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―― 日本建設業団体連合会(日建連)の提言 WG設置で具体化へ ――
―― 日本建設業団体連合会(日建連)の提言 WG設置で具体化へ ――
(以下は、2009/4/21日刊建設工業新聞に掲載されていた記事に基づいて、記述したものです――海野)
 2009/4/21日刊建設工業新聞によると、日本建設業団体連合会(日建連)が2009/4/20までに提言をまとめた、とのことです。
 同記事によると、同提言は、次のような注目すべき、「画期的」とも言い得る内容を含んでいます。同提言を入手し次第、補正、補強することを前提に、紹介しておきます。
それは、「『優良技能者』の標準年収の目標を600万円以上と設定し、元下双方が協力してその実現をめざす」「下請会社での社員化を進めるべき」「『材工一括契約』を見直し、『材工別内訳契約』を導入することで、労務費を明確化し、賃金の向上につなげる」「重層下請構造を改善し、5年後をめどに、2次以内とする目標を掲げる」等々だ、とのことです。
(なお、2009/4/21建設通信新聞のほうは、「下請会社での社員化を進めるべき」(日刊建設工業新聞)の部分について「優良技能者を下請企業で正社員化するよう提案」とより限定的な表現を用いています――海野)
 2009/5/8日本建設業団体連合会(日建連)から同提言を、メールで送っていただきました。
 同提言によると、重層下請構造のところで言うと、「重層下請次数を当面原則3次以内とすることを目標」「最終的な努力目標を2次以内と設定」となっています。
 同提言は、「提言を実現する目処を5年後」としています。この「5年後を目処」に入るのは、「重層下請次数を当面原則3次以内とすることを目標」だけでなく、「最終的な努力目標を2次以内と設定」の最終的な目標も「5年後を目処に」に入るということが、同提言を読むと、わかります。
 また、同提言は、「下請での社員化」の関係では、「優良技能者の下請での社員化を進めるべきと考える」として、優良技能者に限定しての「下請での社員化」を提言しています。「下請での社員化」といっても、限定的だということです。
 上記提言との関連で、建設労働運動は、根本的解決の方向として、「重層化の深まり、外注化、一人親方化の流れを逆転させて、直接施工、直接雇用、正規雇用の全体化への決定的転換」を提示すべきときだと感じています。
 なお、日建連の今回の提言には「時期や地区によって過不足する建設技能者を融通しあう取り組みが一部専門工事業団体で始まろうとしている。また、大阪建団連においても建設技能者の派遣(貸借)や教育を含めて、確保育成に取り組んでいる。建設技能者の融通、派遣がどこまで可能なのか、これらの動きを注視しつつ、継続して調査研究する」との記述が存在し、建設業務への派遣解禁へ向けての支配層の攻勢、突撃の準備を感じさせるものであり、建設労働運動に求められているのは、反撃の準備です。
 2009/6/19『建設通信新聞』によると、日建連は上記提言の実現に向けて、2009/6/18 4ワーキング・グループ(WG)の設置を決めた。
 同紙によると、賃金WGの検討課題は「優良技能者の認定方法」「標準目標年収600万円以上の確保方法」等、重層化WGの検討課題は「原則3次以内の実現方法」「次数のチェック体制」「5年後2次以内目標の進め方」など、とのことです。
 
更新日時:
2009/06/19
―――――――――アメリカの国際政策について(1)〜(3)―――――――――
―――――――――アメリカの国際政策について(1)―――――――――
(海野)
新聞『赤旗』によると、米国の北朝鮮政策担当のボズワース特別代表は6月11日、米上院外交委員会で証言し、(米国は)「6カ国協議の枠組みの中で、2国間協議も含め、外交を通じて相違点を克服するため、北朝鮮と交渉する用意があることに変わりはない」、平和的手段で朝鮮半島の非核化を実現することを決めた2005年9月の6カ国協議「共同声明」を守る、と表明した、とのことです。
新聞『赤旗』によると、ゲーツ米国防長官は6月9日、上院歳出委員会国防小委員会の公聴会で、オバマ政権が打ち出した国際テロ組織アルカイダ制圧での軍事攻撃強化と、非軍事を含めた国際協力でアフガンの経済復興をはかるという二つの面を持った新戦略について、機能し始めるには「1年から1年半を要する」と指摘し、最近の戦況が悪化していることも表明した、とのことです。
 『赤旗』によると、米軍は今年(2009年)になってからアフガンに2万4000人の増派をし、現在、5万6000人が駐留。来年(2010年)初めまでには6万8000人まで増やす計画だ、とのことです。
 
アメリカの国際政策について(2)
 『朝日新聞』によると、米国はイスラエルとパレスチナの2国家共存による和平実現を推進。ヨルダン川西岸地区へのユダヤ人の入植活動の完全凍結をイスラエルに求めている、とのことです。
 『朝日新聞』によると、米国のヒル駐イラク大使は2009年6月18日、米国務省での記者会見で、2009年6月末までに米軍を予定通りイラク都市部から撤退させる方針を確認した、とのことです。また、同紙によると、来日中のイラク外相は日本記者クラブでの記者会見(2009年6月19日)で、米軍が2009年6月末までにイラク都市部から撤退することについて、「100%任務を引き継ぐことができる」と自信を示した、とのことです。
 同紙によると、「2009年1月に発効したイラク米軍駐留協定では、2009年6月末までにイラクの都市部から、2009年11年末までにイラク全土からの米軍撤退を定めている」とのことです。
 『時事』によると、2009年6月22日、米国務省のケリー報道官は、東欧への(米国の)MD(ミサイル防衛)配備計画について「最終決断は下していないが、米国と同盟国に対する脅威の分析が判断材料となる」と述べた、とのことです。
 
アメリカの国際政策について(3)
(クラスター弾禁止条約)
 日本共産党の吉井英勝衆院議員によると、クラスター弾禁止条約を米国は批准しておらず、在日米軍もクラスター弾を保有している、とのことです。
 ○ 新聞『赤旗』によると、イラク駐留米軍のオディエルノ司令官は2009年6月28日、イラクと米国の駐留米軍地位協定に基づき、駐留戦闘部隊を都市部から既に撤退させたことを明らかにした、とのことです。
同紙によると、2009年1月に発効した同地位協定は、2011年までに約13万1000人の米軍がイラク全土から撤退することを定めていて、そのうち都市、町村部の拠点からの撤退は2009年6月末が期限となっていた、とのことです。
 米国の(軍事的)国際政策の、イラクからの撤退とアフガニスタンへの増派という構造が、鮮明化しています。
米国支配層の理性的一翼が、イラクにとどまらずアフガンからの撤退こそ真理への道であることを、早く理解してほしい。
○ 聯合ニュースによると、シャープ在韓米軍司令官は韓米首脳会談で採択された「韓米同盟に向けた共同ビジョン」に明示されている「拡大抑止」について説明し、「拡大抑止」には米国の「核の傘」政策、朝鮮半島への正規戦力の増強と能力向上があり、MD(ミサイル防衛)計画も含まれていると明らかにした、とのことです。
 北朝鮮の核実験等を受けて、米国の北朝鮮政策の軍事面での硬化を結果しているということなのかどうか?
 ○ 各紙の報道によると、米国とベネズエラが、ブッシュ大統領のときお互いに大使を追放して空席となっていた大使について、復帰することで合意したようです。
 キューバやベネズエラといった中南米の「反米的」「革新的」諸国への対応の、少なくとも微妙な変化を、感じさせる動きの一つです。 
 
 
 
更新日時:
2009/07/03
民法上の「使用者」と労働基準法上の「労働者」の相互関係への着目(補強)
民法上の「使用者」と労働基準法上の「労働者」の相互関係への着目
(海野)
 弁護士の古川景一氏の論文『労働者概念を巡る日本法の沿革と立法課題』(季刊労働法219号)によると、改定後の民法にある「使用人」について、2003年6月6日の衆議院法務委員会での法務省民事局長の答弁は、「使用人」とは「実態として債務者に対して労務を提供して生活を営んでいる者」とし、保護範囲は「賃金、給料、報酬、委託料あるいは外注費等々の名称にかかわらず」「労務提供の対価」であるとしている、とのことである。
 この答弁を前提に、古川氏の同論文は「現在の日本の労働法制の中で、純然たる民事法であり強行法規である先取特権制度においては、その適用対象者は、労務を提供しその対価を得て生活している者とされており、指揮監督(命令)・使用従属関係・人的従属性は一切必要とされていない」としている。
 この指摘は、倒産・不払い発生時の、労働者性を巡るたたかい、労働債権として認めさせるたたかい、賃金支払確保法適用のたたかい等に、肯定的影響を及ぼし得るものである。
 同時に、賃金支払確保法(賃金の支払の確保等に関する法律)第2条2は、以下のように、賃金支払確保法が適用されるのが「労働基準法上の労働者」であることを定めている。
○ 賃金支払確保法第2条 この法律において「賃金」とは、労働基準法第11条に規定する賃金をいう。
○ 賃金支払確保法第2条2 この法律において「労働者」とは、労働基準法第9条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。)をいう。
 古川氏の同論文が説明しているように「労働基準法上の労働者」には、指揮監督(命令)・使用従属関係・人的従属性が必要とされているのだとすれば、民法上の「使用者」と労働基準法上の「労働者」との間には、矛盾が生じる。
 実体として見ると、この矛盾が、労働債権問題での「労働基準法上の労働者」解釈に影響を及ぼしていると、言い得るのかもしれないし、実践的には、影響が及ぶよう運動化するということだろう。
(以下は、2003年6月6日衆議院法務委員会会議録からの抜粋である──海野)
○保坂(展)委員 確かに広がりつつあるんですが、広がりつつある部分が、広がったところと、まだ、よく見て、個々具体的にというか、裁判所任せというか、そういう部分で、それぞれ違った決められ方がされたりしているようでございます。
 内容に入っていきたいと思いますけれども、今まさに民事局長がおっしゃったこの労働債権の問題について、今回、商法の方に実はシフトをさせて広げたという問題について、私のもとにも、中小の工務店をやっておられる方とかあるいは労働組合からも、大変関心が強い、極めて強い。しかも、建設関係はもとよりですが、非正規雇用と言われるさまざまな形態の雇用が生まれてきて、そういったところからも関心が寄せられています。倒産が多いですから、この不況の中で働いている皆さんが、倒産や経営危機に陥ったときに、賃金が出ない、あるいは労働の対価としての、これは契約形態を問わず、実態として出てこないというのは、大変なピンチに立たされるわけです。
 そういう意味で、これまで、労働債権の先取特権は非常に不十分であって、実態として、労働債権として認めてもらうにも大変苦労しておられる。例えば一人親方、手間請ということで、労働力として現場に入る、そして仕事をしている、しかし屋号があったりしまして、個人事業主としての申告をしていたりするという場合もございますけれども、こういった場合には、今回の法改正によって、労働債権として認められる方向に動いたと見てよろしいんでしょうか。
○房村政府参考人 現在の民法の先取特権の保護の対象になるのは、雇用契約に基づく給料債権に限るというのが解釈でございましたので、おっしゃるような手間請従事者については、その保護を及ぼすということは解釈上無理だったわけでございます。
 ただ、今回の改正によりまして、その契約の形式ではなく、実態として債務者に対して労務を提供して生活を営んでいる者であるかどうか、こういう実態に着目した判断が可能となり、かつ、保護の範囲も、そういう雇用関係から生じた債権全般に及ぶということになりましたので、もちろん個別的な事案によることではございますが、保護の対象になり得るようにという改正でございます。
○保坂(展)委員 前回までの雇い人という、今、余りそういう言葉は使いませんけれども、使用人も余り使わないような気が、使われる方も一部いらっしゃいましたけれども、つまり、労働の対価としてどういう範囲があるかというところなんですが、例えば賃金、給料、報酬、委託料あるいは外注費等々の名称にかかわらず、労務提供の対価である債権であれば、それは労働債権と解していいのかどうか。
○房村政府参考人 御指摘のとおり、労務提供の対価としてのものは、名称のいかんにかかわらず、広く入ります。
○保坂(展)委員 民法が制定されたのは明治時代でございます。その明治にさかのぼるまでもなく、ここ20年あるいは10年に限定しても、随分と新しい働き方が出てきたのではないかというふうに思います。
 そういう意味で、法律が社会の実勢上の変化を追いかけていくのもなかなか大変だという時代に入ってきていると思いますが、一番端的な事例が、非正規雇用の労働者だというふうに思います。かつて、労働者といえば、企業との間で雇用契約を結んで働く正社員あるいは職員ということを指していましたけれども、最近では、形式上は雇用契約は結ばずに、請負契約、個人事業主だという形で働いていたり、あるいは外注委託契約の体裁をとって働いているタイプの労働者などが非常にふえてきているという状況があります。そういう意味では、労働者の概念、定義というものを社会の実勢を見て拡張していくことが必要なのではないかというふうに思います。
 現行法は雇い人の給料と書いているので、非常に狭い意味の狭義の労働者、つまり、雇用契約を結んで給料をもらって働く正社員しか、いわばそのフレームに入ってこないという欠陥があったのではないかということで、そこのところは、やはり、非正規のさまざまなタイプの労働者、例えば今、一人親方のことを言いましたけれども、屋号を持って個人事業主として働いているんだけれども実態は労務提供だというような人たちも含まれてくるんではないかというふうに思いますが、その点はいかがですか。
○房村政府参考人 御指摘のように、現在の民法の雇い人というものは、雇用契約に基づくということに、非常に狭く、限定的に解されていたということから、今回は、使用人あるいは雇用関係という一般的な呼び方をすることによりまして、その実質に着目して、法形式あるいは名称にかかわらず、実質的な雇用関係にあってその労務提供の対価として受ける者である、こういう者を広く保護の対象としたわけでございますので、御指摘のような者も、もちろん具体的事案にはよりますが、入り得るわけでございます。
(これを読むと、房村政府参考人は民法上の「使用人」の解釈として「指揮監督(命令)・使用従属関係・人的従属性は一切必要としない」とまでは言い切っていないのではないか? しかし、確かに、それらが必要だとは言っていないので、実践的には、運動方向としては、「言っていない」ことに着目、注目し、重視していくべきだろう──海野)
(古川氏の同論文に直接関係しているわけではないのですが、気になっている点を、差し支えない範囲で、以下に記述します)
○ 「労基研報告」の通達化、法律化
 「労基研報告」の通達化、法律化については、主として次の理由から不安を感じています。
 労働債権化の運動の過程で、「労基研報告」を前提にしながらも、労働者性、実体としての労働者との関係で、それを前進、発展させるようななかみ、世界を形成してきていることとの関係で、「労基研報告」の通達化、法律化は手枷足枷として機能しかねない。
 「労基研報告」は、総合して判断としながらも、労働者性は一定程度、指揮監督(命令)・使用従属関係等を含んでいるとの構造になっている。
○ 各種の非正規雇用を認める方向への法律の改変
 建設産業の重層下請構造をなくし、直接雇用にし、正規雇用の全体化をめざす立場から言えば、各種の非正規雇用を認める方向へ法律を改変し、法律を崩すことはやるべきではないと思います。労働者性の確立の課題でも、この点との整合性に注意すべきだと感じています。
 
更新日時:
2009/06/15
――――― シルバー人材センター関係での被災について ―――――
――――― シルバー人材センター関係での被災について ―――――
(海野)
 シルバー人材センターに会員として登録すると、会員となった高齢者は、シルバー人材センターの仕事をすることができる。その際、その仕事の過程で会員が被災した場合、会員に労災保険が適用されないという問題が現実に発生しているし、またネット上で検索すると、死亡事故を含めて多数の被災者が生じているとの情報が載っている。
 労基署、労働局、厚生労働省の見解は、「シルバー人材センターの仕事には、労働基準法が適用されない」「労災にならない」「シルバー人材センターの仕事について会員が得るお金は、労働の対価としての賃金ではない」「労働というよりボランティア的性格」「シルバー人材センターと会員との間には、雇用関係はない。従って、会員は労働基準法上の労働者ではない」ということだ、とのことである。
 「シルバー人材センターと会員との間には、雇用関係が成立していない。また、発注者と会員との間にも雇用関係は成立していない」ということのようだ。
 しかし、昭和56年(1981年)9月1日の労働省職業安定局失業対策部企画課長名の通達「シルバー人材センターの適正な事業運営の確保について」には、「発注者と会員との関係が実態的に雇用関係とみなされるような事例も発生」との記述が見られ、実態として雇用関係の成立があり得ることを認めている。
 また、ネット上には、「雇用関係を認め労災を適用した判例がある」「国の労働保険審査会で、実体として雇用関係を認めて労災を認定した例がある」との記述も見られる。
 シルバー人材センターについては、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」に規定されている。
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」第42条 シルバー人材センターは、前条第1項の指定に係る区域(以下「センターの指定区域」という。)において、次に掲げる業務を行うものとする。
1.臨時的かつ短期的な就業(雇用によるものを除く。)又はその他の軽易な業務に係る就業(雇用によるものを除く。)を希望する高年齢退職者のために、これらの就業の機会を確保し、及び組織的に提供すること。
(以下略)
 
@ 法改定の必要性。
A 現行法の下での運用、解釈の改善。
B シルバー人材センター会員の労働者性の追求。
C シルバー人材センターと会員との間の実体としての労働契約関係(雇用関係)の追求。
D シルバー人材センターの仕事の、実体としての「ボランティアではなく労働」の追求。
 などが必要だと感じる。 
 
更新日時:
2009/06/13
―――――――― 直轄事業の地方負担金廃止について ――――――――
―――――――― 直轄事業の地方負担金廃止について ――――――――
(海野)
 2009/6/11の『建設通信新聞』に、「直轄事業の地方負担金廃止」の問題が載っていた。
 同記事掲載の国交省の説明を前提とすると、ことはそう単純ではなく、ややこしい側面を持っていると、感じた。
 国交省の説明を、結論から言うと、「(直轄事業で地方が負担する費用のうち)維持管理分の地方負担を廃止すると、全体事業費が約9%減少する」「(直轄事業で地方が負担する費用)を全廃すると、全体事業費が約3割減少する」ということのようだ。
 言い換えると、地方負担金を廃止した場合の全体事業費の減少を、どこから補填するのか、という問題が発生する、ということのようだ。
 
更新日時:
2009/06/11

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Last updated: 2009/7/5