COLUMN

何でもコラム
個人の尊厳、生命の絶対的尊重、両性の本質的平等のために
――――――――――  佐藤労災裁判関係  ――――――――――
――――――――――  佐藤労災裁判関係  ――――――――――
海野和夫
 
◎ ―――― 佐藤労災裁判   最高裁判決全文の紹介 ――――
(以下は、「佐藤労災裁判 最高裁判決」の全文です。判決の中に、「労働者性」の一般的判断基準は出されていません。従って、この判決は、今後の「労働者性」認否の判断基準になるものではないし、そのようなものになることはできません。もう一つの特徴は、この最高裁判決は、高裁の判断が妥当だとの前提の上に成立していることです。「労基研報告」と対比するとき、鋭い矛盾を感じざるを得ません――海野)
平成17年(行ヒ)第145号
判決
山形県鶴岡市温海丁213−17
上告人        佐藤吉治
同訴訟代理人弁護士  古川景一
           水口洋介
           尾林芳匡
           佐久間大輔
神奈川県藤沢市朝日町5−12 藤沢労働総合庁舎3階
被上告人  藤沢労働基準監督署長
      福島路子
同指定代理人  佐藤真紀子
 上記当事者間の東京高等裁判所平成16年(行コ)第174号労働者災害補償保険給付不支給処分取消請求事件について、同裁判所が平成17年1月25日に言い渡した判決に対し、上告人から上告があった。よって、当裁判所は、次のとおり判決する。
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
 上告代理人古川景一ほかの上告受理申立て理由(ただし、排除されたものを除く。)について
1 原審の適法に確定した事実関係の概要は、次のとおりである。
(1) 上告人は、作業場を持たずに1人で工務店の大工仕事に従事するという形態で稼働していた大工であり、株式会社竹中工務店(以下「竹中工務店」という。)等の受注したマンションの建築工事について細田木材工業株式会社(以下「細田木材」という。)が請け負っていた内装工事に従事していた際に負傷するという災害(以下「本件災害」という。)に遭った。
(2) 上告人は、細田木材からの求めに応じて上記工事に従事していたものであるが、仕事の内容について、仕上がりの画一性、均質性が求められることから、細田木材から寸法、仕様等につきある程度細かな指示を受けていたものの、具体的な工法や作業手順の指定を受けることはなく、自分の判断で工法や作業手順を選択することができた。
(3) 上告人は、作業の安全確保や近隣住民に対する騒音、振動等への配慮から所定の作業時間に従って作業することを求められていたものの、事前に細田木材の現場監督に連絡すれば、工期に遅れない限り、仕事を休んだり、所定の時刻より後に作業を開始したり所定の時刻前に作業を切り上げたりすることも自由であった。
(4) 上告人は、当時、細田木材以外の仕事をしていなかったが、これは、細田木材が、上告人を引きとどめておくために、優先的に実入りの良い仕事を回し、仕事がとぎれないようにするなど配慮し、上告人自身も、細田木材の下で長期にわたり仕事をすることを希望して、内容に多少不満があってもその仕事を受けるようにしていたことによるものであって、細田木材は、上告人に対し、他の工務店等の仕事をすることを禁じていたわけではなかった。また、上告人が細田木材の仕事を始めてから本件災害までに、約8か月しか経過していなかった。
(5) 細田木材と上告人との報酬の取決めは、完全な出来高払の方式が中心とされ、日当を支払う方式は、出来高払の方式による仕事がないときに数日単位の仕事をするような場合に用いられていた。前記工事における出来高払の方式による報酬について、上告人ら内装大工は細田木材から提示された報酬の単価につき協議し、その額に同意した者が工事に従事することとなっていた。上告人は、いずれの方式の場合も、請求書によって報酬の請求をしていた。上告人の報酬は、細田木材の従業員の給与よりも相当高額であった。
(6) 上告人は、一般的に必要な大工道具一式を自ら所有し、これらを現場に持ち込んで使用しており、上告人が細田木材の所有する工具を借りて使用していたのは、当該工事においてのみ使用する特殊な工具が必要な場合に限られていた。
(7) 上告人は、細田木材の就業規則及びそれに基づく年次有給休暇や退職金制度の適用を受けず、また、上告人は、国民健康保険組合の被保険者となっており、細田木材を事業主とする労働保険や社会保険の被保険者となっておらず、さらに、細田木材は、上告人の報酬について給与所得に係る給与等として所得税の源泉徴収をする取扱いをしていなかった。
(8) 上告人は、細田木材の依頼により、職長会議に出席してその決定事項や連絡事項を他の大工に伝達するなどの職長の業務を行い、職長手当の支払を別途受けることとされていたが、上記業務は、細田木材の現場監督が不在の場合の代理として、細田木材から上告人ら大工に対する指示を取り次いで調整を行うことを主な内容とするものであり、大工仲間の取りまとめ役や未熟な大工への指導を行うという役割を期待して上告人に依頼されたものであった。
2 以上によれば、上告人は、前記工事に従事するに当たり、竹中工務店はもとより、細田木材の指揮監督の下に労務を提供していたものと評価することはできず、細田木材から上告人に支払われた報酬は、仕事の完成に対して支払われたものであって、労務の提供の対価として支払われたものとみることは困難であり、上告人の自己使用の道具の持込み使用状況、細田木材に対する専属性の程度等に照らしても、上告人は労働基準法上の労働者に該当せず、労働者災害補償保険法上の労働者にも該当しないものというべきである。上告人が職長の業務を行い、職長手当の支払を別途受けることとされていたことその他所論の指摘する事実を考慮しても、上記の判断が左右されるものではない。
 以上と同旨の原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は採用することができない。
 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官  泉 徳治
   裁判官  横尾和子
   裁判官  甲斐中 辰夫
   裁判官  才口千晴
 
 
◎ 佐藤労災裁判   東京高等裁判所判決の全文の紹介    反論も
(以下は、佐藤労災裁判最高裁判決の前提を形成している佐藤労災裁判東京高等裁判所判決の全文です。判決全文の後に、参考資料として判決への批判、反論を載せておきました──海野)
平成16年(行コ)第174号労働者災害補償保険給付不支給処分取消請求控訴事件
(原審・横浜地方裁判所平成15年(行ウ)第9号)
口頭弁論終結日 平成16年11月25日
判決
山形県西田川郡温海町大字温海丁213−17
控訴人       佐藤吉治
同訴訟代理人弁護士 古川景一
同         水口洋介
同         尾林芳匡
同         佐久間大輔
神奈川県藤沢市朝日町5−12 藤沢労働総合庁舎3階
被控訴人      藤沢労働基準監督署長
          福島路子
同指定代理人    森田強司
同         志村陽子
同         岩崎文男
同         島倉 厚
同         菊池芳裕
同         石田孝雄
主文
 本件控訴を棄却する。
 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1 控訴の趣旨
 1 原判決を取り消す。
 2 被控訴人が平成11年3月29日付けで控訴人に対してした労働者災害補償保険法に基づく療養補償給付及び休業補償給付を支給しないとの処分を取り消す。
第2 事案の概要
 本件は、茅ヶ崎市所在の大規模なマンション建設工事(7棟、167戸。以下「本件工事」という。)の現場(以下「本件現場」という。)において大工として稼働していた控訴人が、平成10年11月5日午後3時50分ころ、内装工事に従事中負傷したことについて、業務に起因したものであるとして、被控訴人に対し、労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という。)に基づき療養補償給付及び休業補償給付の請求をしたところ、労災保険法上の労働者ではないとの理由で不支給処分(以下「本件処分」という。)を受けたため、その取消しを求めた事案である。
 本件事案の概要は、次に付加するほかは、原判決の「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」欄に記載のとおりであるから、これを引用する。
(当審における控訴人の主張)
 控訴人は、平成10年3月、兄の小玉美枝雄(以下「小玉」という。)らとともに、従来勤務していた共栄建創株式会社を退職し、細田木材工業株式会社(以下「細田木材」という。)に入社したが、本件工事に携わるまでの間にも、細田木材の指示で、春日部のマンションのダメ直し工事、本件工事に係るモデルルームの造作工事、西船橋のマンションの造作工事とこれに加えてボード貼りなどの工事、上記モデルルームの追加工事、両国のマンションの造作工事、その他5件の工事に従事した。これらの工事において、控訴人ら内装大工は、細田木材の番頭の指示を受けて、たとえ造作工事の途中であっても、他の現場の常用工事や追加工事を行ったり、また、ボード貼りやダメ直しなど本来内装大工の仕事ではない工事を行っていたものであるから、細田木材の業務内容に関する指揮命令に従って工事をせざるを得ない立場に置かれていたというべきである。
第3 当裁判所の判断
 1 当裁判所も、労災保険法にいう労働者は、労働基準法に定める労働者と同義であり、同法9条が「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。」と定義していることからすると、控訴人が労災保険法にいう労働者に該当するか否かの基本的な判断基準は、「使用従属関係の存在」と「労務提供に対する賃金の支払関係の存在」の有無であると解するものであるが、本件に関しては、仕事の依頼・業務従事に対する諾否の自由の有無、業務遂行上の指揮監督関係の有無・程度、勤務時間・勤務場所の拘束性の有無、服務規律の適用の有無、労務提供の代替性の有無、業務用の機械・器具の提供の有無・程度、報酬の性格・額、事業者性の有無、専属性の程度等の判断要素に照らし、控訴人については、労災保険法にいう労働者には該当しないと判断する。
 その理由は、次に補正するほかは、原判決の「事実及び理由」中の「第3 当裁判所の判断」欄に記載のとおりであるから、これを引用する。
(原判決の補正)
(1) 原判決22頁の13行目の「請け負うことになっており、」から15行目「高額の報酬となることもあった。」までを、「請け負うこととなっていた。控訴人ら内装大工が、もう少し単価を上げてほしいという話をすることもあったが、これだけしか出ないので、どうしてもこの単価でやってくれと言われれば、我慢してその金額で仕事を引き受けていた(控訴人本人)。」と改める。
(2) 原判決30頁の17行目から18行目にかけての「より高額の単価を要求し、その要求が認められることもあるなど、」を「より高額の単価を要求することもあり(控訴人本人)、」と改める。
(3) 原判決31頁5行目の「上記1のとおり」及び原判決35頁2行目の「上記1認定のとおり」を、いずれも「上記1(1)ウのとおり」と改める。
 2 事案にかんがみ、控訴人の主張の主要な論点について補足する。
(1) 控訴人は、出来高により報酬が支払われる請負方式について、細田木材が一方的にその金額を決めていたと主張するが、控訴人らの方から単価の値上げを求めることもあったのであるから(控訴人本人)、単価が交渉事項とされていたことは明らかであって、結果として単価の値上げが実現しなかったことをもって、請負方式の報酬が細田木材により一方的に決定されていたということはできない。
(2) また、控訴人は、本件工事において内装大工が担当する部屋の割り振りは、吉岡が一方的に決めていたと主張するが、控訴人らが要望を出さないのは、職人間で楽な仕事の取り合いになるからであり(控訴人本人)、吉岡も、大工が別のタイプの部屋をやらせてほしいと申し出た場合には、ある程度は聞きますと供述しており(証人吉岡)、担当する部屋の割り振りを細田木材が一方的に決定していたとまではいえない。
(3) 時間管理についても、控訴人は、内装大工は途中で帰るということはなく、規律を守れない大工は厳重注意を受け、場合によれば辞めさせられる関係にあったと主張するが、控訴人本人の供述によれば、控訴人は作業終了の午後5時前に仕事が終わった場合には、現場でぷらぷらしてみたり、手伝いをしてみたり、掃除をしてみたりしていたとのことであり、また、本件現場にいたときではないが、用事があるときには(作業終了時刻前に)自分の自宅の方に帰ったこともあったとのことである。控訴人は、加藤という職長が規律を守らないので辞めさせられたとも主張するが、加藤は本件現場では職長のみをしていたとのことであり、控訴人ら内装大工と同列には論じ得ない。なお、本件現場における時間管理については、様々な業者が出入りする大規模なマンション建設現場としての特性に基づき、元請企業体が安全管理上あるいは近隣対策上の理由から、比較的厳格に取り決めていたものであって、細田木材と控訴人らとの間のみで時間の管理が決定されていたわけではない。
(4) 控訴人は、当審において、本件現場以外での細田木材における控訴人らの稼働状況に言及し、そもそも細田木材と控訴人ら内装大工との間には、使用従属関係及び報酬の労務対償性が存在していた旨を主張するが、本件現場に関する主張と同様、これを的確に証明する証拠はない。
 むしろ、当審における証拠(甲33の1ないし3、甲35ないし37、証人小玉)によれば、本件工事以外の茅ヶ崎マンションのモデルルーム造作工事、雑用工事、追加工事、外部工事及び置床工事の件について、次のとおり、使用従属関係や報酬の労務対償性が否定されるべき事情が認められる。すなわち、各工事が行われた期間は、平成10年4月13日から同月30日までのうちの16日間であり、初日が5人だったほかは、各日6人で稼働した。当初、吉岡は、造作工事について、6人の内装大工が稼働して14日間で完成させられる(6人×14日間=84人工)との見込みを立て、一人につき日当2万5000円とし、控訴人らに対し総額210万円(2万5000円×84)を提示したが、控訴人らは、この工事を65.5人工(計算上は概ね11日間相当)で完成させ、210万円の報酬を得た。更に、控訴人らは、この期間に、常用方式で雑用工事9.5人工、追加工事9.0人工、外部工事11.0人工を行い別途報酬(合計73万7500円)をもらい、その上、造作工事と併行して出来高方式で置床工事を行い報酬30万4000円を得た。各工事の報酬の総合計は314万1500円となる。したがって、控訴人ら内装大工は、自ら効率よく仕事をし、1人工当たりの報酬を増額させ、併せて請負方式の仕事も引き受けたことが認められる。また、この期間に得た報酬については、控訴人ら6人の内装大工中の1人が見習いであったため、控訴人ら6人の合意で、この者の取り分を少なくする形で配分を行ったことが認められる。
 これらの事情によれば、細田木材に関係する控訴人ら内装大工は、自らの能力に応じて仕事の段取りを工夫し、短い日数で多くの報酬を得ることができ、さらに、報酬の配分についても仲間内で取り決めることが可能であったことが明らかである。したがって、控訴人が細田木材に従属し、その監督の下にあったとはいえないし、労務提供に対する賃金の支払関係があったとも認めがたいというべきである。
(5) なお、控訴人は、出来高払制による賃金の支払制度(労働基準法27条)があることを主張するが、この制度においては労働時間に応じた使用者による一定額の賃金の保障が必要であるところ、細田木材がそのような保障をしていたことを認めるに足りる証拠はない。したがって、細田木材が出来高払制による賃金の支払制度を採っていたと認めることはできない。
 3 以上によれば、控訴人については、使用従属関係と労務提供に対する賃金の支払関係のいずれについても、その存在を肯定することはできず、本件控訴は理由がないのでこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第2民事部
裁判長裁判官  森脇 勝
   裁判官  前田順司
   裁判官  鯉沼 聡
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(参考資料)
佐藤労災裁判東京高裁判決の問題点と反動性
海野和夫
1 はじめに
 全建総連山形県連田川建労の組合員の佐藤吉治さん(内装大工)がマンション工事中に右指3本を切断した事故について、東京高裁は佐藤さんの労働者性を否認し、労災認定を認めませんでした(2005年1月25日判決)。
2 東京高裁判決の反動性、労基法への曲解
 上記の東京高裁判決(2005年1月25日判決)に絞って、その問題点と反動性を少しでも明らかにできればと思います。
 東京高裁判決は、佐藤さんの労働者性を否認する理由として、@単価が交渉事項とされていた、A時間管理について、作業終了の午後5時前に仕事が終った場合には、現場でぷらぷらしてみたり、手伝いをしてみたり、掃除をしてみたりしていた、B用事があるときには(作業終了時刻前に)自分の自宅の方に帰ったこともあった、C自ら効率よく仕事をし、1人工当たりの報酬を増額させていた、D報酬の配分について仲間内で取り決めることが可能であった、E出来高払いによる賃金の支払い制度(労働基準法27条)では、労働時間に応じた使用者による一定額の賃金の保障が必要だが、細田木材(佐藤さんの使用者)がそのような保障をしていたことを認めるに足りる証拠はない、などをあげています。
「@単価が交渉事項とされていた」について言えば、建設職人、建設労働者が賃金・単価について交渉をおこなうことは労働者としての当然の権利、憲法で保障された権利であり、「単価が交渉事項とされていたこと」を労働者性を否認する理由とすることは、憲法が定めている労働者の交渉権を否定するものです。
「A時間管理について、作業終了の午後5時前に仕事が終った場合には、現場でぷらぷらしてみたり、手伝いをしてみたり、掃除をしてみたりしていた」については、裁判官の見解とは逆に、午後5時までは帰ることができず午後5時までは拘束されていたことを示すものであり、時間が管理されていた点でむしろ労働者性を強める要素です。  
「B用事があるときには(作業終了時刻前に)自分の自宅の方に帰ったこともあった」を労働者性を否認する理由にすることは、労働者は用事があっても家に帰ってはいけないということであり、まさに労働者を奴隷化するものであり、奴隷と同視するものです。
「C自ら効率よく仕事をし、1人工当たりの報酬を増額させていた」は、そもそも出来高払い労働者の出来高払い賃金というのはこういうものであり、労働者性を否認する要素とはなり得ません。
「D報酬の配分について仲間内で取り決めることが可能であった」は、労働者性の判断基準を示した『労基研報告』(厚生労働省)=「報酬の配分がグループ内での合意で決まるなどグループの構成員が平等であることは、労働者性を認めることができる要素となる」に照らせば、むしろ労働者性を強める要素です。
最後に、「E出来高払いによる賃金の支払い制度(労働基準法27条)では、労働時間に応じた使用者による一定額の賃金の保障が必要だが、細田木材(佐藤さんの使用者)がそのような保障をしていたことを認めるに足りる証拠はない」について言えば、労働基準法27条「出来高払い制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない」を一読すれば明らかなように、この労働基準法27条は使用者の義務(請負制の労働者に対する賃金保障の義務)を定めたものであり、労働者性の判断基準を示したものでは全くなく、使用者が請負制の労働者に対する賃金保障をしていなかったことをもって請負制の労働者の労働者性を否認するなどというのは、まさに労災保険への加入を事業主が怠っていたことを労働者の責任にするようなものであり、またかつて小泉首相(当時)が「自衛隊の活動する地域」だから「非戦闘地域」だと強弁したのと同一の暴論であり、詭弁です。
 
 
◎ 佐藤労災裁判 最高裁判決の問題点、矛盾  「労基研報告」と対比するとき
「佐藤労災裁判 最高裁判決」の中には、「労働者性」の一般的判断基準は示されていません。従って、この判決は、今後の「労働者性」認否の判断基準になるものではないし、そのようなものになることはできません。もう一つの特徴は、この判決は、東京高裁の判断が妥当だとの前提の上に成立していることです。
「労基研報告」と対比するとき、鋭い矛盾を感じざるを得ません。
 以下に、この「佐藤労災裁判 最高裁判決」について、問題点、矛盾、理解しがたい諸点を明らかにしておきたいと考えます。
この最高裁判決は、「原審の適法に確定した事実関係の概要は、次のとおりである」として、「原審(前の裁判=控訴審の裁判=東京高裁の裁判)の適法に確定した事実関係の概要」を以下のように羅列しています。
(1) 上告人は、作業場を持たずに1人で工務店の大工仕事に従事するという形態で稼働していた大工であり、株式会社竹中工務店(以下「竹中工務店」という。)等の受注したマンションの建築工事について細田木材工業株式会社(以下「細田木材」という。)が請け負っていた内装工事に従事していた際に負傷するという災害(以下「本件災害」という。)に遭った。
(2) 上告人は、細田木材からの求めに応じて上記工事に従事していたものであるが、仕事の内容について、仕上がりの画一性、均質性が求められることから、細田木材から寸法、仕様等につきある程度細かな指示を受けていたものの、具体的な工法や作業手順の指定を受けることはなく、自分の判断で工法や作業手順を選択することができた。
(3) 上告人は、作業の安全確保や近隣住民に対する騒音、振動等への配慮から所定の作業時間に従って作業することを求められていたものの、事前に細田木材の現場監督に連絡すれば、工期に遅れない限り、仕事を休んだり、所定の時刻より後に作業を開始したり所定の時刻前に作業を切り上げたりすることも自由であった。
(4) 上告人は、当時、細田木材以外の仕事をしていなかったが、これは、細田木材が、上告人を引きとどめておくために、優先的に実入りの良い仕事を回し、仕事がとぎれないようにするなど配慮し、上告人自身も、細田木材の下で長期にわたり仕事をすることを希望して、内容に多少不満があってもその仕事を受けるようにしていたことによるものであって、細田木材は、上告人に対し、他の工務店等の仕事をすることを禁じていたわけではなかった。また、上告人が細田木材の仕事を始めてから本件災害までに、約8か月しか経過していなかった。
(5) 細田木材と上告人との報酬の取決めは、完全な出来高払の方式が中心とされ、日当を支払う方式は、出来高払の方式による仕事がないときに数日単位の仕事をするような場合に用いられていた。前記工事における出来高払の方式による報酬について、上告人ら内装大工は細田木材から提示された報酬の単価につき協議し、その額に同意した者が工事に従事することとなっていた。上告人は、いずれの方式の場合も、請求書によって報酬の請求をしていた。上告人の報酬は、細田木材の従業員の給与よりも相当高額であった。
(6) 上告人は、一般的に必要な大工道具一式を自ら所有し、これらを現場に持ち込んで使用しており、上告人が細田木材の所有する工具を借りて使用していたのは、当該工事においてのみ使用する特殊な工具が必要な場合に限られていた。
(7) 上告人は、細田木材の就業規則及びそれに基づく年次有給休暇や退職金制度の適用を受けず、また、上告人は、国民健康保険組合の被保険者となっており、細田木材を事業主とする労働保険や社会保険の被保険者となっておらず、さらに、細田木材は、上告人の報酬について給与所得に係る給与等として所得税の源泉徴収をする取扱いをしていなかった。
(8) 上告人は、細田木材の依頼により、職長会議に出席してその決定事項や連絡事項を他の大工に伝達するなどの職長の業務を行い、職長手当の支払を別途受けることとされていたが、上記業務は、細田木材の現場監督が不在の場合の代理として、細田木材から上告人ら大工に対する指示を取り次いで調整を行うことを主な内容とするものであり、大工仲間の取りまとめ役や未熟な大工への指導を行うという役割を期待して上告人に依頼されたものであった。
 そして、最高裁判決は、上記の「原審の適法に確定した事実関係の概要」を前提にして、次のように結論を導き出します。
「以上によれば、上告人は、前記工事に従事するに当たり、竹中工務店はもとより、細田木材の指揮監督の下に労務を提供していたものと評価することはできず、細田木材から上告人に支払われた報酬は、仕事の完成に対して支払われたものであって、労務の提供の対価として支払われたものとみることは困難であり、上告人の自己使用の道具の持込み使用状況、細田木材に対する専属性の程度等に照らしても、上告人は労働基準法上の労働者に該当せず、労働者災害補償保険法上の労働者にも該当しないものというべきである。上告人が職長の業務を行い、職長手当の支払を別途受けることとされていたことその他所論の指摘する事実を考慮しても、上記の判断が左右されるものではない。以上と同旨の原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は採用することができない。よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する」
 主文が「本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする」というものです。
 最高裁判決を読んで、最初に不審に思ったのは、「原審の適法に確定した事実関係」という表現でした。原審というのは、前の裁判のことですから、控訴審(東京高裁)での裁判のことです。
 最高裁のシステムというか構造というか、それがわからない私には断言はできないのですが、これはつまり、原審で既に事実関係は適法に確定しているということを意味するのでしょうか? 言い換えると、最高裁は事実関係についてあらためて争う場ではない、ということなのでしょうか? あくまでも最高裁は、「原審で既に確定している事実関係」に基づいて、それを前提に判断を下すということなのでしょうか?
 新しい証拠、証人、鑑定が出されても採用されない、ということなのでしょうか? 
 私が最初に不審に思い、疑問に思ったのは、以上の点です。
 よく言われる「百歩譲って」、最高裁判決が言う「原審の適法に確定した事実関係の概要」(以下「概要」と略します)を前提にして、論点、問題点、疑問点を明らかにしたいと考えます。
概要(1)が「上告人は、作業場を持たずに1人で工務店の大工仕事に従事するという形態で稼働していた大工であり、株式会社竹中工務店等の受注したマンションの建築工事について細田木材工業株式会社が請け負っていた内装工事に従事していた際に負傷するという災害にあった」です。
建設現場の実態を知っていれば、これを読んだだけで、スーパーゼネコンの竹中工務店を頂点とする重層下請構造の中で、竹中工務店等の指揮監督下で上告人(佐藤吉治さん)が施工に従事していたことが、理解できます。上告人が「作業場を持たずに1人で工務店の大工仕事に従事するという形態で稼働していた大工」だとすれば、なおさらそうです。
概要(3)に「所定の作業時間に従って作業することを求められていたものの、事前に細田木材の現場監督に連絡すれば、工期に遅れない限り、仕事を休んだり、所定の時刻より後に作業を開始したり所定の時刻前に作業を切り上げたりすることも自由であった」とあるが、労働者は、労働者の権利として、もっと言えば人間の権利(人権)として、必要な場合会社に事前に連絡すれば「休めるし、遅刻・早退もできる」わけですから、事前に会社に連絡して「休む、遅刻する、早退する」ことを労働者性を否定する要素とすることは、労働者を奴隷と同視するものです。
 概要(4)は要するに、細田木材工業への上告人の専属性の程度が高くなかった(あるいは低かった)ということを言っているようですが、「労基研報告」には「専属性がないことをもって労働者性を弱めることとはならない」と明記されています。
 また、概要(4)には「上告人が細田木材工業の仕事を始めてから本件災害までに、約8か月しか経過していなかった」という箇所があります。言い換えると、上告人は細田木材工業の仕事に8か月従事していたわけです。8か月というのは、長期です。労基研報告には、次のように書かれています。「特定の企業の仕事のみを長期にわたって継続して請けている場合には、労働者性を補強する要素の一つとなる」
 概要(5)の「細田木材と上告人との報酬の取決めは、完全な出来高払の方式が中心とされ、日当を支払う方式は、出来高払の方式による仕事がないときに数日単位の仕事をするような場合に用いられていた。前記工事における出来高払の方式による報酬について、上告人ら内装大工は細田木材から提示された報酬の単価につき協議し、その額に同意した者が工事に従事することとなっていた。上告人は、いずれの方式の場合も、請求書によって報酬の請求をしていた。上告人の報酬は、細田木材の従業員の給与よりも相当高額であった」について言うと、労基研報告と対比するとき、問題点、矛盾が浮上してきます。
 労基研報告には次のように書かれています。「『使用者』の命令、依頼等により通常予定されている業務以外の業務に従事することがある場合には、使用者の一般的な指揮監督を受けているとの判断を補強する重要な要素となる」、「報酬が、1uを単位とするなど出来高で計算する場合や、報酬の支払に当たって手間請従事者から請求書を提出させる場合であっても、単にこのことのみでは使用従属性を否定する要素とはならない」、「月給等でみた報酬の額が高額である場合であっても、それが長時間労働している結果であり、単位時間当たりの報酬の額を見ると同種の業務に従事する正規従業員に比して著しく高額とはいえない場合もあり、この場合には労働者性を弱める要素とはならない」
 概要(6)の「上告人は、一般的に必要な大工道具一式を自ら所有し、これらを現場に持ち込んで使用」について言うと、労基研報告は「電動の手持ち工具程度の器具を所有していることや、釘材等の軽微な材料費を負担していることは、労働者性を弱める要素とはならない」と指摘しています。
 概要(7)について言うと、「会社の退職金制度の適用を受けない」、「労働保険や社会保険の被保険者となっていない」、「会社が給与所得に係る給与等として所得税の源泉徴収をする取扱いをしていない」(正規従業員ではない)現場従事者の労働者性を争うのが、労働者性をめぐる問題であり、本件もそうであり、労基研報告がその判断基準を示しているわけです、こういう(正規従業員ではない)現場従事者であっても一定の条件を満たせば労働者と認めるという判断基準を示しているわけです。
 概要(8)は「細田木材から上告人ら大工に対する指示」の存在を認めています。
 上記の概要から最高裁判決が「上告人は、前記工事に従事するに当たり、竹中工務店はもとより、細田木材の指揮監督の下に労務を提供していたものと評価することはできず、細田木材から上告人に支払われた報酬は、仕事の完成に対して支払われたものであって、労務の提供の対価として支払われたものとみることは困難であり、上告人の自己使用の道具の持込み使用状況、細田木材に対する専属性の程度等に照らしても、上告人は労働基準法上の労働者に該当せず、労働者災害補償保険法上の労働者にも該当しないものというべきである。上告人が職長の業務を行い、職長手当の支払を別途受けることとされていたことその他所論の指摘する事実を考慮しても、上記の判断が左右されるものではない」との結論を導き出しているのは、私には理解しがたいものです。
 繰り返しますが、労基研報告と対比するとき、鋭い矛盾を感じざるを得ません。
 
 
◎ 佐藤労災裁判最高裁判決、高裁判決の前提を形成した横浜地裁判決の紹介
(以下は、佐藤労災裁判最高裁判決、高裁判決の前提を形成した横浜地裁判決を紹介したものです。途中(中略)にしてあります。横浜地裁判決の基本構造を知っていただければと考えます。この基本構造がほぼそのまま、横浜地裁判決→東京高裁判決→最高裁判決へと引き継がれていきます。なお、原告の労働者性を認めなかった横浜地裁判決ですが、同時にこの判決は、いわゆる労基研報告を労働者性の一般的判断基準として認めています――海野)
平成15年(行ウ)第9号 労働者災害補償保険給付不支給処分取消請求事件
口頭弁論終結日 平成15年12月25日
判決
山形県西田川郡温海町大字温海丁213−17
原告        佐藤吉治
同訴訟代理人弁護士 古川景一
神奈川県藤沢市朝日町5−12 藤沢労働総合庁舎3階
被告        藤沢労働基準監督署長
          福島路子
同指定代理人    新谷貴昭
同         志村陽子
同         曽我高佳
同         中村 豊
同         山本佳夫
同         島倉 厚
同         菊池芳裕
同         石田孝雄
主文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
 被告が平成11年3月29日付けで原告に対してした労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という。)に基づく療養補償給付及び休業補償給付を支給しないとの処分(以下「本件処分」という。)を取り消す。
(中略)
 これら2つの報告書(昭和60年12月19日労基研報告、平成8年3月労基研報告)の判断枠組みは合理性を有するものと考えられ、本件における労働者性判断に当たっては、これらの報告書の判断枠組みを基本にしながら、諸般の事情を総合して検討するべきものと考えられる。
(3)ア 指揮監督下の労働か否かについて
 (ア) 原告は、本件工事の内装工事を行うに当たり、細田木材から提示された請負単価に対しより高額の単価を要求し、その要求が認められることもあるなど、契約内容について双方実質的に協議の上合意していたこと、本件企業体、相州商事は、本件工事の内装について、具体的な工法や作業手順について指定することはなく、原告は、自分の判断で工法や作業手順を選択することができたこと、原告は、本件工事において、吉岡ら細田木材の現場監督に連絡さえすれば、工期に遅れない限り、仕事を休む、定められた作業開始時刻よりも後に作業を開始したり、作業終了時刻より前に仕事を切り上げるなどすることも自由であったことは上記1認定のとおりである。
 (イ) この点、原告は、原告には細田木材からの仕事の依頼を断る自由がなかった、細田木材から作業の具体的内容、方法が指示されていた、原告は厳格な時間管理及び場所的拘束を受けていた、自分の代わりに別の大工が作業を行うことはできなかった等と主張する。
 しかし、上記1のとおり、同会社の仕事を断らなかったのは、同会社との関係を長く良好に続けたいと考えた原告の判断によるものであったから、契約上諾否の自由がなかったことを基礎付ける事実であるということはできない。
 また、原告が業務遂行上の指揮監督であるとして挙げる事情(上記第2,3(原告)(1)ア(イ))について見ると、原告が、竹中工務店の定めた作業スケジュールに従って作業し、作業内容が区分され、寸法、仕様等についてある程度細かな指示を受けていたことは事実であるが、これらは、本件工事が大規模なもので、多数の業者が出入りすることから定められた、作業者の安全や能率的な仕事のため必要不可欠な調整のルールであるか、マンション新築という本件工事の性質上、画一的な仕上がりを求められるために必要な指示であって、その内容が多少細部にわたるとしても、注文主の通常の指示を超える指揮命令であると評価することはできない。また、原告が、大工仕事以外の仕事を依頼されることがあったことは認められるが、その場合には、別途報酬が支払われていたというのであるから、この事実が指揮命令関係を推認させるということは困難である。
 原告が、拘束性の存在として指摘する事情(上記第2,3(原告)(1)ア(ウ))も、作業時間の指定は、作業者の安全や能率的な作業のため及び近隣住民の生活に迷惑をかけないためにされているものであって、指揮監督関係の有無に直接関係するものではないといえるし、原告が細田木材の用意したアパートに入居し、仲間と同じ自動車で現場への往復をしていたのは、出費の節約のため原告自身が希望して任意に行っていたことであり、竹中工務店や細田木材が大工に対し、連絡することなく欠勤等をすることを禁じていたのも、安全管理のため、本件現場で作業している人数を把握する必要に出たものであるから、指揮監督関係を推認させるということはできない。
 原告が、代替性の不存在として指摘する事情(上記第2,3(原告)(1)ア(エ))のうち、朝礼への出席を求めたのは、工事の安全確保等の観点から必要な事項を伝達するためであり、出席することができない場合でも、後で吉岡等に尋ねることで必要事項の連絡を受けることができたし、応援の大工を呼ぶかどうかは当該大工と相談の上であったというのであるから、これらの点も指揮監督関係の有無と関係するものではないというべきである。
 (ウ) 以上のとおり、原告は、具体的な作業内容、方法、作業時間等については、工事の性質上必要なものを除いて特段指示されることなく自己の裁量で行うことができたものであって、原告が細田木材から受けていたのは、工事の請負における注文主からの通常の指示と見ることができる範囲にとどまるということができるから、原告が、細田木材の指揮監督下で労働をしていたと評価することはできないというべきである。
 イ 報酬の労務対償性について
 原告が細田木材から受け取る報酬には、請負と常用の2種類があり、前者は、仕事の完成までに要した労働時間と報酬額とが全く無関係であり、大工の腕の差が報酬に反映される方式として合理性があり当事者の納得も得られていたもので、原告と細田木材との関係は請負が中心であったこと、常用は日当方式であったが、両者は明らかに区別されていた上、原告はどちらの場合でも、細田木材に対して請求書を出す方式で報酬を請求していたものであることは、上記1で認定したとおりである。
 これらの事実に照らすと、原告の報酬は労務に対する対価ではなく、仕事の完成に対する報酬であると見るべきであって、一部常用の方式が採られていたことは、本来の仕事以外に他の仕事をしてもらう場合の報酬の決め方の問題にとどまるものであるから、上記認定を左右するものではない。また、原告は、職長手当が支払われていることをもって報酬に労務対償性がある旨主張するが、本件工事における職長は、細田木材からの指示を大工に取り次いで調整を行うことが主な役割であり、これは必ずしも同会社の従業員でなければすることができないものではなかったこと、同会社は、原告に職長を依頼したものの、あくまで吉岡が不在の場合の代理としてであり、同会社が行うべき業務である他の事業者との調整作業は原告には依頼しなかったこと、原告に対して、同会社は、むしろ、大工仲間のとりまとめ役や未熟な大工への指導を行うという役割を期待していたこと、同会社の従業員である吉岡には、賃金と別に職長手当が払われるということはなかったことは上記1(3)カのとおりであり、このような事情の下では、職長手当の支払と同会社の従業員としての地位とが性質上不可分のものとして結び付くものとはいえないことが明らかであるから、原告の上記主張は採用しない。
 ウ 事業者性の有無について
 原告は、諸種の事情を挙げて、原告には事業者性がない旨主張する(上記第2、3(原告)(2)ア)。
 しかしながら、原告が細田木材において行っていたのは内装工事であり、その性質上さほど高価な工具を必要とするものではなく、現に、原告は、その所有する大工道具でほとんどの仕事を賄うことができ、細田木材所有の機械を使用するのは、使用頻度の低いごく特殊なものに限られていたというのであるから、道具に関する原告の負担が大きくないことは、事業者性を否定する事実ということはできない。
 原告が細田木材から得ていた報酬額は、平成10年7月分70万0760円、同年8月分33万6840円(上記道具代填補分3万円を含む。)、同年9月分65万9200円(同上)、同年10月分69万8800円(同上)、同年11月分50万7000円(同上)であることは上記1のとおりであるが、これらが細田木材の従業員よりも高額であるとの評価がされていることも併せ考えると、直ちに事業者性を否定する事情ということはできない。
 細田木材が、本件工事について、予備のない材料について加工ミスをした場合にその代金を請求しなかったことは上記1のとおりであるが、これは、本来は請求するべきものであるのに、細田木材の担当者が、大工のミスが明らかであるときに限って請求するという方針で臨んだために代金を請求するべきケースが生じなかったためにすぎない。また、細田木材が原告の紛失した道具代の一部を填補したのは、細田木材が原告に対し、道具代の名目で支出することができないとした上で、常用の名目で請求するよう指示していることにかんがみると、原告と細田木材との契約上当然に填補されるべきものであったのではなく、同会社の厚意による恩恵的なものであったというべきである。また、完成させることができなかった部屋についての報酬の定め方は、原告が投入した労力に対するものではなく、仕事が完成した割合に応じて報酬が支払われたものと見るべきものである。その他、原告は細田木材の名刺を使用していなかったこと、細田木材は、原告のように屋号を用いない大工と屋号を用いている大工を同様に取り扱っていたことなどの事情を指摘することができ、結局、事業者性を否定するに足りる事実は認められないものである。
 エ 専属性の程度について
 原告は、細田木材に専属していた旨主張し、本件災害当時、原告が細田木材以外の仕事をしていなかったことは争いがないが、細田木材が、原告を引き留めておくために、実入りの良い仕事を回したり仕事がとぎれないよう配慮していたことは上記1認定のとおりであり、これは、原告に、他の工務店等を選択する相当大きな自由があったことを示すというべきであり、原告が数年ごとに仕事を行う工務店を転々と変えており、細田木材の仕事を始めてから本件事故まで約8か月間という短期日しか経過していないことにも照らすと、原告の細田木材に対する専属性はさほど高いものではないと認められる。
 オ その他
 原告は、細田木材の就業規則の適用対象になっておらず、原告には同所定の年次有給休暇制度や退職金制度等の適用がなかったこと、原告は、細田木材を事業主とする労働保険や社会保険の被保険者となっておらず、国民健康保険組合の被保険者となっていたこと、細田木材は、原告の報酬について給与所得に係る給与等として所得税の源泉徴収をするという取扱いをしていなかったことなどの事情を指摘することができる。
 カ 以上の諸事情によれば、原告は細田木材から指揮監督を受けておらず、労働者性を認めることはできないというべきであり、事業者性を否定する要素もなく、専属性が高いということもできず、その他上記認定を覆すに足りる事情は認められない。
(4) そうであれば、原告は労基法上、したがったまた、労災保険法上の労働者に該当しないものというべきであって、被告が、同旨の理由でした本件処分に違法はない。
3 結論
 以上の次第であるから、原告の請求には理由がない。
横浜地方裁判所第7民事部
裁判長裁判官  福岡右武
 
更新日時:
2008/01/03
―――――――――― 野良猫など動物保護関係 ――――――――――
―――――――――― 野良猫など動物保護関係 ――――――――――
海野和夫
 
◎ 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)について
(以下は、鳥獣への虐待、殺傷に対しては法律による罰則があることを理解していただくために、「鳥獣保護法」から抜粋したものです)
鳥獣保護法第1条 この法律は、鳥獣の保護を図るための事業を実施するとともに、鳥獣による生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害を防止し、併せて猟具の使用に係る危険を予防することにより、鳥獣の保護及び狩猟の適正化を図り、もって生物の多様性の確保、生活環境の保全及び農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて、自然環境の恵沢を享受できる国民生活の確保及び地域社会の健全な発展に資することを目的とする。
鳥獣保護法第2条 この法律において「鳥獣」とは、鳥類又は哺乳類に属する野生動物をいう。
鳥獣保護法第2条の3 この法律において「狩猟鳥獣」とは、その肉又は毛皮を利用する目的、生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害を防止する目的その他の目的で捕獲等(捕獲又は殺傷をいう)の対象となる鳥獣(鳥類のひなを除く)であって、その捕獲等がその生息の状況に著しく影響を及ぼすおそれのないものとして環境省令で定めるものをいう。
鳥獣保護法第8条 鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう)をしてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
(ここで言う次に掲げる場合とは、法律に基づく許可を受けた場合、鳥獣保護区以外の区域で狩猟期間(狩猟が認められている期間)内に狩猟鳥獣の捕獲等をする場合、農業又は林業の事業活動に伴い捕獲等又は採取等をすることがやむを得ない鳥獣若しくは鳥類の卵であって環境省令で定めるものの捕獲等又は採取等をする場合、などの場合を言います―――海野)
鳥獣保護法第83条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
1 (鳥獣保護法)第8条の規定に違反して狩猟鳥獣以外の鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等をした者
(以下、略します)
 
 
◎ 野良猫と人間のかかわりから見えてくる法則のようなもの
 仕事を終えてから、毎日のように散歩し、特に野良猫に関心を持って散歩しています。その経験、観察から見えてくるものを、雑感として書かせていただきます。
 (2007年5月現在)5年近く、野良猫を注視しながらの散歩を続けています。
1 見える範囲の野良猫は、増えていくわけではなく、その数が一定しています。
 エサをあげている人に聞いても、エサを食べに来る野良猫の数はだいたい一定しているとのことです。私のエサやり経験でも、そうです。なぜか? エサの量によって規定されるということがあるでしょう。
 捕獲? 地域猫活動家による避妊? 拾われる? カラスの餌食になる? 他のエリアへの移動? 病死? 凍死? 餓死? 猫殺し? 交通事故死? エリア争奪戦での敗北? いろいろな可能性があります。エサの量によって規定されていることだけは、間違いないでしょう。
 人間のほうを見ると、路地裏で、自宅前で、駐車場で、公園で、等々、エサやりをしている人間が一定、存在しています。猫を捨てる人間がいる反面、猫を助ける人間もいるということです。ただ、ほとんどの人間は、自分のペットにエサを与えるだけで、野良猫には冷淡です。虐待もしないが助けもしないという意味で、野良猫に対して中立的と言っていいのかもしれません。はっきり言えば、見殺しということです。
2 エサについて必ずしも強い者勝ちではなく、子猫が先に食べている場合があります。これは、私の経験で言うと、実によくある光景です。なぜか?
 もしかすると、子孫保存本能が働いている結果なのかもしれません。強い者勝ちで食べていたら、子猫は餓死してしまいますから。
 強い大きな猫が、エサを貰えるエリアに現れなくなることがあります、消えてしまうのです。原因の一つに、子猫にエサを優先して与えるために自分が他のエリアに移動していく、ということがあるのかもしれません。わかりません。おそらく、何年か生き続けたけれど、過酷な状況下体力を消耗しきって、あるいは病気になり、死んでしまったのではないかと思います。冬に消えていきますから、多分、そういうことでしょう。
 あるいは野良猫は、エリア間を行ったり来たりしているのかもしれません。私の注目していた猫(シロくん)は、大人猫になったと思ったら、姿を消してしまい、半年後に戻ってきましたが、それから2年たった頃また姿を消してしまいました。わかりません。冷徹に、「冬に死亡」と見るのが、おそらく正解です。冬の環境下の野良猫は、悲惨です。1〜2年は、持ち堪えても、3年目、4年目の冬を乗り切れず、死んでいくような気がします。
3 野良猫の一部は、エサをあげる人間に、とてもなつきます。同時に一部、相当警戒心の強い野良猫は、決して人間に心を許しません。かなりの性格の相違があるように感じています。
4 やはり真夜中が、野良猫の世界です。街なかにも、姿を見せます。
5 野良猫の寿命は精々、3〜4年位かなと、感じています。3〜4年で、冬を乗り切れずに死んでいく、多分それが、野良猫の一生です。
 野良猫を救うには、どうすればいいのか、人間として知恵を出し合い、協力共同して、頑張り続けましょう。
 
 
◎ 野良猫シロくんのために
 私の友達
 数少ない友達の一人
 野良猫シロが
 いつもいる場所から消えてしまった
 どうしたのだろうか
 どうしているのだろうか
 私の心のメモリーにだけ生きているのか
 天の白い花になってしまったのか
 つらい
 人間は
 心の奥底の悲惨を
 避けることができないのか
 つらい
 もし永劫回帰が真理なら
 未来の先に過去があるなら
 シロくん
 また必ず
 会おうね
 涙が出る
 でも
 どこかで
 幸せになっているかもしれないね
 シロくんのこと
 さがし続けるよ
 そうだ
 シロくんの子供がいるかもしれない
 シロに似た子猫を
 友達にして
 また頑張ります
 シロくん
 
 
◎ ――マンションとペットとの関係 ペット飼育をめぐる法律問題――
 このサイトの「コラム」にポリネシア政府による日本人作家坂東眞砂子氏提訴の和訳を載せたところ、大きな反響があり、このサイトへのアクセス件数が急増しました。(通常1日20〜40件→1日約100件に急増)
 愛猫について心配し、心を痛めている人が多いのを、実感しました。そこで今回も、ペットをめぐる法律問題の一端としてのマンションでのペット飼育の法律問題を、載せさせていただきます。
 『くらしの法律相談(22) マンションをめぐる法律知識とQ&A』(著者 長瀬二三男氏 発行所 株式会社法学書院)を参考にして、それに基づき、書かせていただきました。
 ペットの室内飼いを認めるマンションが増加傾向にあると言われています。その一方、マンションでのペットの室内飼いの禁止を求める動きもあるようです。
 マンションでペットを飼っている人は、飼っていない人に十分配慮し、迷惑をかけないように絶えず気を配る必要があります。それでも、トラブルが発生し、迷惑に感じている人がマンション管理組合にペット飼育の禁止を求めてきた場合、どうなるのか、これが今回のテーマです。
 マンションの法律関係を規制する法律として「建物の区分所有等に関する法律」(区分所有法)が存在しています。ペットの飼育が「区分所有者の共同の利益に反する行為」(区分所有法6条1項)と認められる場合には、飼育の差し止め請求(区分所有法57条)をすることができます。
 しかし、具体的に、どのような動物をどのように飼育した場合に、共同の利益に反する行為になるか、必ずしも明らかではなく、居住者間でトラブルとなり、深刻な対立を招くことがあります。
 マンションでの共同生活のルールは、集会の決議で決定するのが原則ですから、ペット飼育の可否についても集会決議で定めることができます。しかし、規約でペット飼育可とされていたマンションで、規約を変更してペットの飼育を禁止する場合は、どうでしょうか。
 区分所有法31条は「規約変更が一部の区分所有者に特別の影響を及ぼす場合は、その承諾が必要」と定めています。特別の影響を及ぼす場合とは、規約の必要性及び合理性と一部の区分所有者が受ける不利益とを比較衡量し、その不利益が受忍限度を超える場合であると解されています(最高裁判決 1998年10月30日)。
 規約でペット飼育可とされていたマンションで、規約を変更してペットの飼育を禁止する場合は、ペット飼育を前提に入居した人の受忍限度を超え、特別の影響を及ぼすことになりますから、その人の承諾を要するものと思われます。
 
 
◎ 野良猫の捕獲、殺害は動物愛護管理法違反の犯罪です
1、はじめに
 判例(裁判の判決)も野良猫を、動物愛護管理法が言う「愛護動物」であると認定、規定しています。愛護動物である野良猫の捕獲、殺害は、動物愛護管理法44条に違反する犯罪であり、下記のような刑罰を受けることになります。
動物愛護管理法第44条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
2 愛護動物に対し、みだりに給餌又は給水をやめることにより衰弱させる等の虐待を行った者は、50万円以下の罰金に処する。
3 愛護動物を遺棄した者は、50万円以下の罰金に処する。
2、asahi.comの記事
 従って、下記のサイト(asahi.comのサイト)に載っていた記事が事実とすれば、動物愛護管理法第44条との関係を問う必要があります。
<http://mytown.asahi.com/gifu/news.php?k_id=22000150609040001>
 記事を要約すると、次のようななかみです。
―――――――――――――――――――
 2006年8月、(岐阜県)揖斐川町のある地区で、住民が野良猫の被害を町役場に訴え、町役場から借りた捕獲用オリで野良猫14匹を捕獲し、捕獲された野良猫を受け取った保健所が野良猫を殺処分にした、というものです。
 本来は犬捕獲用のオリを、住民の野良猫被害の訴えに基づいて町役場が、その住民に貸した、ということです。
 その住民は14匹を捕獲し、5匹は山中に放しましたが、残り9匹を保健所に引き取ってもらい、この9匹が殺処分になりました。
―――――――――――――――――――
3、他の県では
@奈良県
 奈良県桜井保健所は、そのホームページで、質問に答えて、次のように明らかにしています。
Q.野良猫をつかまえてほしい
A.野良猫の捕獲はおこなっておりません。また、捕獲器の貸し出しもおこなっておりません。
A島根県
 島根県のサイトには、下記が載っています。野良猫の捕獲も、引き取りも、保健所はしてはならないことを、明らかにしています。
──野良猫の害について──
【提案】 2006年8月14日受付 
 野良猫の害で困っています。以前、野良猫は捕獲器を借りて自治会で捕獲し、保健所に持参していましたが、今は保健所では引き取ってもらえなくなりました……野良猫の数々の害は言うまでもありませんが、最近車のバンパーが、野良猫の抜け毛で一面に覆われている様子を見かけました。また、数日前、隣家の物置で野良猫の死骸が発見されました。この現状からみても、健康で文化的な生活が阻害されていることは明らかです。
地域で野良猫捕獲の道が閉ざされてしまった現在、公衆衛生向上に努める義務を持つ行政が、野良猫の駆除に乗り出すべきだと思います。
【回答】 2006年8月21日回答
対応:実施は困難  
「動物の愛護及び管理に関する法律」において、ねこなどの動物は命あるものであり、殺したり、傷つけたりしてはならないことになっています。従って、環境被害を解決する手段として、殺処分を目的とするねこの捕獲を行うことは、同法に抵触する可能性が高いと考えていますので、野良ねこの駆除を行うことはできません……県では、本年(2006年)3月に「島根県動物の愛護及び管理に関する条例」を定め、ねこの所有者に対し、繁殖制限や所有者の明示などの必要性について啓発を行うとともに、不適正な飼養によって周辺住民の生活に著しい支障が生じている場合には、その事態を除去するための必要な措置をとるよう勧告できる旨、規定したところです。
今後とも、市町村との連携のもと、不適正な飼養に対する改善指導、適正飼養の普及啓発などを行い、ねこによる環境被害の根本的解決に取り組んでいきますので、ご理解とご協力をお願いします。  (健康福祉部 薬事衛生課)
4、法令順守のために
 保健所が野良猫の捕獲をしてはならないことは、既に全体の合意になっています。動物愛護管理法を守って、保健所は野良猫の捕獲だけでなく、引き取りもしてはならないことを、さらに徹底して保健所に守らせることです。
 なお、野良猫への「エサやりの禁止」について言いますと、「エサやりの禁止」は、動物愛護管理法44条の2「愛護動物に対し、みだりに給餌又は給水をやめることにより衰弱させる等の虐待を行った者は、50万円以下の罰金に処する」を適用すれば、やはり動物愛護管理法に違反する犯罪です。
野良猫の生命の源泉としてのエサやりの、禁止は、動物愛護管理法に違反する犯罪であることを、全体の認識にしていくべきだと考えます。
 
 
◎ 再び動物愛護管理法遵守(法令遵守)のために
 私が電話したとき、日本経済新聞社の人から逆に「三味線はどうなのですか、三味線も犯罪ですか」と聞かれましたので、この質問への回答として以下を載せておきます。
「行政書士 良子修行政法務事務所」様のサイトには、以下の裁判例が掲載されています。
(事件)
野良猫を1匹1,000円でヤミの三味線業者に売ろうとして野良猫を殴り殺した男性に対し、検察は飼い猫・野良猫を問わず猫は愛護動物であり「動物愛護管理法第27条第1項」違反として懲役6月を求刑した。                                                                                       
(大阪地裁判決 2001年12月5日)
「飼い猫と野良猫とを区別する理由はない」と認め「(この)男性の行為は動物の生命を軽視したもので非難されるべきであるが、反省している」という理由で、懲役6月、執行猶予2年の有罪判決を言い渡した。
Newswikiのサイトによると、今回の事件の相談メールに対してタヒチ観光局が要旨次のように回答してきた、とのことです。
「日経新聞記事の内容はあくまで著述者の主観であり、タヒチに暮らす一般の人々の考えや生活、環境について述べられたものとは全く異なるものと理解しています。このような表現によって、記事を読まれた方々が不快な印象を受けたであろうこと、またタヒチという国、あるいはそこに住む人々が著述者と同様の考えを持っているかのように捉えられたかもしれないことは、大変残念に思います。タヒチで動物虐待が日常的に行われているという事実はありません」
 同じくNewswikiのサイトによると、タヒチの動物愛護団体からの回答として、「タヒチではフランスの法律が施行されます。坂東氏が行っている『個人的安楽死』は、タヒチでは完全に違法で、フランスの法律によって与えられる最も厳しい条文が適用される動物への虐待として、通常は罰せられます」が来た、とのことです。
 また、坂東氏が、飼い猫が産んだ子猫を殺していると日本経済新聞のエッセーに書いたことについて、小池百合子環境相は2006年8月25日の会見で、「動物愛護の面で残念」とコメントした、とのことです。
 愛護動物の虐殺の中止と反省を求める世論の形成、強化、拡大を、私は感じます。
 
 
◎ ポリネシア政府サイト掲載の「日本人作家提訴」の全文の和訳
 ポリネシア政府のサイトと表示されている以下のサイトに載っていた文書を、仏語の辞書を買って、相当苦労して、できるだけ正確に日本語の文に翻訳してみました。次の通りです。
http://www.gouvernement.pf/articles.php?id=3177
――――――――――――――――――――
 (ポリネシア)政府は、タヒチで生活している有名な日本人作家が2006年8月18日の新聞紙上に中傷的な話題を載せたということを知らされた。そのなかみは、子猫が生まれるとすぐに、タラバオにあるその日本人作家の家の背後に位置する崖の上から子猫を投げて、子猫を殺していることを、自慢するものである。
 フランス領ポリネシアは「人によって飼われることがない雑種の野良猫と野良犬が歩き回っている国」であり、そして「いたるところで彼らの死体を人が見つける国」であるという事実によって、この作家は、自分の残酷行為を正当化した。
 ハウス・ペット、人になれている野生動物、捕えられている野生動物の保護に関する2001年2月1日議決bQ001-16の第2条を思い起こすことを、(ポリネシア)政府は願う。この条項は、ハウス・ペット、人になれている野生動物、捕えられている野生動物に対する虐待行為を禁止している。
 猫と犬は、フランス領ポリネシアに適用される法律によって保護されている動物である。
 この規定への違反者は、150,000 FCFP 以下の罰金を科せられる。常習犯の場合は、倍になる。
 本件で、(ポリネシア)政府はハウス・ペットに対する虐待行為を非難する、(ポリネシア)政府はこの作家の行為と宣言にショックを受けている。
 それゆえ、(ポリネシア)政府は、民事上の賠償の請求とフランス共和国検事への提訴を決定した。
――――――――――――――――――――
 たとえば、一つだけあげると、以下は、仏語辞書がなければ、全くわからなかった表現です。「se constituer partie civile 民事上の賠償を請求する」は、仏語→英語へのインタネット翻訳では constitute itself/themselves private party となってしまい、全く意味不明でした。
se constituer partie civile 民事上の賠償を請求する
 
 
◎ ――朝日新聞にのった「施設の犬猫にえさ代補助」に関連して――
 2008/1/26『朝日新聞』夕刊に「施設の犬猫にえさ代補助」の記事がのっていました。
 その要旨は、
 全国の自治体では、2006年度、11万8千匹の犬と23万5千匹の猫が、殺処分された。
 2006年度、飼い主が見つかった犬は1万4千匹、猫は4800匹に過ぎなかった。収容された犬猫は、飼い主があらわれなければ、2〜3日以内に殺される例が少なくない。
 政府は、新年度、3億5千万円を確保することを閣議決定した。
これにより国は、引き取り先が決まった犬猫のワクチン代を負担する。また、収容即殺処分を防止するために、収容施設に来てから3日分のえさ代も負担する。
政府は、今後10年間で、犬猫の殺処分数の半減目標を掲げている。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(参考資料)
○ 動物愛護管理法第1条  この法律は、動物の虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止することを目的とする。
○ 動物愛護管理法第2条  動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。
 
 
◎ ──────── 野良猫の実体について一言 ────────
 よく人は、地域の「活性化」とか「振興」とか地域の重視を口にします。「地域を守る」と。
 人間がこのとき、忘れているものがあります。地域の中には、たとえば、野良猫が存在するのです。野良猫の悲惨な生活。同時に、野良猫を助ける人間の存在。野良猫の実体は、多様です。
 毎年、数十万匹の野良猫が殺処分にされている、とのことです。実体の主要な側面です。動物愛護管理法が掲げる理想とは、真逆に近い実体が、ここに存在します。
○ 動物愛護管理法第2条  動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。
 法律が掲げる「人と動物の共生」と「毎年数十万匹の野良猫の殺処分」とは明白に矛盾します。しかし、これが実体です。
 私の体験でも、なかよしまたは顔見知りだった野良猫が、ある日突然姿を消します。殺処分になった可能性を感じます。
 真夜中は、野良猫の世界です。堂々と街を歩いています。オスとメスがたわむれています。鼻先と鼻先をくっつけて、あいさつ。オスはメスにエサを譲ります。先に食べるのはメスです。
 ある程度大きくなり独立した子猫は、過酷な生存闘争をたたかうことになります。大きな猫、強い猫、大人猫がエサを先に食べてしまいます。親猫の保護から自立して、子猫→大人猫へと生き延びていくのは容易なことではないと感じています。
 私の見るところ、2〜3年で死んでいく野良猫が多い。
 運よく援助する人間を得て、エサに不自由しない野良猫は、長生きし、相当大きな猫になる場合もあるようです。真夜中の街を、そのような巨大猫が歩いています。
 冬を生き延びるのが課題です。冬に姿を消す野良猫が多い。
○ 動物愛護管理法第44条  愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
○ 動物愛護管理法第44条の2  愛護動物に対し、みだりに給餌又は給水をやめることにより衰弱させる等の虐待を行った者は、50万円以下の罰金に処する。
○ 動物愛護管理法第44条の3  愛護動物を遺棄した者は、50万円以下の罰金に処する。
 
 
更新日時:
2008/09/23
―――――――――  「アスベスト労災」関連  ―――――――――
―――――――――  「アスベスト労災」関連  ―――――――――
海野和夫
 
◎ 石綿関連労災認定のための現場施工証明書の元請からの直接交付(サンプル)
 アスベスト関連労災認定のための現場施工証明書の元請からの直接交付について、サンプルがほしいとの要望がありましたので、以下に紹介しておきます。
1 フジタの例
工事施工証明書
 ――様より当社が施工した――――新築工事に従事し、そこが粉じん作業(アスベスト肺の管理区分決定による)の最終事業場であるとして休業補償給付請求書に事業主の捺印依頼の申し出がありました。
 このことについて新規入所時教育実施記録等により同工事に従事していたことは確認されましたが、当該工事が――様にとって最終事業場であるか否かについて確認できませんので、現時点では最終事業場としての証明はいたしかねます。
 しかし、当社が下記の工事を施工した事実はありますので、工事施工証明書を提出致します。
事業場の名称     ――――新築工事
事業場の所在地    ――――――――
工事期間       年 月 日〜年 月 日
2 清水建設の例
労働者災害補償保険給付請求の事業主証明について
 先日ご照会いただきました――様の労働者災害補償保険「療養補償給付たる療養の給付請求書・同休業補償給付支給請求書」の事業主証明につきましては、最終事業場であるとされました――建築その他工事が竣工後相当年月を経過しているため必要とされる事実関係を確認することができません。
 このためご希望に添うことができませんが、弊社が下記の工事を施工し、これに伴う石工事を発注した事実があります。
 1.事業場の所在地     ――――――――
 2.事業場の名称 ――建築その他工事
 3.石工事業者      株式会社――――
 
 
◎ 海老原勇氏の講演「建設作業従事者とアスベスト(石綿)」を聞いて
 2006年11月12日、職業性疾患・疫学リサーチセンター理事長の海老原勇氏の「建設作業従事者とアスベスト(石綿)」講演を聞く機会がありました。印象的な箇所をメモしておきましたので、以下に簡単に紹介しておきます。
――――――――――――――――――――
 既に1960年に、「中皮腫の原因はアスベストである」との論文が出ている。
 1964年、国際対がん連合が、「アスベストの発ガン性」について勧告を出している。
国際対がん連合 International Union against Cancer
 日本の場合、輸入石綿の90〜95%が建築材料として使用されている。
 比較的大量のアスベストの吸入が、石綿肺を形成することになる。
 建設作業従事者の53例の解剖のうち45例で、胸膜肥厚斑が見つかっている。建設作業従事者の53例の解剖のうち85%で胸膜肥厚斑が見つかったということである。
 胸膜肥厚斑は、レントゲンではなかなか捉えられない、見つからない。
 胸膜炎には、結核性胸膜炎、悪性胸膜炎(ガン)、石綿が原因の胸膜炎の3種類がある。石綿が原因の胸膜炎の特徴は、胸から真っ赤な水が出ること。
 びまん性胸膜肥厚の「びまん」は「広い範囲」という意味である。
 肺が穴だらけで、かつ胸膜肥厚斑が形成されていれば、石綿肺である。
 石綿肺は、建設作業者の中にものすごく一杯いる。石綿肺が肺繊維症と誤診されている。また石綿肺が間質性肺炎と誤診されている。
 タバコ肺ガン説が職業性肺ガンを隠蔽(いんぺい)する役割を果たしている。
 肺ガンの発生率(吸入していない人に比べて) 
石綿吸入者5倍 
タバコ吸入者5倍 
石綿・タバコ両方の吸入者50倍
 建設作業従事者の肺ガンは全て、職業性肺ガンと考えるべきである。
 (現行の法律)石綿肺があれば労災と認める。
 (現行の法律)胸膜肥厚斑があれば労災と認める。
 (現行の法律)石綿ばく露1年以上で中皮腫であれば、労災と認める。
 胃ガン、食道ガン等も、石綿が原因の可能性がある。 
――――――――――――――――――――
 
 
◎ ―――建築物の解体等の作業での石綿対策―――
 厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署発行のパンフ「建築物の解体等の作業における石綿対策 改正石綿障害予防規則の概要」にもとづいて、以下にまとめてみました。
 石綿は、1970年から1990年にかけて大量に輸入され、その多くは建材として建築物に使用されましたが、今後これらの建築物の老朽化による解体工事の増加に伴い解体工事従事労働者の石綿による健康障害の発生が懸念されます。
こうしたことを踏まえ、2005年7月から、石綿障害予防規則(以下、「石綿則」と略します)に基づき、必要な措置を講じなければならないこととしてきましたが、今回、さらに、関係労働者の健康障害防止対策の充実を図るため、吹き付けられた石綿等の封じ込め又は囲い込み作業に係る措置等の内容が新たに盛り込まれた改正石綿障害予防規則が、2006年9月1日から施行されています。
――改正法令(2006年9月1日施行)の概要――
○労働安全衛生法施行令の改正
 @石綿等の製造等の禁止
 代替が困難な一部の製品等を除き、石綿等の製造等は全面禁止します。
 A規制の対象となる有害物の範囲の拡大
 石綿をその重量の0.1%を超えて含有するものを規制の対象とします。
○石綿則の改正
 @吹き付けられた石綿等の封じ込め又は囲い込みの作業に係る措置
 封じ込め又は囲い込みの作業について、除去作業に準じた措置を行わなければなりません。
 A石綿等が吹き付けられた建築物等における臨時の業務に係る措置
 労働者を臨時に就業させる建築物の壁、柱、天井等に吹き付けられた石綿等が損傷、劣化等によりその粉じんを発散させ、及び労働者がばく露するおそれがあるときは、労働者に呼吸用保護具及び保護衣又は作業衣を使用させなければなりません。
 B器具、工具、足場等の持ち出しの禁止
 器具、工具、足場等について、付着した石綿を除去した後でなければ、作業場外に持ち出してはなりません。
 C記録の保存期間の延長
 作業の記録及び健康診断の結果について、石綿の作業に従事しないこととなった日から40年間保存するものとします。
――建築物等の解体等に係る主な対策(改正部分には下線)――
1 事前調査 石綿則3条
 事業者は、建築物等の解体等の作業、封じ込め又は囲い込みの作業を行うときは、あらかじめ、石綿の使用の有無を目視、設計図書等により調査し、その結果を記録しておかなければなりません。調査の結果、石綿の使用の有無が明らかとならなかったときは、分析調査し、その結果を記録しておかなければなりません。ただし、石綿等が吹き付けられていないことが明らかで、石綿が使用されているものとみなして対策を講ずる場合、分析調査の必要はありません。
2 作業計画 石綿則4条
 事業者は、石綿が使用されている建築物等の解体等、封じ込め又は囲い込みの作業を行うときは、あらかじめ次の事項が示された作業計画を定め、当該作業計画により作業を行わなければなりません。
@作業の方法及び順序
A石綿粉じんの発散を防止し、又は抑制する方法
B労働者への石綿粉じんのばく露を防止する方法
3 届出 労働安全衛生規則(以下、「安衛則」と略します)90条、石綿則5条
(1)耐火建築物又は準耐火建築物における吹き付け石綿の除去作業については、工事開始の14日前までに所轄労働基準監督署長に届け出なければなりません。
(2)次の作業については、工事開始前までに所轄労働基準監督署長に届け出なければなりません。
@石綿含有保温材、石綿含有耐火被覆材、石綿含有断熱材の解体等の作業
A封じ込め又は囲い込みの作業
B(1)以外の吹付け石綿の除去作業
4 特別教育 安衛則36条、石綿則27条
 事業者は、石綿が使用されている建築物等の解体等の作業、封じ込め又は囲い込みの作業に従事する労働者に次の科目について教育を行わなくてはなりません。
@石綿の有害性
A石綿等の使用状況
B石綿等の粉じんの発散を抑制するための措置
C保護具の使用方法
Dその他石綿等のばく露の防止に関し必要な事項
5 作業主任者 石綿則19条、20条
 事業者は、石綿作業主任者を選任し、次の事項を行わせなければなりません。
@作業に従事する労働者が石綿粉じんにより汚染され、又はこれらを吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮すること。
A保護具の使用状況を監視すること。
6 保護具等、器具等 石綿則10条2項、14条、32条の2、44条から46条 
(1)石綿を含む建材等の解体等、封じ込め又は囲い込みの作業をするときは、労働者に呼吸用保護具(防じんマスク)、作業衣又は保護衣を使用させなければなりません。
(2)労働者を臨時に就業させる建築物の壁等に吹き付けられた石綿等が損傷、劣化等によりその粉じんを発散させ、及び労働者がその粉じんにばく露するおそれがあるときは、労働者に呼吸用保護具、保護衣又は作業衣を使用させなければなりません。
(3)保護具等は、他の衣服から隔離して保管し、廃棄のために容器等に梱包したとき以外は、付着したものを除去した後でなければ作業場外に持ち出してはなりません。
(4)器具、工具、足場等について、廃棄のために容器等に梱包したとき以外は、付着したものを除去した後でなければ作業場外に持ち出してはなりません。
7 湿潤化 石綿則13条
 石綿を含む建材等の解体等、封じ込め又は囲い込みの作業をするときは、それらを湿潤なものとしなければなりません。
8 隔離・立入禁止等 石綿則6条、7条、15条
(1)吹付け石綿の除去、封じ込め又は吊りボルトを取り付ける等の囲い込みの作業を行うときは、当該作業場所をそれ以外の作業場所から隔離しなければなりません。
(2)石綿含有の保温材、耐火被覆材、断熱材等の解体等の作業、(1)以外の囲い込みの作業を行うときは、当該作業に従事する労働者以外の者が立ち入ることを禁止し、その旨を表示しなければなりません。
 また、特定元方事業者は、関係請負人への通知、作業の時間帯の調整等必要な措置を講じなければなりません。
「特定元方事業者」 特定事業を行う元請事業者のことです。特定事業というのは、要するに建設業と造船業ですから、「特定元方事業者」とは、建設業と造船業を行う元請事業者のことです。
(3)事業者は、石綿等を製造し、又は取り扱う作業場には、関係者以外の者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければなりません。(石綿則15条)
――建築物の解体工事等の発注時における措置――
 建築物又は工作物の解体、改修等の工事を発注する場合は、直接工事を行う事業者にその労働者への石綿のばく露を防止するための措置を講ずることが義務付けられていますが、工事の発注者も次のことに配慮しなければなりません。
1 情報の提供 石綿則8条
 建築物等の解体工事等、封じ込め又は囲い込みの作業の発注者は、工事の請負人に対し、当該建築物等における石綿含有建材の使用状況等(設計図書等)を通知するよう努めなければなりません。
2 注文者の配慮 石綿則9条
 建築物等の解体工事等、封じ込め又は囲い込みの作業の注文者は、作業を請け負った事業者が、契約条件等により石綿による健康障害防止のため必要な措置を講ずることができなくなることのないよう、解体方法、費用等について、労働安全衛生法及びこれに基づく命令の遵守を妨げないよう配慮しなければなりません。
――建築物に吹き付けられた石綿の管理 石綿則10条1項、4項――
(1)事業者は、その労働者を就業させる建築物に吹き付けられた石綿が損傷、劣化等によりその粉じんを発散させ、当該吹付け石綿の除去、封じ込め、囲い込み等の措置を講じなければなりません。
(2)事務所又は工場の用に供される建築物の貸与者は、当該建築物の貸与を受けた2以上の事業者が共用する廊下の壁等に吹き付けられた石綿等が損傷、劣化等によりその粉じんを発散させ、労働者がその粉じんにばく露するおそれがあるときは、(1)と同様の措置を講じなければなりません。
 
 
◎ 石綿対策への大手ゼネコンの回答、対応の一部の紹介
(参考資料)
全建総連関東地協第43回大手企業交渉(2005年秋の交渉)でのアスベスト対策にかんするビッグゼネコン5社を含む大手ゼネコンの回答の一部を、下記に紹介しておきます。参考にして下さい。(海野和夫)
1、全建総連関東地協第44回大手企業交渉
今回で44回目を迎える全建総連関東地協・大手企業交渉が、下記の通り、2006年4月13日(木)、14日(金)を中心に実施されます。
 今回交渉は、大手現場の従事者の切実な要求をより正確に要求項目に反映させるために、事前に大手企業従事者会議の実施、元請責任での立替払いの厳正実施の指導を求めての国土交通省関東地方整備局への申し入れ、交渉企業について1社1社を有価証券報告書等に基づいて分析・把握すること、等々の努力を行ってきました。
 それらに基づいて、今回交渉については、要求項目として、防衛施設庁談合事件等の追及、賃金引き上げ、適正な工期の確保、元下関係の適正化、後継者の育成、不払い発生の場合の元請責任での立替払いの厳正実施、衛生環境設備の設置、充実、アスベスト対策の完全実施、労働安全衛生法の遵守、労災隠しの根絶、建退共加入促進、不払い・建退共・アスベスト・労働安全の確認書の締結、などを掲げてたたかうことになります。
 参考資料として、2005年秋に実施された前回交渉(全建総連関東地協第43回大手企業交渉)でのアスベスト対策にかんするビッグゼネコン5社を含む大手ゼネコンの回答の一部を下記に紹介しておきます。
2、(アスベスト対策の責任ある実施を求める全建総連関東地協の要求に対する)大手ゼネコンの回答
@清水建設「使用禁止の指示をしている。労災適用は、事実に即して対応する。石綿則など守り、行政の指導にもとづき施工する。(危険作業)あれば連絡を。
(アスベスト材発覚の場合の契約変更に伴う下請経費の負担)協議することになる。(アスベスト除去処理の経費の確保)両者の話し合い。(労災認定のための、過去の工事についての施工証明書の元請からの直接交付)当社でわかる範囲で証明」
A鹿島「アスベスト製品の排除に努めている。しかし、使用がやむを得ないと認められるものもあり、労働安全衛生法で使用禁止製品から除外されているものは現在も販売されている。国もこれらの製品の代替化を図っていると思うので、国の動向を見守りたい。(労災適用)当社に相談を。労基署に行き、労基署の判断をあおぐ。法令遵守。(危険作業)適切でない事実があれば、知らせてほしい。(アスベスト材発覚の場合の契約変更に伴う下請経費の負担)協力会社と協議して対応。アスベスト処理費用を見積段階で計上して予算化する。(労災認定のための、過去の工事についての施工証明書の元請からの直接交付)過去のものは出せる」
B大成建設「住宅部門は一切使用していない。ビルについては、一切使わないとは決めていない、法律通りとしか言えない。ただ、関連部署に話はする(使用禁止の要望があったことを)。(協力業者のアスベスト被害実態調査の実施)本社に専門の窓口を設けて対応している。(労災適用)事実にもとづいて調査をして、誠意を持って対応する。法令遵守。(危険作業)協議して元請の改善がなければ拒否してもいい。(アスベスト材発覚の場合の契約変更に伴う下請経費の
負担)専門工事業者と費用を含めて協議する。(アスベスト除去処理の経費の確保)下請との協議によって決めている。(労災認定のための、過去の工事についての施工証明書の元請からの直接交付)調査をして事実があれば、交付に協力
する」
C竹中工務店「使用していない。(協力業者のアスベスト被害実態調査の実施)1次下請については、追跡調査を行った。(労災適用)組合とも話し合いたい、一緒に取り組みたい。(アスベスト除去処理の経費の確保)下請に負担は行かない。(労災認定のための、過去の工事についての施工証明書の元請からの直接交付)直接交付することは考えていないが、相談があれば、組合とも話し合い、労基署にも一緒に行く」
D大林組「使用していない。(協力業者のアスベスト被害実態調査の実施)調査は実現不可能だと考える。法令遵守。最終処分は、元請で行っている。万が一、ばく露対策がされていないところがあれば、法令違反なので、元請に報告を。うちの仕事をしていることが明らかであれば、施工証明書の交付について協力する」
E熊谷組「使用していない。労災が適用されるような実態があれば、真摯に対応し、熊谷組が施工証明書を発行する。法令遵守。作業の従事者が危険を感じたら、現場所長に報告してほしい。(アスベスト除去処理の経費の確保)当事者同士で合意できる内容にしようと思っている。建材名、作業従事者について、各事業者に対して施工証明書の交付を指導している。(労災認定のための、過去の工事についての施工証明書の元請からの直接交付)熊谷組が施工証明書を発行する」
F戸田建設「使用禁止、徹底している。(協力業者のアスベスト被害実態調査の実施)各支店の協力会社とともにヒアリング調査を行っている。法令遵守。(危険作業への作業拒否権)申し出があれば対応したい。(アスベスト材発覚の場合の契約変更に伴う下請経費の負担)変更になれば、下請業者とも合意の上で工事を進めていく。(アスベスト除去処理の経費の確保)合意の上、工事に入るのが原則と考える。今後の解体・改修工事での施工証明書の交付については、証明が必要であれば、その都度対応したい。(労災認定のための、過去の工事についての施工証明書の元請からの直接交付)労基署からの申し出があれば、答える」
Gハザマ「使用していない。(協力業者のアスベスト被害実態調査の実施)申し出があった時点で対応する。法令遵守。(労災認定のための、過去の工事についての施工証明書の元請からの直接交付)申し出があった時点で、個別に対応する」
Hフジタ「使用していない。法令遵守。現場作業者が危険と感じたら、作業責任者に伝えてほしい。(アスベスト除去処理の経費の確保)当事者が合意できる内容で締結すべきだと思う。(労災認定のための、過去の工事についての施工証明書の元請からの直接交付)できる範囲での証明はしていきたいと考えている」
I東急建設(協力業者のアスベスト被害実態調査の実施)協力会社レベルで実施してほしい。(アスベスト除去処理の経費の確保)納得ずくの契約で行う。(労災認定のための、過去の工事についての施工証明書の元請からの直接交付)労基署から問い合わせがあれば検討する」
J西松建設「使用禁止にしている。(協力業者のアスベスト被害実態調査の実施)過去にさかのぼっての調査は難しい。法令遵守。アスベストの有無が判明し、作業の拒否をしたら、その意見を尊重して対応したい。(アスベスト除去処理の経費の確保)打ち合わせの上、合意して契約すべきと考える。(労災認定のための、過去の工事についての施工証明書の元請からの直接交付)就労実績を調査し、施工証明を発行する」
K前田建設工業「使用するつもりはない。(労災証明)現場の時期や場所などの確認を含めて確認するなど、前向きに対応する。危険な状況があれば、現場の責任者に相談をすれば、協議する。(アスベスト除去処理の経費の確保)当然下請経費も含んだ内容となっている。(労災認定のための、過去の工事についての施工証明書の元請からの直接交付)施工証明については、行政の指導にもとづいてするが、直接は証明できない」
L三井住友建設「行政の指導は守る。また、その範囲内で使用はしている。法令遵守。(労災認定のための、過去の工事についての施工証明書の元請からの直接交付)労基署から調査依頼されれば、現場のデータを提供する」
M飛島建設「法令遵守。(協力業者のアスベスト被害実態調査の実施)1企業が労働者の追跡調査はできない。ばく露予防対策がなされていなければ、作業拒否してもらってかまわない。作業拒否による不利益な扱いはしない。下請経費は、最初から請負の中に考慮すべきもの。(労災認定のための、過去の工事についての施工証明書の元請からの直接交付)行政の指導があれば出す」
N鴻池組「使用していない。(協力業者のアスベスト被害実態調査の実施)古い話だし、当社に書類もない。また、職場があちこち変わっているため、実質的にできない。(労災適用)ある程度さかのぼっていけば現場を特定できると考えている。その上で図面等さがして、それをもとに当社で管轄の労基署へ相談に行き、指示を仰ぐようにしようと考えている。法令遵守。作業員が危険と判断した場合、作業しないように言っている。現場で不十分なところがあれば、アスベストに限らずどしどし言ってほしい。それに対して感謝こそすれ、不利益なことをするということは一切考えていない。(労災認定のための、過去の工事についての施工証明書の元請からの直接交付)わかる範囲で出す」
O五洋建設「法令遵守を技術者に徹底している。危険と感じたら、作業員から当社の担当者に連絡するように徹底している。そのことで、不利益な扱いはしない。(労災認定のための、過去の工事についての施工証明書の元請からの直接交付)労基署の指示があった場合、交付している」
 
 
◎ ―――――― アスベスト労災認定での労働者性について ――――――
 アスベスト労災(石綿肺)で労働者性を認められる(労働者として認められる)ためには、施工に従事していた期間について、労働者期間が事業主期間を上回っている必要があるというようなことが、よく言われますが、これは間違った基準、考え方だと思います。
 建設従事者の労働者性の判断基準とされる「労基研報告」には、「ある者が手間請けの他に事業主としての請負業務を他の日に行っていることは、手間請けを行っている日の労働者性の判断に何ら影響を及ぼすものではないため、手間請けを行っている日の労働者性の判断は、これとは独立に行うべきものである」と記述されている箇所があります。
 上記の労基研報告の記述に着目すれば、それを前提とすれば、アスベストを吸っていたのが労働者期間だったとすれば、労働者と認められるべきであり、事業主期間のほうがいくら長かったとしても、それは関係がなく、それとは独立に労働者性を判断すべきです。そういうことになります。
 
 
◎ アスベストやタバコの発がん性の機構が解明されたとの報道
 テレビを見ていたら、アスベストの発がん性、タバコの発がん性についての機構を解明する研究成果が明らかにされた、と報道されていた。
 (乱暴に単純化して言うと)その研究成果、論文によると、アスベストには鉄分が含まれている、またタバコの葉にも鉄分が含まれている。従って、吸引することで、体内(肺)に鉄分がたまる。鉄分から放射されるラジウムが、周辺の細胞を損傷し、がんを発生させる、というような機構になっている、とのことだ。(海野)
 
更新日時:
2009/09/13
朝日ハウス産業事件中心に労働者性 現時点の頂点 法人に適用も(再補強版)
朝日ハウス産業事件中心に労働者性 現時点の頂点 法人に適用も(再補強版)
海野和夫
(今回のは、前回の「朝日ハウス産業破産事件を中心に『労働者性』拡大の現時点での頂点(補強版)」の再補強版です。千葉土建一般労組の運動の成果としての「法人の事業主」を労働者として認め、賃確法を適用した事例2件を、最後尾に追加してあります)
 
はじめに
 厚生労働省の教育機関である独立行政法人労働政策研究・研修機構のホームページ http://www.jil.go.jp/index.htm の「論文データベース」に、次のように紹介されている論文があります。
 
――――――――――――――――――――
論文データベース
論文題名 親方・子方を含めて「下請業者」を「労働者」と認め、賃金確保法の「未払賃金立替払い制度」を適用
副題名 朝日ハウス産業破産事件の闘いと到達点
分類 労働組合・労働運動
著者氏名 海野 和夫
掲載誌名 労働法律旬報
巻号 1593号
発行年月 2005年2月
登録年月 2005年5月
内容抄録 (論文目次)
1 元請倒産における「下請業者」の労働債権問題
 はじめに
2 親方、職人双方に賃確法を適用
3 子方を含めて「労働者」と認定させるまでの闘い
 1 破産管財人の「労働者性」判断基準
 2 建設労組の対応
 3 厚生労働省へ共同要請書を提出
 4 再び破産管財人と交渉、前進的回答を引き出す
4 下請業者の賃金確保=労働者性拡大の到達点
 1 リモテックス破産事件
 2 新興産業倒産事件
――――――――――――――――――――
 
 労働者として認められず泣き寝入りを余儀なくされる現場従事者、事務従事者、工場労働従事者、営業従事者、サービス産業従事者等を無くすために、上記論文がさらに活用されることを願って、上記論文に補強・補正を加え、説得力を強化したのが、以下の論文です。タイトルを「朝日ハウス産業事件中心に労働者性 現時点の頂点 法人に適用も(再補強版)」としました。
 
1 朝日ハウス産業破産事件 経過
 2003年6月、朝日ハウス産業梶i本社 大阪)が破産に至り、埼玉土建一般労組も久喜幸手支部など多くの支部に被害が発生。埼玉土建一般労組は、全建総連東京都連など首都圏の建設労組や全日建連帯といっしょに対策会議を作り、朝日ハウス産業の施工班として働いていた「下請業者」の労働者性を明らかにし、朝日ハウス産業本社や破産管財人との交渉、厚生労働省への要請行動など、「賃金の支払の確保等に関する法律」(賃確法)適用での救済を求めてきました。そして、ついに2004年6月23日、とりあえず12人の「下請業者」(一人親方)の労働者性を破産管財人が認め、国による立替払いの手続きをおこないました。その中の1人が埼玉土建一般労組久喜幸手支部の組合員のAさんです。
 破産管財人は、「下請業者」を労働者として認めた理由として、@下請業者を班として登録させていた、A親方だけでなく、子方も登録させていた、B月に一度、朝日ハウス産業の事務所に班を集めて、会議をおこなっていた、C施工現場に入る時間帯について、朝日ハウス産業が管理していた、D休みをとるときは、朝日ハウス産業の了解をとらなければならなかった、E朝日ハウス産業に対して工事状況報告を出させていた、F職務規程を定めていた、G職務規程には、「班責任者は、朝日ハウス産業株式会社の社員であるという自覚を持って職務を遂行する」との記載があり、顧客へのあいさつも「朝日ハウス産業施工センターの○○です」と言うよう定められ、指定ユニフォームの着用、会社ネーム入りヘルメットの着用、始業・終業時間等が比較的細かく指定されている、H工事を孫請けに丸投げすることは禁止されていた、I工事の大半は、朝日ハウス産業が平方メートル単価等を決めていた、J工事の大半は、朝日ハウス産業が部材を有償支給・無償支給していた、をあげています。まさに、私たち建設労組の主張が反映したものです。
 破産管財人は、「下請業者」(班)のうち、親方1人で構成されている班、家族だけで構成されている班、子方がいるが人数が少ない班については、労働者性が認められるものと考え、賃確法適用の手続きを順次、とっていく予定、と文書で明らかにしています。
 親方、子方がいる「下請業者」についても労働者性を認めるとの破産管財人の判断は画期的なものであり、建設労組がこの間獲得してきた「形が業者であっても実態によっては労働者として認めることは十分あり得る」との国会答弁をあざやかに反映したものです。
 なお、破産管財人は、班が会社組織(法人)であるもの、子方の人数が多いものについては、労働者性を認めない、としています。
 
2 破産管財人と交渉して
以下は、2003年12月5日に大阪で破産管財人との交渉をおこなったときの破産管財人の主張です。
(労働者性を判断するときの)選別のための質問書を各班に出した。
法人の事業主を含めて実態による。労働者かどうかの判断は、「労基研報告」にもとづいて判断する。
 必ずしも専属である必要はない。社員でもアルバイトをする場合がある。
 施工員は、原則材工共(材工一式)だった。釘レベルのものを問題にするつもりはないが、釘レベルではないものを仕入れている。
 出勤簿は存在しない。存在しているのであれば、見せてほしい。
 社長の判断については、全く信用していない。
 朝日ハウス産業は金員を班代表に振り込んでいた。子方への支払いを朝日ハウス産業は一切把握していなかった。
 材料の仕入れをしていたとしても、一人親方の施工員については、手間賃の部分は認める可能性がある。施主から頼まれて、本工事のついでに「付帯工事」を自分で請け負っていたとしても、それを除いて認めてもいいとも思っている。
 一人親方の法人については、迷っている。
 屋号が付いている、複数の子方がいる班は、むずかしい。
 事業主体として営業し、広告(タウンページ)もしている場合は、困難。
 単価表を見せてほしい。
 工事指示書の提出は必要。
 
3 その時点での評価
 破産管財人が各班に出した「質問書」を、建設労組の闘争の到達点としてとらえ、この質問書を今後の運動の拠点とし、これに事実にもとづいて記入するよう徹底をはかり、この質問書と「労基研報告」等を判断材料として争っていくしかないと私たちは判断しました。
 建設労組の闘争がなければ、複数の子方のいる「班」に対してまでこのような「質問書」を出して実態を確認するなどということは起こり得なかったと思います。その意味で、この「質問書」は、全建総連と全日建連帯の共同闘争の成果として特筆されるべきものだと思います。
 
4 厚生労働省への要請書
 以下は、全建総連東京都連、埼玉土建一般労組、全日建連帯が共同して厚生労働省に要請行動をおこなったときに、厚生労働省に提出した要請書です。
 
 
厚生労働省 様
         2004年2月4日      
 
要 請 書
  
1、要請のなかみ
 朝日ハウス産業株式会社の各センターの施工班に所属する「施工員」は、以下の根拠(朝日ハウス産業の各センター「施工員」の労働者性の根拠)に示されているとおり、労働基準法第9条が規定する労働者です。労働者である施工員に対して賃金支払確保法を適用し、国による立替払いをおこない、朝日ハウス産業破産事件で賃金不払いを受け困難におちいっている施工員を救済して下さい。
 なお、最近の動向として、手間請を労働者として認めその賃金を保護する(未払賃金について国の立替払制度を適用する)事例が積み重ねられ、広がりを見せています。その流れの中で、2003年6月〜7月の衆参法務委員会では「手間請、一人親方にとどまらず、法人の代表者の債権であっても、実態によっては労働債権として認めることは十分にあり得る」という趣旨の政府答弁がおこなわれました。さらに言いますと、「労基研報告」にも「グループ手間請について、グループ内が平等であれば労働者として認めることはあり得る」という趣旨の記述があります。
 前記の2003年6月〜7月衆参法務委員会での政府答弁が言っているように、要は、手間請、一人親方、法人代表者といった形式ではなく、あくまでもその実態によって、そして「労基研報告」にもとづいて、労働者か労働者でないかを判断すべきだということだと考えます。 
 繰り返しになりますが、「労基研報告」と前記「政府答弁」にもとづいて総合的にとらえた場合、朝日ハウス産業株式会社の各センターの施工班に所属する「施工員」は、以下の根拠に示されているとおり労働基準法第9条が規定する労働者です。国による立替払いをおこない救済することを衷心よりお願い致します。
 
2、朝日ハウス産業の各センター「施工員」の労働者性の根拠
 朝日ハウス産業各センターの「施工員」(施工班責任者を含む)は、以下の要素のように労働者性を強める様々な要素を持っています。そして、朝日ハウス産業株式会社の各センターの施工班に所属する施工班責任者と「子方」とよばれる施工員は、工事現場で同じように労働者として働き、同じようにいっしょに施工に従事していました。従いまして、施工班責任者も「子方」とよばれる施工員も、「労基研報告」にもとづいて総合してとらえた場合、労働基準法第9条が言う労働者と判断すべきだと考えます。
 
(1)施工員は朝日ハウス産業専属の従業員でした。朝日ハウス産業事業主は、施工員を請負人と仮装する行為を長年おこなってきましたが、「請負契約」が仮装であることについては朝日ハウス産業事業主自身も確認しており、施工員を労働者として認めています。(「協定書」の存在)
(2)施工員は、朝日ハウス産業の社員である監督の指揮命令のもとで働き、朝日ハウス産業と施工員の間には明白な使用従属関係が存在しました。
(3)朝日ハウス産業からの具体的な仕事の依頼、業務に従事すべき旨の指示等に対して、施工員に諾否の自由はありませんでした。(指揮監督関係が存在していました)
(4)指示文書等により、作業の具体的内容が指示されており、業務の遂行が朝日ハウス産業の具体的な指揮命令を受けておこなわれていました。
(5)施工員は現場に朝出勤すると、朝日ハウス産業から交付された「出欠簿」に出欠を記入し、各センターにファックス又は電話で出欠を連絡することを義務づけられていました。
(6)工事を休む時、また、遅刻、早退のときは朝日ハウス産業へ事前に連絡することを義務づけられていました。さらに、日曜日に休むときも、休む理由を書類に書いて朝日ハウス産業に届け出ることを義務付けられていました。
(7)朝日ハウス産業の監督が現場に来て、作業の進捗状況を点検していました。
(8)施工員の高速代は、朝日ハウス産業から支給されていました。
(9)朝日ハウス産業が支給する朝日ハウス産業専属従業員であることを明示した名刺、ユニフォームを使用して作業をおこなっていました。
(10)工事期間中の現場作業の休止や時間変更は朝日ハウス産業の監督の許可のもとでおこなっていました。
(11)工賃は施工員が任意に見積もった金額で請求したり、あるいは、施工員と朝日ハウス産業の交渉によって工事ごとに決まったりするのではなく、すべての工事について朝日ハウス産業があらかじめ決めた工事種別の単価によって計算されることになっていました。
(12)午前8時30分までに施工(作業)に入ることを義務づけられていました。
(13)労働基準法第12条は、「出来高払い制その他の請負制によって定められた場合」の賃金を、労働基準法上の賃金として認めています。
 
全国建設労働組合総連合関東地方協議会(全建総連関東地協)
全日本建設運輸連帯労働組合(全日建連帯)        
 
5 再び破産管財人と交渉
 2004年7月23日、埼玉土建一般労組は全建総連東京都連、全日建連帯といっしょに大阪に行き、朝日ハウス産業破産管財人の石橋志乃弁護士と交渉し、@まだ賃確法適用の手続きがおこなわれていない一人親方については、早急に手続きをおこなうこと、A子方がいる「業者」も、実態は、親方、子方でグループをつくって仕事をおこなっている施工員であり、労働者性を認めて早急に賃確法の適用をおこなうこと、の2点を求めました。
 これに対して、破産管財人は、「@子方がいない親方だけのところについては引き続き手続きを進めていく、A子方がいる「業者」についても、子方2人までのところについては、認める方向である」と回答。子方がいる「下請業者」についても労働者性を認める方向との破産管財人の判断は画期的なものであり、まさに、「形が業者であっても実態によっては労働者として認めることは十分あり得る」との国会答弁に生命を与えるものです。
 交渉を受けて、破産管財人は2004年8月5日、新たに21人の一人親方について賃確法適用の手続をおこないました。この中に、埼玉土建一般労組宮代支部の田端優一さんが含まれています。
 田端優一さんは、「組合の努力で賃確法適用が認められ、152万円を貰えることになりました。ほんとうにありがとうございました」と喜びを語っています。
 
6 親方、職人双方に賃確法適用
 2004年11月5日の夜、Aさん(建築板金の親方、埼玉土建一般労組川越支部)から埼玉土建一般労組本部事務所に電話がかかってきました。「朝日ハウス産業の破産管財人から書類が送られてきた。未払い金額を書き込むようになっている」というものです。早速、その書類を埼玉土建一般労組本部事務所にFAXしてもらいました。
 書類のなかみは、2003年に破産した朝日ハウス産業(本社・大阪)の破産管財人の川下清弁護士と石橋志乃弁護士が、Aさんとその2人の職人を、親方のAさんを含めて労働者として認め、賃確法適用の手続きをおこなうというものです。これにより、3人の分あわせて約300万円の未払い代金が賃金として認められ、国の賃金立替払制度が適用になり、Aさんたち3人に約300万円が支払われることになります。形の上では「請負業者」であっても実態は他の労働者と同視できるとして、手間請職人にとどまらず、「請負業者」にまで賃確法の適用を拡大した、まさに画期的、歴史的な判断です。
 この間、埼玉土建一般労組は、「形の上では請負職人、請負業者であっても、実態によっては労働者として認め、保護することは、十分にあり得る」との国会答弁を引き出し、この国会答弁等を使って朝日ハウス産業破産管財人に説明してきました。
 そして、破産管財人が「賃確法による『国の賃金立替払制度』は本来、従業員の賃金を対象としており、下請職人の請負代金は対象にしていない。しかし、破産会社の従業員と同視できるような職人については、手間賃の部分のみ、労働の対価であるとして立替払いが認められる可能性がある」ことを認め、(請負代金から材料代金等を引いた金額)を計算し、これを賃金として認め、今回の賃確法適用手続きをおこなうに至ったものです。
 Aさんは「埼玉土建一般労組に入っていて、ほんとうによかった」と喜びを語っています。
 
7 「労働者性」拡大の流れ
 この間、建設労組が獲得してきた「労働者性」拡大=(賃確法適用)拡大の流れを、以下にまとめておきました。
@ 2001年 リモテックス破産事件
 形の上では「請負契約」(施工代理店契約)だった施工員について、商号(屋号)使用者を含む約220人を労働基準法上の労働者として認め、賃金支払確保法を適用し、国による賃金の立替払いがおこなわれました。―――東京地裁裁判長とリモテックス破産管財人(弁護士)が認める。
A 2004年 新興産業倒産事件
 形の上では「請負契約」だった施工員について、材料持ちの施工員を含む約800人の施工員を労働基準法上の労働者として認め、賃金支払確保法を適用し、国による賃金の立替払いがおこなわれつつあります(春日部労基署=材料持ちの「塗装」施工員を労働者として認める)。―――労働基準監督署が認める。(2005年に全面解決に到りました――後述)
B 2004年 朝日ハウス産業破産事件
 形の上では「請負契約」だった一人親方を労働者として認める。さらに、親方(事業主)、子方(従業員)がいる場合についても、子方2人までのところについては、親方、子方の双方を労働者として認め、賃確法を適用。―――破産管財人(弁護士)が認める。
C 2003年、2004年 衆参法務委員会での政府答弁
 「法人など形の上では業者であっても、実態によっては労働者として認めることは十分にあり得る」―――国会(政府答弁)。
2003年6月6日の衆議院法務委員会、2003年6月13日の衆議院法務委員会、2003年7月22日の参議院法務委員会、2004年4月1日の参議院法務委員会での政府答弁「法人など形の上では業者であっても、実態によっては労働者として認めることは十分にあり得る」
 
 ◎ 国会(政府答弁/下記参照)
(参考資料)2003年7月22日の参議院法務委員会での質疑
(民主党)鈴木寛参院議員の質問「最近のいわゆるリストラクチャリングといいますか、経営革新の手法の一つといたしまして、例えば課長さんとか部長さんとかいった管理職、総務をやったり営業部長さんをやったり経理部長さんをやったりという方を、いったんこれ、社員ではなくて独立をさせまして、形式上、そして会社を作っていただいて、そして、その会社の経理部門を元の経理部長さんが新しく作った会社にアウトソーシングをするとか、あるいは元の営業部長さんが作った会社に営業委託をするとか、こういったことが、経営学ではこれ、アウトソーシングという言い方で割とポジティブに、もちろんポジティブな面もないわけではないわけでありますけれども、非常に盛んに行われ始めております。例えば、これは仕事の実態からいたしますと、正に経理部長に引き続き経理部長の仕事をしてもらう、経理課長に引き続き経理課長の仕事をしてもらう……ということで、仕事の内容あるいは指揮命令系統、もちろんリスクの負担とか若干違ってくるかもしれませんが、こういうケースがございます。例えばこういう場合は、新しく改正されるところのこの雇用関係に該当するのでしょうか」
 
(政府側の答弁)「御指摘のような場合ですと、形式的には契約の当事者は法人、新たに設立された会社ということになります。ただ、御指摘のような、実質的には、その会社の主体である人が、個人が労務提供している、指揮命令系統も従来と変わらない、いわゆる雇用関係と同じような指揮命令がなされている、あるいはその報酬の対価の定め方も労務提供の場合と基本的に変わらないと、そういうような事情があれば、これはあくまでも、法形式ではなくて、その実態に即して雇用関係にもとづく債権という設定がなされ得ると考えております」
 
(日本共産党)井上哲士参院議員の質問「たとえば、グループや家族などで法人格を取得して経営して、みんなで就労している工務店などよくあるわけですね。おとうさんが社長でおかあさんが専務とか、実際には家族みんなで現場に行っていると。こういう場合についての判断というのはいかがでしょうか」
 
(政府側の答弁)「実態が個人がそれぞれの労務を提供しているという場合と異ならないということであれば、その実質に着目をしてこの先取特権の保護が及ぶ(労働債権として保護される)ということだと思っております」
 
(社民党)福島瑞穂参院議員の質問「正規雇用労働者だけでなく、労働組合法上の労働者にまで労働債権の保護の範囲を広げ、請負的就労、派遣、委託労働、下請労働者等の非正規不安定雇用労働者の未払い賃金などの労働債権にも先取特権を与えるべきではないでしょうか」
 
(政府側の答弁)「ただいま御指摘のようないわゆる正規の社員でない者であっても、また契約形態が請負とか委任であってもその実質が雇用関係であれば今回の先取特権の保護の範囲に含まれる(労働債権としての保護が及ぶ)ということになります」
 
D 2005年 東京新興リフォーム倒産事件
形の上では「請負契約」だった施工員について、材料持ちの施工員を労働者として認め、賃金支払確保法を適用。(渋谷労基署が認める)
 
E 2005年 新興産業倒産事件の続き 
新興産業の材料持ち塗装施工員について、労働者として認めなかった立川労基署決定を、東京労働局が取り消し、新興産業の材料持ち塗装施工員(一人親方)を労働者として認める
 
◎ 以下は東京労働局「裁決」からの抜粋
「取付施工について、新興産業は、施工業務を行う労働者を雇用することによって生じる、人員調整の硬直性、労働基準法上の責務、労働社会保険料の会社負担、施工不良による損害賠償責任等を回避して、経費の節減を図るため、(そして)各施工業務を自らの完全な支配下に置くために、誰にも雇われず誰も雇わないで工事を請負うことを建前とする一人親方との間で専属的に契約してその施工業務を行わせるようになった」、「(塗装施工に係る塗料を、新興産業が施工員に支給していなかったのは)新興産業は、塗料の(相当の費用を要する)管理責任を回避して経費を節減するために、塗料を塗装施工員に負担させていた事情によるものであった」、「塗装施工に当たり、請求人(材料持ち塗装施工員のSさん)は、塗料、自動車、刷毛、塗装用ローラー、養生用ビニール等その施工に必要な機械、器具等の大半を負担しており、外形上の事業者性がうかがえる。しかしながら、そもそも会社(新興産業)は、施工業務について、労働者を雇用することによる責任を回避して、経費の節減を図るため……一人親方との間で専属的に契約して、その施工業務を行わせてきた事情があるのであり、高価な機械、器具等もないことから、このこと(塗料、自動車、刷毛、塗装用ローラー、養生用ビニール等その施工に必要な機械、器具等の大半を負担しており、外形上の事業者性がうかがえること)を重視するのは相当でない」
 
F 「法人の事業主」を労働者として認めた事例
 (以下は、全建総連千葉土建一般労組から得た情報に基づき記載)
(2007年5月現在)最近の事例です。
 ◎ 日立精機サービス破産事件  法形式上「法人の事業主」を労働者として認め、賃確法を適用。(破産管財人が認める)
 ◎ ミナミハウス倒産事件  法形式上「法人の事業主」を労働者として認め、賃確法を適用。(柏労基署が認める)
 
更新日時:
2007/05/10
2006年3月期 有価証券報告書、決算短信等 各企業まとめ(2)
2006年3月期 有価証券報告書、決算短信等 各企業まとめ
海野和夫
 
◎ 三菱地所の有価証券報告書から浮かび上がってくる特徴
 三菱地所株式会社の(2005年4月1日〜2006年3月31日)有価証券報告書を読ませていただきました。特徴等を以下に紹介しておきます。
1 (連結)営業収益  8442億1700万円
2 (連結)経常利益  1212億3600万円
3 (連結)当期純利益  558億2500万円
4 (連結)従業員数  16,430人
5 三菱地所の従業員数    763人
(三菱地所グループの中での三菱地所自体の従業員数は763人に過ぎず、(連結)従業員16,430人のほとんどを関係会社が占めていることが、わかります―――海野)
6 事業の内容
@ ビル事業  ビルの開発・賃貸事業を中心に、運営・管理事業、駐車場事業、地域冷暖房事業などを行っている。
A 住宅事業  マンション、建売住宅等の建設、販売等を行うほか、マンション・住宅の管理、ニュータウンの開発を行っている。
B 資産開発事業  収益用不動産の開発、並びに資産運用事業等を行っている。
C 海外事業  海外でビル事業、不動産仲介事業等を多角的に展開している。
D 設計監理事業  建築・土木工事の設計監理等を行っている。
E 注文住宅事業 住宅建築工事の請負等を行っている。
F ホテル事業
G 不動産サービス事業  不動産の販売代理業務、不動産仲介事業等を行っている。
7 (連結)従業員の状況
ビル事業    1,312人
住宅事業    1,465人
資産開発事業     81人
海外事業   10,402人
設計監理事業    452人 
注文住宅事業    435人
ホテル事業   1,275人
不動産サービス事業 652人
その他の事業    169人
全社(共通)    187人
合計     16,430人
(海外事業の従業員数が10、465人にのぼるということは、人員的には海外事業に主力を注入、投入しているわけです―――海野)
8 1株当たり配当額  10円
9 (連結)当年度の業績
事業の種類別セグメントの名称  営業収益    営業利益
ビル事業        3120億9900万円  894億9200万円
住宅事業        2042億1300万円  177億3600万円
資産開発事業       342億7400万円  141億6900万円
海外事業  1932億2300万円  231億9900万円
設計監理事業       171億300万円     2億2700万円
注文住宅事業       414億7700万円   △4億400万円
ホテル事業        323億9900万円   12億4700万円
不動産サービス事業   307億7500万円   77億5300万円
(「注文住宅事業」の営業利益が△4億400万円となっています。最大手の住宅企業が「おおもうけしていると言うが、住宅部門に限ると赤字だ」と発言していたことを思い出しました―――海野)
10 (連結)長期借入金   3943億2800万円
11 年間配当金  116億7600万円
12 (連結)利益剰余金期末残高   2462億4600万円
13 連結営業収益に占める海外営業収益の割合  22.8%
(海外事業への人員配置の割合が63%を超えているのに、連結営業収益に占める海外営業収益の割合が22.8%にとどまっているのはなぜか? 興味ある点です―――海野)
14 労働組合の状況( )内は組合員数
 三菱地所(887人)、丸の内駐車場株式会社(12人)、株式会社北菱シティサービス(12人)及びRockefeller Group,Inc.(1,321人)にはそれぞれ労働組合が組織されています。
 
 
◎ 三井不動産 2006年3月期 決算短信(連結)からの抜粋
 以下は、三井不動産株式会社の2006年3月期(2005年4月1日〜2006年3月31日)決算短信(連結)からの抜粋です。
1 (連結)売上高 1兆1592億8000万円
2 (連結)経常利益  1189億7000万円
3 (連結)当期純利益  565億4100万円
4 2007年 3月期の連結業績予想(2006年4月1日 〜 2007年3月31日 )
 @ (連結)売上高 1兆2200億円
 A (連結)経常利益  1250億円
 B (連結)当期純利益  630億円
5 主な事業内容
 賃貸事業
 分譲事業
 完成工事事業 三井ホーム梶i連結子会社)等が戸建住宅建築工事等の請負を行っています。 
 仲介・販売受託・コンサルティング事業
 管理受託事業
 住宅部材・商品等販売事業
 施設営業事業
6 1株当たり年間配当 10円
7 連結セグメント別業績
 賃貸    3643億3900万円
 分譲    3369億1700万円
 完成工事  1874億9600万円
 仲介・販売受託・コンサルティング 687億4800万円
 管理受託   904億3700万円
 住宅部材・商品等販売 650億6500万円
 施設営業   389億7600万円
 その他     72億9700万円
8 (連結)短期借入金 1926億7000万円
9 (連結)長期借入金 7856億2100万円
(長期借入金の大きさが目立ちます。三井不動産の有価証券報告書によると、長期借入金の主な相手先は、明治安田生命保険630億円、三井生命保険580億円、日本生命保険561億円、全国共済農業協同組合連合会460億円、中央三井信託銀行443億2100万円、等々です――海野)
10 (連結)資本金   1742億9600万円
11 利益剰余金期末残高   1997億600万円
12 配当金  69億8600万円
13 役員賞与  1億2300万円
 
 
◎ 住友不動産2006年3月期決算短信(連結)から 「巡航成長計画」好調
 以下は、住友不動産株式会社の2006年3月期(2005年4月1日〜2006年3月31日)決算短信(連結)からの抜粋と(私の)若干のコメントです。
1 (連結)売上高  6465億2500万円
2 (連結)営業利益 1120億2300万円
3 (連結)経常利益  870億3800万円
4 (連結)当期純利益 325億600万円
(「営業利益 売上高から売上原価を引いて売上総利益を出し、その金額から販売費及び一般管理費を引いたもの」、「経常利益 営業利益に営業外収益を足し、営業外費用を引いたもの」、「純利益 総収益から総費用を引いた金額」──海野)
5 2007年3月期の連結業績予想(2006年4月1日〜2007年3月31日)
 @ 売上高  7000億円
 A 経常利益 1050億円
B 当期純利益 470億円
6 主要な事業
@ 不動産賃貸事業
A 不動産販売事業  
B 完成工事事業
当社(ハウジング第一事業本部)ほかは戸建住宅等の建築工事請負事業を、当社(ハウジング第二事業本部)は建替えの新システムである新築そっくりさん事業の建築工事請負事業を、また、当社(ハウジング第二事業本部)および住友不動産シスコン鰍ルかがリフォーム工事等の請負事業を、住友不動産建物サービス鰍ェマンション改修工事等の請負事業を行っているほか、潟ニバーサルホームは主として在来工法の規格住宅建築請負業のフランチャイズ事業を行っています。
(住友不動産は元請の特定建設業者の側面を持っています。住友不動産は、元請の特定建設業者として建設業法41条3項に基づく立替払を実施したことがあります──海野)
C 不動産流通事業
7 1株当たり年間配当 10円(来期は12円を予定)
(再建4ヵ年計画→新成長3ヵ年計画→巡航成長3ヵ年計画と順調に推移しているようです──海野)
8 (連結)短期借入金 1977億7000万円
9 (連結)長期借入金 5625億700万円
(長期借入金の大きさが目立ちます──海野)
10 (連結)資本金 1228億500万円
11 (連結)利益剰余金期末残高 756億5200万円
(「利益剰余金 利益の累計のうちの未処分金額」──海野)
12 (連結)配当金 66億5300万円
(5600億円の長期借入金を抱えながら年間66億円の配当金を支払っているのは、業績の好調さを示しています──海野)
 
 
◎ 積水ハウス ホームページから見えてくる圧倒的力量
 以下は、株式会社積水ハウスのホームページからの抜粋であり、(私の)若干のコメントです。
1 会社概要
○ 本社 
大阪市北区大淀中1丁目1番88号 梅田スカイビル タワーイースト    
○ 設立年月日 1960年8月1日
○ 資本金 1865億5419万円
○ 発行済株式総数 709,385,078株(2007年1月31日現在)
○ 主な事業内容
@ 建物、構築物の設計、施工、請負及び監理
A 建築材料の製造並びに売買
B 緑化造園材料その他土木建築工事用資材の売買
C 地域開発、都市開発、土地造成及び環境整備に関する調査、企画、設計、施工、監理、エンジニアリング、マネジメント及びコンサルティング業務の請負又は受託
D 建設工事の設計、施工、請負並びに監理
E 土木工事、大工・左官・土工・屋根工事、塗装・防水工事、内装仕上・建具工事等の設計、施工、請負及び監理
F 不動産の売買、賃貸借、管理及び鑑定並びに不動産経営コンサルティング
G 不動産の売買及び賃貸借の仲介及び代理
H 樹木の育成及び売買並びに造園の設計、施工及び請負 
○ 累積建築戸数 1,849,827戸 (2007年1月31日現在)
○ 従業員数 16,664人(2007年4月1日現在)
○ 主な株主のトップに積水化学工業株式会社がいます。
(筆頭株主の積水化学工業の所有株式数は1億216万8000株で、発行済株式総数に対する所有株式数の割合は14.40%です──海野)
2 2007年1月期決算(連結)
第56期(2006年2月1日〜2007年1月31日)
○ 売上高 1兆5961億8300万円
○ 経常利益 1148億2200万円
○ 当期純利益 626億6300万円
○ 当期の配当金  1株当たり2円の増配を行い、年間22円の株主配当を実施。
○ 来期の配当金  業績の向上によりキャッシュフローの改善が見込まれるとの見通しのもと、さらに1株当たり2円の増配を行なうこととし、年間24円の株主配当を実施することを決定。
(売上高、経常利益、純利益、配当金のどれをとっても、積水ハウスの圧倒的力量を読み取ることができます)
○ 2007年1月期セグメント別売上高(連結)
工業化住宅請負事業 7176億7700万円
不動産販売事業    4210億1900万円
不動産賃貸事業    3102億1100万円
その他事業      1472億7400万円
合計        1兆5961億8300万円
(住宅企業と不動産会社の両側面をほぼ50%、50%持っていることがわかります)
 
 
◎ パワービルダー 一建設 ホームページから浮上してくるもの
 以下は、パワービルダーと言われる一建設のホームページ等を参考にして、書きました。
1 業績が載っていないのは?
 一建設のサイトには、業績が載っていません。資本金の変化として、1967年 資本金100万円 → 1989年 資本金12億7538万円 → 1990年 資本金12億7811万円 → 2003年 資本金9000万円が載っています。
(2003年に資本金が9000万円に大幅減少した理由は? 一建設のサイトには、その説明が載っていません――海野)
 2004年に、飯田建設工業から(現在の)一建設に社名変更しています。
2 業績が載っていない理由?
 「耐震偽装問題」との関連があるのかもしれません。
 誹謗中傷と言われるのを避けるために、一建設の言い分を下記に紹介しておきます。
平成19年2月13日
一建設株式会社
代表取締役 小泉公善
弊社戸建分譲住宅における必要壁量の再調査結果について
先般プレス発表いたしました弊社の戸建分譲住宅における、壁量(筋交い)不足におきましては、お客様をはじめ多くの関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことを、あらためてお詫び申し上げます。
これまでご報告をさせていただいております、681棟の壁量不足の建物は現在672棟が修補等を完了しており、残りの9棟においては日程調整中となっております。
また、弊社は更に精度を高めた調査をおこなうことを決定し、2000年6月以降建築確認取得済み物件(26,035棟)を対象に、全物件について外部に調査依頼をし、終了したものを更に弊社設計部によりチェックを行いました。
その結果、今回あらたに588棟の壁量不足の建物があることが判明いたしました。前回の調査が不十分であったことを深くお詫び申し上げます。今回判明分につきましても、前回同様に対象となっているお客様の安全と安心を最優先に考え、ご理解とご協力を賜りながら順次修補を行ってまいりました。現時点(2007年2月13日現在)において既に538棟が修補を完了しており、残り50棟についても、お客様の都合を優先し速やかに補修を完了する所存です。
この問題への取り組み開始以降弊社では再発防止対策として、建築確認を取得した全物件を再チェックする体制をすでに確立しております。
弊社は、本件を厳粛に受け止め、深く反省するとともに今後このような問題が発生しないよう、全力をあげてお客様をはじめ社会の信頼回復に努めるべく、法令を遵守し、住宅の品質確保とお客様へのサービス向上のため最大限努力してまいります。
3 営業種目  
建設工事設計施工・土木工事設計施工・不動産の売買並びに仲介・損害保険代理店業
(パワービルダーの特徴としてよく言われるように、一建設も、不動産業者と住宅メーカーの二つの側面を持っています――海野)
4 一貫システム
用地の取得、企画、設計、施工、販売、アフターサービスに至るまで、一建設は住宅に関するトータル・サービスに挑み続けています。
一建設は、優良な用地の取得から始まり、住宅の完成、お客様のご入居、住み心地まで一貫して責任持って住宅を供給しています。
この一貫システムの最大の利点は、「中間マージン」を出来る限り排除できる事。この事によって、他社よりも低価格で、高品質の住宅を供給する事が出来るのです。
(「用地の取得、企画、設計、施工、販売、アフターサービスに至るまでの一貫システム」、これは、パワービルダーの特徴のようです。それによる低価格、高品質を売り物にしています――海野)
5 地域に密着した「パワフル・ネットワーク 」
地域に密着した、きめ細やかなネットワーク網を駆使して、各地域の不動産情報をいち早くキャッチ、優良物件を他社に先駆けて入手する事が可能です。また、地域性を熟知した社員の手により、街の環境や地域のニーズにマッチした住まいを誕生させていきます。
地域密着型の販売網を駆使して、首都圏・仙台・名古屋を網羅するパワフル・ネットワーク網により、一建設があなたの手がけたい地域を必ずバックアップします。
(「地域密着」、これも、パワービルダーの特徴、売り物のようです――海野)
 
 
◎ パワービルダー ポラスグループ ホームページからわかること
 以下は、ポラスグループのホームページを参考にして、書きました。
1 ポラスグループ
1969年に設立された株式会社中央住宅を中核とする、住まいに関する事業を行う、20社からなる企業グループ。2004年に、ポラス株式会社を統括会社とし、事業分野別に組織を再編した「事業推進本部制」に移行。
(繰り返しになりますが、「統括会社」としてのポラス株式会社の存在が、ポラスグループの特徴の一つです――海野)
2 ポラスグループの中の(株)中央住宅の業績等
 主な事業  不動産の購入・販売・賃貸・交換及びその代理仲介、住宅の設計・建築・管理・請負業務、宅地造成・開発及び管理
(不動産業者と住宅メーカーの両側面を持っていることが「パワービルダー」の特徴とよく言われますが、中央住宅が両側面を持っていることが、わかります――海野)
資本金 4億円  
従業員数 409人(2006年5月21日現在)
 売上高 449億円(2005年度)  
経常利益 20億円(2005年度)
(ポラスグループのホームページに、純利益が載っていないのは何故か、気になります――海野)
3 ポラス株式会社
主な事業 グループの経営戦略並びに、グループ事業会社の統括運営業務
資本金  4000万円
4 ポラテック株式会社
主な事業 「建築資材の購入、加工及び販売業」、「建築資材及び機器の研究開発及び製造販売業」、「住宅の設計・建築・監理・請負業務 」
(建築資材販売業者、建築資材製造業者、そして住宅メーカーの三つの側面を持っていることが、わかります――海野)
資本金 4億4000万円
従業員数 660人(2006年5月21日現在)
売上高 416億円(2005年度)  
経常利益 20億円(2005年度)
(ポラスグループのホームページに、純利益が載っていないのは何故か、気になります――海野)
5 ポラスグループ全体の連結業績等
 (2005年度)連結売上高 1107億円
 (2005年度)連結経常利益  77億円
(ポラスグループのホームページに、純利益が載っていないのは何故か、気になります――海野)
グループ従業員数は、1962人(2006年5月21日現在)
グループの売上戸数の内訳(2005年度)
分譲戸建住宅建築戸数 1,639戸
注文住宅建築戸数     594戸
賃貸住宅完成戸数     123戸
分譲マンション完成戸数  230戸
不動産売買仲介取扱件数(2005年度) 2,097件
 
 
◎ パワービルダー 城南建設のホームページ等からわかること
以下は、城南建設株式会社のホームページ等からの情報です。 
1 帝国データバンク企業情報によると
 決算期 2005年12月 
 売上高  712億7900万円
 当期純利益 27億7800万円
2 城南建設のホームページによると
本社所在地 神奈川県相模原市富士見2丁目8番8号 城南建設ビル
設立年月日 1993年10月13日
資本金 1億円
代表取締役会長 金子 隆
社員数 1,447人(2006年12月末現在) グループ全体
事業内容 建設業/分譲住宅販売業/不動産仲介業/土木・建築工事の設計・施工・監理業
 (事業案内)
城南建設グループは、企画・販売〜建築・施工〜アフターまで全てを自社直営システムにより、無駄な流通経費を省くことでコストを削減し、高品質な住まいを提供しています。
(「企画・販売〜建築・施工〜アフターまで全てを自社直営システム」、「低価格」、「高品質」を売り物にしているようです──海野)
@ 建設業 宅地開発業 建築設計業
 城南建設が施工する建物は、自社による設計から施工、入居後のアフターサービスまで一貫した直営工事体制。
宅地の造成工事やプロデュースをはじめとし、多様な要望に対応した土木工事・外構工事を、提案から工事完了まで協力しています。
 A 不動産業 
賃貸から売買まで不動産の総合的なサービスを提供しています。
城南建設グループのネットワークにより、ニーズをふまえた豊富な物件情報を提供するとともに戸建住宅・小規模マンションの新規売り出しの販売等も行っています。
豊富なノウハウと顧客情報、そして地域に根ざした販売活動を通して、スピーディーかつ確実な販売を実現します
(「地域密着」、「スピード」も売り物にしています──海野)
 B 保険代理業 賃貸管理  城南フィナンシャルサービス株式会社
 住宅を購入・新築した顧客に、入居後の安心のための各種保険を取り扱っています。
顧客のファイナンシャルプラン、生命保険・損害保険の見直しなどのサポート、情報提供をしています。
また、不動産資産の有効活用のプランニング、賃貸管理等の多角的な業務も行っており、ハード面だけでなく、資産形成、資産活用といったソフトの面からも顧客の良きパートナーとして協力しています。
 
 
◎ パワービルダー アイダ設計 ホームページ等から見えてくるのは
1 アイダ設計の自己紹介
株式会社アイダ設計のホームページは、要旨次のように自己紹介しています。「高品質な部材を使用し、精度の高い技術を駆使し、更にはきめ細やかな社内検査体制を備えて厳しく建物をチェックしています。アイダ設計の家は、こだわりの耐震工法を採用していますから、丈夫で長持ちです」
2 アイダ設計代表取締役社長(アイダグループ代表)會田貞光氏のあいさつ
 アイダ設計のサイトには、要旨以下のように載っています。
「一貫体制によるコストダウンも、それを価格や品質でお客様に還元することが目的です。たとえば分譲住宅にも注文住宅と同等の良質な部材を使ったり、強度に優れた工法を率先して用いていることも、弊社の家づくりの大きな特長です」
(「自己紹介」、「社長あいさつ」から見えてくるのは、高品質な部材の使用、強度に優れた工法(耐震工法)、低価格を自社の特長としてアピールしていることです──海野)
3 会社概要
 アイダ設計のサイトによると、
本社 埼玉県さいたま市大宮区桜木町1丁目10番地17 シーノ大宮サウスウィング
創立  1981年1月6日
 資本金 2億1632万円
 従業員 938人
 売上高 768億円(2006年3月期)
 事業内容 住宅の設計・請負・施工・監理、不動産の売買・仲介・賃貸・管理、住宅機器の販売、損害保険代理業 他
4 『ウィキペディア(Wikipedia)』によると
 Wikipediaによると、「ローコストを売り物にした分譲住宅を多数販売。近年は、注文住宅への脱皮をはかり品質向上に努めている」、「建売(新築分譲)を中心に注文住宅・建築条件無しの土地売り等を主業務にしている住宅メーカー」とのことです。
CMキャラクターとして相田翔子さんを起用している、とのことです。
(Wikipediaも、アイダ設計の特徴として「ローコスト」をあげています。またWikipediaは、アイダ設計を「住宅メーカー」と規定しています。広い意味ではそうなのかもしれませんが、一般的には同社は「パワービルダー」と呼ばれています。「パワービルダー」と「住宅メーカー(住宅企業)」との一致点と相違点は何か、今後両者はますます明確に異質なものになっていくのか、それとも接近、融合し、同一化していくのか、あるいはどちらかが消滅するのか、両者の闘争を通じてより高い(高度の)ものへと発展・転化していくのか、見えにくいところです──海野)
 
 
◎ パワービルダー 飯田産業 決算短信(連結)から見えてくるもの
 以下は、パワービルダーと言われる株式会社飯田産業の決算短信(連結)《2005年5月1日〜2006年4月30日》からの抜粋です。
1 (連結)売上高 1085億1900万円
2 (連結)当期純利益 40億7500万円
3 2007年4月期の連結業績予想(2006年5月1日〜2007年4月30日)
  (連結)売上高  1340億1700万円
  (連結)当期純利益 63億8500万円
4 企業集団の状況
 主な事業は、不動産事業。
[不動産事業]
 当社は、関東地方を中心に戸建分譲住宅及び分譲マンションの土地仕入及び設計施工販売、また注文住宅の工事請負及びリフォーム、不動産の賃貸等を行っています。
 連結子会社であるパラダイスリゾート株式会社が、戸建分譲住宅及び分譲マンションの土地仕入及び販売、不動産の賃貸等を行っています。
 同じく連結子会社である株式会社飯田ホームが、京阪神地方を中心に戸建分譲住宅の土地仕入及び設計施工販売を行っています。
5 経営の基本方針
 不動産事業は当社グループを支える「大きく太い柱」となっています。
常に他社よりも良質で安価な住宅を供給し、時代を先取りしたスピード経営を実践しています。
分譲住宅事業、とりわけ戸建分譲住宅事業に特化して人・物・金の経営資源を集中的に投入し、地域密着のホームビルダーとして事業を拡大しています
(安価、スピード(短工期)、地域密着が特徴だと推測されます――海野)
6 1株当たり配当金 20円
7 中長期的な経営戦略
 当社は長年の経験を通じて、土地仕入から開発、設計、施工、販売、アフターケアまで一貫した自社住宅供給システムを創りあげました。
 このシステムは、個々のプロセスが優れているだけでなく、それぞれのプロセスが相互に連携して「より良質で安価な住宅」の供給を可能にし、他社の追随を許していません。今後ともこの総合力の向上を目指していきます。
(「土地仕入から開発、設計、施工、販売、アフターケアまで一貫した自社住宅供給システム」、「安価」が特徴のようです――海野)
8 短期借入金 359億4875万6千円
9 長期借入金 106億9800万4千円
10 利益剰余金期末残高 276億8962万円
11 主要株主
 主要株主の中に森和彦氏が存在し、議決権等の所有割合は30.97%に達しています。森和彦氏は、飯田産業の代表取締役です。
(個人が支配・統治する色彩の強さを感じさせる企業です――海野))
12 完成工事高
 戸建分譲住宅 1035億1800万円
 分譲マンション 95億9600万円
 請負工事     5億3100万円
13 資本金    11億3050万円
14 役員報酬    1億1232万円
15 中間配当額   6億2711万円
 
 
◎ エス・バイ・エル 半期報告書 ユニファイド・パートナーズと「提携」 
 以下は、エス・バイ・エル株式会社の半期報告書(2006年4月1日〜2006年9月30日)からの抜粋です。
1 連結売上高 371億2400万円
2 連結中間(当期)純損益 △14億8500万円
3 従業員数 1,546人
4 資本金 359億5700万円
5 1株当たり配当額 ゼロ
6 連結有利子負債残高 315億2100万円
7 大株主の状況
 大株主のトップにユニファイド・パートナーズ株式会社が存在し、所有株式数は6740万株で、発行済株式総数に対する所有株式数の割合は40%に達しています。
(ユニファイド・パートナーズ株式会社とは? という課題が残ります。これは、最後に解決します──海野)
8 連結短期借入金 187億6000万円
9 連結長期借入金  62億3900万円
10 連結利益剰余金 △396億5600万円
(以下は、ユニファイド・パートナーズ株式会社のホームページからの抜粋です──海野)
ユニファイド・パートナーズ株式会社
所在地 東京都港区虎ノ門4丁目3番1号 城山トラストタワー
設立 2005年6月
資本金 71億2千万円
株主 野村ホールディングス株式会社等
代表取締役社長 キム・チョーホー
関連会社 ユニファイド債権回収株式会社、他
エス・バイ・エル株式会社との資本提携について
当社(ユニファイド・パートナーズ株式会社)は、木質系プレハブ住宅大手のエス・バイ・エル株式会社との間で、資本提携契約を締結し、第三者割当増資を引き受けることに合意しましたのでお知らせいたします……当社はエス・バイ・エルの事業環境、経営資源及び財務内容の分析を通じて、コア事業へ経営資源を集中させ、新たな資本を導入することにより、事業の更なる発展は十分に可能であると判断しました。今回の提携に基づき、当社は、第三者割当増資を全額引き受け、エス・バイ・エルの財務基盤の強化と成長資金の確保を図るとともに、エス・バイ・エルの株主として、同社の企業価値向上のため、営業力の抜本的強化、及び事業戦略の推進等に関して積極的なサポートを行って参ります。尚、当社は株式取得後、エス・バイ・エルの総議決権数の約40%を保有する筆頭株主となり、役員等の派遣も予定しております。
 
◎ パワービルダー (株)アーネストワン半期報告書からの「発見」
 パワービルダーと言われる株式会社アーネストワンの半期報告書(2006年4月1日〜2006年9月30日)を参考にして、以下を書きました。
 半期報告書ですから、半年間の企業状況を反映したものです。
1 売上高  635億4000万円
 なお、アーネストワンの(2005年4月1日〜2006年3月31日の)売上高は1304億500万円です。
2 中間純利益 37億7100万円
 なお、アーネストワンの(2005年4月1日〜2006年3月31日の)当期純利益は81億6400万円です。
3 資本金 42億2700万円
4 1株当り配当額 10円
 なお、アーネストワンの(2005年4月1日〜2006年3月31日の)1株当り配当額は39円です。
5 従業員数 384人
6 業績等の概要
 低価格物件を中心に他社との競争は依然として厳しい状況にあります。良質な戸建分譲住宅及び分譲マンションを低価格で供給してきました。
 上記の半期報告書の表現からは、低価格での競争の激化が推測されます。
7 生産実績(品目別)
戸建住宅    527億8800万円
マンション分譲  83億5800万円
請負工事        2000万円
8 大株主の状況
 大株主のトップに西河洋一氏(東京都練馬区)が存在し、所有株式数は1243万2000株、発行済株式総数に対する所有株式数の割合は38.04%に達しています。
 アーネストワンの代表取締役社長の名前が西河洋一氏ですから、大株主の西河洋一氏と同じ人と推測されます。そうだとすれば、個人が支配・統治する色彩の相当強い企業と言わざるを得ません。
8 短期借入金 287億2300万円
9 長期借入金  55億4900万円
 販売用土地仕入等の増加に対応する資金調達は、主に手許現金及び短期借入金、長期借入金で賄っています。
10 利益剰余金合計 247億2700万円
11 配当金の総額 3億2600万円
 なお、アーネストワンの(2005年4月1日〜2006年3月31日の)の配当金の総額は9億4300万円です。
 
◎ パワービルダー 東栄住宅 有価証券報告書について
 以下は、パワービルダーと言われる株式会社東栄住宅の第55期(2005年2月1日〜2006年1月31日)有価証券報告書を参考にして、書きました。
1 (連結)売上高 1367億7600万円
2 (連結)当期純利益 38億9900万円
3 (連結)従業員数 675人
4 1株当り年間配当額 46円
5 事業の内容
 不動産分譲事業(戸建住宅・中高層住宅等)を主な事業としています。
 不動産分譲事業の周辺業務として、注文住宅等の建築、不動産の賃貸、不動産売買仲介等を行っています。
6 東栄住宅の従業員の状況
 平均年齢34歳、平均勤続年数4.1年、平均年間給与6,298,153円です。
34歳位で、4年位で退社しているのは、気になるところです
7 有利子負債への依存度
 不動産分譲事業の土地仕入資金は、主に金融機関からの借入金によって賄っているため、総資産に占める有利子負債の割合は2006年1月期末で45.7%となっています。
8 競合等の影響について
 首都圏を中心に不動産分譲事業を展開しているが、当該エリアは競合関係にある同業他社も多く、価格競争が生じ、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
9 (連結)短期借入金 450億6900万円
10 (連結)長期借入金 1億6500万円 
 長期借入金が少ないのに対して短期借入金は450億円を超え、「不動産分譲事業の土地仕入資金は、主に金融機関からの借入金によって賄っている」というのは、この短期借入金を指すものと推測されます。
11 (連結)利益剰余金期末残高は219億8800万円に達し、財務体力の強さを示しています。
12 配当金 12億6100万円
13 役員賞与 前年度の1億2000万円から当年度7300万円へと減少し、自粛を感じさせるが、競合による価格競争の激化の影響なのでしょうか。
14 (連結)資本金 77億8200万円
 
 
◎ NIPPOコーポレーションの強力な財務体質と企業交渉の続行
1 強力な財務体質
NIPPOコーポレーションのホームページに載っている、NIPPOコーポレーション平成18年3月期決算短信(連結)(以下、「決算短信(連結)」と略します)を見ると、同社の建設業界での地位、実力、体力がよくわかります。
NIPPOコーポレーションの(連結)売上高は4011億6700万円、(連結)当期純利益は51億9900万円に達しています。
また、平成19年3月期の連結業績予想(平成18年 4月 1日〜平成19年 3月31日)は、売上高4100億円、純利益55億円になっています。
企業集団の状況として、決算短信(連結)は「当社及び当社の関係会社が営んでいる主な事業は建設事業、アスファルト合材等の製造・販売事業、開発事業及びその他の事業です」としています。
建設事業について、決算短信(連結)は「当社は舗装工事を主とした土木工事及び建築工事等を営んでおり、新日本石油(株)(親会社)より工事の一部を受注しています。大日本土木(株)(連結子会社)は建築・土木工事を、長谷川体育施設(株)(連結子会社)は主としてスポーツ施設工事を、日鋪建設(株)(連結子会社)は土木工事を営んでいます。また、シティロード(株)他55社(連結子会社)は舗装・土木工事を営んでいます。その他にマツレキ(株)他14社の非連結子会社及び関連会社が建設事業を営んでいます。当社はその施工する工事の一部をこれらの会社に発注するとともに、工事を受注しています」と説明しています。
2 企業交渉の続行を
そして、決算短信(連結)によれば、NIPPOコーポレーションは、長期借入金ゼロ、資本153億2400万円、利益剰余金1082億8100万円、1株当たり1年間の配当12円の強力な財務体質、優良な業績を誇る、まさに大企業であり、全建総連関東地協の企業交渉の対象として、同社ほどふさわしい企業はそうはいないと言えるのが、同社の地位、実力、体力です。
 従来どおり、とういより従来以上の決意を持って、全建総連関東地協は同社との年2回の企業交渉を続行すべきだと考えます。
3 他社との比較
道路業界の大手と言われる「鹿島道路」が資本金40億円、平成9年月売上高2000億円を突破、そして「竹中土木」の(平成18年1月1日〜平成18年12月31日)売上高849億6500万円、当期純利益2億100万円を考えると、NIPPOコーポレーションの占める立場がより一層浮かび上がってきます。
 
 
◎ 三井ホーム 第32期有価証券報告書からの抜粋
 以下は、三井ホーム株式会社の第32期有価証券報告書(平成17年4月1日〜平成18年3月31日)からの抜粋です。
1 連結売上高 2326億9200万円
2 連結当期純利益 26億2700万円
3 従業員数 3,505人
4 資本金 139億円
5 1株当り年間配当 14円
6 従業員の平均年間給与 6、825、144円
7 大株主の状況
 三井不動産株式会社の所有株式数は3733万4000株で、発行済み株式総数に対する所有株式数の割合は56.26%に達しています。
(なお、三井不動産の資本金は1742億9600万円)
8 役員の状況
 代表取締役会長、代表取締役社長、専務取締役(2人)、常務取締役、常勤監査役、監査役(2人)が三井不動産の出身です。
 常務取締役の1人が大成建設の出身です。
9 社内取締役への報酬 1億2400万円
10 長期借入金 9300万円
11 利益剰余金期末残高 266億4700万円
12 株主配当金 9億2800万円
13 三井不動産との営業取引(年間) 
住宅建築の請負 21億3100万円
 
◎ パナホーム第49期有価証券報告書からの抜粋
 以下は、パナホーム株式会社の第49期有価証券報告書(平成17年4月1日〜平成18年3月31日)からの抜粋です。
1 本店 大阪府豊中市
2 連結売上高 2722億9400万円
3 当期純損益  △27億100万円
4 従業員数 5,978人
5 資本金 283億7500万円
6 松下電器産業株式会社が親会社(議決権の所有割合は54.8%)
(松下電器産業株式会社の資本金は2587億4000万円)
7 従業員の平均年間給与 6、177、130円
8 1株当り年間配当 15円
9 役員の状況
 代表取締役(社長)  松下電器産業の出身
 代表取締役(副社長) 松下電器産業の出身
10 取締役(6人)に支払った報酬 1億4200万円
11 利益剰余金期末残高 630億2800万円
12 配当金 25億1700万円
13 長期借入金 ゼロ
 
◎ ミサワホームホールディングス 平成18年3月期決算短信(連結)抜粋
 以下は、ミサワホームホールディングス株式会社の平成18年3月期(平成17年4月1日〜平成18年3月31日)決算短信(連結)からの抜粋です。
(ミサワホームホールディングス株式会社は、平成18年12月18日に公表した「業績に影響を与える事象の発生について」で、平成18年3月期決算短信(連結)の訂正を公表しています。以下には、訂正後の数字を載せました――海野)
1 連結売上高 3839億4100万円
2 連結当期純利益 1240億2400万円 (なお、前期は、△2032億5100万円)
 平成17年6月に、関係金融機関等からの金融支援約1333億円(債務免除約1133億円、債務の株式化約200億円)を受けるとともに、トヨタ自動車株式会社、NPF−MG投資事業有限責任組合(野村プリンシパル・ファイナンス株式会社が組成するファンド)及びあいおい損害保険株式会社のスポンサー3社を引受先とする約258億円の第三者割当増資を実施し、平成17年8月に、自己株式及び子会社が保有する当社株式497万株を売却しました。これにより、前期末での債務超過は解消されました。
 当期純利益は、関係金融機関からの債務免除による金融支援1133億2600万円を特別利益に計上した結果、1240億2400万円となりました。
3 1株当り年間配当 ゼロ
 平成17年度の利益配当金については、前期末の債務超過を解消し、過剰債務の圧縮を含む財務体質の改善を進め、「再生」をしていく過程であるため、配当については見送らざるを得ない。
4 平成19年3月期の連結業績予想(平成18年4月1日〜平成19年3月31日)
 連結売上高 4100億円
 連結当期純利益 90億円
5 資本金 234億1299万9000円
6 企業集団の状況
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社50社及び持分法適用関連会社1社により構成されており、工業化住宅の施工・販売、宅地の造成・販売、増改築・リフォーム工事を中心とした住宅事業を行っています。
7 ミサワホームホールディングスとミサワホームの関係 
ミサワホーム株式会社は、ミサワホームホールディングス株式会社の100%子会社です。
 ミサワホームホールディングスの事業内容「ミサワホームグループの経営戦略・管理並びにそれらに附帯する業務」
 ミサワホームの事業内容「@建築部材の製造、販売 、A建築・土木・造園その他工事の設計、施工、監理 、B土地の開発、造成 、C地域開発・都市開発・環境整備の企画設計、監理 、D高齢者向集合住宅施設の経営、介護業務 、E上記事業に関する調査、研究、技術開発、教育、コンサルティング」 
(ミサワホームの資本金は240億円であり、「親会社」のミサワホームホールディングスの資本金234億円を上回っています。ミサワホームがミサワホームグループのメインであることを示しています──海野)
8 有利子負債 587億2900万円
9 長期借入金 248億1900万円
10 利益剰余金期末残高 △687億4400万円 (なお、前期末残高は△2101億4700万円)
 
◎ 東日本ハウス株式会社 平成18年10月期決算短信(連結)からの抜粋
 以下は、東日本ハウス株式会社の平成18年10月期(平成17年11月1日〜平成18年10月31日)決算短信(連結)からの抜粋です。
1 連結売上高 693億1400万円
2 連結当期純損益 △62億7900万円 (なお、前期は△85億5900万円)
3 平成19 年10 月期の連結業績予想(平成18 年11 月 1 日〜平成19 年10 月31 日)  
 連結売上高 776億円
 連結当期純利益 11億8000万円
4 1株当り年間配当 ゼロ
 現在の最重要課題は、早期復配ならびに収益構造の改善であると認識しています。
5 有利子負債残高 391 億3500万円
6 長期借入金 237億円
7 利益剰余金期末残高 △81億9000万円
8 資本金 1,873,372,130円
 
◎ 旭化成ホームズのホームページ等からの業績等についての抜粋
1 社名 旭化成ホームズ株式会社
2 所在地 東京都新宿区西新宿2−3−1
3 設立 昭和47年(1972年)11月
4 資本金 32.5億円
5 売上高 4045億円(平成18年3月期)
6 平成15年10月1日、旭化成グループの住宅に関する事業は全て旭化成ホームズに承継されました。
7 代表者 代表取締役社長 波多野信吾
8 主な事業内容
・ 建築、土木、造園等の工事の設計、工事監理及び請負
・ 不動産の売買、交換、賃貸及びこれらの仲介、代理
・ 不動産の保守、監理、鑑定及び不動産に関するコンサルティング
・ 都市開発に関する企画、調査、設計、監理、立案及び宅地造成
・ 鉄骨、外壁材等の建築材料及び杭工事、地盤改良工事等に用いる土木資材の製造、販売
・ 損害保険代理業及び生命保険の募集に関する業務
・ 金銭の貸付、債務の保証及び動産のリース業 
9 従業員数 4,714人
10 株主構成 旭化成株式会社100%
11 旭化成ホームズが目指しているのは、半世紀を越えてお客様の満足を維持する「ロングライフ住宅の実現」。
高品質な商品とサービスの提供をはじめ、リフォームや不動産流通、都市開発などの周辺事業と一体となって住宅の価値を永く維持させることで、「真に豊かな生活」の実現を目指します。
12 主な関係会社
旭化成住工(株) 躯体鉄骨
旭化成不動産(株) 不動産の賃貸借・ 管理、仲介・売買、販売代理
旭化成リフォーム(株) リフォーム工事
旭化成モーゲージ(株)  住宅ローン貸付業務・管理回収業務
13 旭化成グループの売上高(1兆4986億円)に占める旭化成ホームズの売上高の割合は27.0%
 
 
◎ 高砂熱学工業 平成18年3月期決算短信(連結)からの抜粋
 以下は、高砂熱学工業株式会社の平成18年3月期(平成17 年4月1日〜平成18 年3 月31 日)決算短信(連結)からの抜粋です。
1 連結売上高  1935億5600万円
2 連結当期純利益 27億6900万円
3 平成19年3月期の連結業績予想(平成18 年4月1日〜平成19 年3月31 日)
 連結売上高 1970億円
 連結当期純利益 28億円
4 1株当たり年間配当 20円
5 海外事業に伴うリスク
当社グループが事業を展開する中国・東南アジア地域では、予期しえない法的規制や変更、政治不安及び経済変動等不測の事態が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があるなどカントリーリスクが存在しています。
6 連結長期借入金 15億3600万円
7 資本金 131億3400万円
8 利益剰余金期末残高 553億6400万円
9 株主配当金 14億1700万円
10 企業集団の状況
当社グループは、当社、連結子会社4社、持分法適用非連結子会社1社、持分法非適用非連結子会社5社、持分法適用関連会社1社、持分法非適用関連会社4社で構成され、設備工事事業、設備機器の製造・販売事業を主な事業内容としています。
(設備工事事業)
当社は空調設備の技術を核として、その設計・施工を主な事業としており、日本ピーマック(連結子会社)、日本開発興産(連結子会社)及び日本フレクト(持分法適用関連会社)は、当社の工事施工に伴う機器の一部を納入しています。海外については、現地法人化を進めており、連結子会社である高砂建築工程(北京)有限公司及びタカサゴシンガポールPte.Ltd.のほか非連結子会社5社及び関連会社2社が空調設備の設計・施工を行い、当社はこれら海外子会社等に対して技術援助を行っています。また、持分法適用非連結子会社である高砂メンテナンス鰍ヘ、空調設備の保守・点検整備を行っています。
(設備機器の製造・販売事業)
日本ピーマック葛yび日本フレクト鰍ェ、空調機器の設計・製造・販売の事業を行っています。
 
 
◎ きんでん 平成 18 年 3 月期決算短信(連結)からの抜粋
 以下は、株式会社きんでんの平成18年3月期(平成17年4月1日〜平成18年3月31日)決算短信(連結)からの抜粋です。
1 連結売上高  4515億1400万円
2 連結当期純利益 78億4300万円
3 平成19年3月期の連結業績予想(平成18年4月1日〜平成19年3月31日)
 連結売上高 4550億円
 連結当期純利益 82億円
 1株当たり年間配当金 13円
4 当社は、電気工事(配電工事、ビル・工場等の一般電気工事、送電線工事、発変電所工事等)並びに情報通信工事(電気通信工事、計装工事等)、環境関連工事(空調管工事、内装設備工事等)及び土木工事、その他これらに関連する事業を営んでいる。
5 1株当たり年間配当 13円
6 関西電力との関係 
関西電力株式会社は、電気事業を営み、当社の配電工事及び送電線工事等の大口発注先です。当期での当社の完成工事高のうち同社から受注した割合は15.7%です。
平成18年3月31日現在、同社は、当社の総株主の議決権数の42.06%を所有しており、当社は同社の関連会社にあたります。
当社の事業運営にあたっては当社が独自に意思決定を行っており、関西電力からの一定の独立性は確保されていると認識しています。
7 長期貸付金 31億3600万円
8 長期借入金 7億2000万円
9 資本金 264億1100万円
10 利益剰余金期末残高 2364億6200万円
11 株主配当金 27億5000万円
12 資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失(28億2900万円)として特別損失に計上した。
◎ 大日本土木ホームページからの業績等についての抜粋
 以下は、大日本土木株式会社のホームページからの業績等についての抜粋です。
1 従業員数 826人
 技術職員 土木385人 建築231人 電気設備他18人
 事務職 192人
 総員  826人
2 本店   岐阜県岐阜市宇佐南1丁目6番8号
  東京本社 東京都新宿区西新宿6丁目16番6号
3 資本金 20億円
4 主な営業項目
1.建設、土木等建設工事の請負
2.建設工事の調査・企画・設計・監理・マネージメント及びコンサルティング
3.不動産の売買・賃貸・仲介・管理・鑑定
4.建物の建設・販売・賃貸・管理ならびに土地の造成・販売
5.ゴルフ場等スポーツ施設、ホテル等宿泊施設の経営・管理・コンサルティング
6.地域開発、都市開発、海洋開発、資源エネルギー開発、環境整備等に関する調査・企画・設計・コンサルティング
7.農林、畜産、園芸、造園及び緑化
8.産業廃棄物、一般廃棄物の収集・運搬・処理・再生利用・管理
5 売上高  732億9800万円
6 当期純利益 12億4100万円
7 利益剰余金 30億2100万円
8 破産債権、更生債権等 22億1000万円
9 海外営業所
カイロ 
バンコク 
カブール 
モンゴル 
キリバス
 
◎ 佐藤工業ホームページからの会社概要等についての抜粋
 以下は、佐藤工業株式会社のホームページからの会社概要等についての抜粋です。
1 営業種目
@ 建設工事の請負ならびに企画、設計、監理およびコンサルティング業務
A 地域開発、都市開発等事業ならびにこれらに関する請負、企画、設計、監理およびコンサルティング業務
B 一般廃棄物・産業廃棄物の収集・運搬・処理・再利用、環境に係る大気・水・土壌等に関する汚染物質の除去ならびにこれらに関する調査およびコンサルティング業務
C 住宅事業ならびに不動産取引業
D 建設用資材機器および機械装置の製造、販売および賃貸
E 鉄工業
F ホテル・旅館等の宿泊施設、ゴルフ場、テニス場、競技場等のスポーツ施設、遊戯場、遊園地、動植物園等の娯楽施設およびレストランの経営ならびにこれらの施設の賃貸
G 医療用機械器具の販売
2 資本金 30億円
3 更生債権の弁済 
2004年3月29日 更生債権第1回弁済を実施。
2005年5月30日 更生債権第2回弁済を実施。
2006年5月30日 更生債権第3回弁済を実施。
4 沿革
1862年  
初代佐藤助九郎が富山県柳瀬村で佐藤組を創業
富山藩の命により常願寺川筋の両岸堤防工事を施工
1866年 
越中4大河川(庄川・神通川・常願寺川・黒部川)の治水工事を一手に施工
 
◎ 松井建設 平成18年3月期決算短信(連結)からの抜粋
 以下は、松井建設株式会社の平成18年3月期(平成17年4月1日〜平成18年3月31日)決算短信(連結)からの抜粋です。
1 連結売上高 852億4100億円
2 連結当期純利益 9億4600万円
3 平成19年3月期の連結業績予想(平成18年4月1日〜平成19年3月31日)
 連結売上高 860億円
 連結当期純利益 9億7000万円
4 経営の基本方針
当社は、1586年(天正14年)の創業以来420年、顧客の満足する品質とサービスを提供し、つねに技術の研鑚を重ね、神社・仏閣はもとより、様々な施設の建設を通じて、社会に貢献することを経営の基本方針としています。 当社グループでは、これら経営の基本方針を踏まえ、「社寺ブランドの強化、人材の育成、CSR活動への取組み強化」を掲げ、こうした方針に基づく事業活動に総力を結集して取組むことにより、今後の永続的な社業の発展を実現していきたいと考えています。
5 破産債権、更生債権等 3億5388万9000円
6 長期借入金 3億円
7 資本金 40億円
8 利益剰余金期末残高 155億1594万2000円
9 株主配当金 2億4930万1000円
10 海外売上高 ゼロ
11 会社の対処すべき課題
経営の活性化と迅速な意思決定及び機動的かつ効率的な業務執行を目的に、取締役会の改革と執行役員制度の見直しを柱とした経営機構改革を行い、グループ企業が一体となり経営基盤を一層強固にして、より信頼される企業を目指すと共に、平成18年4月1日よりCSR推進室を設置し、企業の社会的責任への取り組みを強化していきます。
12 1株当り年間配当金  9円
 
 
◎ 大豊建設 平成18年3月期決算短信(連結)からの抜粋
 以下は、大豊建設株式会社の平成18年3月期(平成17年4月1日〜平成18年3月31日)決算短信(連結)からの抜粋です。
1 連結売上高 1672億5500万円
2 連結当期純利益 16億700万円
3 平成19年3月期の連結業績予想(平成18年4月1日〜平成19年3月31日)
 連結売上高 1640億円
 連結当期純利益 16億5000万円
4 連結長期借入金 2600万円
5 利益剰余金期末残高 169億1800万円
6 株主配当金 3億7400万円
7 企業集団の状況
当社の企業集団は、当社、子会社10社で構成され、建設請負とそれに関連するサービス等の事業を営んでいます。
建設請負事業では、当社及び叶X本組の他、タイ国では子会社タイ大豊梶Aマダガスカル共和国では子会社マダガスカル大豊鰍ェ事業を展開しています。
建設資材リース、販売や塗装工事については、子会社進和機工葛yび子会社大豊塗装工業鰍ェ行っており当社も下請させています。
また、一部の工事については、当社が子会社大豊不動産鰍謔闔注をしています。
8 経営の基本方針
当社は創業以来、堅実経営に徹し、常に技術開発を目指し、誠実にして良質な工事の施工を通じて、社会の発展に貢献することを経営理念としています。
また、信頼に応える確かな技術を基に、顧客との約束に誠実に応え、常に革新・創意工夫に挑戦し、社会の信頼を確保し、企業としての適正利潤を追求することで、株主、取引業者、および社員とともに、共存共栄をはかることを基本方針として活動しています。
9 資本金 51億円
10 1株当り年間配当  6円
 
 
◎ 東洋建設ホームページからの業績等についての抜粋
 以下は、東洋建設ホームページからの(2005年4月1日〜2006年3月31日)業績等についての抜粋です。
1 資本金 106億8346万円
2 事業内容 
総合建設業(海上・陸上土木、建築) 
不動産事業等
3 従業員数 1,501人
4 主要取引銀行
三菱東京UFJ銀行 
みずほコーポレート銀行 
三菱UFJ信託銀行 
三井住友銀行
5 連結売上高 1628億6300万円
6 当期純利益 60億3700万円
7 有利子負債 319億7200万円
8 平成19年3月期の連結業績予想(平成18年4月1日〜平成19年3月31日)
 連結売上高 1600億円
 連結当期純利益 23億円
9 前田建設工業との関係
前田建設工業 (当社に対する)議決権所有割合 20.15%
 当社は、前田建設工業株式会社の持分法適用関連会社という位置付けにあります。同社とは、「独立と協調」の精神で両者の強みを活かしたシナジー効果の実現を目的とした業務提携を行っています。
 当社は、当社独自の経営方針・戦略に基づき事業活動を行っていますので、前田建設工業からの事業上の制約や影響はありません。相互のメリットとしては、民間建築工事や海外での共同受注、共同研究開発、共同購買の実施などがあげられます。
 前記のとおり当社は、前田建設工業と「独立と協調」の精神で業務提携を行っていますが、事業上の制約や影響はなく、当社独自の経営判断に基づき事業活動を行っており、当社の独立性は十分に確保されています。
10 利益剰余金期末残高
 利益剰余金残高は、前期末では22億円のマイナスとなっていましたが、当期純利益の計上等により当期末には38億円のプラスに転じました。
11 海外事業に伴うリスク
 当社グループは、東南アジアを中心とした地域で事業展開を図っていますが、これらの地域での予期しない政策の変更、政情の悪化、テロ、伝染病等が発生した場合や経済状況の変化に伴う工事の縮小・延期等が行われた場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。
12 連結長期借入金 139億円
13 1株当たり年間配当 ゼロ
 
更新日時:
2007/12/19

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Last updated: 2010/3/12