COLUMN

何でも相談コラム
個人の尊厳、生命の絶対的尊重、両性の本質的平等のために
───────── 「建設業就業者数の推移」関連 ─────────
───────── 「建設業就業者数の推移」関連 ─────────
海野和夫
 
◎ 2005年国勢調査から  埼玉県各市町村別  建設業就業者数
(以下は、埼玉県の各市区町村別の建設業就業者数を、総務省統計局HP掲載の2005年国勢調査結果まとめから抽出したものです――海野)
市区町村名  建設業就業者数(2005年国勢調査から)
さいたま市   46,616
  西区   4,056
  北区    4,644 
  大宮区   3,601
  見沼区   6,380
  中央区   3,195
  桜区    4,588
  浦和区   3,653
  南区    6,443
  緑区    4,706
  岩槻区   5,350
川越市     13,044
熊谷市     6,263
川口市    25,858
行田市     2,960
秩父市     3,153
所沢市    11,952
飯能市     3,194
加須市     2,640
本庄市     2,099
東松山市    3,388
春日部市    9,560
狭山市     5,389
羽生市     1,827
鴻巣市     3,758
深谷市     3,307
上尾市     8,699
草加市    11,169
越谷市    13,735
蕨市      2,997
戸田市     5,484
入間市     5,688
鳩ヶ谷市    3,430
朝霞市     5,805
志木市     3,385
和光市     3,299
新座市     9,219
桶川市     2,882
久喜市     2,650
北本市     2,463
八潮市     5,136
富士見市    4,779
三郷市     7,663
蓮田市     2,590
坂戸市     3,609
幸手市     2,130
鶴ヶ島市    2,527
日高市     2,177
吉川市     2,969
ふじみ野市   4,510
伊奈町     1,858
三芳町     1,766
毛呂山町    1,480
越生町      650
滑川町      631
嵐山町      771
小川町     1,003
都幾川村     323
玉川村      246
川島町     1,267
吉見町     1,047
鳩山町      613
横瀬町      415
皆野町      449
長瀞町      278
小鹿野町     802
東秩父村     162
美里町      474
児玉町      989
神川町      574
神泉村      42
上里町    1,157
江南町     570
岡部町     676
川本町     445
花園町     566
寄居町    1,603
騎西町     898
南河原村    229
北川辺町    587
大利根町    591
宮代町    1,292
白岡町    1,985
菖蒲町    1,091
栗橋町    1,000
鷲宮町    1,177
杉戸町    2,059
松伏町    1,733
埼玉県全体 297,502
 
 
◎ 「総務省統計局2005年国勢調査」から埼玉県市町村人口を抽出
(総務省統計局のHPから国勢調査(2005年)の結果を見て、埼玉県の各市町村人口を以下に、抽出しておきました──海野)
(総務省統計局2005年国勢調査から)
埼玉県市町村  人口(人)  
埼玉県全体 7,054,243
さいたま市 1,176,314
西区 82,342
北区  132,109
大宮区  106,477
見沼区  152,611
中央区  90,381
桜区  92,889
浦和区  139,837
南区  166,674
緑区 104,018
岩槻区  108,976
川越市  333,795
熊谷市  191,107
川口市  480,079
行田市  84,720
秩父市  70,563
所沢市  336,100
飯能市  84,860
加須市  67,662
本庄市  60,807
東松山市  91,302
春日部市  238,506
狭山市  158,074
羽生市 56,693
鴻巣市  119,594
深谷市  103,529
上尾市  220,232
草加市  236,316
越谷市  315,792
蕨市  70,010
戸田市  116,696
入間市  148,576
鳩ヶ谷市  58,355
朝霞市  124,393
志木市  67,448
和光市  76,688
新座市  153,305
桶川市  73,677
久喜市  72,522
北本市  70,126
八潮市  75,507
富士見市  104,748
三郷市  128,278
蓮田市  63,474
坂戸市  98,964
幸手市  54,006
鶴ヶ島市  69,783
日高市  53,619
吉川市  60,284
ふじみ野市  101,960
伊奈町  36,535
三芳町  37,050
毛呂山町 39,122
越生町  13,356
滑川町  15,434
嵐山町  19,479
小川町  35,401
都幾川村  7,777
玉川村  5,494
川島町  22,906
吉見町  22,217
鳩山町  15,985
横瀬町  9,684
皆野町  11,518
長瀞町  8,352
小鹿野町 14,479
東秩父村  3,795
美里町  11,963
児玉町  21,150
神川町  13,819
神泉村  1,243
上里町  30,855
江南町  13,568
岡部町  18,305
川本町  11,992
花園町  12,635
寄居町  37,061
騎西町  20,007
南河原村  4,095
北川辺町 13,307
大利根町 14,521
宮代町  34,620
白岡町  48,389
菖蒲町  21,425
栗橋町  26,675
鷲宮町  34,062
杉戸町  46,646
松伏町  30,857
 
 
◎ 総務省統計局「国勢調査」に見る不動産業就業者数の推移 2000年→2005年
 総務省統計局「国勢調査」に見る不動産業就業者数の推移(2000年→2005年)を、総務省統計局HPから以下にまとめてみました。
    2000年→2005年
北海道 29,036人→30,711人
青森県  4,315人→ 4,142人
岩手県  3,678人→ 3,750人
宮城県 11,804人→12,592人
秋田県  2,537人→ 2,557人
山形県  2,824人→ 2,828人
福島県  6,722人→ 6,278人
茨城県 11,875人→11,823人
栃木県  7,381人→ 7,803人
群馬県  7,893人→ 7,800人
埼玉県 55,673人→59,565人
千葉県 48,705人→51,562人
東京都167,064人→179,104人
神奈川県 83,485人→93,753人
新潟県  6,922人→ 6,750人
富山県  3,352人→ 3,246人
石川県  4,335人→ 4,563人
福井県  2,053人→ 2,183人
山梨県  3,602人→ 3,762人
長野県  7,253人→ 7,464人
岐阜県  6,476人→ 7,014人
静岡県 16,356人→17,833人
愛知県 38,199人→42,140人 
三重県  6,492人→ 6,294人
滋賀県  5,444人→ 5,808人
京都府 19,288人→20,358人
大阪府 82,127人→87,435人
兵庫県 42,656人→42,721人
奈良県  9,936人→ 9,771人
和歌山県 3,498人→ 3,895人
鳥取県  1,678人→ 1,625人
島根県  1,523人→ 1,603人
岡山県  7,117人→ 7,536人
広島県 15,199人→15,965人
山口県  4,620人→ 4,877人
徳島県  2,561人→ 2,934人
香川県  4,251人→ 4,493人
愛媛県  4,674人→ 5,184人
高知県  2,544人→ 2,752人
福岡県 30,611人→32,834人
佐賀県  1,729人→ 2,086人
長崎県  4,853人→ 5,065人
熊本県  7,215人→ 7,196人
大分県  4,255人→ 4,268人
宮崎県  3,221人→ 3,557人
鹿児島県 5,087人→ 5,603人
沖縄県  6,957人→ 6,552人
全国 809,076人→859,635人
(総務省統計局「国勢調査」によると、2000年→2005年の5年間に不動産業就業者数は809,076人→859,635人と約5万人増えたのがわかります。この間に建設業就業者数が6,345,737人→5,391,905人と約100万人減少したのとまさに対照的です。相対的に利益が出るところには就業者が増加し、相対的に利益が出ないところからは就業者が退出していくということでしょうか──海野)
 
 
◎ 建設業就業者数の推移  時系列  1980年→ → → →2005年
1980年、1985年、1990年、1995年、2000年、2005年国勢調査に基づき、
建設業就業者数の推移を時系列で、下記にまとめてみました。
    1980年→1985年→1990年→1995年→2000年→2005年
北海道 347,436→323,176→333,261→366,106→344,674→ 274,240
青森県  90,632→ 78,442→ 74,835→ 91,198→ 95,896→ 75,155
岩手県  85,190→ 69,976→ 72,835→ 86,052→ 88,483→ 68,437
宮城県 114,145→100,876→114,447→137,093→132,740→ 109,787
秋田県  75,498→ 64,009→ 65,167→ 76,356→ 74,869→ 61,108
山形県  67,299→ 58,484→ 60,512→ 70,498→ 74,549→ 59,647
福島県 109,929→ 99,550→109,882→131,315→126,886→ 101,545
茨城県 101,464→108,736→129,447→151,011→146,703→ 129,410
栃木県  71,485→ 71,830→ 85,380→ 98,287→ 97,145→ 82,473
群馬県  79,096→ 76,784→ 89,255→102,525→ 97,477→ 83,597
埼玉県 223,224→237,844→300,969→348,638→330,184→ 297,502
千葉県 199,028→215,673→266,324→306,880→278,815→ 249,982
東京都 470,506→465,633→524,039→548,476→483,641→ 401,116
神奈川県295,402→315,318→380,034→429,598→393,321→ 344,157
新潟県  139,585→136,502→145,146→166,252→161,217→ 138,608
富山県  60,958→ 60,463→ 62,040→ 70,884→ 69,294→ 58,975
石川県  53,025→ 53,866→ 56,344→ 66,624→ 67,628→ 58,957
福井県  41,466→ 45,524→ 48,245→ 50,899→ 52,921→ 45,298
山梨県  37,080→ 38,357→ 42,918→ 51,331→ 49,530→ 41,520
長野県  102,780→106,655→112,786→132,382→127,340→ 101,132
岐阜県  91,400→ 93,315→100,209→114,665→116,423→ 101,182
静岡県  147,426→150,575→171,825→189,823→187,563→ 167,227
愛知県  253,261→253,974→288,573→332,126→339,364→ 292,800
三重県  72,513→ 74,006→ 80,775→ 94,155→ 91,397→ 77,711
滋賀県  40,703→ 42,393→ 47,437→ 57,240→ 56,818→ 50,194
京都府  84,595→ 85,596→ 93,268→105,813→106,007→ 89,588
大阪府  339,360→335,758→384,974→433,996→401,724→ 326,121
兵庫県  201,541→196,091→219,677→257,714→241,271→ 203,066
奈良県  39,988→ 41,724→ 47,452→ 53,626→ 52,469→ 45,549
和歌山県 43,364→ 39,828→ 44,114→ 50,642→ 47,680→ 41,060
鳥取県  33,329→ 28,710→ 29,578→ 34,479→ 36,347→ 29,735
島根県  48,416→ 48,347→ 44,857→ 48,922→ 49,684→ 41,416
岡山県  91,926→ 88,659→ 93,555→105,154→ 99,036→ 86,856
広島県  129,360→127,273→135,228→154,090→147,063→ 126,552
山口県  89,325→ 81,880→ 82,777→ 91,606→ 86,137→ 75,429
徳島県  41,722→ 37,719→ 39,842→ 44,850→ 44,137→ 37,469
香川県  45,266→ 44,586→ 46,391→ 52,607→ 51,588→ 45,227
愛媛県  71,294→ 67,617→ 70,903→ 78,082→ 79,968→ 69,707
高知県  46,955→ 40,707→ 42,546→ 47,102→ 46,487→ 38,073
福岡県 230,650→215,887→231,801→259,342→250,894→ 217,328
佐賀県  41,145→ 39,416→ 42,458→ 50,808→ 47,495→ 40,496
長崎県  71,578→ 66,537→ 72,158→ 82,865→ 78,941→ 67,096
熊本県  82,949→ 78,193→ 83,677→ 95,921→ 92,302→ 79,798
大分県  65,017→ 58,201→ 63,772→ 73,721→ 70,328→ 59,423
宮崎県  63,144→ 53,128→ 57,047→ 67,292→ 65,116→ 56,650
鹿児島県 91,498→ 81,645→ 85,128→ 98,291→ 93,136→ 79,983
沖縄県  60,318→ 66,832→ 68,139→ 73,241→ 73,049→ 63,523
(全国)
1980年  5,383,271
1985年  5,295,011
1990年  5,878,875
1995年  6,710,868
2000年  6,345,737
2005年  5,391,905
 
 
◎ 2000年、2005年国勢調査 建設業 都道府県別 従事者数の推移
 要望がありましたので、都道府県別の建設業就業者数(従事者総数)を、総務省統計局平成12年(2000年)及び平成17年(2005年)国勢調査に基づいて下記に載せておきます。
 なお、平成17年国勢調査に基づく建設業就業者の詳しいなかみについては、まだ総務省統計局のほうでまとめている途中のようで、総務省統計局HPには掲載されていません。
(都道府県別の建設業就業者数の推移 2000年→2005年)
2000年 →  2005年
北海道 344,674人 → 274,240人
青森県  95,896人 → 75,155人
岩手県  88,483人 → 68,437人
宮城県 132,740人 → 109,787人
秋田県  74,869人 → 61,108人
山形県  74,549人 → 59,647人
福島県 126,886人 → 101,545人
茨城県 146,703人 → 129,410人
栃木県  97,145人 → 82,473人
群馬県  97,477人 → 83,597人
埼玉県 330,184人 → 297,502人
千葉県 278,815人 → 249,982人
東京都 483,641人 → 401,116人
神奈川県 393,321人 → 344,157人
新潟県  161,217人 → 138,608人
富山県  69,294人 → 58,975人
石川県  67,628人 → 58,957人
福井県  52,921人 → 45,298人
山梨県  49,530人 → 41,520人
長野県 127,340人 → 101,132人
岐阜県 116,423人 → 101,182人
静岡県 187,563人 → 167,227人
愛知県 339,364人 → 292,800人
三重県  91,397人 → 77,711人
滋賀県  56,818人 → 50,194人
京都府 106,007人 → 89,588人
大阪府 401,724人 → 326,121人
兵庫県 241,271人 → 203,066人
奈良県  52,469人 → 45,549人
和歌山県 47,680人 → 41,060人
鳥取県  36,347人 → 29,735人
島根県  49,684人 → 41,416人
岡山県  99,036人 → 86,856人
広島県 147,063人 → 126,552人
山口県  86,137人 → 75,429人
徳島県  44,137人 → 37,469人
香川県  51,588人 → 45,227人
愛媛県  79,968人 → 69,707人
高知県  46,487人 → 38,073人
福岡県 250,894人 → 217,328人
佐賀県  47,495人 → 40,496人
長崎県  78,941人 → 67,096人
熊本県  92,302人 → 79,798人
大分県  70,328人 → 59,423人
宮崎県  65,116人 → 56,650人
鹿児島県 93,136人 → 79,983人
沖縄県  73,049人 → 63,523人
全国 6,345,737人 → 5,391,905人
 
更新日時:
2008/02/21
―――――― 「建設業法、『建設業法解説』」関連(2) ――――――
―――――― 「建設業法、『建設業法解説』」関連(2) ――――――
海野和夫
 
◎ 一括下請負の禁止を定めた建設業法22条の『建設業法解説』逐条解説の紹介
(一括下請負の禁止を定めた建設業法22条の『建設業法解説』(大成出版社)逐条解説の紹介です。一括下請負とは何か? なぜ禁止されているのか? 罰則は? の基本を解説した大事な部分です。建設現場で下請業者を苦しめる一括下請負の追及に向け、役立てていただければと思います──海野)
(法律)
(一括下請負の禁止)
建設業法第22条  建設業者は、その請け負った建設工事を、如何なる方法をもってするを問わず、一括して他人に請け負わせてはならない。
2  建設業を営む者は、建設業者から当該建設業者の請け負った建設工事を一括して請け負ってはならない。
3  前二項の規定は、元請負人があらかじめ発注者の書面による承諾を得た場合には、適用しない。
4  発注者は、前項の規定による書面による承諾に代えて、政令で定めるところにより、同項の元請負人の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって国土交通省令で定めるものにより、同項の承諾をする旨の通知をすることができる。この場合において、当該発注者は、当該書面による承諾をしたものとみなす。
(なお、公共工事では一括下請負は全面禁止です。一括下請負に対しては、原則、営業停止が適用されます――海野)
 本条は、一括下請負の禁止について定めたものである。
1 請負人は、その本来の性格からみれば建設工事を完成しさえすればよく、その手段や実際の工事の施工については自由に行い得るとも考えられる。しかしながら、建設工事はその性格からして、的確な目的物の完成を期待するためには、その工事の施工の全般にわたって適正な施工を求められるものであり、注文者の建設業者の選択に関する重要な要素の一つとして、当該工事の施工の全般にわたる信頼性があることはいうまでもないことである。
 そのため、請負人が自己の請け負った建設工事をそのまま一括して他人に請け負わせる一括下請負は、この注文者の信頼に反するものであり、実際上の工事施工の責任の所在を不明確にし、ひいては工事の適正な施工を妨げるものであり、また、中間において利潤をとられる場合が多く請負代金の増嵩又は工事の質の低下を招くことも予想される。
 加えて、一括下請負を容認すると商業ブローカー的不良建設業者の輩出を招くことともなり、健全な建設業の発展が阻害される懸念もある。そこで、原則として一括下請負を禁止することとしたものである。
2 第1項は、建設業者がその請け負った建設工事を一括して他人に請け負わせることを禁止したものである。
(1) 本項の「如何なる方法をもってするを問わず」とは、契約を分割したり、あるいは他人の名義を用いるなどのことが行われていても、その実態が一括下請負に該当するものは一切禁止するということである。
 また、一括下請負により仮に発注者が期待したものと同程度又はそれ以上の良質な建設生産物ができたとしても、発注者の信頼を裏切ることに変わりはないため、本項違反となるものである。
(2) 建設業者は、その請け負った建設工事の完成について誠実に履行することが求められる。したがって、次のような場合は、元請負人がその下請契約の施工に実質的に関与していると認められるときを除き、一括下請負に該当するものと解される。
イ 請け負った建設工事の全部又はその主たる部分を一括して他の業者に請け負わせる場合
 「その主たる部分を一括して他の業者に請け負わせる場合」とは、下請負に付された工事の質及び量を勘案して個別の工事ごとに判断しなければならないが、例えば、本体工事のすべてを1業者に下請負させ、附帯工事のみを自ら又は他の下請負人が施工する場合や、本体工事の大部分を1業者に下請負させ、本体工事のうち主要でない一部分を自ら又は他の下請負人が施工する場合などが典型的なものである。
 具体的事例としては、次のようなものが考えられる。
 @ 建築物の電気配線の改修工事において、電気工事のすべてを1社に下請負させ、電気配線の改修工事に伴って生じた内装仕上工事のみを元請負人が自ら施工し、又は他の業者に下請負させる場合
 A 住宅の新築工事において、建具工事以外のすべての工事を1社に下請負させ、建具工事のみを元請負人が自ら施工し、又は他の業者に下請負させる場合
ロ 請け負った建設工事の一部分であって、他の部分から独立してその機能を発揮する工作物の工事を一括して他の業者に請け負わせる場合
 具体的事例としては、次のようなものが考えられる。
 @ 戸建住宅10戸の新築工事を請け負い、そのうちの1戸の工事を1社に下請負させる場合
 A 道路改修工事2キロメートルを請け負い、そのうちの500メートル分について施工技術上分割しなければならない特段の理由がないにもかかわらず、その工事を1社に下請負させる場合
(3) (2)の「実質的に関与」とは、元請負人が自ら総合的に企画、調整及び指導(施工計画の総合的な企画、工事全体の的確な施工を確保するための工程管理及び安全管理、工事目的物、工事仮設物、工事用資材等の品質管理、下請負人間の施工の調整、下請負人に対する技術指導、監督等)を行うことをいう。単に現場に技術者を置いているだけではこれに該当せず、また、現場に元請負人との間に直接的かつ恒常的な雇用関係を有する適格な技術者が置かれない場合には、「実質的に関与」しているとはいえない。
(4) 一括下請負に該当するか否かの判断は、元請負人が請け負った建設工事1件ごとに行い、建設工事1件の範囲は、原則として請負契約単位で判断される。また、元請負人の中間搾取の有無は、一括下請負であるか否かの判断においては考慮されず、元請負人が一切利潤を得ていなくても、工事そのものを一括して請け負わせたのであれば、本項違反となるものである。
 なお、本項に「一括して他人に請け負わせてはならない」とあるが、ここに「他人」とは、発注者と請負人以外のすべての者を指すものである。
3 第2項は、建設業を営む者が、建設業者から当該建設業者の請け負った建設工事を一括して請け負うことを禁止したものである。
 これは、第1項において元請負人に対し一括下請負を禁止したのを受けて、さらにその徹底を期するため、下請負人に対しても一括下請負に該当する請負行為を禁止し、このような一括下請負を避けることを元請負人と下請負人の双方の義務としたものである。なお、本項の規制を受けるものは、「建設業を営む者」であり、建設業者に限らない。
 このように、一括下請負の禁止は、元請負人だけでなく下請負人にも及ぶものであり、下請負人においても、工事の施工に係る自己の責任の範囲及び元請の監理技術者又は主任技術者による指導監督系統を正確に把握することにより、漫然と一括下請負違反に陥ることのないよう注意する必要がある。
 そもそも、誰が元請負人における当該工事の施工の責任者であるのか分からない状態で下請負人の施工が適切に行われることは考えられず、瑕疵が発生した場合の責任の所在も不明確となる。したがって、下請負人にとって元請負人の適格な技術者が配置されていると信じるに足りる特段の事由があり事後に適格性がないことが判明した等やむを得ない事情がない限り、元請負人において適格な技術者が配置されず、実質的に関与しているといえない場合には、本項違反となるものと解される。
4 第3項は、一括下請負の禁止の例外を定めたものである。
 本条の規定の趣旨からみて、一括下請負に該当する場合であっても、請負代金の額が適正に定められた元請負人と下請負人の間における不当な中間搾取がなく、下請契約の内容も適正であり、工事の適正な施工が保証されている場合は、とくにこれを禁止する理由及び実益はない。そこで、元請負人があらかじめ発注者の書面による承諾を得た場合には、前二項を適用しないこととしたものである。
 本項の適用を受けるためには、あらかじめ「発注者の承諾」を受けることを要する。「発注者の承諾」であるから、数次の下請をしている場合であっても、必ず最初の注文者たる発注者の承諾を得なければならないことに注意すべきである。これは、一括下請負により不利益を被るおそれが一番大きいのは発注者であることから、当然のことである。承諾を受けるべき者は「元請負人」であるから、建設工事を一括して他人に請け負わせようとする者であり、その承諾は「あらかじめ書面により」受けておく必要がある。したがって、下請人が請け負った工事を一括して再下請負に付そうとする場合にも、発注者の書面による承諾を受けなければならない(当該下請負人に工事を注文した元請負人の承諾ではない)。
 なお、許可を受けた事業協同組合は、組合として請け負った工事を、組合員はもちろん組合員以外の者にも下請させることはできるが、組合員であると組合員以外の者であるとにかかわらず、一括下請負については本法の適用を受けるので、組合員に工事を一括して行わせる場合であっても、あらかじめ発注者の書面による承諾を受けるべきものと解されている。
 また、本項の規定により、第26条第2項に該当する工事をあらかじめ発注者の書面による承諾を得て、一括下請負に付したときでも、元請負人は第26条第2項の監理技術者を設置しなければならず、下請負人も同時に第26条第1項の主任技術者を設置しなければならない。
(中略)
6 本条の規定に違反した者に対しては、指示、営業の停止、許可の取消等の監督処分の適用がある。しかし、この場合においても、下請負契約自体が当然に無効となるものではない。
 なお、実際の請負契約においては、本条による一括下請負の禁止のほか、特約で個々の工事を下請に出すことを禁止又は注文者の承諾にかからしめていることが少なくないが、そのような下請禁止の特約に違反する下請契約も、請負人の注文者に対する債務不履行を生ずることとなるのは別として、下請契約自体は無効ではなく、有効であるとされている(大判・明45・3・16)。
7 なお、当該建設工事が公共工事の入札及び契約の適正化に関する法律(平成12年法律第127号。以下「入札契約適正化法」という。)に規定する公共工事に該当する場合には、本条第3項の規定は適用されず、一括下請負は一切認められないこととなる(同法第12条参照)。
 
 
◎ 建設業法が定める「指示」、「営業の停止」、「許可の取消し」
 建設業法が定める「指示」、「営業の停止」、「許可の取消し」について、多少大雑把ですが、以下にまとめてみました。
1 指示
 国土交通大臣又は都道府県知事が指示をすることができる場合は、以下のとおりです。
@ 建設業者が建設業法の規定に違反した場合。
A 特定建設業者が建設業法第41条第2項又は第3項の規定による(立替払等の)勧告に従わない場合で必要があると認めるとき。
B 建設業者が建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、又は危害を及ぼすおそれが大であるとき。
C 建設業者が請負契約に関し不誠実な行為をしたとき。
D 建設業者又は使用人がその業務に関し他の法令に違反し、建設業者として不適当であると認められるとき。
E 建設業法第26条第1項又は第2項に規定する主任技術者又は監理技術者が工事の施工の管理について著しく不適当であり、かつ、その変更が公益上必要であると認められるとき。
2 営業の停止
国土交通大臣又は都道府県知事が営業の停止を命ずることができる場合は、以下のとおりです。
@ 建設業者が(国土交通大臣又は都道府県知事の)「指示」に従わない場合。
A 建設業者が建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、又は危害を及ぼすおそれが大であるとき。
B 建設業者が請負契約に関し不誠実な行為をしたとき。
C 建設業者又は使用人がその業務に関し他の法令に違反し、建設業者として不適当であると認められるとき。
D 建設業者が建設業法第22条(一括下請負の禁止)の規定に違反したとき。
E 建設業法第26条第1項又は第2項に規定する主任技術者又は監理技術者が工事の施工の管理について著しく不適当であり、かつ、その変更が公益上必要であると認められるとき。
F 建設業者が、建設業法第3条第1項の規定に違反して同項の許可を受けないで建設業を営む者と下請契約を締結したとき。
G 建設業者が、特定建設業者以外の建設業を営む者と下請代金の額が建設業法第3条第1項第2号の政令で定める金額以上となる下請契約を締結したとき。
H 建設業者が、営業の停止を命ぜられている者又は営業を禁止されている者と当該停止され、又は禁止されている営業の範囲に係る下請契約を締結したとき。
3 許可の取消し
国土交通大臣又は都道府県知事が許可を取り消さなければならない場合は、以下のとおりです。
@ 建設業者が許可の基準を満たさなくなった場合。
A 建設業法第8条第1号又は第7号から第11号までのいずれかに該当するに至った場合。(犯罪または暴力団等に関係することです)
B 許可を受けてから1年以内に営業を開始せず、又は引き続いて1年以上営業を休止した場合。
C 不正の手段により建設業の許可を受けた場合。
D 「営業の停止」に該当する場合で、情状特に重い場合。
E 営業の停止の処分に違反した場合。
 
 
◎ 1次が2次にあるいは2次が3次に丸投げは「一括下請負の禁止」違反か
建設業法第22条は「建設業者は、その請け負った建設工事を、如何なる方法をもってするを問わず、一括して他人に請け負わせてはならない」、「建設業を営む者は、建設業者から当該建設業者の請け負った建設工事を一括して請け負ってはならない」と一括下請負の禁止を定めています。
国土交通省『建設業法解説』(大成出版社)の建設業法22条についての逐条解説部分を読むと、もっぱら元請の1次下請への丸投げについてのみ書かれています。
建設現場の重層下請構造の下では、1次が2次に丸投げとかあるいは2次が3次に丸投げとかさらに3次が4次にとかあるわけで、この場合、建設業法22条が禁止する一括下請負に該当するのかどうか、当然該当するとは思うのですが、念のためインタネットで調べてみました。
岡山県のHPの中の以下のサイトに、参考になる解説が載っていました。
http://www.pref.okayama.jp/doboku/kanri/thru.htm
岡山県土木部監理課建設業係が載せたものです。以下のとおりです。
Q A県からトンネル工事を請け負い、工事の全体の施工管理を行っていますが、工事が大規模であり、必要な技術者もあいにく十分に確保することができなかったので、1次下請負人にも施工管理の一部を担ってもらっています。主たる工事の実際の施工は2次以下の下請負人が行っています。このような場合も一括下請負に該当するのでしょうか。
A 元請負人も1次下請負人も自らは施工を行わず、共に施工管理のみを行っている場合、実質関与についての元請負人と1次下請負人それぞれどのような役割を果たしているかが問題となり、その内容如何によって、その両者又はいずれかが、一括下請負になります。
 特に、元請負人と1次下請負人が同規模・同業種であるような場合には、相互の役割分担等について合理的な説明が困難なケースが多いと考えられます。
 上記のA(アンサー)を読むと、「その内容如何によって、その両者(元請と1次下請負人)又はいずれかが、一括下請負になります」と記載されており、元請だけでなく下請による再下請への丸投げも、建設業法22条が禁止している一括下請負に該当し、建設業法22条への違反となります。
 
 
◎ 建設業法第22条が禁止する一括下請負(丸投げ)とは何か?
 重層下請構造の建設現場で工事代金等の不払いが発生したとき、一括下請負(丸投げ)が絡んでいると疑われる事例が、あとを絶ちません。建設業法第22条が禁止する一括下請負(丸投げ)とは何か? 下記にまとめてみました。
(法律)
(一括下請負の禁止)
建設業法第22条  建設業者は、その請け負った建設工事を、如何なる方法をもってするを問わず、一括して他人に請け負わせてはならない。
2  建設業を営む者は、建設業者から当該建設業者の請け負った建設工事を一括して請け負ってはならない。
3  前二項の規定は、元請負人があらかじめ発注者の書面による承諾を得た場合には、適用しない。
4  発注者は、前項の規定による書面による承諾に代えて、政令で定めるところにより、同項の元請負人の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって国土交通省令で定めるものにより、同項の承諾をする旨の通知をすることができる。この場合において、当該発注者は、当該書面による承諾をしたものとみなす。
(なお、公共工事では一括下請負は全面禁止です。一括下請負に対しては、原則、営業停止が適用されます――海野)
○ 中間搾取がないから一括下請負ではない、ということにはなりません。請け負った建設工事を丸投げすれば、そこから一切利潤を得ていなくても建設業法22条が禁止する一括下請負に該当します。
発注者は建設業者の施工能力を信頼して契約を締結するのであり、それを丸投げするのは、発注者の信頼を裏切ることになるからです。
○ 下請負させた部分の施工につき実質的に関与していれば、一括下請負には該当しません。しかし、単に現場に技術者を置いているというだけでは「実質的に関与」しているとはいえません。
 一括下請負に該当しないためには、「施工計画の総合的な企画、工事全体の的確な施工を確保するための工程管理及び安全管理、工事目的物、工事仮設物、工事用資材等の品質管理、下請負人間の施工の調整、下請負人に対する技術指導、監督等を実際に行っていることが必要」とされています。
○ 一括下請負に該当するかどうかの判断は、元請負人が請け負った建設工事1件ごとに行います。行政側の説明によると、建設工事1件の範囲は原則として請負契約単位で判断することとなっています。
○ 資材を調達していることで、一括下請負ではない、ということにはなりません。前述のように、総合的に企画、調整及び指導をし、その施工に実質的に関与していなければ、一括下請負に該当することになります。
○ 一括下請負の場合、原則として、下請負人も建設業法に基づく監督処分等の対象となります。
○ 請け負った建設工事の主たる部分を一括して他人に請け負わせた場合には、実質的な関与をしている場合を除き、一括下請負に該当します。
○ 連結関係の子会社に、実際の工事を一括して行わせた場合、別々の会社である以上、一括下請負にあたります。
○ 一括下請負にならない「実質的に関与」について行政側は、「元請負人が配置した主任技術者又は監理技術者が、現場に専任であって、元請負人と直接かつ恒常的な雇用関係にあることは言うまでもありませんが、これらの技術者が、発注者との協議、住民への説明、官公庁等への届出等、近接工事との調整、施工計画、工程管理、出来形・品質管理、完成検査、安全管理、下請業者の施工調整・指導監督等の全ての面において、主体的な役割を果たしていることが必要」と説明しています。
○ なお、行政側の指導文書には下記のように書かれています。
「一括下請負の疑義がある場合には、まず、当該元請負人の主任技術者又は監理技術者に対して、具体的にどのような作業を行っているのかヒアリングを行います。ヒアリングの際、その請け負った建設工事の施工管理等に関し、十分に責任ある受け答えができるかどうかがポイントとなります。また、必要に応じ、下請負人の主任技術者又は監理技術者からも同様のヒアリングを行うことが有効です。その場合、元請負人が作成する日々の作業打合せ簿、それぞれの請負人が作成する工事日報、安全指示書等を確認して、実際に行った作業内容を確認することが有効です。これらの帳簿の中に、具体的な作業内容が記載されていない場合、又は記載されていても形式的な参加にすぎない場合等は、一括下請負に該当する可能性が高いといえます」
 
更新日時:
2008/02/05
――――――――――――「ディベロッパー」関連――――――――――――
――――――――――――「ディベロッパー」関連――――――――――――
海野和夫
 
◎ 「製作物供給契約により建設工事の完成をする場合」 ディベロッパーの責任(1)   
 国土交通省の人たちが分担して書いた『建設業法解説』(大成出版社)の、逐条解説の中の建設業法24条の解説部分には、以下のような箇所があります。ディベロッパーの責任追及との関係で、明らかにできればと思います。 
1 建設業法第24条(請負契約とみなす場合)
建設業法第24条(請負契約とみなす場合) 委託その他何らの名義をもってするを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。
2 『建設業法解説』の逐条解説の中の建設業法24条の解説部分
「現実に締結される契約は、建設工事の完成を目的としているものであっても、必ずしも請負という名義を用いていない場合がある。それは、一つには、民法の請負そのものが、他の典型契約である雇傭や委任と明確に区別し難いばかりでなく、種々の特約が可能であり、さらに、民法の典型契約以外の無名契約も認められていることにより、現実の建設工事が民法の原則を修正した形で行われることが多いことによるものである。また第二に、本法の適用を免れるために、雇傭契約とか委任契約とかの名称を使用することも多いためと考えられる。そこで、本法の適用の対象を明確にし、脱法行為を防ごうというのが、本条の趣旨である。本条により、委託、雇傭、委任その他いかなる名義を用いるものであろうと、実質的に報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約はすべて建設工事の請負契約とみなされ、このような行為をする者に対しては、本法の規定が適用される。なお、売買契約と請負契約の混合契約と考えられるいわゆる製作物供給契約により建設工事の完成をする場合も本条の適用を受けるものと解釈すべきであり、したがって、いわゆる建物の建売業者と称するものであっても、実質的には請負契約である場合は本法の適用を受けることがあると考えるべきである」(アンダーラインは海野)
3 ディベロッパー責任との関係
 前述のアンダーラインの部分に注目して下さい。簡単に言うと、「売買契約と請負契約の混合契約と考えられるいわゆる製作物供給契約により建設工事の完成をする場合も建設業法の適用を受ける」ということです。
「製作物供給契約により建設工事の完成をする場合」とは、どういう場合を指すのでしょうか? 考えてみました。 
 アンダーラインの続きに、次のような記述があります。
 「したがって、いわゆる建物の建売業者と称するものであっても、実質的には請負契約である場合は本法の適用を受けることがあると考えるべきである」
 「建売」とは、一言で言うと、「家を建て、それを売ること」です。
 建売業者とは、「家を建て、それを売る(販売する)」ことを事業としている業者です。
 建売業者と建売住宅を買う(購入する)人との契約は「製作物供給契約」です。
 他方で「建売業者」は、家(建売住宅)を建てます。言い換えると、「建設工事の完成をする」わけです。
 この場合には、二通りあります。
 一つは、建売業者が自社の中に施工部門を持っていて、自ら家を建てる場合です。この場合は、「製作物供給契約により建設工事の完成をする場合」になります。言い換えると、建売業者と建売住宅購入者との契約は、建設工事の請負契約となるわけです。建売住宅購入者が、建売業者との関係で発注者になるわけです。
 もう一つは、建売業者が、家を建てる工事(建設工事)を建設業者、建設職人に請け負わせる場合です。
 この場合、言うまでもなく、建売業者と建設業者、建設職人との契約は、建設工事の請負契約になります。それでは、建売業者と建売住宅購入者との契約は、どうか? やはり「製作物供給契約により建設工事の完成をする場合」になり、建設工事の請負契約になると考えることができます。
 この解釈を、ディベロッパーにあてはめると、たとえば、マンション建設の場合、ディベロッパーとマンション購入者との契約(マンション分譲契約)は、製作物供給契約になり、ディベロッパーの場合も、「自社の中に施工部門を持っていて、自らマンションを建てる場合」と「マンション建設工事を建設業者に請け負わせる場合」の二通りがありますが、どちらも「建設工事の完成をする場合」にあてはまります。
 従って、「製作物供給契約により建設工事の完成をする場合」になり、ディベロッパーとマンション購入者との契約(マンション分譲契約)は建設工事の請負契約になり、建設業法が適用されます。
 上記を言い換えると、発注者はマンション購入者となり、ディベロッパーは元請となり、建設業法上の元請責任が発生します。
 これは、ディベロッパーは発注者であり、建設業法上の元請責任は発生しないとの旧来の(従来の)見解に打撃を与えるものです。
 今後の建設労組の、ディベロッパー対策、ディベロッパー交渉に生かせればと思います。
 かつて実際に、マンション建設工事の際、住友不動産が自らの元請責任を認め、建設業法に基づく立替払いを下請業者に行いました。
 
(参考資料)
製作物供給契約とは?
1 「不動産用語辞典」のサイトによると
「不動産用語辞典」のサイト  http://www.1iart.com/estate/s143.html
によると、以下のように説明されています。
製作物供給契約とは、民法が定める典型的な契約類型に属しない契約の形態の一つです。
 内容は、当事者の一方(請負人)が相手方(注文者)の注文に応じて自分の材料で製作した物を供給し、相手方(注文者)がこれに対して報酬を支払う契約のことを指します。
一般的に、メーカーが発注企業の注文どおりに製品を製作し販売するという契約です。製作物の所有権を報酬を得て移転するために、請負と売買の混合契約と解されています。
 
2 京都学園大学法学部助教授の渡邊博己氏の解説 
京都学園大学法学部助教授の渡邊博己氏の解説によると、「メーカーが発注企業の注文どおりに製品を製作し販売するという契約は、『製作物供給契約』といいます。メーカーが自社の仕様で製作した製品を販売するという『売買契約』とは少し異なります。これは、仕事の完成を目的とする請負契約としての性質も含まれているからです」ということです。
3 「民法(6)契約各論 第4版増補版」(発行 有斐閣)によると
 「民法(6)契約各論 第4版増補版」(発行 有斐閣)には、次のように説明されています。
 「製作物供給契約」 請負は仕事の完成を目的とする契約であるが、これと類似するものに、製作物供給契約と呼ばれるものがある。これは、当事者の一方が相手方の注文に応じて、自己の材料により目的物を製作してその物を供給し、相手方がこれに対して報酬を支払う契約である。たとえば、注文による機械製作や洋服の仕立てなどは、この契約に属する。このような契約は、製作の点では請負の性質をもち、製作物の所有権を移転する点では売買の性質をもっているのが特徴である。そこで、通説は、この製作物供給契約を売買と請負との混合契約であると解して、製作については請負に関する規定を適用し、供給については売買の規定を適用すべきであるとする。
◎ 「製作物供給契約により建設工事の完成をする場合」ディベロッパーの責任(2)   
「『製作物供給契約により建設工事の完成をする場合』 ディベロッパーの責任(1)」で述べたとおり、国土交通省が紛争解決のルールと認めている『建設業法解説』(大成出版社)は、「売買契約と請負契約の混合契約と考えられるいわゆる製作物供給契約により建設工事の完成をする場合も、(建設業法の元請責任)の適用を受けるものと解釈すべきであり、したがって、いわゆる建物の建売業者と称するものであっても、実質的には請負契約である場合は建設業法の適用を受けることがあると考えるべきである」と解説し、いわゆる建売業者などに建設業法上の元請責任があることを明らかにしています。
日本弁護士連合会消費者問題対策委員会の『欠陥住宅被害救済の手引』(発行・民事法研究会)は「製作物供給契約の法的性質については、売買説、請負説、無名契約ないし混合契約説があるが、判例は、当該取引が製作された物を代替物として取り扱う場合には売買として、不代替物として取り扱う場合には請負として扱うという傾向にある。そうであれば、住宅の場合には不代替物として取引がなされるから請負の規定が適用になり、瑕疵修補請求およびこれに代わる損害賠償請求も可能となる。東京高判昭和44・2・10(高民集22巻1号106頁、判タ236号130頁、判時555号50頁)は、完成前の分譲住宅用ビルディングの1区画を目的物としてなされた売買契約について、『本件分譲契約は数量指示売買ではなくいわゆる製作物供給契約に該当し、もしその後完成した建物に瑕疵があるときは、売主は請負に関する民法634条の規定に基づく担保責任を負担すべきである。その瑕疵には、売買契約の際、両当事者の予定した部屋の形状、床面積等がその後、当初予期しない設計変更により変更され、そのため利用価値が相当程度減少するに至った場合をも包含するものと解すべきである』とした上で、事実上不可能な瑕疵の修補に代えて損害賠償(居宅部分の売買代金を基準として算出した減少面積についての代金相当額)の請求を認めた」という判例を紹介しています。
 上記は要するに、マンション購入者を発注者、マンションを分譲するディベロッパーを元請と規定するものであり、日弁連のこの解説は、ディベロッパーの元請責任を追及する上で、強力な支柱になるものです。
 
 
◎ 大栄不動産株式会社ホームページ、帝国データバンク企業情報からの抜粋
(情報として寄せられたのが、株式会社アサカワホームの仕事を請けたが、工期、単価ともに厳しいものだった、というものです。アサカワホームのHPを見ると、売上が急伸、急増しています。帝国データバンク企業情報も、アサカワホームに高い評価点を付けています。その後の情報によると、アサカワホームの上に大栄不動産株式会社が存在するとのことです。以下に、大栄不動産株式会社ホームページ、帝国データバンク企業情報からの抜粋を載せておきます――海野)
1 資本金  25億2700万円
2 事業内容  ビルの賃貸・管理、不動産の売買・仲介・鑑定、住宅分譲、駐車場の運営・管理
3 従業員数  156人
4 売上高  2003年度 215億円  2004年度 226億円  2005年度 235億円
5 総資産  2003年度 1194億円  2004年度 985億円  2005年度 952億円
6 帝国データバンク企業情報によると
 ○ 本社  東京都中央区日本橋室町1−1−8 大栄ビル
 ○ 業種  貸事務所業、不動産代理・仲介業
 ○ 資本金  25億2700万円
 ○ 従業員数  174人
 ○ 株主数  93人
 ○ 株主  蛇の目ミシン工業 128万5千株
       富士倉庫運輸   111万3,224株
       不二サッシ     63万8,400株
       そしあす証券    52万2千株
       大栄管理      51万7,070株
 ○ 業績  
2004年3月決算 売上214億98百万円 利益20億633万8千円
2005年3月決算 売上225億98百万円 利益37億2488万6千円
2006年3月決算 売上234億87百万円 利益3億6554万5千円
(利益の急減の理由が気になるところです──海野)
 ○ 評点  57点 
 
 
◎ 大手不動産会社(デベロッパー)との交渉での「要求項目」について
 建設首都圏共闘がデベロッパー交渉再開の予定と聞き及びましたので、参考資料として、以前まとめたものに手を加えて、載せさせていただきます。
1、住友不動産との交渉(デベロッパーの発注者責任等を巡る)の経過
(1)元請倒産(発注者は住友不動産)
 埼玉土建一般労組が扱ってきた不払い相談の事例で、発注者=住友不動産、元請=U建設、不払い被害者(1次下請)=埼玉土建一般労組組合員のケースを紹介します。元請が倒産したために、1次下請の(埼玉土建一般労組)組合員の工事代金800万円が未払いになりました。
埼玉土建一般労組は、デベロッパー(大手不動産会社)の発注者責任等の追及を通じて、不払い被害者の「救済」をめざしました。
(2)発注者責任の解明
建設労組の要望は、大門実紀史参院議員を通して、日本共産党の「緊急対策」の中に反映され、その中に、「民間工事における発注者責任を明らかにし、大手不動産会社などに下請工事代金、賃金の不払いの解決に努めさせること」が入りました。
 埼玉土建一般労組は、国土交通省とも交渉をおこない、次のような方向から、大手不動産会社の発注者責任を明らかにしました。
@公共工事入札契約適正化法の参院付帯決議には、「(公共工事の発注者は)建設労働者の賃金、労働条件の確保が適切に行われるよう努めること」とさだめられています。公共工事でのさだめは、民間工事に準用され、民間工事の発注者も、建設労働者の賃金、労働条件に責任を負っていると、私たちは考えます。
A冨士工・民事再生の監督委員に選出されている清水直弁護士は、「私の考え方の基本は『施主といえども関係人の1人、施主だけが100%満足というわけにはいかない。関係者全員が損失を分け合ってこそ公平』との考え」と本に書いています。
B厚生労働省も、労働債権について、「特別に保護すべき債権」と強調しています。何があろうと、労務費(賃金)=労働債権の部分は保護されるべきです。
C国土交通省が紛争解決のルールと認めている『建設業法解説』(大成出版社)は、「売買契約と請負契約の混合契約と考えられるいわゆる製作物供給契約により建設工事の完成をする場合も、(建設業法の元請責任)の適用を受けるものと解釈すべきであり、したがって、いわゆる建物の建売業者と称するものであっても、実質的には請負契約である場合は建設業法の適用を受けることがあると考えるべきである」と解説し、いわゆる建売業者などに建設業法上の元請責任があることを明らかにしています。
D労働安全衛生法は、(建設工事を他人に請負わせる者は、施工方法、工期等について、安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を付さないように配慮しなければならない)と労災に対する発注者責任を明らかにしています。これは、不払いへの発注者責任に準用されるべきです。
E建設経済研究所の「第16次欧州調査報告書」(2000年1月)も、フランスで決められている民間工事での発注者責任について明らかにしています。
 「(民間工事の)発注者が工事現場を見回って、元請が発注者の承認がない下請を使っていることを見つけた場合に、元請に対し、下請させる相手先・工種・金額について発注者の承認をとるように催告(請求)する義務がある。これらの義務を怠った場合には、事後的に下請は発注者に対して民事上の不法行為責任を裁判所に請求することができる。これにより、下請は(工事代金の不払いなど)損害の全部でなくても一部を補填(ほてん)してもらえることになる。発注者にすると、全額請負代金を元請に支払ったのにもかかわらず、不法行為債務として、下請代金を支払わなければならないことになり、二重払いとなる」(「第16次欧州調査報告書」からの引用) 
(3)住友不動産との交渉
 2001年11月8日、住友不動産と交渉。埼玉土建一般労組は、住友不動産の発注者責任と同時に特定建設業者としての住友不動産の建設業法上の責任を明らかにしました。また、元請のU建設に対する住友不動産の「引き去り」についても、解明を求めました。
 住友不動産は、「250万円の引き去りを提案したあと、U建設から話はなかったので、同意したと推定して引き去った」と「引き去り」を認め、「元請ではないので、法律上の責任はない。U建設には全て支払い済みである」との最初の回答から「検討して1か月後に回答する」へと対応を変化させました。
 そして、2001年11月27日、あらためて住友不動産と交渉。同社は、「道義的責任」はあるとの認識を示し、「被害者の救済」、「損失を分け合う」との立場で、「金額を示しての回答」をおこなってきました。
 埼玉土建一般労組は、「有価証券報告書」の分析にもとづいて、発注者責任とあわせて同社の元請責任(完成工事事業の、年間約1,100億円の受注)を明らかにし、1週間後に再調整をおこなうことになりました。
 そして、2001年12月6日、住友不動産は、「引き去り」に問題があったとの認識を示し、「被害者の救済」、「道義的責任」、「損失を分け合ってこそ公平」との立場から、労務費の部分300万円を支払うことで合意しました。
 「ゼネコンの部門で施工した物件なので、元請としての立場を理解し、今回の措置となりました」と住友不動産はコメントしています。
賃金・工事代金の不払いでの、大手不動産会社などの責任を明らかにすることに向けての、重要な一歩を記録しました。
2、大手不動産会社との交渉の項目について
(1)「2001年有価証券報告書」の分析
 一つの例として、住友不動産の有価証券報告書を紹介させていただきます。
 住友不動産の企業集団(住友不動産および連結子会社27社ほかにより構成)の主要な事業は、不動産賃貸事業、不動産販売事業、完成工事事業、不動産流通事業、ファイナンス事業です。
 完成工事事業としては、住友不動産(ハウジング第1事業本部)および住友不動産ホームほかが戸建住宅の建築工事請負事業を、住友不動産シスコンほかがリフォーム工事等の請負事業をおこない、また、ユニバーサルホームは木造軸組住宅建設請負業のフランチャイズ事業をおこなっています。
 なお、2000年8月に、従来住友不動産シスコンがおこなっていた建替の新商品「新築そっくりさん」の請負工事事業を、住友不動産(ハウジング第2事業本部)へ移管しました。
 住友不動産は、分譲物件の建築工事等を、連結子会社の住友不動産ホームに委託しています。また、分譲・賃貸物件の内外装工事を、連結子会社の住友不動産シスコンに発注しています。
 当連結会計年度(2000年4月1日〜2001年3月31日)の、完成工事事業の受注金額は、1,097億400万円です。
 有価証券報告書67ページには、「各事業区分の主な内容は次のとおりである」として次のように書かれています。
不動産賃貸=オフィスビル、マンション等の賃貸・管理
不動産販売=戸建住宅、中高層住宅および宅地の分譲
完成工事=戸建住宅、中高層住宅およびオフィスビル等の建築工事
不動産流通=不動産の仲介および販売代理受託
ファイナンス=不動産担保貸付等の金融業
その他=レストラン事業、フィットネス事業など
(2)交渉の項目
 上記のように、住友不動産は、特定建設業者の元請としての側面を、強く持っています。
住宅企業としての側面とゼネコンとしての側面の両方の側面を持っています。
 したがって、たとえば、全建総連関東地協大手企業交渉のときの要望項目も、デベロッパー交渉に生かすことができると思います。
 しかし同時に、同社は、発注者としての側面を当然持っていますから、「民間工事での発注者責任を明らかにし、大手不動産会社として下請工事代金、賃金の不払いの解決に努めること」が、要求項目の重点として入ると思います。
 また、発注者と言っても、単なる「お客さん」ではなく、戸建住宅、中高層住宅およびオフィスビル等の不動産賃貸、不動産販売などから大きな利益を得ている大手不動産会社である以上、適正な発注金額について責任を負っており、元請、下請を通じて建設業者の適正な利益が確保されること、建設労働者の適正な賃金が確保されることに責任を負っており、それを保障するような適正な単価での発注が求められるし、私たちの重要な「要求項目」になると思います。
3、2001年12月13日「赤旗」記事から
(以下は、2001年12月13日「赤旗」記事です)
「年越せます」大工さん
元請け倒産で不払いの工賃
発注者(住友不動産)に払わせた
 元請建設会社の倒産で不払い被害にあった下請け業者にたいし、デベロッパーである住友不動産に発注者責任を認めさせ、工事代金(約800万円)の労務費部分300万円を支払わせる合意が、このほど実現しました。工事代金を元請けに支払い済みの発注者が、下請けに代金を支払うのは、これまでほとんど例がありません。埼玉土建一般労働組合(埼玉土建=全建総連加盟)が粘り強い交渉をすすめた成果です。
埼玉土建が交渉
 埼玉土建は、組合員で今回被害にあった1次下請けの大工工事業のAさん(54)から相談をうけ、同不動産や国土交通省と交渉を重ねてきました。
 住友不動産は当初、「元請けではないので法律上の責任はない」としたうえで、倒産した元請け会社に「すべて支払い済み」と交渉に応じる姿勢を示しませんでした。
 これに対し、組合側は公共工事の発注者責任を明記した「公共工事入札契約適正化促進法」の参院付帯決議(2000年11月16日)を示し、民間でも発注者責任はあるはずだと主張。また、日本共産党が「民間工事における発注者責任を明らかにし、大手不動産会社などに下請け工事代金、賃金の不払いの解決に努めさせる」ことを、政策(「建設不況から中小建設業者、労働者を守る緊急対策」6月1日発表)で要求していることを訴えてきました。
 その結果、住友不動産が「被害者の救済」「損失を分け合う」と立場を変え、今回の合意に至ったものです。
 不況で仕事が減っている建設業界では、発注者の大手不動産による指し値(一方的価格)発注が横行し、元請けが赤字工事を強いられることが少なくありません。しかし、元請けが倒産しても法的には、発注者は大企業であっても個人と同じお客として、なんら損失を受けることなく予定通り完成物件を販売し利益を得てきました。
 小泉「改革」による早期不良債権処理で建設業界の倒産の増大が危ぐされている今日、大手不動産会社の発注者責任を認めさせた今回の合意は、下請け業者等の保護にとって大きな意味をもっています。
 救済された下請けAさんの話 助かった、これでなんとか今年は生きられる。個人だったら相手にしてもらえず、泣き寝入りだったろう。
共産党の政策が力
 交渉をすすめてきた埼玉土建書記・海野和夫さんの話 組合員の強い要求である「発注者責任」を認めさせたのは、今回が初めてだと思います。日本共産党が政策に掲げてくれたことは、交渉で大きな力になりました。横行する不払い問題解決の力にしていきたい。
 
 
◎ 好調さ示すディベロッパー各社業績 各社HP掲載決算短信から
 ディベロッパー各社の連結業績について、各社HP掲載の2008年3月期決算短信(2007年4月1日〜2008年3月31日)から以下に抜粋しました。
(単位 百万円)
企業名     売上高    営業利益  経常利益  当期純利益
東急不動産    633406  82064  75427 28696 
コスモスイニシア 194439  17956  14692 20006
三菱地所     787652 177983 162061 86963
明和地所      54634   7442   6157  3636
三井不動産   1360023 179282 162835 87378
大京       394102  31117  27700 16255
住友不動産    691928 154607 125176 63132    
 上記のように、当期純利益のところで見ると、東急不動産286億円、コスモスイニシア200億円、三菱地所869億円、明和地所36億円、三井不動産873億円、大京162億円、住友不動産631億円と企業スケールに応じて相当な純利益をあげており、ディベロッパー各社の業績好調を示しています。
 また、利益のためこみである利益剰余金期末残高(2008年3月31日)を見ると、以下のとおりです。
(単位 百万円)
東急不動産     81499
コスモスイニシア  29601
三菱地所     387214
明和地所      31550
三井不動産    278748
大京        57492
住友不動産    176228
 三菱地所3872億円、三井不動産2787億円、住友不動産1762億円の利益剰余金期末残高を形成し、安定した財務基盤を見せつけています。
 印象で言うと、大和ハウス工業、積水ハウス、大東建託といった大手住宅企業並みであり、大手ゼネコンよりは安定しているようです。
(補強)
○ 野村不動産
資本金 20億円(2008年4月1日現在)
売上高 3138億600万円(2008年3月期)
従業員数 1,328人(2008年4月1日現在)
事業内容 マンション分譲事業、戸建分譲事業、法人仲介事業、投資・開発事業、ビルディング事業、建築・設計事業、資産運用事業 など
建設業者許可 国土交通大臣許可の特定建設業者
○ オリックス不動産
株主 オリックス株式会社 (100%)
業務内容 「マンション・戸建住宅等の開発、分譲」、「オフィス・住宅・商業施設・物流施設等の投資企画商品の開発、購入」、「オフィス・住宅・商業施設・物流施設等のリーシング、バリューアップ、売却およびアセットマネジメント業務」、「海外不動産への投資」、「不動産事業再生および不動産M&A」、「ファンド向け賃貸不動産の開発、購入」、「新規プロジェクト開発」、「高齢者住宅の開発、運営」、「PFI事業の推進」、「研修所・ホテル等の新規プロジェクト開発」、「ホテル・旅館・ゴルフ場の事業再生」、「ホテル・ゴルフ場・研修所の運営、管理」
 
 
◎ ディベロッパー各社業績 各社HP掲載決算短信から 「東京建物」追加
 ディベロッパー各社の連結業績について、各社HP掲載の2008年3月期決算短信(2007年4月1日〜2008年3月31日)等から以下に抜粋しました。(森ビルは「業績予想」。東京建物を追加しました。東京建物は2007/1/1〜2007/12/31)
(単位 百万円)
企業名     売上高     営業利益   経常利益   当期純利益
東急不動産    633406  82064  75427 28696 
コスモスイニシア 194439  17956  14692 20006
三菱地所     787652 177983 162061 86963
明和地所      54634   7442   6157  3636
三井不動産   1360023 179282 162835 87378
大京       394102  31117  27700 16255
住友不動産    691928 154607 125176 63132    
丸紅開発建設部門 132996  13966         2618
森ビル(予想)  168300  41900  25300 23200
東京建物     213218  45423  39487 21744
 
 上記のように、当期純利益のところで見ると、東急不動産286億円、コスモスイニシア200億円、三菱地所869億円、明和地所36億円、三井不動産873億円、大京162億円、住友不動産631億円と企業スケールに応じて相当な純利益をあげており、ディベロッパー各社の業績好調を示しています。
 また、利益のためこみである利益剰余金期末残高(2008年3月31日)を見ると、以下のとおりです。(森ビルは2007年3月31日残高。東京建物は2007年12月31日残高)
(単位 百万円)
東急不動産      81499
コスモスイニシア   29601
三菱地所      387214
明和地所       31550
三井不動産     278748
大京         57492
住友不動産     176228
森ビル(07年3月31日) 142766
東京建物(07年12月31日) 41811
 三菱地所3872億円、三井不動産2787億円、住友不動産1762億円の利益剰余金期末残高を形成し、安定した財務基盤を見せています。
 印象で言うと、大和ハウス工業、積水ハウス、大東建託といった大手住宅企業並みであり、大手ゼネコンよりは安定しているようです。
(補強)
○ 野村不動産
資本金 20億円(2008年4月1日現在)
売上高 3138億600万円(2008年3月期)
従業員数 1,328人(2008年4月1日現在)
事業内容 マンション分譲事業、戸建分譲事業、法人仲介事業、投資・開発事業、ビルディング事業、建築・設計事業、資産運用事業 など
建設業者許可 国土交通大臣許可の特定建設業者
○ オリックス不動産
株主 オリックス株式会社 (100%)
業務内容 「マンション・戸建住宅等の開発、分譲」、「オフィス・住宅・商業施設・物流施設等の投資企画商品の開発、購入」、「オフィス・住宅・商業施設・物流施設等のリーシング、バリューアップ、売却およびアセットマネジメント業務」、「海外不動産への投資」、「不動産事業再生および不動産M&A」、「ファンド向け賃貸不動産の開発、購入」、「新規プロジェクト開発」、「高齢者住宅の開発、運営」、「PFI事業の推進」、「研修所・ホテル等の新規プロジェクト開発」、「ホテル・旅館・ゴルフ場の事業再生」、「ホテル・ゴルフ場・研修所の運営、管理」
 
 
◎ ──── ディベロッパー 07/4〜08/3連結業績比較表 ────
(以下は、ディベロッパー各社のHPを参考にして作った07/4〜08/3連結業績比較表です。森ビルは「業績予想」、東京建物は07/1〜07/12決算です──海野)
(単位:百万円)
@売上高A営業利益B経常利益C当期純利益D年間株式配当E利益剰余金残高
東急不動産@633,406A82,064B75,427C28,696D4,251E81,499
コスモスイニシア@194,439A17,956B14,692C20,006D898E29,601
三菱地所@787,562A177,983B162,061C86,963D22,089E387,214
明和地所@54,634A7,442B6,157C3,636D746E31,550
三井不動産@1,360,023 A179,282B162,835C87,378D17,579 E278,748
大京@394,102A31,117B27,700C16,255D1,712E57,492
住友不動産@691,928A154,607B125,176C63,132D8,543E176,228
丸紅開発建設部門@132,996A13,966BHP未掲載C2,618
森ビル@168,300A41,900B25,300C23,200DHP未掲載E142,766
東京建物@213,218A45,423B39,487C21,744 D4,449E41,811
野村不動産@313,806
オリックス不動産 HP未掲載
 印象で言うと、当期純利益の大きさに比べて、年間株式配当が小さいような気がします。利益剰余金残高を見ると、余力の存在を感じます。不動産業者の大型倒産が続いていますが、上記のような大手業者にまで波及するのかどうか、余力の存在を見る限り、波及の阻止の傾向にあるように感じます。
 
更新日時:
2008/10/09
――――――――― 「ビッグゼネコンの動向」関連 ―――――――――
――――――――― 「ビッグゼネコンの動向」関連 ―――――――――
海野和夫
 
◎ 大手ゼネコン各社の新規入場者教育アンケートの特徴的な項目
 大手ゼネコンの大成建設、大林組、鹿島建設、前田建設工業の新規入場者教育アンケート等の特徴的な項目を以下に、差し支えない範囲で、簡単に紹介しておきます。
1 大成建設  特徴的な項目
 名称  「送り出し教育実施報告及び新規入場者教育アンケート」
 血圧  最高 最低
 血液型
 既往症・治療中・現在具合の悪いところ  ある(    )  ない
 定期健康診断日
 特殊健康診断日
 特殊健康診断の種類
2 大林組  特徴的な項目
 名称  「送り出し教育資料」「新規入場者教育時アンケート」
 朝礼時(7:45〜8:15)は車両の搬出入が出来ません。
 血液型
 誓約書についての質問  あなたは、所属会社からいわれて「高所作業時には必ず安全帯を使う」ことについての誓約書にサインをしましたか?  はい いいえ (どちらかに○印をしてください)
 健康診断  受診日  血圧  現在の健康状態、既往症等
 特殊健康診断  受診日  じん肺、有機溶剤、放射線、振動工具、その他
 じん肺管理区分  1・2・3・4
 建設業退職金共済制度  加入・未加入
3 鹿島建設  特徴的な項目
 名称  「送り出し教育・新規入場時教育実施報告書(個人票)」
 血液型(該当に○)  A・B・O・AB  RH(+・−)
 健康診断  あなたは健康診断を受けましたか?(該当に○)
 (1)受けた (受診日: 年 月 日) 血圧(高:   低:   )
 (2)受けていない
 特殊健康診断  以下の特殊健康診断を受けた人は実施時期と結果を記入ください
 (1)じん肺:   年  月  結果:異常(有・無)
 (2)振動病:   年  月  結果:異常(有・無)
 (3)有機溶剤:   年  月  結果:異常(有・無)
 既往症  あなたは既往症(または現在治療中の病気)がありますか?
 (1)ある:高血圧、低血圧、狭心症、糖尿病、難聴、夜盲症、ムチウチ症、腰痛、その他(            )
 (2)ない
 既往症がある場合→現場での作業が可能か否か確認。
 通勤手段が自家用車の場合  車両登録ナンバー   駐車方法
 通勤に自家用車を使う、と答えている場合→任意保険の保険証(コピー)で確認。
4 前田建設工業  特徴的な項目
 名称  「作業所注意事項」「新規就労者調査票と教育記録」
 作業員の方が1年以内に健康診断を受けているか確認してください。
 65歳以上の方は入場を控えてください。
 高齢者(60歳以上)及び年少者(18歳未満)は就労制限がかかり、危険作業はできません。
 ヘルメット、安全帯は必ず着用させてください。
 半袖は禁止します。
 機械の運転、玉掛け作業等は必ず有資格者で行ってください。無資格の方の有資格作業はいかなる場合であっても禁止します。(有資格の写しを必ず提出してください)
 産業廃棄物は分別して、専用のゴミコンテナに捨ててください。分別の仕方により、みなさんへの負担が大きく変わりますので、御協力お願いします。
 一般ゴミは持ち帰ってください。持ち帰り出来ない場合は指定の黄色いゴミ袋(1袋300円)を使用してください。使用分は支払いより控除しますので注意してください。
 血液型
 雇用通知書又は雇用契約書を受け取っていますか  受け取っている・いない
 直近の健康診断はいつ受けましたか  年  月頃・1年以上受けていない
 血圧はいくつですか(高血圧 最高160以上 最低95以上)  最高  〜最低  ・わからない
 目の状態  良い・近くがよく見えない・遠くがよく見えない
 耳の状態  良い・よく聞こえないことがある
 めまいがするような事はありますか  ある・ない
 現在の体調  良い・普通・悪い(最近・現在治療中の病名       )
 以前に右の症状(病状)がありましたか  ある(じん肺症・慢性腰痛・ぎっくり腰・ムチウチ症・振動病・有機溶剤中毒症・難聴・その他)  ない
 過去に怪我(休業4日以上)をしましたか  した(どんな       )
  していない
 
 
◎ 「談合問題」の影響でビッグゼネコンは「もうからなくなっている」?
 全建総連関東地協第46回企業交渉のとき、大林組は「談合問題の影響で、もうからなくなっている」という趣旨の回答を行いました。また、ダンピングの影響で、ビッグゼネコンも「疲弊している」というような意見もあります。
 実際どうなのか? 連結業績を、少し調べてみました。(2007年3月期を今期、2006年3月期を前期と呼びます)
 以下の数字は、ビッグゼネコン5社のHP掲載の「決算短信」に基づいています。
 大成建設は、
今期売上高 1兆8733億24百万円
前期売上高 1兆7439億93 百万円
今期営業利益 576億72百万円
前期営業利益 551億73百万円
今期経常利益 556億26百万円
前期経常利益 553億55百万円
今期純利益 262億22百万円
前期純利益 283億62百万円
 今期1株当たり配当金 6円
 前期1株当たり配当金 6円
 今期配当金総額  63億86百万円
 前期配当金総額  63億86百万円
(大成建設は、前期、今期と続けて相当な利益を蓄積し、株主配当も前期、今期とも63億86百万円に達しています。「疲弊」は見当たりません)
鹿島建設は、
今期売上高 1兆8914億65百万円
前期売上高 1兆7752億73百万円
今期営業利益 555億15百万円
前期営業利益 557億34百万円
今期経常利益 587億13百万円
前期経常利益 553億54百万円
今期純利益 414億39百万円
前期純利益 225億6百万円
 今期1株当たり配当金 7円
 前期1株当たり配当金 6円
 今期配当金総額  73億86百万円
 前期配当金総額  63億33百万円
(鹿島は、「疲弊」するどころか株主への配当金を増やしています)
 清水建設は、
今期売上高 1兆6540億87百万円
前期売上高 1兆4993億55百万円
今期営業利益 508億45百万円
前期営業利益 544億44百万円
今期経常利益 487億69百万円
前期経常利益 519億35百万円
今期純利益 256億18百万円
前期純利益 272億42百万円
 今期1株当たり配当金 7円
 前期1株当たり配当金 7円
 今期配当金総額  55億10百万円
 前期配当金総額  55億11百万円
(清水建設も2期続けて、高い利益の蓄積を続け、高額の株主配当を維持しています。「疲弊」とは無縁です)
 大林組は、
今期売上高 1兆5679億60百万円
前期売上高 1兆4764億24百万円
今期営業利益 475億38百万円
前期営業利益 466億58百万円
今期経常利益 533億20百万円
前期経常利益 508億59百万円
今期純利益 406億52百万円
前期純利益 344億89百万円
 今期1株当たり配当金 12円
 前期1株当たり配当金 12円
 今期配当金総額  86億39百万円
 前期配当金総額  86億42百万円
(大林組は、前期を上回る高蓄積を続け、高額配当を続けています。「疲弊」とは正反対です)
 竹中工務店は、
(竹中の場合は、2006年12月期を今期、2005年12月期を前期と呼びます)
今期売上高 1兆4224億87百万円
前期売上高 1兆2679億92百万円
今期経常利益 455億37百万円
前期経常利益 401億9百万円
今期純利益 274億68百万円
前期純利益 196億26百万円
 今期1株当たり配当金 50円
 前期1株当たり配当金 50円
 今期配当金総額  46億3百万円
(竹中は、1株当たり配当金50円という超高額配当を行い、全ての指標で利益を伸ばしています。「疲弊」のかけらもありません)
 
 
◎ ―― 大手ゼネコン等の海外進出、海外展開について ――
1 企業別国別状況
 『日刊建設工業新聞』連載記事によると、国内の建設投資が縮小を続ける中、
大手ゼネコン等の海外進出、海外展開が強まっています。『日刊建設工業新聞』記事に基づいて企業別に進出国等の状況をまとめると、以下のようになります。
○フジタ 
中国 日系企業から工場や集合住宅の受注を積み上げています。ここ数年、中国事業の売上高は100億〜150億円で推移。
 ベトナム 営業活動に本腰。
 メキシコ 年間売上高20億〜30億円を計上する体制を築いた。2006年11月にメキシコ部を新設し、受注体制をさらに強化。
○前田建設工業 
中国 三峡ダムや上海地下鉄で土木技術のコンサルタント業務を展開。(前田建設工業の)海外事業の8割を香港の事業が占める。世界最大の斜張橋「ストーンカッターズ橋」を施工中。
 台湾 台北市で約329億円の大規模地下鉄工事を受注した。
○佐藤工業 
中国 CM(コンストラクションマネジメント)事業を始めた。
 シンガポール 営業展開。
 マレーシア 営業展開。
○鉄建建設 
台湾 地下鉄から大規模横断道の施工までを手掛ける。
○ハザマ 
台湾 10年ぶりに再参入。
 ベトナム もともと強みを持つベトナムなどを中心に海外事業を強化。
 カンボジア プノンペンに事務所を新設。
 米国とカナダで自動車工場などの建築事業を手掛ける。
 メキシコ メキシコ営業所が受注を展開中。
 ペルー 営業所を設置。
 トルコ 日系自動車メーカーの工場などを中心に工事を手掛けている。
○鹿島建設 
台湾 公共工事だけでなく民間工事も数多く受注する。
 米国 事業拡大をめざしている。2006年前半には2社目の現地企業の買収に成功した。
 アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国 世界最長の鉄道システム工事を手掛ける。
 アルジェリア (鹿島建設や大成建設は)2006年、アルジェリアで過去最大規模となる高速道路プロジェクトを5000億円超で受注。
○五洋建設 
シンガポール 近年は建築分野で大型物件を相次ぎ受注。2006年夏には国内外の同社単独施工による建築物件としては過去最大の受注額(340億円)となった大規模再開発ビルに着工。2006年10月には同国最大の複合商業施設を竣工させた。
 中国 香港に進出。
○東亜建設工業 
シンガポール 有能な外国人スタッフを登用。
 エルサルバドル 大型港湾施設を建設中。
○大林組 
ベトナム 2006年夏から現地法人による営業体制にシフトした。 
 米国 公共工事を中心に安定的な受注を確保。2006年もペンシルベニア州でシールドと開削両方のトンネル構築を含む鉄道工事を受注するなど、実績を重ねている。
 アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国 世界最長の鉄道システム工事を手掛ける。
○戸田建設 
ベトナム 民間案件の受注強化を図る。
 米国 現地企業と共同でローカルの開発案件などを手掛ける。
 ブラジル 日本のゼネコンで唯一、営業拠点を持つ。工場建設を受注。
○飛島建設 
ブルネイ 現在、同国に残っている日系ゼネコンは飛島建設だけ。
○大成建設 
米国 現地法人の最適化を図りながら収益向上をめざす。
 ペルー 営業所を設置。
 アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国 1000億円規模の送水管工事の完成など大規模案件を受注。
 カタール 新ドーハ国際空港のターミナルビルなどの工事を受注。
 アルジェリア (鹿島建設や大成建設は)2006年、アルジェリアで過去最大規模となる高速道路プロジェクトを5000億円超で受注。
○竹中工務店 
アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国 ドバイ国際空港のターミナルビルの工事を獲得。
 カタール 新ドーハ国際空港のターミナルビルなどの工事を受注。
○清水建設 
アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国 大規模高級コンドミニアムの工事を獲得。
2 海外の割合11.1%に
『建設通信新聞』は、「時代の潮流」として大手ゼネコン等の海外進出、海外展開を次のように明らかにしています。
○鹿島建設・大成建設・西松建設・ハザマ・伊藤忠商事JVがアルジェリアの高速道路工事を約5400億円で受注(2006年9月公表)。
○日本建設業団体連合会が発表した法人会員を対象にした受注実績調査によると、06年度上期の海外受注は約7000億円(05年度が1年間で約7800億円)、受注全体に占める海外の割合は06年度上期が11.1%(05年度5.9%)。
○100億円超のプロジェクトの受注
 大成建設JV カタールの新ドーハ国際空港の旅客ターミナルビル
 竹中工務店JV カタールの新ドーハ国際空港の王族用ターミナルビル
 五洋建設 シンガポールでの大型再開発(「オーチャード・ターン・プロジェクト」)
 清水建設 アラブ首長国連邦ドバイ首長国で高級分譲コンドミニアム
 熊谷組 台湾で半導体製造工場
 
 
◎ ビッグゼネコン(鹿島、大成、清水、大林)06年3月期連結決算
 鹿島、大成建設、清水建設、大林組のビッグゼネコン4社の06年3月期連結決算が2006年5月18日、出揃いました。
 以下に紹介しておきます。2006年5月19日『日刊建設工業新聞』と2006年5月19日『建設通信新聞』を参考にさせていただきました。
(ビッグゼネコン4社の2006年3月期連結決算 受注高、完工利益率は連結ではなく単独数値=単体ベース)
経常利益=営業利益に営業外利益を加えたもの
営業利益=売上高から、売上原価や販売費などの営業費用を差し引くことで求められる
完工利益率=粗利益率
――鹿島――
売上高 1兆7752億円 前期比 5.2%増
営業利益   557億円 前期比18.3%増
経常利益   553億円 前期比17.1%増
最終利益   225億円 前期比70.3%増(英国の建築事業の抜本見直しで事業再編損失60億円を特別損失に計上したものの、225億円の大幅増となった)
受注高 1兆3740億円 前期比 7.4%減(大幅増となった前の期の反動で、前年同期比7.4%減と落ちた)
完工利益率 今期9.1%(前期9.1%) 粗利益率は4社中トップを堅持し、昨年と同水準の9.1%を確保。 
――大成建設――
売上高 1兆7439億円 前期比 2.1%増
営業利益   551億円 前期比12.7%増
経常利益   553億円 前期比27.1%増
最終利益   283億円 前期比48.5%増
受注高 1兆4153億円 前期比 0.7%減
完工利益率 今期7.4%(前期7.8%) 資材価格高騰などの不安定要因もあり、建築の粗利益率の落ち込みにより、全体の粗利益率が0.4ポイント減少した。
――清水建設――
売上高 1兆4993億円 前期比 1.0%増
営業利益   544億円 前期比18.4%増
経常利益   519億円 前期比30.1%増
最終利益   272億円 前期比32.9%増
受注高 1兆3677億円 前期比 8.6%増
完工利益率 今期7.0%(前期7.5%)
 清水建設は、次期は、不動産証券化市場の拡大や都市再生プロジェクトの進展などでの展開を有望視している。
――大林組――
売上高 1兆4764億円 前期比 5.1%増
営業利益   466億円 前期比 7.6%増
経常利益   508億円 前期比 3.3%減(前期に多額の株式売却益を営業外収益に計上した反動で経常減益となった)
最終利益   344億円 前期比37.5%増(多額の株式売却益を計上して344億円を確保した)
受注高 1兆2994億円 前期比 0.4%増
完工利益率 今期7.5%(前期8.0%)
 大林組は、今後、民間工事は引き続き回復基調で推移すると予想している。しかし、公共工事の低迷により、依然として厳しい受注競争が継続すると見ている。急激な原材料価格高騰による工事原価上昇など不安定要因も払拭できないという。
(参考)ビッグゼネコンの竹中工務店の05年12月期決算
売上高 1兆2679億円 前期比 6.3%増
営業利益   299億円 前期比 9.0%増
経常利益   401億円 前期比29.8%増
最終利益   196億円 前期比24.3%増
受注高   9819億円 前期比 1.0%増
完工利益率 今期6.5%(前期6.8%)
 
 
◎ ビッグゼネコンの動向(大成建設と大林組)
 ビッグゼネコンの大成建設について、@「日刊建設工業新聞」、A(2005年3月決算)有価証券報告書、B全建総連関東地協大手企業交渉での回答、対応の順番で、その動向を紹介しておきます。
 また、ビッグゼネコンの大林組については、「日刊建設工業新聞」記事を紹介しておきます。
1、大成建設
@2006年5月15日の「日刊建設工業新聞」記事
(以下は、2006年5月15日の「日刊建設工業新聞」記事です)
 ―――大成建設は海外事業を一段と強化するため拠点体制を含めて営業戦略を見直す。これまでは政府開発援助(ODA)に依存した事業体制では中長期的な発展が難しいとの判断から、営業拠点を拡充してきたが、今後は世界各地の需要動向や市場環境などを評価・分析した結果をもとに、「選択と集中」で重点地域を絞り込んでいく。現在推進中の3カ年中期経営計画では、海外事業で年間2000億円の受注を目標に掲げていたが、2期目の05年度で目標を達成したことから、06年度は2700億円の受注を目指す。
 新たな営業戦略では、特にオイルマネーで活況を呈している中東地域などの重点地域に、これまで以上に経営資源を集中投下する方針。経済の急成長が期待されるBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)では、個々の地域性を踏まえて営業戦略を練る。
 インドとロシアには04年、ニューデリーとモスクワにそれぞれ営業所を開設。インドでは既に発電所関連工事の受注実績があり、これを機に事業をさらに伸ばす。ロシアは情報収集と市場分析を進めながら、今後の展開の方向性を検討中だ。ブラジルを含めた南米地域は、ペルー営業所を中心に営業展開する。
 中国は、これまで現地の建設会社との合弁会社と、大成建設独自の北京、上海両営業所による営業活動を平行して進めてきたが、今後は合弁会社と日系企業関係の作業所を核に情報収集などを進める。
 米国には、カリフォルニアに現地法人と営業所を置いており、今春、現地法人の社長に大成建設本社の役員経験者を派遣。これまで建築を主体に事業展開してきたが、今後は土木分野にも積極的に参入する。
 バブル期に40社ほどあった現地法人については、プロジェクトのための有期の法人を除いて、周辺地域を含む中長期的な需要動向などを分析・検討しながら、過去数年間で8社にまで絞り込んできた。今後、英国やナイジェリアなどの現地法人についても、清算や営業所への改組などを含めて対応を詰める―――
A(2005年3月決算)有価証券報告書から
◎(連結)売上高     1兆7079億5200万円
◎(連結)経常利益       435億5300万円
◎(連結)当期純利益      190億9800万円
◎大成建設の従業員数 9,249人 平均年間給与 8,764,500円
◎建設事業の営業利益 332億円  開発事業の営業利益 139億円  レジャー関連事業等の営業利益 20億円
◎対処すべき課題 
有望分野=高齢化時代に対応した医療福祉施設。
本支店組織のスリム化を推進し、販管費を含む全ての経費の削減を実施する。
◎事業等のリスク
 海外事業の展開に伴うリスク=世界各国で事業を行っているため、テロ・戦争・暴動等の発生及びその国の政情の悪化、経済状況の変動、予期せぬ法律・規制の変更等が行われた場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。
◎配当政策 当期については、1株当たり年5円の普通配当を実施することとした。
◎取締役の1人は旧富士銀行(現みずほフィナンシャルグループ)の元頭取であり、同社は大成建設の主要取引金融機関である。
◎海外売上高は1427億1900万円であり、連結売上高に占める海外売上高の割合は8.4%である。
◎長期借入金の当期末残高は2164億5000万円であり、その主要部分をみずほフィナンシャルグループに依存している。
◎完成工事原価報告書の内訳を見ると、材料費(構成比10.9%)、経費(構成比19.7%)を除くと全て外注費(外注費61.6%、労務外注費7.8%)であり、工事施工の全てを外注に依存していることがわかる。
B全建総連関東地協大手企業交渉――大成建設交渉
 2006年4月14日、大成建設東京支店で、大成建設との企業交渉を実施。冒頭から大成建設は「ペーパーでの回答はできない」と現場の賃金・労働時間や1次専門工事業者への発注単価の文書での回答、不払い・建退共・石綿・労働安全の四つの確認書の締結について拒否の姿勢を示しました。
 賃金・単価の引き上げについては、「1社ではできない。建設業界全体として取り組まなければいけない」との回答にとどまり、「大きな利益をあげているのだから、利益を現場に還元し、1社でできる範囲で引き上げてほしい」、「大成建設は一切引き上げないということか」との交渉団の追及に対して「上げるとも上げないとも答えることはできない」との回答。団体交渉にとどまらず団体行動への踏み込みの必要性を感じさせる大成建設の対応でした。
 「アスベストによる肺がん・中皮腫等の労災申請には誠意をもって協力する」と回答。交渉団からの申請数等の質問に対して「労災認定の申請は6件。調査し、わかる範囲で協力している」と回答しました。
 大成建設の『企業行動憲章』が言う「働きやすい職場環境の確保」の「職場環境」には「建設の現場」も入っていることを、大成建設は認めました。
 東京土建一般労組中野支部の仲間は「大成建設が元請の現場で、深夜作業の割増賃金を貰っていない」と訴え、改善を求めました。東京土建一般労組世田谷支部の仲間が「大成建設が元請の現場で、工事代金472万円の不払い被害」を訴え、解決に向けての早急な取り組みを大成建設は約束。
2、大林組
(以下は、2006年5月15日の「日刊建設工業新聞」記事です)
 ―――大林組が(2006年5月)12日発表した06年3月期の連結決算は、民間の設備投資意欲の高まりを背景に売上高が1兆4764億2400万円(前年同期比5.1%増)となった。営業利益も、不動産事業等総利益の増加や販管費の節減効果で466億5800万円(同7.6%増)を確保。03年4月に策定した経営計画「優良企業構想」で掲げた450億円の目標を1年前倒しで達成した。不動産事業を含む受注高(単体)は、海外工事が過去最高額を記録したことなどで1兆2994億円(前年同期比0.4%増)。今期は480億円の営業利益を見込み、08年3月期に500億円を目指す。
 経常利益は、05年3月期に有価証券売却益を計上した反動で508億5900万円(同3.3%減)。一方で、営業戦略上の持ち合い株を精査して売却を進めた結果、最終利益は344億8900万円(同37.5%増)の大幅増となった。工事採算を示す単体の完成工事総利益(粗利益)率は、国内の競争激化と海外土木案件の増加により、05年3月期の8.0%から7.5%と0.5ポイント悪化した。
 今期の受注高は、海外土木の目標を要員不足に対応して低めに設定したことで1兆2500億円と前期より3.8%減少する見通しだ。
 06年3月期の配当は普通配当と特別配当を合わせて12円。今期も株式売却などを進め、同額の配当を行う計画―――
 
 
◎ 「SKIPシティ」(清水建設・竹中工務店JV)現場訪問・調査行動
(以下は、2002年9月20日に埼玉土建一般労組によって実施された「SKIPシティ」A街区(清水建設・竹中工務店JV)への現場訪問行動をまとめたものです。少し古い資料ですが、ビッグゼネコン現場への訪問・調査行動として特筆すべき中身を含んでいますので、紹介しておきます―――海野和夫)
1、はじめに
 2002年9月20日、全建総連関東地協首都圏4県連・組合の統一行動として、埼玉土建一般労組の各支部は大手企業への現場訪問、地元企業との懇談、自治体交渉等に取り組み、その一環として埼玉土建一般労組川口支部(当時)は、「さいたま新産業拠点SKIPシティA街区」(発注者=埼玉県、NHKなど)建設現場への訪問・調査・懇談行動を行いました。
2、全建総連東京都連・東京土建一般労組の組合員からの声
 今回の現場の「SKIPシティ」(清水建設・竹中工務店JV)について、全建総連東京都連・東京土建一般労組の組合員からの「聞き取り」が、全建総連東京都連・東京土建一般労組から来ています。「聞き取り」によると、次のようになっています。
 「さいたま新産業拠点(SKIPシティ)A街区(従事者1,000人)では、新規入場者チェックがきびしく、1人30分かかる。会社の面談は、資格・作業服・ヘルメットなど多岐にわたり、文句を言うと『即退場』の、いわば軍隊式の恐怖現場のようだ。また、2次(下請)以下の従事者でも『雇用契約をしていますか』の項目に『いいえ』と回答すると即退場、『はい』と回答するとOKになる。事業主との雇用契約をきちんとすることが必要だ。建退共はこれまで600枚しか出していない(事務長・○○さん)。竹中工務店の所長が朝礼で『安全管理は2次下請の責任だ』と言ったので、個人的に面会を求めたが会ってくれず事務長が対応、安全は元請責任であることを認めた」
 
 この全建総連東京都連・東京土建一般労組の組合員に、より正確にするために電話で聞き取りをおこなってみたところ、次のように話をしてくれました。
 「この現場は、規則正しくさせようという方針。規則を守らなければ、即退場。朝8時の朝礼にまにあわないと、入れない。一部の監督は『来ないでいい』とずばっと言う。朝礼のとき、腕を組んではいけない、腕を後ろに回すこと、横を向くな、と職長から言われる。危険な箇所を言う点については、きちっとしている。姿勢が悪いと即退場。新規の人は朝7時45分までに行っていないといけない。会社のチェックは、資格・作業服・ヘルメット・安全靴・安全帯・血圧チェック・「賃金の遅滞はないか」など多岐にわたり、不備があると、即退場。この点、きちっとしている。現場監督の注意を守らないと、退場。ともかく即退場が多い。従事者にモラルが欠けているところがあるから、そうせざるを得ない面もあるのではないか。朝礼でいいかげんに並んでいるとどなりつけられる。場内、詰所とも、一斉清掃できれいになっている。また、1次(下請)だけでなく、2次(下請)以下の従事者でも『雇用契約をしていますか』の項目に『いいえ』と回答すると即退場、『はい』と回答するとOKになる。事務長・○○さん(清水建設)が建退共は1か月で600枚しか出していない、と言っていた。建退共のポスターも貼られていない。清水建設の幹部(現場監督か?)が朝礼で『竹中工務店の現場では、管理と設備は下請の責任だ』と言ったので、個人的に面会を求めたが会ってくれず別の監督が対応、安全は元請責任であることを認めた」
3、SKIPシティA街区(清水建設・竹中工務店JV)現場への訪問・調査・懇談行動
 前述のように、2002年9月20日、「さいたま新産業拠点SKIPシティA街区」(発注者・埼玉県、NHK等。建設場所・川口市上青木。「県内中小企業の支援をおこなう行政施設や映像関連産業を核とした次世代産業導入・集積のための施設を整備する」としています)建設現場への訪問・調査・懇談行動をおこないました。
 「SKIPシティ」A街区(清水建設・竹中工務店JV)側は、統括所長(清水建設)、総合所長(清水建設)、事務長(清水建設)など4人が対応。
 次のように回答してきました。
@清水建設の回答
◎1次下請だけで100社入っている。施工体系図も膨大(ぼうだい)で、正門に20枚貼ってある。(組合が確認したところでは、正門に貼ってある施工体系図には3次下請まで記載されていました)
◎下請とは注文書・請書をとりかわしている。請書には「○○工事」とだけ書いてあり、内訳と金額は別の書類に記入している。
◎1次下請から「グリーンファイル」を提出してもらっており、そこに2〜3次下請も記入されているはず、しかし、確認までは実務上無理、できない。
◎前払い金は下請から要望があれば出す。今までの慣行(かんこう)で、下請から請求を受けることはない。(発注者の県から)前払いを受けているが、出来高のほうが大きいし、出来高について請求があれば払う他ないので、思っていた以上に大変だ。また、設計変更が多かったが、県は出来高として認めなかった。
◎労務費の現金払いについて、下請のところでの確認はしていないが、いまは不払いの場合労基署にすぐ通報されるし、1件労基署から連絡があったが、それだけだから、現金払いでおこなわれていると思っている。(このあと、「現場での確認に努めている」と訂正の発言が、清水建設側からおこなわれました)
◎清水建設の手形サイトは100日。ファクタリングをおすすめしている。銀行に清水の手形を持っていけば、年率2%で銀行がファクタリング(手形の買い取り)してくれる。(組合の追及に対して)ファクタリングがおこなわれるのは、清水建設の手形だけで、1次や2次以下の下請が発行する手形にはファクタリングが適用されない。手形サイトの短縮等の指導を下請にしていない。
◎下請への単価は適正だと思う。
◎産廃の処理費用は、すべて元請が負担している。
◎駐車場代は、(リーダー会で)月2,000円とっている。JVとしては、駐車場代を引かないという形で1年位やってきたが、躯体のところではそれでよかったのだが、仕上げになり業者数が増えてきたので、スペースの関係もあり、また抑制も含めて、駐車場代をとるようになった。
◎不払い問題はない。特に労務的なものは、元請の責任で解決していく。この現場で倒産が何件かあったが、責任をもって解決してきている。(2002年7月23日の参議院国土交通委員会での国土交通省総合政策局長の答弁にもあるように、賃金だけでなく工事代金も元請の特定建設業者の責任での解決が求められていることを、労組は清水建設に説明した)
◎どれ位賃金が払われているか、聞いたことはないし、聞きにくい。
◎土曜は隔週休んでいたが、工程が遅れているものについては土曜にも出ている、日曜祭日は近隣との関係もあり、休日にしている。工程表があり、この期間で工事を終らせるようにしている。たとえば、15人の予定が10人になってしまい、日曜に仕事をやることになるわけだが、足りない分はあとで補充してまにあわせるようにして、トータルで工期の中でおこなわせている。
◎朝礼、体操時間は、就労時間として扱っている。
◎(下請のところで)職長手当は払われていると思うが、つかんではいない。
◎雇用契約書の有無欄があり、記入していない場合、チェックして記入させている。いままでは全員、雇用契約書「あり」に○をしている。
◎建退共シールは貼ってある。ポスターは貼ってないが、建退共埼玉支部に聞いたら「ポスターはない」と言われた。1次下請から、これだけ就労したという報告があると、本社に報告し、本社の担当者が1次下請と調整して処理している。建退共の県通達は、2002年4月1日から適用なので、それ以前から始まっている「SKIPシティ」A街区(清水建設・竹中工務店JV)工事は、県通達の対象にはなっていない。証紙の貼付の確認はしていない。建退共に入っているのは躯体などだけで、仕上げ業者は建退共に入っていないので、躯体などからだけ請求が来ているのが現状。新規入場のとき、建退共加入の有無をチェックしていない。就労者1,200人のうちの建退共加入者数はわからない。100社のうち何社入っているかもわからない。(前回労組が訪問したときは、600人のうち100人加入していた、との労組の追及に対して)以前は躯体だからだ、いまは仕上げだから全く(建退共の)請求が来ない。
◎1日の就労者数の最高は、1,300人。
◎トイレ、現場の外側に3か所。現場内に1か所。4Fに「小」。女性作業員10人位(内装・設備)、女性用トイレある。
◎休憩所(詰所)には、クーラー、ロッカーある。弁当屋が来て詰所においていく、詰所にすわって食べられる。A街区、B街区ごとに地下に800人ずつ入れる詰所がある。夏には、冷蔵庫、氷、塩、冷水器を用意した。
◎アスベストは使っていない。
◎労働安全・建退共・不払い・公契約条例の四つの確認書については、現場単位ではむずかしいと本社から言われている。本社と交渉してほしい。
◎競争が激しくなり、どうしていいかわからないほどだが、現場で考えることではなく、国、自治体で考えてもらいたい。
◎埼玉土建一般労組のチラシ、ポスター、持ってきてもらえば、(現場従事者に)配るし、(現場に)貼る。(チラシ1,200枚とポスターを埼玉土建一般労組がすぐ持っていくことを約束しました)
◎トイレ・詰所など現場内の撮影、調査をしてもいい。(早速、現場内の撮影、調査を埼玉土建一般労組としておこないました)
A画期的な一歩
 清水建設に産廃処理費用の負担、労災、不払い等での元請責任を確認させ、また、「埼玉土建一般労組のチラシ、ポスター、持ってきてもらえば、現場従事者に配るし、現場に貼る」、「トイレ・詰所など現場内の撮影、調査をしてもいい」との回答を引き出し、チラシ1,200枚とポスターをすぐ持っていくことを約束。また早速、現場内の撮影、調査を埼玉土建一般労組としておこない、スーパーゼネコン清水建設・竹中工務店の従事者1,200人の大現場での、建設労働組合の現場立ち入り調査権を確立し、建設現場での自由な宣伝行動へ向けての大きな一歩を記録しました。
 
 
◎ 労災の根絶を
 「労災隠し」に抗議  「企業交渉の回答守れ」                       2003年11月18日、品川労基署は、品川区のりんかい線品川シーサイド駅建設工事現場での労災隠しで大手ゼネコンの鹿島と下請3社を、東京地検に書類送検しました。  
「東京新聞」によると、(1)鹿島の1次下請の作業員が作業中にくぎの破片で左目にけがをして3日間休んだのに、鹿島の現場所長が労災ゼロとの報告書を労基署に提出した疑い、(2)鹿島の2次下請の作業員がクレーンで吊った足場板39枚(約550キロ)の下敷きになり、腰の骨を折る重傷を負って下半身不髄の後遺症が残ったにもかかわらず、鹿島のこの2次下請会社は「打撲」などと虚偽の報告書を労基署に提出した疑い、(3)鹿島の別の2次下請の作業員が足を踏みはずして左足を骨折する重傷を負ったのに、この2次下請会社は品川労基署が捜査を始めるまで報告書を提出しなかった、というものであり、元請の鹿島の「労災隠しはない。元請の労災を適用する」との大手企業交渉での回答に反するものです。  この事態を重く受け止めた全建総連関東地協では、2003年11月26日、全建総連東京都連、東京土建一般労組、千葉土建一般労組、埼玉土建一般労組などから12人が参加して、鹿島東京支店に対して、抗議をおこなうとともに「今後二度と労災隠しを引き起こさないための方策を具体的に示すこと」を要求しました。  
鹿島の回答は「今回の労災事故について鹿島は3件とも労災申請をおこなった。(前記の)(1)の事例で、鹿島の現場所長が忘れて労災ゼロの報告書(統括管理状況等報告書)を提出したことについては大いに反省している。また(1)と(3)の事例で、下請が死傷病報告書を労基署に提出していなかった点については、今後元請として、確認を徹底していきたい。(2)の事例では、『発生原因も負傷の中身も違う』ということを鹿島が知り得た時点で(修正)報告書を労基署に再提出した。3件とも労働者には(後遺症を含めて)労災保険が適用され、民事賠償での上乗せ補償もおこなった」というものです。  
建設労組は、労働安全の徹底と労災隠しの根絶をあらためて強く要求して、この日の行動をしめくくりました。(海野和夫)
 
更新日時:
2008/02/07
アサカワホーム、専門用語、派遣、ヤマダ電機、保証人、職長、モニター調査
アサカワホーム、専門用語、派遣、ヤマダ電機、保証人、職長、モニター調査
 
◎ 株式会社アサカワホーム  ホームページからの抜粋  売上の急伸
(以下は、株式会社アサカワホームのホームページからの抜粋です)
1 本社  東京都立川市曙町1−22−17 1階
2 資本金  9900万円
3 従業員数  137人
4 東京都知事許可の特定建設業者です。
5 売上高
 1991年度      81百万円
 1992年度    1億14百万円
 1993年度    1億18百万円
 1994年度    2億88百万円
 1995年度    5億71百万円
 1996年度    5億84百万円
 1997年度    6億93百万円
 1998年度   12億66百万円
 1999年度   15億84百万円
 2000年度   26億72百万円
 2001年度   45億80百万円
 2002年度   60億円
 2003年度   91億5千万円
 2004年度  105億23百万円
 2005年度  114億53百万円
 2006年度  140億円(見込み)
6 業務内容
 建設請負並びに設計施工
 建物の内外装工事の設計・企画施工
7 グループ会社
 株式会社アスティーク  建物宅地取引業
8 提携会社  兼希工業株式会社  
9 1999年に株式会社アサカワから株式会社アサカワホームへ社名変更
10 (帝国データバンク企業情報によると)
 業種  木造建築工事業
 業績  2006年12月決算  売上 128億95百万円  利益  2億7112万7千円
 評点  66点(66点は高い評価点です――海野)
 
 
◎ 「決算短信」等を読むと出てくる専門用語  野村證券等の解説から学ぶ
 企業と懇談、交渉するときのために、話題作りを含めて企業がHPで公開している「決算短信」等を読むと、私などのような素人には意味がわからない、正確につかめない専門用語が相当出てきます。その度に調べて、多少わかったような気がしていますが、あらためて少し以下にまとめてみました。野村證券のHP掲載の解説をよく参考にさせていただきます。ウィキペディア(Wikipedia)等も参考にさせていただきました。
 企業のHP掲載の「決算短信」を60社位読みましたが、素人なりに理解したところでは、極めて大雑把に言うと企業の財務基盤、財務体質は、次のようになっているようです。
 売上高→営業利益→経常利益→純利益の流れがあります。純利益ではなく、純損失の場合も当然あります。純利益は、これも大雑把に言うと、株式配当、利益剰余金、役員賞与などに分岐していきます。言い換えると、それぞれに充当されます。株式配当への充当額が大きければ株主の満足度が高まるわけですし、利益剰余金などへの充当額が大きければ財務基盤の充実、強化、安定化となるわけです。利益剰余金などは、内部留保、ためこみと言っていいでしょう。
「営業利益」 売上高から売上原価を引いて売上総利益を出し、その金額から販売費及び一般管理費を引いたもの
「経常利益」 営業利益に営業外収益を足し、営業外費用を引いたもの
「純利益」 総収益から総費用を引いた金額。純利益はさらに、株式配当、利益剰余金、役員賞与などに分岐していきます。
「純資産」 資産総額から負債総額を引いた残額
「第三者割当増資」 特定の第三者(取引先、自社の役員など)を対象に新株を発行すること
「債務の株式化」 経営不振企業が金融機関に自社株を渡す代わりに、債務返済を免除してもらう手法
「自己資本」 資本金+剰余金
「資本金」 株主から会社に払い込まれた(出資された)金額が「資本金」となります。厳密に言うと、株主が払い込んだ(出資した)金額のうち会社が資本金としたものが「資本金」となり、株主から払い込まれた(出資された)金額のうちで、会社が資本金としなかったものは「株主払込剰余金」となる、とのことです。
「剰余金」 自己資本のうち、資本金を超える部分が剰余金です。剰余金には、資本剰余金と利益剰余金があります。
「利益剰余金」 年々の利益や積立金などが積み重なったものなど発生源泉が利益であるものを「利益剰余金」と呼ぶ、とのことです。
「資本剰余金」 株主払込剰余金、合併差益、自己株式処分差益など株主からの出資が発生源泉であるものを「資本剰余金」と呼ぶ、とのことです。 
「自己株式」 株式会社が自己の発行した株式を自ら取得し保有している場合に、その株式のことを「自己株式」と呼ぶ、とのことです。
「株式分割」 株式を分割して、たとえば株数が2倍になると株価が2分の1になります。値段が下がって買いやすくなります。その結果、多くの人に買ってもらえればというのが狙いのようです。
「持分法」 企業が連結財務諸表を作るときに、非連結子会社、関連会社の財務状況を反映させるための会計方法。議決権所有割合が20%以上50%未満の非連結子会社、関連会社に適用されます。持分法を適用された非連結子会社、関連会社を持分法適用会社といいます。
「アセットマネジメント」 個人や法人の持つ金融資産を最適配置し、その価値を最大化すること
「優先株式」 優先して配当を受け取ることができるが、議決権はありません。
「普通株式」 企業の決算短信等で株式配当と言っている場合、普通株式のことを言っています。議決権があります。
 
 
◎ 派遣労働者(派遣社員)が派遣先に損害を与えた場合の損害賠償は?
1 相談のなかみ
 派遣元(派遣会社)が派遣先に送り込んだ派遣労働者(派遣社員)が、派遣先での業務の従事中に派遣先の自動車を壊してしまったのだが、派遣先は派遣元(派遣会社)に損害賠償を求めることができるのか? そのような相談を受けました。
 派遣労働者の過失で自動車を壊した、とのことです。
2 雇用主責任
 労働者が、労働者の故意または過失で他人(第三者)に損害を与えた場合、その労働者の雇用主に対して、損害を受けた第三者は損害賠償を請求することができます。言い換えると、雇用主責任として、雇用主は損害賠償を行わなければなりません。
 そして、損害賠償を実施した雇用主は、損害を発生させた労働者に対してそれを(損害賠償した金額を)、雇用主に支払うよう求めることができます。これを「求償権」と言います。
 「求償権」の及ぶ範囲(労働者が負担する金額)については、「労働者保護」の観点、「雇用主責任」の観点から、「一律に」、「全額」、「必ず」ということではなく、故意か過失か、過失の程度は、重大な過失と言えるか、雇用主による管理が適正に十分に行われていたか、損害賠償額の程度は、雇用主の支払能力、労働者の支払能力、等々、諸種の状況を考慮して決定されるのは、当然のことです。
3 派遣労働者のケースでは?
 それでは、今回の相談のようなケース、派遣労働者のケース「派遣元(派遣会社)が派遣先に送り込んだ派遣労働者(派遣社員)が、派遣先での業務の従事中に派遣先の自動車を壊してしまったのだが、派遣先は派遣元(派遣会社)に損害賠償を求めることができるのか? 派遣労働者の過失で自動車を壊した」では、どうなるのでしょうか?
 結論から言うと、派遣労働者の故意または過失により派遣先に損害を与えた場合は、派遣先は派遣元(派遣会社)に損害賠償を求めることができます。
 但し、派遣先も派遣労働者に対する使用者責任がありますから、派遣元(派遣会社)に全額の損害賠償を求めることはできず、損害の一定割合を派遣先が負担することになります。(通常は、50%、50%のようです)
 労働者への「求償権」の考え方は、前記「2 雇用主責任」で述べたとおりです。
 
 
◎ ヤマダ電機 第29期有価証券報告書から見えてくるもの
 以下は、株式会社ヤマダ電機の第29期有価証券報告書(平成17年4月1日〜平成18年3月31日)に基づいて、書かせていただきました。
 ヤマダ電機の本店は、群馬県前橋市にあります。私も一度、行ったことがあります。受付のそばに、社長の銅像があります。
連結売上高は1兆2839億6100万円に達しています。年々伸びています。
連結当期純利益は370億2700万円。
増収増益・過去最高益だとのことです。
従業員数は6,447人。
従業員の平均年間給与は3,913,794円です。
 従業員の平均年齢は29.8歳。
 従業員の平均勤続年数は5.0年。
 率直に言って、「給与が高くない」「平均年齢が随分低い」「平均勤続年数が随分短い」と感じました。30歳になる前に5年位でやめてしまうというのは、いいことなのでしょうか?
○ ヤマダ電機の子会社の株式会社シー・アイ・シーは、ヤマダ電機が各店舗で顧客から引き取った家電製品等の産業廃棄物をヤマダ電機から引き受けています。言い換えると、ヤマダ電機はシー・アイ・シーに産業廃棄物の処理を委託しています。
○ ヤマダ電機の子会社の株式会社ヤマダハウジングは、ヤマダ電機から建築物の修繕・リフォーム業務を引き受けています。
○ ヤマダ電機労働組合があり、ゼンセン同盟に加盟しています。
 労働組合があるというのに、前記の平均年間給与、平均年齢、平均勤続年数は、どういうことなのでしょうか?
 1株当り年間配当は25円に達しています。
 配当金額は23億5100万円。
 (役員報酬)取締役に支払った報酬は3億5300万円。
 長期借入金は518億4000万円。
長期借入金の相手先を見ると、みずほ銀行が289億7500万円を占め、メインとなっています。
資本金 662億4000万円
○ 利益剰余金期末残高は1175億3900万円に達しています。
 海外売上高はゼロです。
 
 
◎ ………「保証人」になった人の権利を守るために………
 建設労働組合として建設労働者、建設中小業者の生活と権利を守るために、生活相談活動、何でも相談活動、生活防衛闘争をおこなっているときにぶつかる問題の一つに、「保証人」問題があります。
 知人、友人から頼まれた、以前世話になった人から頼まれた、あるいは知らない間に保証人になっていた、強迫されて保証人になった、等々、保証人問題でのトラブルが時々浮上してきます。
 そこで今回は、保証人問題をあいまいなまま放置しないで、解決の方向を少しでも明らかにできればと思い、『保証人110番 全訂増補版』(編者 新潟県弁護士会 発行 株式会社民事法研究会)を参考にして、それにもとづいて、以下を書かせていただきました。
………印鑑が盗用された場合の本人の責任………
 保証人欄にあなたの氏名が記載され、あなたの実印が押してあっても、その氏名の記載と実印の押捺があなたの意思にもとづかずになされたものであれば、原則としてあなたは責任を負う必要はありません。
………預けていた印鑑が悪用された場合の本人の責任………
 保証責任はないと言って争うことはかなり困難です。実印は人に預けないで自分で保管することです。
………証人、立会人の肩書で署名をした場合の責任………
 立会人は保証人としての責任を負う必要はありません。また、証人という言葉は立会人というのと同じで、保証人の意味を持っていないので、証人の肩書で署名した場合も、保証人としての責任を負う必要がありません。
………保証意思の確認電話の際に「ハイ」と答えてしまった場合の責任………
 結論として言いますと、保証責任を免れるのは困難です。軽率に「ハイ」と答えるのは、絶対にしないことです。
………保証人の責任と保証契約が無効とされる場合………
 事前の説明と実際の保証契約が異なっているとき、その異なる「内容」によっては、締結された保証契約が無効とされる可能性はあります。
 また、詐欺または強迫によって保証人にさせられた場合は、保証人が保証契約を取り消す意思表示をすれば保証契約は無効となります。
………保証の対象である借主の資力を誤解していた場合の責任………
 単に借主の資力を誤解していただけでは、無効の主張はできないと考えられますが、貸主の銀行に借主の資力について事前に確認するなど保証人になるときの動機、決断過程、判断経過を対外的に意思表示していたような場合は、例外的に、錯誤にもとづく無効主張を認める余地が生じることになります。
………保証金額について誤解して保証した場合の責任………
 結論から言いますと、保証契約の無効を主張することは困難です。ただし、借主や貸主が積極的にあなたをだましたような場合には、詐欺が成立する余地があり、保証契約を無効にできる可能性が発生します。
………………………………………
 保証人になるということは、基本的に、借主と同じ返済義務を負うことです。人に頼まれたからといって、安易に保証人になることは絶対に避けるべきです。断固として断ることです。既に保証人になっている場合は、その取り消しの方向を追求することです。借主が返済不能に陥ったときは、保証人だからと簡単にあきらめないで、身を守るためにたたかいぬくことです。
 
 
◎ 職長について
―――参考資料―――
(以下は、当時、建設政策研究所からの要請で、まとめた資料です)
2003年4月(全建総連関東地協)企業交渉での「職長問題」へのゼネコン等の回答
鹿島建設=職長の役割は、部下の管理・統括全般(安全管理も含まれる)だと考える。
竹中工務店=新規入場者教育などは元請が実施するが、各会社ごとに行われる教育では、職長が事業主の代理として行うこともある。労安法にもとづく指導や短時間の安全パトロールも行われている。職場のリーダーとして働いてもらっていると認識。
大林組=安全・環境・工程・品質をよりよくすすめるのに職長は重要な位置付け。
三井住友建設=職長は協力会社の社長の代理と考えている。パトロールや清掃をお願いすることはあるが、入場者受付をやらせるなんて考えられない。
熊谷組=現場の安全衛生管理活動のみならず、品質・原価を含め、現場のキーマンとして位置づけている。
前田建設工業=新規入場者への教育手伝いや立ち会ってもらうことはあるが、もっと一歩踏み込んだ教育をお願いしている。
五洋建設=職長は1次から出すべきもの、2次、3次からではない。
鉄建建設=職長は下請事業主の代理。
淺沼組=職長にパトロールや掃除をさせることはしていない。
東洋建設=作業管理、新規入場、現場パトロールなどやってもらっている。
松村組=職長は仕事を進める上での連絡調整が主な仕事。
大豊建設=職長は現場代理人なので、事業主と同等のものとして扱っている。
新菱冷熱工業=職長は、労働安全衛生、まわりとのコミュニケーションの役割を果たす。
高砂熱学工業=職長には、@安全衛生の講習に事業主とともに参加し、徹底させる、A高齢者(60歳以上)、高血圧者などの健康を把握する、B健康、就労状況を把握するの3点を求めている。            
 
 
◎ 元請監督へ不満も 粉じんや有機溶剤作業が心配 大手現場モニター調査
(以下は、既に埼玉土建一般労組機関紙で紹介済みのものですが、モニター調査で得られた結果として貴重な資料なので、ここにあらためて紹介しておきます 海野和夫)
 埼玉土建一般労組モニター調査は、埼玉土建一般労組の各支部組合員の中から約100人を「現場従事者モニター」として登録し、年2回調査をおこなうもので、今回(2004年)で3回目となります。
 モニター調査の目的は、大手企業の現場の労働実態や作業環境の変化を継続的に把握し、労働条件、労働安全衛生環境の改善に役立てようとするものです。回答者数は、第1回62人、第2回42人、第3回48人で、3回とも回答を寄せた人は28人です。
 以下に特徴を簡単に紹介しておきます。
 大手ゼネコンの賃金(日額)は、最低13,000円、最高20,000円で、大手住宅企業は最低10,000円、最高23,000円となっています。
 道具代、安全衛生用品、交通費等の自己負担額を日額で見ると、大手ゼネコンでの最低は1,050円、最高は10,411円、大手住宅企業での最低は1,246円、最高は3,133円となっていて、これを引くと実質賃金はさらに低くなります。
 朝礼、現場作業、準備・持ち帰り作業、往復通勤時間の合計である1日の総拘束時間の平均は、大手ゼネコンで12時間52分、大手住宅企業で12時間51分となっています。
 各設備の状態では、大手ゼネコン現場では、トイレ、給水・排水設備、照明設備とも「不足」との回答が目立ちます。また、大手住宅企業では照明設備が不足あるいは自分持ちとなっています。
 労働安全衛生対策では、大手ゼネコン・住宅企業ともに、心配な環境は、粉じんや有機溶剤で、元請の対策にはばらつきが見られます。大手ゼネコン現場では「何もしていない」「シートで覆う」程度との回答が目立ち、大手住宅企業現場では約半数の回答が「何もしていない」となっています。
 工期については、大手ゼネコン・住宅企業ともに「余裕がない」との回答が多く、元請監督の仕事に対し「仕事を理解していない」「指示に間違いが多い」「意見を聞かない」と不満が多く寄せられています。
 
更新日時:
2008/02/17

FUTURE INDEX PAST

HOME コラム LINK PHOTO 掲示板 DIARY


Last updated: 2009/7/5