――――小説「白猫探偵事務所 殺人トリック研究会」――――
海野和夫
(1)妙な名前の探偵、白猫哲也は、JR水道橋駅からそう遠くない、古びたマンションの3階に狭い事務所を持ち、スタッフ2人プラス猫1匹と一緒に、探偵社としての経営をぎりぎりの状態で維持、再生産している。主観的には、大手探偵社の「覇権主義」に抗してよくがんばっているほうだなどと白猫哲也は思っている。なお、白猫哲也は本名ではなく、商号のようなものだ。
白猫探偵事務所のスタッフだが、1人は、推理小説、探偵小説、刑事小説、警官小説のようなもののマニアで、生命保険会社の営業畑を定年退職後、第2の人生を探偵稼業でということで勤め始めた、63歳の男性、雨宮昭夫。
もう1人は、小説家志望の24歳の女性、朝霧美涼。母が日本人、父が米国白人ということで、白い細面、白い肌の長身は、モデルのようだとよく言われる、と本人は言っている。
1匹は、白猫のシロちゃん。頭と尻尾だけが黒色で、あとは全部白色の毛のシロちゃんは、野良猫だったのを、マンションの3階までよくエサを貰いに来るので白猫探偵事務所のペットにしたのだが、シロちゃん自身は、スタッフの「1人」と思っているようだ。
マスメディアが報じているように、結婚詐欺容疑で逮捕された女性の周辺男性の連続不審死や元スナックホステスの女性の交際男性の連続不審死など、従来警察が事件性はなく事故、自殺、失踪として処理してきたものの中に相当な数の殺人事件が存在する可能性が急浮上しているような世間の状況を反映して、そのような家族の不審死について探偵社に調査を依頼するクライアントがだいぶ増えてきている。
そうしたクライアントの依頼への対応力を強めるために、白猫哲也はスタッフの雨宮昭夫、朝霧美涼、そして白猫シロ? を集めて、殺人トリック研究会というと大袈裟だが、そのような勉強会を、おこなうことにした。
3人とも嫌煙権を主張し喫煙権を認めておらず、従って店内全面禁煙の喫茶店にしか入らないので、禁煙でかつ長居しても大丈夫そうなスターバックスのお店を勉強会の場とした関係で、シロちゃんには自主的に? 事務所の留守番をしてもらうことになった。
勉強会の殺人トリック研究は、マスメディアの報道によると元スナックホステスの女性の交際男性6人の連続不審死の中の一つである「警官の山中での首吊り自殺」の事例から、始まった。
テレビ、新聞の報道に基づくと、白猫哲也の記憶に間違いがなければ、最初警察は交番内での首吊り自殺としていたのを山中での首吊り自殺と変更したとのことであり、これだけでも妙な話なのだが、警察が自殺と判断したのは、遺書があるということと雪が積もっていた山中に首を吊った警官の靴跡だけが残されていたことが根拠だと、そういうことのようだ。
人権保護に基づきこの女性を犯人と決めつけないということを前提に、あくまでも仮定の話として、殺人事件だと仮定した場合、どのようなトリック、マジックが考えられるか? お互いに考えて、仮説を発表し合おうと、白猫哲也は提案する。
(2)朝霧美涼の仮説。
遺書はにせもの。
女性(A子)は交際男性のB氏を、山歩きに誘う。B氏は警官。
途中まで一緒に歩いていき、殺害現場の近くまで来たとき、計画通り「あしを捻挫したのかしら、痛いわ、少し負ぶって」と甘えるA子を、体力のある警官のB氏は楽々と背負って山歩きを続行する。
首吊りに適した木のところまで来たとき、同様に予定通り「ここで少し休みましょう」とA子は言い、そこで睡眠導入剤と風邪薬の両方が入っているコーヒーをB氏に飲ませて眠らせてから絞殺し、用意してきたロープを使って首をくくったかっこうでB氏のbodyを木から吊り下げ、首吊り自殺に偽装した殺人を遂行する。
その後、積もっている雪を利用し、自分の靴跡を雪でおおうことで靴跡を消しながら殺害現場を離れるというトリックで、首吊り自殺に偽装した殺人を完成した。
警察の捜査員が来たとき、現場の付近に残っているのは、B氏の靴跡と遺書だけ、ということになる。
次は、雨宮昭夫の立てた仮説。
遺書はにせもの。
A子は交際男性のB氏(警官)を、山歩きに誘う。出発点の設定は、朝霧美涼の仮説と同じだ。
殺害予定現場の首吊りに適した木の近くまでは一緒に歩いていき、そこでA子は休憩を提案し、睡眠導入剤と風邪薬の両方が入っているコーヒーをB氏に飲ませて眠らせる。
B氏の足から靴を取り、A子はB氏の靴をはき、大柄で力のある女性なので男性のbodyを背負って、首吊りに適した木まで歩いていき、用意してきたロープを使って首をくくったかっこうでB氏のbodyをその木から吊り下げ、首吊り自殺に偽装した殺人を遂行する。
その後、積もっている雪を利用し、自分の靴跡を雪でおおうことで靴跡を消しながら殺害現場を離れるというトリックの使用は、朝霧美涼の仮説と同様だ。
警察の捜査員が現場に来たとき、付近に残っているのは、B氏の靴跡と遺書だけ、ということになる。
(3)白猫哲也探偵の推理。
雨宮昭夫や朝霧美涼の推理がA子の単独犯に傾いているので、共犯の存在を前提に白猫哲也は仮説を考えてみた。
この仮説、現実的可能性と空想的可能性の中間にあるような危うい仮説にとどまっていると白猫哲也自身も感じているが、以下のようなものだ。
A子の別の交際男性C氏が、B氏殺害の共犯者。
A子は猫撫で声でC氏を誘い込み、首吊り自殺に偽装してB氏を殺すことをC氏に実行させたのだ。
C氏は、殺害現場の首吊りに適した木のところに、どのような口実だったのかはわからないが、そこにB氏を呼び出して、会う。
睡眠導入剤と風邪薬の両方が入っているコーヒーをB氏に飲ませて眠らせてから絞殺し、用意してきたロープを使って首をくくったかっこうでB氏のbodyを木から吊り下げ、首吊り自殺に偽装した殺人を遂行する。
C氏は殺害現場にとどまり、一定の時間を置いてから、第一発見者を装い、携帯電話で警察に通報する。
警察の捜査員が現場に来たとき、付近に残されているのは、B氏の靴跡と遺書、それに「第一発見者」のC氏の靴跡だけだ。
C氏のアリバイについては、A子が「一緒にいました」と証言することで、成立させる。
遺書もあるし、警察は事件性がないと判断し、解剖等はおこなわれず、首吊り自殺として処理される。
(4)新聞記者の不審死。
気持ちのいい、店内全面禁煙の喫茶店での殺人トリック勉強会で白猫哲也探偵が次に取り上げたのは、やはり元スナックホステスの女性の交際男性6人の連続不審死の一つで、新聞社の男性記者の轢死だ。
マスメディアの報道に基づくと、男性記者は段ボール箱に入った状態で列車にひかれていて、遺書があり、警察は自殺として処理したという。遺書は段ボール箱に書かれていたとの報道もある。
また、不審死する前、周囲から多額の借金を男性記者はしていたという。
人権を大事にし、この女性を犯人と決めつけないということを前提に、どこまでも仮定の話として、自殺ではなく殺人と仮定した場合、どのようなトリック、フェイクが考えられるか?
なお、男性記者の不審死については、警官の不審死のときのように遺書を単純ににせものとすることはせず、男性記者本人が書いたものということを前提に、仮説を考える。白猫哲也はそう提案した。
元スナックホステスの女性をA子とし、轢死の男性記者をD氏とする。
睡眠導入剤と風邪薬の両方を入れた飲み物を飲ませて眠らせた上で段ボール箱の中にD氏を入れ、線路に置き、その結果、段ボール箱に入った状態でD氏は列車にひかれ、死亡した、と考える点では、当然なのだが、3人は同じで、問題は、課題は、段ボール箱に書かれていたという遺書について本人自身が直接書いたものだということを前提にしているので、それをどう説明、解明して、自殺に偽装した殺人として成立させるかだ。
朝霧美涼が仮説を述べる。長居しているので、2杯目のカフェラテを頼んだ美涼は、長細くて白い指でそれを、ローズの口紅の華やかな口唇に運びながら、彼女の考えを述べる。
A子は住んでいるアパートに、交際中の男性D氏を招き入れる。部屋には既に、段ボール2箱が用意されている。
A子はD氏に、困難を乗り越えて交際を続けることを誓わせた上で、「これはもちろんジョークだけれど、困難を乗り越えられないで交際を続けられなくなったら2人で心中しましょう、ジョークだけど、そのときどういう遺書を書くのか、ちょうど段ボールがあるからこの箱に書いてみようよ」と媚もあるし毒もある甘え声で持ちかける。
事件も扱っている新聞記者のD氏は少し警戒したが、ジョークと言っているし、紙ではなく段ボール箱に書くというのは確かにジョークのようだし、問題ないだろうと思い、2箱のうちの1箱に「A子と一緒で幸せだった……幸福のうちに死にます」云々と書いたのだった。A子も別の1箱に「遺書」を書いた。
雨宮昭夫の推理は、美涼の考えと多少似ているところもあるが、次のようなものだ。
A子とD氏の間に金銭トラブルが発生していて、男性記者は元スナックホステスにカネの返済を迫り、逆にA子はD氏にカネを返すどころかもっとカネを渡すように要求し、もっとカネをくれないのであれば2人の交際の秘密を記者の家族や新聞社に知らせると脅迫していた。
家族や新聞社に知られたくなかった男性記者は、女性にカネを渡すために周囲から多額の借金を重ねていたが、A子の過大な要求に新聞記者はなかなか追い付き、対応することができなかった。
A子は、段ボールでいいからそこにカネを渡せないことについての謝罪の文書を書くようにD氏に要求し、書かないのであれば2人の交際の秘密を記者の家族や新聞社に知らせるとおどして、遺書とも受け取れるような謝罪文を箱に書かせることに成功した。
(5)新聞記者不審死についての白猫哲也探偵の推理。
雨宮昭夫と朝霧美涼の推理が元スナックホステスの女性の単独犯の方向へ傾いているので、白猫哲也は逆に共犯の男性の存在を前提に、事件を組み立ててみた。
長居していてお店に悪いと思い、飲みたいわけでは全くない2杯目のコーヒーを貰ってきてから仮説を述べる、真面目で人が好い白猫哲也は、気の弱い小心者だと自分のことを捉えていたし、また人からお人よしと言われていることも知っていた。
共犯の男性をE氏とする。いまは何でも屋で稼いでいるE氏だが、直接行動派であり暴力的で、その種の世界の稼業をしていた過去もある。E氏は、元スナックホステスの女性A子の交際男性の1人だ。
A子は、新聞社の男性記者D氏を、ホテルに連れ込む。2人のいるホテルの部屋に、A子から頼まれ、教えられたとおりE氏は入り、殺傷性の高いダガーナイフをちらつかせながらD氏をおどす。A子に頼まれての演技だが、その種の稼業の中で実践していたことがあるだけに、凄みがある。
何でも屋E氏「こんなところでA子と何をしているんだ。A子は私の内縁の妻だ」
新聞記者D氏「A子さんについては独り身だとばかり思っていました、申し訳ありません」
E氏「申し訳ありませんで済めば、世の中、法律も警察も裁判所も必要ないだろ」
D氏「どうすればいいですか?」
E氏「指を切って差し出せと言いたいところだが、かたぎのあんたにそれを言っても酷な話なので、詫び状を入れてくれ」
D氏「わかりました」
E氏「ちょうどここに段ボールがある。この非道を、あんたが決して忘れることがないように、声を出して大きな字でこの箱に詫び状を書いてみろ」
凶器に変じ得るダガーナイフを見せながら、A子が事前に部屋に運び入れておいた段ボールに、遺書と解釈することも可能な文言、それは事前にA子がE氏に教えた文言だが、そうした文言の詫び状を新聞記者に、強制的に、半ば暴力的に書かせるE氏。
「記者さん、これでいいや、私は根は優しい男だからな、これでいいよ」とA子から教えられた演技を続けるE氏は「もう一つだけ頼みがある。仲直りに一緒に一杯やってくれ、飲み屋に行こう」と刃物をちらつかせながら、これも半ば暴力的に一緒に行くことをD氏に強制し、外に連れ出し、E氏の車に乗せる。A子が一緒に乗った。
車中で、A子は言葉巧みに誘導してD氏に睡眠導入剤と風邪薬の両方を入れた飲み物を飲ませて眠らせる。
事前に調べておいてわかっている、線路の近くの暗がりに車をとめ、遺書とも受け取ることができるような文言の「詫び状」の書かれている段ボール箱に入った状態でD氏のbodyを線路に置き、列車に轢かせることで殺害する。
(6)英国人女性がdead bodyで見つかった事件。
お店に迷惑をかけないように、またお店に嫌われたくないので、勉強会で長居している3人はそれぞれ好きな飲み物を、好きなものといってももう飲みたくはないのだけれど、3杯目の飲み物を貰ってきてから、3番目の事例として英国人女性がdead bodyで発見された事件を対象として、考えてみることにする、極めて慎重に。
dead bodyで発見された英国人女性をFさん、死体遺棄容疑で逮捕された日本人男性をG氏とする。
マスメディアの報道を見ると、英国人女性が他殺体で発見された事件で死体遺棄容疑で日本人男性が逮捕された、と報じているところがあるが、他殺体、他殺というのはあくまでも警察の発表、警察の判断ということなのだろうし、裁判で確定している事実ではないので、他殺体ではなく死体、dead bodyと表現するのがより正しいのではないかと、白猫哲也探偵が自説を述べる。
同様にマスメディアの報道を見ていると、中でも、テレビに頻繁に出てくるコメンテイターと称される人たちの一部が容疑者を犯人と決めつけるような評論を展開する傾向にあるのが気になる、と白猫哲也は言い、近代刑法の基本原則である「容疑者は無罪と推定する」「疑わしきは罰せず」を、私たちは軽視すべきではないし、それを前提に仮説を考えてみよう、と彼は提案する。
3杯目の飲み物として貰ってきたキャラメルカプチーノをローズの口唇に運ぶ朝霧美涼の長細い指の形のいい爪には、パープルのマニキュアが塗られている。
彼女は、マスメディアの報道が言う死体遺棄容疑で逮捕されたG氏の「切れやすい性格」「働いていた建設会社で同僚とケンカになったとき、止めに入った他の同僚から『おまえは体格がいいのだから、殴ったりすると相手を死なせてしまうかもしれないぞ』と注意されて、泣き崩れた、あるいは大泣きした」を前提にして、また「英国人女性は絞殺されていた」との報道を前提にして、それらが実体を反映した報道だとすれば、あくまでもそう仮定すればの話だけれどと、次のように考えを述べた。
計画的殺人ではなく、原因、理由はわからないけれど、切れるようなことが発生して切れてしまい、身長180センチの体力のある男性が首を絞めたのだから、結果として絞殺ということになったのではないか。強固な殺意の存在を断言するつもりはないけれど、おそらく強力に首を絞めたのだろうから殺意がなかったというような抗弁は通用しにくいのではないか。
次は雨宮昭夫の考え。
G氏について「女装趣味があった」「男性と一緒にラブホテルに入っていくところを目撃されている」というような一部マスメディアの報道が実体を反映していると仮定すれば、その種の「友だち」がG氏の部屋を訪れたとき英国人女性Fさんが部屋にいるのとかちあい、Fさんに嫉妬して殺害に至った可能性もゼロとはいえない。現実的可能性とは言えずほとんど空想的可能性だけどね、と雨宮昭夫は慎重で控え目だった。
似たような思いつきだけれど、G氏に交際女性がいて、G氏の部屋を訪れたとき英国人女性Fさんが部屋にいるのとかちあい、その女性が切れやすく暴力的で実力行使派で体力があると仮定すれば、Fさんに嫉妬しての絞殺という可能性もゼロとは言えない、とこれも雨宮昭夫。逮捕後のG氏が黙秘を続けているのは、その女性を守るためかもしれない、と雨宮は付け加える。
空想的可能性ということであれば、マスメディアの報道に基づくと、建設会社でとても真面目に働くことができる青年としての側面を持つG氏がこのような行為を犯すに至るには、そこに多少の「正当防衛」的側面がなかったのかどうか? とこれは、白猫哲也の発言。
(7)結婚詐欺容疑で逮捕された女性の周辺男性の連続不審死の一つである、レンタカー内での練炭使用の結果と思われる男性の死亡については、女性をH子、男性をI氏とする。
不審死と警察が見ているのは、「I氏が死亡していたレンタカー内に七輪があり、それはH子が事前に購入していた七輪と同種のものだった」「レンタカー内にマッチの燃えかすはあったが、マッチ箱は見つかっていない」「I氏の手に練炭に触れることによる汚れが付いていなかった」「レンタカー内にレンタカーのキーがない」「レンタカーに同乗していた、または運転していたと思われるH子の指紋がレンタカーに残っていない」「I氏の体内から睡眠導入剤が検出され、その睡眠導入剤はH子が持っているものと同じだった」というような根拠に基づいているようだ、と白猫哲也が説明する。
「『練炭に触れることによる手の汚れ』というのは、練炭のすすが付く、付着するということを言っているのかしら、それがI氏の手に付着していなかった」と朝霧美涼が聞く。
「そうだね、テレビでは、練炭のすすが付いていなかったと言っていたような気がする」と白猫哲也。
自白はしないが、結婚詐欺容疑で逮捕された女性H子による自殺に偽装した殺人と見るのが自然、当然、必然だとする雨宮昭夫は次のように続ける。「これだけの連続不審死だから、人殺しを認めれば間違いなく死刑になるわけで、自白はしないですよ。死刑にならないケースと死刑になるケースでは、根本的に違う。自白すれば死刑というケースで自白を引き出すのは、困難を極める。人間の防衛本能のあらわれ、個体生存闘争です。利己主義に否定的なcommunismの創始者の1人と言われているフリードリヒ・エンゲルスも、個体生存闘争の存在については認識していましたからね、確か記憶によると『家族、私有財産及び国家の起源』という著作の中で個体生存闘争の存在を記述している、記憶違いの可能性もありますけどね、そのぐらい、人間の防衛本能、個体生存闘争は、明瞭で強力ということかな」
自殺だと仮定すれば、どういうことが考えられるか、と話す朝霧美涼の声はややハスキーだ。彼女は次のように言う。
「I氏が死亡していたレンタカー内に七輪があり、それはH子が事前に購入していた七輪と同種のものだった」という点について言えば、H子はI氏に、2人の交際が破綻したようなときは自殺しよう、または心中しようと思って練炭と七輪を持ってきた、というようなことを甘え声で言い、レンタカー内の練炭と七輪の存在をI氏の認識にしておく。I氏を自殺へと誘導したということは言えるのかもしれない。
「レンタカー内にマッチの燃えかすはあったが、マッチ箱は見つかっていない」についてだけれど、H子から別れ話を突き付けられ自殺を決意したI氏はマッチを使用したあと、一旦車外に出て、どこかにマッチ箱を捨てた。自殺をH子による殺人に偽装してH子に復讐しようとしたのかもしれない。
「I氏の手に練炭に触れることによる汚れが付いていなかった」は、同様に一旦車外に出て手を洗った、または手袋を使用し、一旦車外に出てどこかに手袋を捨てた。
「レンタカー内にレンタカーのキーがない」も同様に一旦車外に出て、どこかにキーを捨てた、または別れ話を突き付けたあとキーはH子が持っていってしまった。
「レンタカーに同乗していた、または運転していたH子の指紋がレンタカーに残っていない」はH子が手袋を使用していただけのこと。
「I氏の体内から睡眠導入剤が検出され、その睡眠導入剤はH子が持っているのと同じものだった」については、練炭や七輪と同様にH子がI氏に、2人の交際が破綻したようなときは自殺しよう、または心中しようと思って持ってきた、というようなことを甘え声で言い、レンタカー内に置き、睡眠導入剤の存在をI氏の認識にしておく。
マスメディアは、H子が本気でつきあっていた男性の存在を報じ、結婚詐欺でだましとったカネをその男性に貢いでいた可能性があるとしているが、そのような交際男性の存在を前提にすれば、不審死についてはその男性の犯行だったという可能性もゼロとは言えず、排除できないのではないかと、これは白猫哲也の発言。
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