REPORTAGE


 1    DINO SALUZZI TRIO Le25 Juin.2004(THEATRE DE CHATELET)
 

アルバム「Responsorium」と同メンバーによる待望のコンサート。
初めて生で聴くこともあって、期待に大きく鼻をふくらませていた青猫でありますが・・・。
 
D.SALUZZIは文句なしに素晴らしかった。
年季が入って味わいのある音色。弱音でも線が細ることなく、強音では逆に繊細さを増すフレージング。
バンドネオンの特色を最大限に活かしたインプロに、自在なコードバッキング。
どれを取っても一級品で、「バンドネオンの怪人」と異名を取るのも全くうなづける話です。
 
ただ悲しいかな、当日はあまりにも客が少なすぎました。
いえ、会場が大きすぎたと申すべきでしょうか。
2000人は収容できるであろう所でその半分も埋まっていないとあっては、おのずと会場の雰囲気も盛り上がらないというものです。
ただでさえ、お祭り騒ぎが好きで落ち着きのないフランス人のこと、別の意味でつかみどころのない静か過ぎる演奏に拳を煮やしてか、
途中で席を立ってしまう姿もチラホラ。
おまけにボソボソ喋るD.SALUZZIのMCはほとんど聞き取れず、ステージと客席のコミュニケーションは終始ギクシャクとしたものでした。カーテンコールではさすがに息子のJose Mariaも ゛やってらんねぇ " 的オーラを発し、
ベースのP.DANIELSSONにいたっては、舞台裏に引っ込んだまま戻ってこないという始末。
そんな中、D.SALUZZIは嬉しそうにお辞儀をし、満足げな表情で拍手に答えておりました。
 
きっとこの人には客が少ないとか、ノリが悪いとかは関係のない事なのでしょう。
アンコールの一番最後に弾いた極上のバンドネオン・ソロが、充分にそのことを物語っていました。
そんな彼の姿を目のあたりにして、真の ゛ ミュージシャン魂 " というものを感じ取ったのであります。

 2    EDDY LOUISS & RICHARD GALLIANO Le13 Jan.2004 (Le Petit journal Montparnasse)
 

―――ハモンド・オルガン+アコーディオン―――この一風変わったユニットのCDは数年前に出されていますが、
まだ一度も生では聴いたことがありませんでした。
音質が似かよっていて、しかもお互いにコード楽器という組み合わせはかなり微妙で、普通ならぶつかってしまうのでしょうけれども、
この2人にはそんな心配は要らないようです。
 
始まる前からガリアーノは客席にまぎれて一杯やっており、ステージもリラックスしたムードでスタート。
肩の力が抜けたセッション的な演奏も、「ピアソラ・フォーエバー」の時のような手に汗握る緊張感とは違った意味で良いものです。
思い思いの尺でソロを取り、イタズラっぽくテーマのフレージングを変えてみたり、遊びゴコロに溢れ、当の本人達も実に楽しそうです。
 
ただ、ライブの進行の方も極めて「ジャズ」的で、1回目の休憩が入った時点ですでに真夜中近く。
平日の夜だったこともあって、最後までステージを見届けることはできませんでした。
きっと2ステージ、3ステージ、そしてアンコールへとさらに演奏のボルテージも上がって行くのでしょうけど・・・。
 
ちなみにこのライブ・レストランで今回初めて食事をしてみましたが、料理の方はあまりイケてなかったなぁ。

 3    RICHARD GALLIANO SEPTET Le19 Oct.2003 (THEATRE DES CHAMPS−ELYSEES)
 
ガリアーノ恐るべし。
前もってラジオや駅のポスターで大々的に宣伝がなされていたとはいえ、
フランスでも屈指の大劇場を満員にしてしまうのですから。
人気の高いピアソラを取り上げ、バックのミュージシャンも特にヴァイオリンや
チェロはクラシック界の若手トップを起用するなど、話題性も充分にあったのでしょう。
昨年あたりから体調不良だった事など微塵も感じさせないほど演奏内容も充実し、
立派な太鼓腹ともども見事ここに復活となったようです。
前回6月にあったライブと曲目に大きな違いはありませんが、
アコーディナとアコーディオンの両方を使ったはじめて耳にする曲もあり、
また客席から「アディオス・ノニーノ!!」と声がかかるとソロで1コーラス、
ラストには「マルゴー」をこれまたソロで1コーラスという嬉しいおまけも付いてきました。アンコールに応えること3回、心ゆくまでガリアーノのピアソラを堪能できた夜でありました。
 
1.ブエノスアイレスの秋(アコーディオン)     10.リベルタンゴ(アコーディオン)
2.ブエノスアイレスの冬(   〃    )     11.アディオス・ノニーノ〜ローラとアストル(  〃  )
3・スール:甦る愛    (   〃    )      12.鮫(  〃  )
4.バンドネオン・コンチェルト:第一楽章      13.曲名不明(アコーディナ〜アコーディオン) 
5.バンドネオン・コンチェルト:第二楽章      14.ブエノスアイレスの春(アコーディオン)
6.バンドネオン・コンチェルト:第三楽章      15.アンコール ブエノスアイレスの夏(  〃  )
7.天使のミロンガ(バンドネオン)          16.アンコール オブリヴィオン(アコーディナ)
8.ミケランジェロ’70(  〃  )          17.アンコール マルゴーへのワルツ〜オパールコンチェルト第三楽章
9.曲名不明(チェロ、ピアノのデュオ)                 (アコーディオン)
 
 
 
 

 4    RICHARD GALLIANO SEPTET Le18 juin.2003 (Le Petit Journal Montparnasse)
 

ニューアルバム「PIAZZOLLA FOREVER」をひっさげて、ガリアーノ、久々にパリでのライブです。
何でもウワサによるとヘルニアを患い、地方でのライブもいくつかキャンセルになったそうですが、当日はいつもと変わらぬ様子で登場し、しかも立奏するというのですから、その心意気はご立派!
ミュージシャンたるもの、腸がハミ出しステージで倒れるなら本望でしょう。
まずは「ブエノスアイレスの秋」でスタート。
始まって何小節もしない内に、おや、間違えた!?まぁ、普段から結構ミスはするから…カッコ良いから気にしない!
あらら、今度は完全に落ちちゃった…だ、大丈夫??どうもイマイチ調子が出ないみたい。
続く「ブエノスアイレスの冬」を何となく終えた所で楽器を持ち替え、「バンドネオンコンチェルト」を第一楽章から。
ここで調子を取り戻したのか、やっといつもの゛熱い"ガリアーノの姿を見る事が出来ました。
ただこの編成では、当然カッチリ弾くことになってしまい、アコーディオン・ソロの「リベル・タンゴ」を聴いても明らかなように、
インプロで暴れまくる方が、やはり本領を発揮しますよね。
この日はニューアルバムに収録されている全曲を披露してくれましたが、おまけで「オブリヴィオン」と
自作の「オパール・コンチェルト」の第三楽章も付いてきました。
アコーディナバージョンのオブリヴィオンは特にカッコ良く、思わず腸が出て、いや、タメ息が出てしまいましたよ。



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