産・不払いの場合の下請企業へのJV責任について、国土交通省監修の本『改訂版 JV制度Q&A』(大成出版社)が、次のように解説しています。
Q 共同企業体の構成員のうち1社が倒産した場合に、当該構成員と下請契約を締結していた下請業者は、残存構成員に対して未払い代金等を請求することができますか。
A 通常は可能です。
共同企業体の法的性質は必ずしも明確ではなく、問題が生じた時にはその共同企業体の実体を考慮しながら判断されることになります。共同企業体の下請になっている場合に、下請代金債権の債務者が誰であるかの判断は、契約の当事者が誰であるかの事実認定によります。
一般的には、共同企業体は法人格を有しない団体であり、民法上の組合の一種と解されているため、協定書で定めのない事項については、民法の組合に関する規定が適用されることになります。組合として負った債務は、組合財産を引き当てにできるほか、各構成員も損失分担の約定の割合に応じて法的責任を負います。共同企業体では通常出資割合に応じて負担することになるので、下請は共同企業体に対して請求できるほか、各構成員に対して出資分に応じた請求ができます。
しかし、最近の判例では、共同企業体の構成員が会社である場合には、共同企業体は商行為を営業として行うことを目的とした組合であって、各構成員は共同企業体がその事業のために第3者に対して負担した債務について、商法の規定により連帯責任を負うとされました。従って、理論的には下請は下請代金の全額について、共同企業体の構成員に請求できることとなる道が開かれました。
ただし、実際に全額を請求するのは難しい場合が多いと思われます。例えば、ある共同企業体の構成員が会社更生法の申請をした場合でその共同企業体の下請に入っていた場合、以降更生に協力して施工するのであれば、現場再開後の工事の支払は例えば1週間毎の現金払い等となります。しかしその場合、会社更生申立前の下請代金債権について、他の構成員に全額請求するのは事実上難しいと思われます。以後、その会社からの工事は受注できなくなる可能性もあるため、当該請求先会社との関係への影響を考慮すると、今後とも当該会社との関係を継続したいのであれば、全額請求は難しいと思われます。いずれの場合であっても、よく話し合いをすることが望ましいといえます。
なお、共同企業体が施工する建設工事において、共同企業体と下請企業等とが締結する下請契約等については、共同企業体の構成員の一部が破産又は解散した際の下請企業等の連鎖倒産等を防止し、下請企業等の不安を解消する観点から、次ぎのとおり行うこととされています。
共同企業体が施工する建設工事における下請契約等について
平成10年1月30日建設省経振発第8号
1 甲型共同企業体の場合
甲型共同企業体は、共同企業体施工工事全体を各構成員が共同で施工し、損益計算についても当該工事について共同企業体としての決算を行うものであることから、下請契約等を履行する際においても、各構成員が連帯して責任を負うとすることが適当であること。
これを明確にするため、各構成員が連帯で責任を負う旨契約上明記するとともに、契約の締結は、共同企業体の名称を冠して共同企業体の代表者及びその他の構成員全員の連名により、又は少なくとも共同企業体の名称を冠した代表者の名義によること。
2 乙型共同企業体の場合
乙型共同企業体は、共同企業体施工工事を工区に分割して各構成員が分担して施工し、損益計算も各工区各構成員毎に別建てで行うものではあるが、共同企業体の趣旨及び下請企業等の保護の観点から、上記1甲型共同企業体の場合に準じて契約を締結することが望ましいこと。
3 下請企業等との協議等
下請契約等の締結に際しては、当該契約の履行についての各構成員間の責任分担及び各構成員と下請企業等との権利義務関係について、運営委員会において予め各構成員協議の上決定するとともに、下請企業等と予め十分協議を行うこと。
◎ ── 東証・大証1部上場の真柄建設が民事再生を申請 ──
(以下は、真柄建設のHPからの抜粋を中心に記述してあります)
真柄建設株式会社は、2008年7月5日、大阪地方裁判所に民事再生手続開始の申立てを行い受理され、直ちに同裁判所から保全処分命令(弁済禁止処分)と監督命令が発せられました。
○ 事件番号 平成20年(再)第38号
○ 負債総額 約348億円
○ 真柄建設株式会社の主たる事業内容は、建築工事及び土木工事の請負、設計、施工等です。
○ 従業員 538人(2008年6月30日現在)
○ 直近の2008年3月期決算では、総売上高は844億9848万円となっています。
○ 資本金 69億3215万円
○ 債権者
2008年6月末日現在の負債総額は、約348億円であり、その主な内訳は以下のとおりです。
@ 金融債権者
3 社、合計約100億円
A 一般債権者
約2000社、合計約240億円
B リース債権者
3 社、合計約8億円
○ 公租公課及び従業員関係(賃金・退職金等)の未払いはありません。
○ 北國銀行は、真柄建設が民事再生を申立てた場合、再生手続中の運転資金の支援をDIPファイナンスによりなすこと、また、地元経済への影響を考慮し地元有力企業である真柄建設の再生のため、有形無形の支援をすることを表明しており、引き続き同行の支援は得られる見込みです。
○ スポンサー企業による資本参加あるいは事業譲渡による事業再建も視野に入れて、柔軟に対応していく所存です。
○ 債権者説明会
以下のとおり、債権者説明会を開催することとしています。
@ 金沢
日時 2008年7月8日(火)午後2時〜
場所 石川県産業展示館1号館
A 大阪
日時 2008年7月9日(水)午後2時〜
場所 メルパルク大阪
B 東京
日時 2008年7月11日(金)午後2時〜
場所 大田区民センター音楽ホール
◎ ─── スルガコーポレーション民事再生について ───
2008/6/24 株式会社スルガコーポレーション(東証2部上場 資本金139億円 従業員136人 横浜市)が、東京地裁に民事再生法の適用を申請しました。同社は、ここ数年、不動産ソリューション事業で売上を拡大してきました。
ソリューション solution 解決
不動産ソリューション事業 「物件の複雑化した権利関係を整理、解決して、転売する形態、手法の事業」というような事業を意味するようです。
2008/7/1 株式会社スルガコーポレーションの民事再生債権者説明会がおこなわれました。
社長、前会長、弁護士等による説明会での説明等の特徴点を、以下に記載しておきます。
○ 立ち退き交渉を頼んでいた会社の関係者が弁護士法違反の容疑で逮捕され、反社会的勢力との関係がマスメディアにより大きく報じられたため、当社の信用も大きく低下。不動産の売却の困難、銀行融資での資金調達のメドが立たない事態になり、(被害を最小限に食い止める手続きである)民事再生の申立手続きになった。
○ スポンサーを募り、当社を一番評価してくれるスポンサーに頼み、弁済原資を確保していきたい。
○ 少額の下請債権の被害を少なくするために努力する。
○ 通常の民事再生のように債権の90%放棄、95%放棄、ということにはならない。
○ 貸借対照表(バランスシート)上は、500億円の資産超過である。再評価する必要がある。
○ バランスシートの再評価後も資産超過であれば、100%弁済をめざして、真摯に努力したい。
○ (100万円を超える債権の場合)100万円は必ず払うような再生計画案を作るつもりである。
○ 100万円以下の債権については、2008年7月末までに支払う予定である。
○ (バランスシート記載以外の)簿外債務は存在しない。
○ 工事再開している。
○ (建設工事)全て元請である。JVはない。
○ (融資を受けられない、不動産が売れない、というが、バランスシートにある利益剰余金残高274億円を取り崩して、対応することはできなかったのか? の質問に対して)そういうことがあるので、頑張ってきたが、事態は会計上の操作を超えている。
○ 下請救済、下請保護の観点で、真摯に検討する。
○ (下請債権への弁済を含めて、スルガコーポレーションを一番よく評価してくれるスポンサーを選んで、スポンサーからの資金投入で弁済原資にしていく、と受け取っていいのか? の質問に答えて)スポンサーの意向次第だが、基本的に、資金投入して弁済原資にあてるということだ。
◎ 民事再生「中小企業者に対する再生債権の弁済許可申請書」モデル等
スルガコーポレーション(2008年6月23日 民事再生申請)、国分寺建設(2008年6月24日 民事再生申請)、真柄建設(2008年7月5日 民事再生申請)、ゼファー(2008年7月18日 民事再生申請)、三平建設(2008年7月24日 民事再生申請)などこの1ヶ月の間に、民事再生型の倒産・不払いが多発し、最近の「マンション不況」を反映して、ゼネコンのみならずディベロッパーにも民事再生は広がっています。
それへの対応として考えられるのが、民事再生法85条の2に基づく特例弁済であり、また85条の5に基づく少額弁済です。JV責任も存在します。
あらためて以下に、まとめて載せておきます。
1 再生債権の弁済の禁止
民事再生法85条 再生債権については、再生手続開始後は、この法律に特別の定めがある場合を除き、再生計画の定めるところによらなければ、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為をすることができない。
2 中小企業者への特例弁済
民事再生法85条の2項 再生債務者を主要な取引先とする中小企業者が、その有する再生債権の弁済を受けなければ、事業の継続に著しい支障を来すおそれがあるときは、裁判所は、再生計画認可の決定が確定する前でも、再生債務者等の申立てにより又は職権で、その全部又は一部の弁済をすることを許可することができる。
民事再生法85条の3項 裁判所は、前項の規定による許可をする場合には、再生債務者と同項の中小企業者との取引の状況、再生債務者の資産状態、利害関係人の利害その他一切の事情を考慮しなければならない。
民事再生法85条の4項 再生債務者等は、再生債権者から第2項の申立てをすべきことを求められたときは、直ちにその旨を裁判所に報告しなければならない。この場合において、その申立てをしないこととしたときは、遅滞なく、その事情を裁判所に報告しなければならない。
3 少額債権の弁済
民事再生法85条の5項 少額の再生債権を早期に弁済することにより再生手続を円滑に進行することができるとき、又は少額の再生債権を早期に弁済しなければ再生債務者の事業の継続に著しい支障を来すときは、裁判所は、再生計画認可の決定が確定する前でも、再生債務者等の申立てにより、その弁済をすることを許可することができる。
4 「中小企業者に対する再生債権の債務弁済許可申請書」モデル
以下に紹介するのは、『詳解 民事再生法の実務』(発行所 第一法規出版株式会社)に掲載されていたものです。
平成18年(再)第○○○号
再生債務者 ○○○○株式会社
中小企業者に対する再生債権の債務弁済許可申請書
申請の趣旨
再生債務者が、民事再生法85条の2項にもとづき、××株式会社に対し、金2000万円を支払うことにつき許可を求める。
申請の理由
1 ××株式会社(以下、「債権者××」という。)は、建築工事の請負、大工工事の請負等を目的とする株式会社である。
2 債権者××は、年間売上高が約7億3000万円、従業員が14人の株式会社であるが、昭和42年以来、一貫して再生債務者の下請業者として今日に至っており、現在再生債務者からの受注工事が売上高の約79%である。ところで、現在、上記債権者××は、民事再生法85条1項により、再生会社に対して有する金1億2000万円余りの再生債権の支払を受けられなくなっている。
3 一方、債権者××は資材費支払のために、再生債務者振出にかかる、本年4月20日満期の額面額合計2500万円の約束手形を資材業者へ裏書譲渡している。しかし、民事再生法85条1項により再生債務者はこれらの手形を決済することができない。
また、上記手形決済に加えて、本年4月22日には、従業員への給料や外注工事費支払のために約1500万円程度の資金が必要なところ、債権者××には、自力で上記資金全額を調達する余裕はなく、2000万円程度の運転資金がショートする状況にあり、このままでは連鎖倒産を免れない。
4 現在、債権者××は再生債務者より受注した合計8件の現場施工を継続している。再生債務者振出にかかる上記手形の譲渡先は全て資材業者であり、債権者××が上記手形を買い戻し得ない場合は、資材の供給を停止され、工事が著しく遅延する。又、債権者××のその余の支払の大半は、大工及び職人に対する手間賃等の労務費であり、仮に上記支払ができなければ今後継続して職人を集めることが困難となる等、債権者××のみならず再生債務者にとっても約4億円の工事代金の支払が受けられなくなる。
5 債権者××は、再生債務者からの受注工事が売上高の約79%を占め、再生債務者に対する事業依存度が極めて高く、その代表者及び従業員は今後も再生債務者の再建に協力する旨確約している。又、債権者××の支払額の大半は大工及び職人に対する手間賃などの労務費であり、上記棚上債権もその性質は労務費と目されるべきものである。
6 以上の事情を考慮し、再生債務者の上記損害を回避しつつ、かつ債権者××の連鎖倒産を防止するため、申請の趣旨記載の許可を求める。
添付書類
1 決算報告書 1通
2 会社商業登記簿謄本 1通
平成18年○月○日
再生債務者代理人
弁護士 ○○○○
東京地方裁判所民事第20部 御中
5 JV責任について
倒産・不払いの場合の下請企業へのJV責任について、国土交通省監修の本『改訂版 JV制度Q&A』(大成出版社)が、次のように解説しています。
Q 共同企業体の構成員のうち1社が倒産した場合に、当該構成員と下請契約を締結していた下請業者は、残存構成員に対して未払い代金等を請求することができますか。
A 通常は可能です。
共同企業体の法的性質は必ずしも明確ではなく、問題が生じた時にはその共同企業体の実体を考慮しながら判断されることになります。共同企業体の下請になっている場合に、下請代金債権の債務者が誰であるかの判断は、契約の当事者が誰であるかの事実認定によります。
一般的には、共同企業体は法人格を有しない団体であり、民法上の組合の一種と解されているため、協定書で定めのない事項については、民法の組合に関する規定が適用されることになります。組合として負った債務は、組合財産を引き当てにできるほか、各構成員も損失分担の約定の割合に応じて法的責任を負います。共同企業体では通常出資割合に応じて負担することになるので、下請は共同企業体に対して請求できるほか、各構成員に対して出資分に応じた請求ができます。
しかし、最近の判例では、共同企業体の構成員が会社である場合には、共同企業体は商行為を営業として行うことを目的とした組合であって、各構成員は共同企業体がその事業のために第3者に対して負担した債務について、商法の規定により連帯責任を負うとされました。従って、理論的には下請は下請代金の全額について、共同企業体の構成員に請求できることとなる道が開かれました。
ただし、実際に全額を請求するのは難しい場合が多いと思われます。例えば、ある共同企業体の構成員が会社更生法の申請をした場合でその共同企業体の下請に入っていた場合、以降更生に協力して施工するのであれば、現場再開後の工事の支払は例えば1週間毎の現金払い等となります。しかしその場合、会社更生申立前の下請代金債権について、他の構成員に全額請求するのは事実上難しいと思われます。以後、その会社からの工事は受注できなくなる可能性もあるため、当該請求先会社との関係への影響を考慮すると、今後とも当該会社との関係を継続したいのであれば、全額請求は難しいと思われます。いずれの場合であっても、よく話し合いをすることが望ましいといえます。
なお、共同企業体が施工する建設工事において、共同企業体と下請企業等とが締結する下請契約等については、共同企業体の構成員の一部が破産又は解散した際の下請企業等の連鎖倒産等を防止し、下請企業等の不安を解消する観点から、次ぎのとおり行うこととされています。
共同企業体が施工する建設工事における下請契約等について
平成10年1月30日建設省経振発第8号
1 甲型共同企業体の場合
甲型共同企業体は、共同企業体施工工事全体を各構成員が共同で施工し、損益計算についても当該工事について共同企業体としての決算を行うものであることから、下請契約等を履行する際においても、各構成員が連帯して責任を負うとすることが適当であること。
これを明確にするため、各構成員が連帯で責任を負う旨契約上明記するとともに、契約の締結は、共同企業体の名称を冠して共同企業体の代表者及びその他の構成員全員の連名により、又は少なくとも共同企業体の名称を冠した代表者の名義によること。
2 乙型共同企業体の場合
乙型共同企業体は、共同企業体施工工事を工区に分割して各構成員が分担して施工し、損益計算も各工区各構成員毎に別建てで行うものではあるが、共同企業体の趣旨及び下請企業等の保護の観点から、上記1甲型共同企業体の場合に準じて契約を締結することが望ましいこと。
3 下請企業等との協議等
下請契約等の締結に際しては、当該契約の履行についての各構成員間の責任分担及び各構成員と下請企業等との権利義務関係について、運営委員会において予め各構成員協議の上決定するとともに、下請企業等と予め十分協議を行うこと。
◎ ──── 三平建設株式会社民事再生債権者説明会 ────
2008/7/24 三平建設株式会社が東京地裁に民事再生を申し立て。
2008/7/29 三平建設民事再生債権者説明会が(東京)九段会館でおこなわれる。
(以下は、上記の債権者説明会での説明と質疑応答の一部です。記録者の主観も入っていますので、その辺を割り引いて、参考資料として下さい)
(説明)マンションがまるっきり売れなくなる。自社単独も考えているが、りそな銀行のサポートを得ながら、スポンサーを見つけて、確実な再生に努めたい。
(説明)少額債権の弁済は10万円以下の債権。
(質問)マンション建設が中心ということだが、JVでの施工はあるのか、あるとすれば何件か? 御社が下請となっての施工はあるのか、あるとすれば何件か? 弁済条件は未定とのことだが、少額債権の弁済が10万円以下というのは低いし、弁済の原資として何を考えているのか? バランスシートから出すということか、再生の軌道の中で利益を出してその利益を原資とするのか、スポンサーを見つけてスポンサーから資金提供を得てそれを弁済原資とするのか、メインバンクのりそな銀行から融資等を得て原資とするのか?
(回答)JVは2件。下請施工はゼロ。スポンサーからの支援を得て、弁済原資にあてたい。スポンサーについて、現時点で確定的な話があるわけではない。
(質問)資産と負債は?
(回答)資産4億円強、負債160億円。財産評定手続きの中で、バランスシート等は確定していく。
(質問)経営者の責任は?
(回答)経営責任は重いものがあるが、法的な意味での善管注意義務違反はなかった。法律違反行為はなかった。相次いで取引先のディベロッパーが倒産。
(質問)工事再開はいつからか?
(回答)8/1をメドに工事再開していく。2物件については先行して、工事再開している。
(質問)りそな銀行からの支援は?
(回答)メインバンクのりそな銀行に、従来と変わらない厚いご支援をお願いしている。
◎ 旭ホームズ(ジャスダック上場)の親会社のセボンが民事再生
1 セボン民事再生
2008/8/25『朝日新聞』によると、「首都圏を中心に不動産開発などを手がけるセボン(本社・東京)は2008年8月25日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。負債総額は621億円。同時に民事再生を申し立てた子会社分をあわせると約785億円」とのことです。
不動産業者の倒産が続発しています。
セボンは、旭ホームズ(ジャスダック上場)の親会社。
『朝日』記事によると、旭ホームズは、「独立性を維持した経営で、相互依存関係にないため、業績に影響はない」とのコメントを発表した、とのことです。
負債は、子会社(バニラ)の分を含めると、785億円。
2 帝国データバンクによると
民事再生申請代理人は西村國彦弁護士(東京都千代田区内幸町1−1−7 電話03−5511−4400)ほか6人。
セボンは2006年9月に、旭ホームズの株式89.85%を取得して連結子会社化。
負債の内訳は、2008年7月末時点で、セボンが621億41百万円、バニラが163億7千万円。2社合計で785億11百万円。
セボンの倒産により、不動産業者の大型倒産は、ゼファー(負債949億48百万円、東京都、2008年7月、民事再生法)に次いで今年5番目の大型倒産です。
◎ りんかい日産建設(株) 東京地裁に会社更生法の適用を申請
2008/08/29 中堅ゼネコンのりんかい日産建設株式会社が東京地裁に会社更生法の適用を申請しました。
負債629億8380万円とのことです。
2008年のゼネコン倒産では、真柄建設(負債348億円、民事再生)を上回る最大規模の大型倒産です。今後も、株式配当無配のゼネコンとか利益剰余金残高△のゼネコンとか中堅クラスゼネコンの大型倒産の発生が心配です。
申請代理人は那須克巳弁護士(東京都中央区日本橋本町3−3−4日本橋本町ビル8階、電話03−3516−2281)
同社HPによると、「申立の理由」及び「今後の見通し」の要旨は、次のようなものです。
1 会社更生 申立の理由
当社は、土木・建築事業の他に、2005年頃から不動産開発事業を行ってきた。サブプライムローン問題に端を発した金融機関の融資先選別及び融資案件審査の厳格化の影響により、2007年末頃から事業環境が急激に変化した。当社の開発事業はSPCを利用した不動産の流動化だったが、上述のような急激な信用収縮の結果、それまで不動産を取得する意向を示していたファンド等の買受候補者から相次いで契約延期の申し入れがあり、その結果、各SPCの融資先等に対する返済資金を、当社が立て替えて弁済しなければならない事態となった。当社は、約80億円もの資金を投入して、SPCの融資先等に対する債務を弁済したが、さらに、取引先のディベロッパーの倒産に伴い約10億円の損害を被ったことにより、資金繰りは一気に悪化した。不動産の売却による資金の確保に奔走したが、結果として成約には至らず、2008年8月末の債務の支払が困難となった。そのため、今回の申立に至った。
2 今後の見通し
裁判所並びに保全管理人による監督指導のもとで、金融機関、発注者及び工事関係先各位の支援、協力を得て、一日も早く会社を再建できるよう、社員一同全力を傾注していく。
○ SPC 特定目的会社
(参考)
○ 前回の日産建設会社更生の際の経過
2003年1月30日 関係人集会
2003年1月31日 東京地裁から更生計画の認可決定を受ける。
2003年7月1日 りんかい建設と合併。りんかい日産建設として発足。
全建総連関東地協として交渉を行ない、「東京、大阪、横浜など10支店に相談窓口を設置し、相談担当者を配置させる」、「(契約の範囲内で)現金で前払いさせるなどの手法で、窮状に陥っている下請業者を救済させる」などを日産建設におこなわせてきました。
また、更生計画の中に、500万円未満の債権については200万円を超える部分を放棄すれば200万円を支払うことが記述され、全建総連関東地協の要求を一定反映させることができました。なお、500万円以上の債権に対する弁済率は7%になっています。
◎ ── りんかい日産建設債権者説明会に参加して 簡単なまとめ ──
2008/9/3 九段会館で「りんかい日産建設債権者説明会」がおこなわれました。
参加しましたので、その簡単なまとめを以下に記述しておきます。主観も入っていますから、割り引いて受け止めて下さい。
(りんかい日産建設債権者説明会)
○ 清水建設とのJV、戸田建設とのJV、西松建設とのJVなどJV工事が目立つ。
○ (回答)スポンサーについては、まだ発表できるような段階ではない。
○ 「少額債権の弁済」 債務総額金100万円以下の債務(手形債務を除く)
支払い時期等については、保全管理人から通知する。
○ (回答)「少額債権の弁済」 100万円を超える部分を放棄すれば、100万円を支払うかどうかについては、答えられない。
○ (回答)少額債権は、更生管財人の権限。
○ (回答)2008/9/2現在 工事再開率48%。
○ 工事代金について、規定が存在していないのに10%を「保留金」として支払いを保留されているので、それを支払ってほしいとの要望が、下請業者から出された。
「国土交通省の『建設業法令遵守ガイドライン』に保留金についての記述があり、下請業者との協議、合意がないまま一方的に長期にわたって保留金などの名目で支払いの一部を保留することは建設業法違反のおそれがある、と説明されている。りんかい日産建設は、元請の特定建設業者として法令遵守を実行し、10%の保留金については優先して保護すべきである」という趣旨の発言が、出席していた建設労組からおこなわれた。
りんかい日産建設の回答「保留金10%の扱いは、更生管財人の債権認否による」
○ (回答)「特例弁済」 個別に対応する。
○ 「納入済みの材料は共益債権になるのか」の質問に対して「事実関係を確認して回答する。断定できない」との回答。
○ (回答)JVについては、個別の話になる。
○ 「発注者がまだ支払っていない場合、下請業者への直接払いは可能か?」の質問に対して「それは当社に支払われるべきもので、特別扱いは困難」との回答。
○ (回答)保証債務91億円が存在する。
(参考)
JV責任について
倒産・不払いの場合の下請企業へのJV責任について、国土交通省監修の本『改訂版 JV制度Q&A』(大成出版社)が、次のように解説しています。
Q 共同企業体の構成員のうち1社が倒産した場合に、当該構成員と下請契約を締結していた下請業者は、残存構成員に対して未払い代金等を請求することができますか。
A 通常は可能です。
共同企業体の法的性質は必ずしも明確ではなく、問題が生じた時にはその共同企業体の実体を考慮しながら判断されることになります。共同企業体の下請になっている場合に、下請代金債権の債務者が誰であるかの判断は、契約の当事者が誰であるかの事実認定によります。
一般的には、共同企業体は法人格を有しない団体であり、民法上の組合の一種と解されているため、協定書で定めのない事項については、民法の組合に関する規定が適用されることになります。組合として負った債務は、組合財産を引き当てにできるほか、各構成員も損失分担の約定の割合に応じて法的責任を負います。共同企業体では通常出資割合に応じて負担することになるので、下請は共同企業体に対して請求できるほか、各構成員に対して出資分に応じた請求ができます。
しかし、最近の判例では、共同企業体の構成員が会社である場合には、共同企業体は商行為を営業として行うことを目的とした組合であって、各構成員は共同企業体がその事業のために第三者に対して負担した債務について、商法の規定により連帯責任を負うとされました。従って、理論的には下請は下請代金の全額について、共同企業体の構成員に請求できることとなる道が開かれました。
ただし、実際に全額を請求するのは難しい場合が多いと思われます。例えば、ある共同企業体の構成員が会社更生法の申請をした場合でその共同企業体の下請に入っていた場合、以降更生に協力して施工するのであれば、現場再開後の工事の支払は例えば1週間毎の現金払い等となります。しかしその場合、会社更生申立前の下請代金債権について、他の構成員に全額請求するのは事実上難しいと思われます。以後、その会社からの工事は受注できなくなる可能性もあるため、当該請求先会社との関係への影響を考慮すると、今後とも当該会社との関係を継続したいのであれば、全額請求は難しいと思われます。いずれの場合であっても、よく話し合いをすることが望ましいといえます。
なお、共同企業体が施工する建設工事において、共同企業体と下請企業等とが締結する下請契約等については、共同企業体の構成員の一部が破産又は解散した際の下請企業等の連鎖倒産等を防止し、下請企業等の不安を解消する観点から、次ぎのとおり行うこととされています。
共同企業体が施工する建設工事における下請契約等について
平成10年1月30日建設省経振発第8号
1 甲型共同企業体の場合
甲型共同企業体は、共同企業体施工工事全体を各構成員が共同で施工し、損益計算についても当該工事について共同企業体としての決算を行うものであることから、下請契約等を履行する際においても、各構成員が連帯して責任を負うとすることが適当であること。
これを明確にするため、各構成員が連帯で責任を負う旨契約上明記するとともに、契約の締結は、共同企業体の名称を冠して共同企業体の代表者及びその他の構成員全員の連名により、又は少なくとも共同企業体の名称を冠した代表者の名義によること。
2 乙型共同企業体の場合
乙型共同企業体は、共同企業体施工工事を工区に分割して各構成員が分担して施工し、損益計算も各工区各構成員毎に別建てで行うものではあるが、共同企業体の趣旨及び下請企業等の保護の観点から、上記1甲型共同企業体の場合に準じて契約を締結することが望ましいこと。
3 下請企業等との協議等
下請契約等の締結に際しては、当該契約の履行についての各構成員間の責任分担及び各構成員と下請企業等との権利義務関係について、運営委員会において予め各構成員協議の上決定するとともに、下請企業等と予め十分協議を行うこと。
◎ 東証・大証1部上場の中堅ゼネコン(株)新井組が民事再生
1 現状
東証・大証1部上場の中堅ゼネコン、株式会社新井組が、東京地裁に民事再生を申請して倒産しました。連鎖的に被害の拡大が予測されます。
負債額は427億円。
メインバンクは三井住友銀行。
三井住友銀行が、融資を打ち切り、新井組は支払い不能に陥った、ということのようです。
三井住友銀行への新井組の債務額は144億円とのことです。
筆頭株主のNISグループにも支援の要請を行ったが、断られた、とのことです。
「NISグループ」 消費者金融、事業者金融を営む企業。
2 対策
元請倒産ですから、厳しいたたかいになりますが、方向としては、工事代金への配当の原資を確保するために、メインバンクの三井住友銀行に担保付き債権を譲らせて、工事代金への配当の原資にしていくことを、めざすことです。
そのために、
@ 下請業者は債権者説明会で、下請業者が多数参加している前で、「銀行に支払う金があるのなら下請業者に支払うこと」を強く訴える必要があります。
A 民事再生をとりしきる弁護士や裁判長に交渉、申し入れをおこなうことです。
B メインバンクの三井住友銀行への交渉や(建設労組の)団体行動権の行使をおこなうことです。
C 上記のために、不払い被害を受けた下請業者を結集することです。
なお、新井組本社に確認したところ、債権者説明会(関東地域)の日時・会場は、10月15日(水)午前10時30分〜 日比谷公会堂 とのことです。
◎ 勝村建設 営業休止→営業再開→営業休止→「民事再生を申立て」
2008/10/30 中堅ゼネコンの勝村建設(株)が、「支払いの資金めどが立たない」ことを理由として「営業休止」を公表しました。
同社は、資金繰りが困難になった理由として、取引企業の民事再生、工事代金未払い、「金融情勢の激変」による金融機関からの融資取り消しをあげています。
2008/10/31 状況の確認と交渉の申し入れを目的として、同社の本社(台東区浅草橋)と「対応をお願いした」という田中法律事務所(豊島区西池袋)田中信人弁護士を訪ねました。
「協力業者」の人たちが次々と来ていましたが、本社は施錠されていて、中に入れません。電話してもダメです。中に人がいるのですが、電話には誰も出ません。
田中法律事務所に電話すると、「先生(田中信人弁護士)は(勝村建設)本社でいま、経営陣と対策を協議中」とのことで、会うことはできない、との返事です。同事務所のあるマンションまで行き、呼び出しましたが、応答がありません。
2008/11/4午前、田中法律事務所に電話。田中法律事務所の回答「(田中信人)先生(弁護士)から、午前中に連絡が入って、民事再生を準備中、とのことです。しかし、勝村建設のHPに『営業再開のお知らせ』が載っており、どうなっているのかわからない。田中先生からの連絡を待っている」
勝村建設のHPを見ると確かに、「営業再開のご連絡」が掲載されています。
2008/11/4午後、勝村建設の本社に行き、社員から話を聞きました。「民事再生の方向だと会社から説明を受けている」と社員は言います。
田中法律事務所にまた電話すると、「民事再生の方向で検討中だが、確定したわけではない」というようなことを言います。
勝村建設のHPをまた見ると、「営業再開のご連絡」が削除されていて、「営業休止のご連絡」だけが載っています。動揺しています。
2008/11/5 田中信人弁護士から直接(電話ですが)、話を聞くことができました。田中信人弁護士は、次のように話しています。
スポンサーが見つかったという話は、事実に近い。
民事再生の方向で検討中だが、確定したわけではない。
数日中に、結論、方向を出す。
2008/11/11 勝村建設が東京地裁に民事再生の申立てを行ないました。
同社HPによると、「経営再建の道を模索し、この度、有力なスポンサーより、弊社の民事再生手続の申立てを前提として、弊社経営再建のご協力を得られる運びとなりました」とのことです。
帝国データバンク「大型倒産速報」によると、負債は約49億5700万円、「従業員全員を解雇する予定だったが、解雇を撤回し、民事再生法のもとで再建を図るべく今回の措置となった」とのことです。
最近だけでも、サンユー民事再生、新井組民事再生、群馬県の最有力ゼネコンの井上工業の破産、今回の勝村建設の「営業休止→民事再生」、山ア建設会社更生、等々、現下の恐慌的状況の中、倒産・不払いの大波が押し寄せ、重層下請構造下の建設業者、一人親方、労働者を連鎖的に苦しめ、窮状に追い込みつつあります。
現在の破産法など倒産法では、工事代金が賃金(労働債権)として認められず、一般債権として扱われ、倒産時に配当を受け取ることができません。一般債権への配当は、通常ゼロです。下請業者は泣き寝入りを余儀なくされます。ここは、法改正を含めて行い、工事代金を賃金(労働債権)として認めて保護することが必要です。
また、倒産時、見るべき資産には担保が付いていて、銀行などが担保付き債権優先ということで回収していきます。ここも法改正を含めておこない、銀行などに譲らせて、担保付き債権の主要部分を工事代金への配当に回すべきです。
これによって、倒産時の工事代金の被害を最小限にとどめ、連鎖倒産を防止することです。
麻生内閣の緊急経済対策には、27兆円を用意している、とのことです。この一部を投入すれば、工事代金を労働債権として保護し、下請業者、中小業者の連鎖倒産を防ぎ、日本経済の土台を形成し、支えている人たちを守ることができます。
◎ ─── 勝村建設民事再生債権者説明会に参加して ───
2008/11/14 勝村建設民事再生債権者説明会がおこなわれました。
勝村建設は二度目の民事再生です。
債権者説明会での報告、質疑応答の一部を以下に記述しておきます。記述者の主観も当然排除できませんから、その辺を割り引いて、読んで下さい。
山田一二社長「決定的だったのは、18億円の債権回収ができなかったこと」
山田一二社長「ウソをついたことになり、損害を拡大させた」、「結果としてだましてしまった」
「36現場ある。発注者は、防衛省、国土交通省、農水省、北海道開発庁、東京都など」
「スポンサーの候補者数社、一両日中に1社に絞る。最終段階の詰めをおこなっている」
「受注残80億円。官公庁からは早期の工事再開を要請されている」
山田一二社長は辞任する。
従業員、現在160人。
資本金9億円。
(少額債権の弁済として)50万円以下の債務を支払う。50万円を超える債務については、支払いストップ。
監督委員は「キタガワタカユキ」弁護士 メトロポリタン法律事務所 電話03−3356−7618
柳澤憲弁護士「破産時の配当率(暫定的な試算で2.72%)を上回ることは間違いない」
柳澤憲弁護士「(民事再生法85条の2 特例弁済)相談があった場合、検討」
建設労組が「金融機関に債権を放棄させて(譲らせて)、工事代金への配当に回すこと」、「工事代金の中の労務費部分を労働債権(賃金)として認めて保護すること」を要求した。
柳澤憲弁護士「社長の責任は免れられない」
柳澤憲弁護士「官公庁から下請業者への直払いは困難」
柳澤憲弁護士「労務請負の場合は、裁判所とも協議して、ある程度柔軟な対応をとれると思っている」
金融債権約21億円のうち15億円が弁済される見込み。このうち半分の7億5千万円を譲らせて、工事代金への配当に回すことで、工事代金への配当率を大きく高めることを、建設労組は要求した。
◎ ──── オリエンタル白石会社更生債権者説明会に参加して ────
2008/12/1東京厚生年金会館でおこなわれたオリエンタル白石会社更生債権者説明会に参加してきました。
以下に、注意しておいたほうがいいと思われる諸点を記述しておきました。
○ オリエンタル白石「2008年11月末の必要資金の融資についてぎりぎりまで金融機関との交渉を続けたものの、融資は実行されなかった。融資が実行されなかったことから、2008年11月末に約18億円の資金不足に陥る見込みとなり、このまま支払停止等に至れば事業の継続が困難になることから、会社更生手続開始の申立てに及んだ」
質問「融資を実行しなかった金融機関とは、どこか?」
回答「三井住友、みずほ、UFJである」
○ オリエンタル白石「会社更生申立時は資産超過」
質問「修正バランスは作っていないのか?」
回答「作っていない」
○ オリエンタル白石の負債総額約605億円(うち金融債務約324億円)
全建総連は金融債務約324億円に着目し、担保付き債権が優先だからといって下請業者への支払をしないまま銀行に支払うのではなく、下請業者の工事代金へ優先して支払うよう、主張した。(会場全体から大きな拍手が起こりました)
○ 質疑からJV工事の存在が明らかになった。
全建総連は、国土交通省監修のJV解説書を引用し、JVの「相棒」に未払い工事代金を請求できることを明らかにした。(会場全体から大きな拍手が起こりました)
○ 少額債権を含めて配当については、「会社更生の申立て段階では想定していない」との説明がおこなわれた。
○ 東京地裁裁判長の「決定」の中にある「保全管理人が次に掲げる行為をするには、当裁判所の許可を得なければならない。但し、次に掲げるものを除く。債務総額金50万円以下の債務」の解釈について、オリエンタル白石は「裁判所の許可を得なければならないということではないということであり、50万円以下を払わなければならないということではない」と説明した。
(参考資料)
────── オリエンタル白石会社更生について ──────
東証1部上場のオリエンタル白石株式会社(土木工事業、建築工事業)が2008/11/26東京地裁に会社更生の申し立てを行い、受理され、同裁判所から弁済禁止の保全処分命令が出され、下請業者に多大な不払い被害が発生、拡大しています。負債総額は約605億円とのことです。
オリエンタル白石は「昨夏以降のサブプライムローン問題、資源高騰等による景気の後退及び金融情勢の悪化のため、金融機関からの借入・借換が困難となり、2008年11月末日の資金繰りの目途が立たない状況」となり、「会社更生手続により会社再建をめざすことが最善の策と判断した」としています。
(オリエンタル白石提出の資料によると)「主な事業内容」プレストレスコンクリート建設工事、橋梁・道路等基礎工事、一般土木・建築工事の施工、「従業員の状況」正社員1,355人、「労働組合」オリエンタル建設職員組合、オリエンタル建設労働組合、白石職員組合
(帝国データバンク企業情報によると)「取引銀行」三井住友(東京中央)、みずほ(丸之内)、三菱東京UFJ(丸の内)、三菱東京UFJ(本店)、りそな(東京営業部)、三菱UFJ信託(本店)、「販売先」官公庁、JR各社、公団、公社、ゼネコン
なお、調査日2008年10月2日時点での帝国データバンク企業情報「評点」は54であり、言い換えると、評点54でも倒産に至る現実的可能性のある恐慌的状況に建設産業が陥っていることを、示したものと言えるのかもしれません。
◎ ────── 多発する民事再生、会社更生への参考資料 ──────
1 直近の例
サブコンの会社更生で、元請のゼネコンが100%の立替払をおこなった、とのことです。このゼネコンは、建設業法41条3項にもとづく元請責任での不払い解決を誠実におこなったわけです。
○○社・民事再生では、民事再生の弁護士との交渉をおこない、不払いをおこさないよう下請を指導すべき元請責任をはたすよう求め、結果として、不払いをおこしていた1次は「全額払う」と2次に約束しました。
不払い被害が拡大している△△社・民事再生では、1社については少額債権の適用、1社についてはJVの構成員への支払い請求、1社(3次)については上(元請)から払われないからと言って下(3次)に負担を押し付けるやり方を許さず、1〜2次に請求していく方向を確認しました。また、民事再生法が定める特例弁済の規定を活用する方向も確認しました。
△△社とのJVを結成しているA社は、申し入れに対して、「JV工事については、全額に近い額を支払うつもりだ」と言っています。
一人親方や一人親方的事業主層を労働者として認めさせて労働法の保護をかちとる課題、工事代金の中の労務費部分を労働債権として認めさせて保護する課題を追求しながら、適切な行動形態、運動形態を選択することが、大事です。
2 JV責任
倒産・不払いの場合の下請企業へのJV責任について、国土交通省監修の本『改訂版 JV制度Q&A』(大成出版社)が、次のように解説しています。
Q 共同企業体の構成員のうち1社が倒産した場合に、当該構成員と下請契約を締結していた下請業者は、残存構成員に対して未払い代金等を請求することができますか。
A 通常は可能です。
共同企業体の法的性質は必ずしも明確ではなく、問題が生じた時にはその共同企業体の実体を考慮しながら判断されることになります。共同企業体の下請になっている場合に、下請代金債権の債務者が誰であるかの判断は、契約の当事者が誰であるかの事実認定によります。
一般的には、共同企業体は法人格を有しない団体であり、民法上の組合の一種と解されているため、協定書で定めのない事項については、民法の組合に関する規定が適用されることになります。組合として負った債務は、組合財産を引き当てにできるほか、各構成員も損失分担の約定の割合に応じて法的責任を負います。共同企業体では通常出資割合に応じて負担することになるので、下請は共同企業体に対して請求できるほか、各構成員に対して出資分に応じた請求ができます。
しかし、最近の判例では、共同企業体の構成員が会社である場合には、共同企業体は商行為を営業として行うことを目的とした組合であって、各構成員は共同企業体がその事業のために第3者に対して負担した債務について、商法の規定により連帯責任を負うとされました。従って、理論的には下請は下請代金の全額について、共同企業体の構成員に請求できることとなる道が開かれました。
ただし、実際に全額を請求するのは難しい場合が多いと思われます。例えば、ある共同企業体の構成員が会社更生法の申請をした場合でその共同企業体の下請に入っていた場合、以降更生に協力して施工するのであれば、現場再開後の工事の支払は例えば1週間毎の現金払い等となります。しかしその場合、会社更生申立前の下請代金債権について、他の構成員に全額請求するのは事実上難しいと思われます。以後、その会社からの工事は受注できなくなる可能性もあるため、当該請求先会社との関係への影響を考慮すると、今後とも当該会社との関係を継続したいのであれば、全額請求は難しいと思われます。いずれの場合であっても、よく話し合いをすることが望ましいといえます。
3 民事再生法の定める「特例弁済」の規定
(1) 再生債権の弁済の禁止
民事再生法85条 再生債権については、再生手続開始後は、この法律に特別の定めがある場合を除き、再生計画の定めるところによらなければ、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為をすることができない。
(2) 中小企業者への特例弁済
民事再生法85条の2項 再生債務者を主要な取引先とする中小企業者が、その有する再生債権の弁済を受けなければ、事業の継続に著しい支障を来すおそれがあるときは、裁判所は、再生計画認可の決定が確定する前でも、再生債務者等の申立てにより又は職権で、その全部又は一部の弁済をすることを許可することができる。
民事再生法85条の3項 裁判所は、前項の規定による許可をする場合には、再生債務者と同項の中小企業者との取引の状況、再生債務者の資産状態、利害関係人の利害その他一切の事情を考慮しなければならない。
民事再生法85条の4項 再生債務者等は、再生債権者から第2項の申立てをすべきことを求められたときは、直ちにその旨を裁判所に報告しなければならない。この場合において、その申立てをしないこととしたときは、遅滞なく、その事情を裁判所に報告しなければならない。
(3) 少額債権の弁済
民事再生法85条の5項 少額の再生債権を早期に弁済することにより再生手続を円滑に進行することができるとき、又は少額の再生債権を早期に弁済しなければ再生債務者の事業の継続に著しい支障を来すときは、裁判所は、再生計画認可の決定が確定する前でも、再生債務者等の申立てにより、その弁済をすることを許可することができる。
4 会社更生法の場合
会社更生法47条 更生債権等については、更生手続開始後は、この法律に特別の定めがある場合を除き、更生計画の定めるところによらなければ、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができない。
会社更生法47条の2 更生会社を主要な取引先とする中小企業者が、その有する更生債権等の弁済を受けなければ、事業の継続に著しい支障を来すおそれがあるときは、裁判所は、更生計画認可の決定をする前でも、管財人の申立てにより又は職権で、その全部又は一部の弁済をすることを許可することができる。
会社更生法47条の5 少額の更生債権等を早期に弁済することにより更生手続を円滑に進行することができるとき、又は少額の更生債権等を早期に弁済しなければ更生会社の事業の継続に著しい支障を来すときは、裁判所は、更生計画認可の決定をする前でも、管財人の申立てにより、その弁済をすることを許可することができる。
◎ ──── ダイア建設民事再生 泣き寝入りを防ぐ方策は? ────
1 経過
ダイア建設のHPを見ると、「民事再生手続申立に関するお詫び」(代表取締役 加治洋一)が載っています。
それによると、要旨、次のようになります。
「2008/12/19開催の取締役会で、民事再生手続開始の申立を行うことを決議し、東京地方裁判所に民事再生手続開始の申し立てを行ない受理された」
「昨今の資材価格高騰、建築基準法改正による工事遅延等により、収益が悪化し、マンション販売高が伸び悩むとともに、分譲マンションの新規着工が困難となり、当社は、徐々に資金繰りに窮していくこととなった。資金繰りの改善、経営改善に努めてきたが、先般の金融危機によりマンション需要が急速に縮小し、特に2008年10月以降はマンション分譲・販売が大きく落ち込み、当社のマンション販売高は激減することとなった。その結果、当社は、2008年12月の支払のための資金繰りに窮することとなり、やむなく自主再建を断念し、民事再生法に基づく民事再生手続を選択するに至った」
同社HPによると、
民事再生の申立代理人 森・濱田松本法律事務所(弁護士 松村正哲 同 丸茂彰 同 信國篤慶 同 石川貴教 同 杤尾安紀) 東京都千代田区丸ノ内1 丁目6 番5 号 丸の内北口ビル
負債総額 約300 億円
今後の見通し 当社は、今後、スポンサーの選定を行い、その支援を得て、事業の再生を図っていく。
2 何か方策は?
羅列すると、以下のような方策があります。
@ JV責任の追及
たとえば、勝村建設民事再生では、勝村建設とJVを組んでいる○○社のJV責任の追及を通じて、不払い工事代金の一定額の支払いを約束させています。数年前の松栄建設破産の際には、JVを組んでいた高元建設がJV責任を果たし、支払いをおこないました。
A 特例弁済
冨士工民事再生、青木建設民事再生、等々、民事再生、会社更生では、民事再生法や会社更生法に規定されている「中小企業者の連鎖倒産防止」の趣旨の特例弁済が実施されています。交渉等を通じて、この実施を要求することです。
B 少額債権の弁済額の引き上げ
冨士工民事再生200万円、青木建設民事再生350万円、佐藤工業会社更生500万円、等々、民事再生法や会社更生法に規定されている「少額債権の弁済」にもとづき、少額債権の弁済が実施されています。交渉等を通じて、その額の引き上げを要求することです。
C 元請や上位下請への請求
上から払われないことを口実にして下に払わず、負担を下へ下へと転嫁するのを許さず、元請や上位下請への請求を冷徹におこなうことです。
オリエンタル白石民事再生では、逆に、1次から相談を受け、「元請から貰えないからといって2次に払わないで、負担を2次に押し付けるのはダメで、2次とよく話し合って、支払い条件等円満な合意、解決をめざすべきです」と1次に話しました。とりあえず三分の一を払い、残りを分割払いの方向で調整することになりました。
D 大局的には、「銀行に払う金があるなら、下請業者に優先して払うこと」、「工事代金の中の労務費部分を社員の賃金と同じように賃金(労働債権)として認めて保護すること」を要求して、がんばること、たたかうことです。
◎ ─── 小川建設民事再生債権者説明会に参加して ───
2009/1/7小川建設民事再生債権者説明会がおこなわれました。以下に、差し支えない範囲で、なかみを紹介しておきます。
○ 創業 1909年(明治42年)
○ 資本金4億5百万円 従業員165人 従って、中小企業規定が適用になり、賃金支払確保法の適用が可能。(全建総連は、社員の賃金と同様に、下請業者の工事代金の中の労務費部分を賃金(労働債権)と認め、賃金支払確保法の適用を申請することを、民事再生申立代理人弁護士に求めた)
○ 「民間工事が99%」とのことです。
○ 2009/1/5に東京地裁に民事再生を申し立て、同日受理される。
○ 少額債権の弁済 (消費税を含んで債権の合計が)50万円以下に適用
○ 2009/1/4までの施工分、納入分については、代金の支払いをストップ(禁止、棚上げ)
○ 「建築基準法の改定での混乱、リーマンショックでの金融不安、融資を受けられなくなり、2009/1/5の定時払いができなくなり、2009/2,3月も資金調達が困難ということで、民事再生を選択した」というような説明がおこなわれた。
○ 2009/1/5以降の施工分、納入分については「共益債権」となり、支払う(一律、毎月20日締め切り、半月後に100%現金払い)。
○ 出来高査定(確認)をおこなう。
○ 工事続行協力の同意書の提出を求める。
(以下は、質疑応答の中での回答)
○ 業種によって支払い条件が異なっていた。手形払いではないので、(一定期間の)据え置きということでお願いしていた。
○ (少額債権)50万円を超える分を放棄しても、50万円を支払うことは、検討は必要と思うが、とりあえずは考えていない。
○ (2009/1/5以降の施工で)増員してもらった分については、支払う。
○ 破産の際の弁済率よりも民事再生の弁済率のほうが高い。
○ 民事再生の弁済率については、債権調査と財産評定を経た後でなければ、本当に全くわからない。
○ リース債権は別除権付き債権となる。
○ リストラを考えている。
○ (全建総連が「銀行に担保付き債権を大幅に譲らせて、下請業者の工事代金への配当を大きく増やすこと」、「下請中小業者を救済するための(民事再生法85条の2にもとづく)特例弁済の広範な実施」、「民事再生法1条にもとづく債権者との適切な調整」を求めたことに対して)「銀行とは交渉するが、法律に反するようなことはできない」、「債権者全体の同意が得られれば、特例弁済もいいと思うが、債権者平等の原則から言うと、そぐわないように思う」、「債権者との調整は当然である」と回答。
「民事再生法第1条」 この法律は、経済的に窮境にある債務者について、その債権者の多数の同意を得、かつ、裁判所の認可を受けた再生計画を定めること等により、当該債務者とその債権者との間の民事上の権利関係を適切に調整し、もって当該債務者の事業又は経済生活の再生を図ることを目的とする。
(なお、債権者説明会の終りの時間は明示されていなかったにもかかわらず、16時に至り突然(会場を借りている時間の終了を理由として)質疑の打ち切りがおこなわれ、一定数の債権者は挙手していたのに、質問、意見を封じられました)
(会場となった日本教育会館一ツ橋ホールに確認したところ、16時30分まで借りられていたとのことで、16時に強引に打ち切る根拠は、崩れています)
◎ 東証1部上場 日本綜合地所株式会社 会社更生事件について
1 日本綜合地所株式会社 会社更生を申請
日本綜合地所(東証1部上場 ディベロッパー)は2009年2月5日、東京地裁に会社更生法の適用を申請した。
同社の
住所 東京本社:東京都港区高輪二丁目21番46号
資本金 141億1975万円
従業員数 317人
平均年齢 32.5歳
事業内容 自社分譲マンションの企画・販売、ビル事業、他社マンションの販売代理、ローン事務取扱
主な取引金融機関 みずほ銀行銀座中央支店、三井住友銀行五反田支店、三菱東京UFJ銀行
会社更生申請代理人 澤野正明弁護士(電話03−6212−5500)他
会社更生監督委員兼調査委員 多比羅誠弁護士(電話03−3573−1578)
「マンションディベロッパー」と呼ばれている。
テレビCMなど広告宣伝に注力。
負債 約1975億4900万円。
採用内定者の取り消しで、マスメディアで話題になる。「工事代金の支払いも困難となり、会社更生の申請に至った」とのことです。
負債は約1975億4900万円。
関係会社の日綜不動産株式会社(資本金4億9400万円 分譲マンションの開発販売)、日綜ハウジング株式会社(資本金1億円 戸建分譲)も、2009年2月5日、東京地裁に会社更生法の適用を申請した。
日綜不動産 負債約122億8400万円
日綜ハウジング 負債約43億9000万円
2 会社更生法
会社更生法47条 更生債権等については、更生手続開始後は、この法律に特別の定めがある場合を除き、更生計画の定めるところによらなければ、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができない。
会社更生法47条の2 更生会社を主要な取引先とする中小企業者が、その有する更生債権等の弁済を受けなければ、事業の継続に著しい支障を来すおそれがあるときは、裁判所は、更生計画認可の決定をする前でも、管財人の申立てにより又は職権で、その全部又は一部の弁済をすることを許可することができる。
会社更生法47条の5 少額の更生債権等を早期に弁済することにより更生手続を円滑に進行することができるとき、又は少額の更生債権等を早期に弁済しなければ更生会社の事業の継続に著しい支障を来すときは、裁判所は、更生計画認可の決定をする前でも、管財人の申立てにより、その弁済をすることを許可することができる。
3 何か方策は?
羅列すると、以下のような方策があります。
@ JV責任の追及
たとえば、勝村建設民事再生では、勝村建設とJVを組んでいる○○社のJV責任の追及を通じて、不払い工事代金の一定額の支払いを約束させています。数年前の松栄建設破産の際には、JVを組んでいた高元建設がJV責任を果たし、支払いをおこないました。
A 特例弁済
冨士工民事再生、青木建設民事再生、等々、民事再生、会社更生では、民事再生法や会社更生法に規定されている「中小企業者の連鎖倒産防止」の趣旨の特例弁済が実施されています。交渉等を通じて、この実施を要求することです。
B 少額債権の弁済額の引き上げ
冨士工民事再生200万円、青木建設民事再生350万円、佐藤工業会社更生500万円、等々、民事再生法や会社更生法に規定されている「少額債権の弁済」にもとづき、少額債権の弁済が実施されています。交渉等を通じて、その額の引き上げを要求することです。
(今回の、日本綜合地所会社更生事件での少額債権の提示は、「債務総額50万円以下の債務の弁済」にとどまっています。債権者説明会等で、この大幅引き上げを強く要求することです)
C 元請や上位下請への請求
上から払われないことを口実にして下に払わず、負担を下へ下へと転嫁するのを許さず、元請や上位下請への請求を冷徹におこなうことです。
オリエンタル白石民事再生では、逆に、1次から相談を受け、「元請から貰えないからといって2次に払わないで、負担を2次に押し付けるのはダメで、2次とよく話し合って、支払い条件等円満な合意、解決をめざすべきです」と1次に話しました。とりあえず三分の一を払い、残りを分割払いの方向で調整することになりました。勝村建設民事再生事件、三平建設民事再生事件等々でも、2次、3次業者が元請、1次、2次に支払を冷徹に要求し、一定の支払に基づく円満な解決に至っています。(全額支払われた事例も発生)
D 大局的には、「銀行に払う金があるなら、下請業者に優先して払うこと」、「工事代金の中の労務費部分を社員の賃金と同じように賃金(労働債権)として認めて保護すること」を法改正を含めて要求し、がんばること、たたかうことです。
◎ ────────── あおみ建設 会社更生 ──────────
東証1部上場のゼネコン「あおみ建設株式会社」(東京都港区、資本金50億円、正社員667人)と同社の子会社であるシンコー・テクノ株式会社、株式会社イワクラが2009年2月19日、東京地裁に会社更生を申し立てました。同日、同申し立ては受理され、東京地裁から弁済禁止等の保全命令、担保権の実行に係る包括的禁止命令、及び監督命令兼調査命令が発せられた、とのことです。
会社更生申し立ての理由は、「取引先のマンションディベロッパー(ニチモ株式会社)の民事再生により、工事代金債権等約33億円が取り立て不能の見込みとなったため、資金繰りに大きな狂いが生じたこと」「金融機関に新規融資を要請したが、2009年2月20日に期日の到達する工事未払い金等の債務支払いに対する資金のめどが立たない状況となったこと」等です。まさに、ディベロッパーの倒産に連動しての連鎖倒産です。
あおみ建設の負債総額は約396億円です。
シンコー・テクノの負債総額は約5億円。
イワクラの負債総額は約6億円。
(参考資料)
○ 会社更生法
会社更生法47条 更生債権等については、更生手続開始後は、この法律に特別の定めがある場合を除き、更生計画の定めるところによらなければ、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができない。
会社更生法47条の2 更生会社を主要な取引先とする中小企業者が、その有する更生債権等の弁済を受けなければ、事業の継続に著しい支障を来すおそれがあるときは、裁判所は、更生計画認可の決定をする前でも、管財人の申立てにより又は職権で、その全部又は一部の弁済をすることを許可することができる。
会社更生法47条の5 少額の更生債権等を早期に弁済することにより更生手続を円滑に進行することができるとき、又は少額の更生債権等を早期に弁済しなければ更生会社の事業の継続に著しい支障を来すときは、裁判所は、更生計画認可の決定をする前でも、管財人の申立てにより、その弁済をすることを許可することができる。
○ 対策は?
羅列すると、以下のような方策があります。
@ JV責任の追及
たとえば、勝村建設民事再生では、勝村建設とJVを組んでいる○○社のJV責任の追及を通じて、不払い工事代金の一定額の支払いを約束させています。数年前の松栄建設破産の際には、JVを組んでいた高元建設がJV責任を果たし、支払いをおこないました。
A 特例弁済
冨士工民事再生、青木建設民事再生、等々、民事再生、会社更生では、民事再生法や会社更生法に規定されている「中小企業者の連鎖倒産防止」の趣旨の特例弁済が実施されています。交渉等を通じて、この実施を要求することです。
B 少額債権の弁済額の引き上げ
冨士工民事再生200万円、青木建設民事再生350万円、佐藤工業会社更生500万円、等々、民事再生法や会社更生法に規定されている「少額債権の弁済」にもとづき、少額債権の弁済が実施されています。交渉等を通じて、その額の引き上げを要求することです。
C 上位下請への請求
上から払われないことを口実にして下に払わず、負担を下へ下へと転嫁するのを許さず、上位下請への請求を冷徹におこなうことです。
オリエンタル白石民事再生では、逆に、1次から相談を受け、「元請から貰えないからといって2次に払わないで、負担を2次に押し付けるのはダメで、2次とよく話し合って、支払い条件等円満な合意、解決をめざすべきです」と1次に話しました。とりあえず三分の一を払い、残りを分割払いの方向で調整することになりました。勝村建設民事再生事件、三平建設民事再生事件等々でも、2次、3次業者が元請、1次、2次に支払を冷徹に要求し、一定の支払に基づく円満な解決に至っています。(全額支払われた事例も発生)
今回のあおみ建設会社更生では、債権者の中に五洋建設、青木あすなろ建設、若築建設、東亜建設工業、飛島建設、大林組、鴻池組、三井住友建設、東洋建設、大豊建設等々が存在します。特定建設業者として建設業法を遵守し、下請にきちっと支払うことが必要です。
D 大局的には、「銀行に払う金があるなら、下請業者に優先して払うこと」、「工事代金の中の労務費部分を社員の賃金と同じように賃金(労働債権)として認めて保護すること」を法改正を含めて要求し、がんばること、たたかうことです。
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