青猫文明講座〜アコーディナ編〜
   誰もがみんな昔は持っていた、鍵盤ハーモニカ。
   フランスにはその鍵盤がピアノ式ではなくボタン式の「アコーディナ」という楽器が存在します。
   ただ生産されていなかった時期もあって、数が少なく大変珍しい楽器でもあります。
   未だに明らかでない事実も残されていますが、
   ここではその「アコーディナ」を取上げてみたいと思います。



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 1   歴史
A.BORELなる人物の製作した゛ACCORDINA"は1950年頃に、楽器店及び楽譜出版社
゛PAUL BEUSCHER"のブランドを付けて販売されることになります。
ボタン式アコーディオンと同じシステムの鍵盤を採用することによって、ピアノ式よりコンパクトでしかも広い音域を可能にした全く新しい楽器として登場しました。
しかし折しも時代はロックなど大量発信される音楽が続々と台頭する中、大きな注目を集めることの
ないまま、いつの間にかアコーディナは姿を消してしまいます。
正確な生産台数と年数は分かりませんが、’70年頃の雑誌に広告が見受けられることから、
20年間は生産されていたようです。
それからはしばらく忘れられた存在となっていたアコーディナが復活するのは’90年代以降のことで、
現在は楽器店 LA BOITE D’ACCORDEON から木製ボディーの新しく生まれ変わったモデルと、
MARCEL DREUX という製作者による A.BOREL の復刻版モデル(写真下)が、受注生産の形で少数ながら送り出されています。


 2   構造
オリジナルモデルのボディーはスチール製。
楽器、製作者名の「ACCORDINA A.BOREL」、
楽器店名とその住所「PAUL BEUSCHER
27,BOULVARD BEAUMARCHAIS・PARIS 4e」、
それとロット番号の刻印がしてあります。
ボタン(キー)はプラスチック、指盤は木製です。
シングルリードの吹音のみ、音域はD3〜A7の44音。
ボタンの配列は、イタリアシステムのアコーディオンと同様、第一列目(外側)から二列目、三列目(内側)へと向かって音階が上行し、Cグリフです。
ベルギーシステムの配列や、BまたはGグリフがあるのかは現物を確認していないので
わかりませんが、構造上は不可能な事ではないと思います。
側板はバネで可動し、空気(音)の抜け道を広げたり狭めたりすることによって、
ビブラートや音質に変化を与える役目を果たしています。
’59年頃までに生産されたものと、それ以降生産が中止されるまでのとでは、マウスピースの形状に
違いが見られます。前期モデルはボディーと同じスチール製、三角の形をしたマウスピース
(写真右上)ですが、後期モデルは先端がプラスチックの細長い形に変更されています。



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