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「もも」ハハのひとりごと


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31   不思議な出来事
更新日時:
H15年10月25日(土)
散歩好きな「もも」が、歩くのを嫌がった。
でも外の空気がひんやりして
気持ちよかったので
抱っこしていつもの散歩道を歩く。
 
いつもの角を曲がると
いつもの動物病院の光が見えて・・・
「もも」が降りたがる仕草をしたので
降ろしてやると
スタスタと動物病院の扉に向かって
歩き始めた。
扉越しに先生や看護婦さんの姿。
手招きされると、不思議なことに
抵抗もなく入っていく。
いつもは絶対イヤな場所。
先生が冗談で聴診器をおなかに当てると
かなり激しくおなかがなっていた。
「ももちゃん、おなかが痛いから
自分で病院に来たんだね」と先生。
そんなことってあるのだろうか?
 
信頼できる専門家に話をしたところ
「痛みを和らげてくれる場所」というキーワードで
「もも」の記憶の中に
獣医さんが登録されているのだろう。
不思議なコトじゃないよ。
と教えられた。
手術の痛い思い出や
ホテルに預けられた寂しい思い出
だけじゃない場所に
動物病院が位置していたなんて。
 
想像以上に、「もも」の小さな頭の中には
たくさんのメモリがあって
私なんかより
ずっと合理的な考え方しちゃってたりして・・
 
 

32   記憶の波に
更新日時:
H15年10月2日(木)
記憶の波に押しつぶされそうに
なってしまいそうなとき
なるべく頭を低くして
誰にもすれ違わないように努力したり
物事を考えないようにしてみたり
端切れを寄せ集めてなにか作ったり
家にこもることが多くなります。
そんなハハの動揺は
当然、「もも」にも伝わって
夜中の巡回が始まります。
私が目をつぶって眠っているかどうか
確かめるように
1時間おきに顔をのぞき込む。
眠っていないと、瞼の上をなめたり
頬を前足でさわってみたり。
 
イヌにも感情があり
イヌにも愛情がある
そんなことを感じる瞬間でもあります。
 

33   感覚世界が違う生き物
更新日時:
H15年9月12日(金)
尊敬しているセンパイから、
人間以外の生き物は
「感覚世界が違う」ということを理解して、
畏敬の念をもって接するべきだと
教えられました。
「もも」の行為、
そのほとんどを自分の尺度に当てはめて
一喜一憂している私にとって
「目から鱗」の言葉でした。
 
コンラート・ローレンツの
「人 イヌにあう」を読み返してみると
「もも」と暮らし始めた頃の
気持ちが蘇ってくるようです。
 
お互いの個性を認めた上で
柴犬「もも」の幸せな暮らしを
どのように実現するか。
 
「環境エンリッチメント」という
言葉があります。
「動物福祉の立場から、飼育動物の
幸福な暮らしを実現するための
具体的な方策」という意味です。
 
この秋は、動物心理学の本を紐解いて
「幸福な暮らし」について
考えてみようかなと思う夜でした。
 
 

34   この町が好き
更新日時:
H15年8月30日(土)
東京から湘南に引っ越して1年あまり。
海の側に住みたかったのは
生まれた場所が
恋しかったのかもしれません。
 
あの頃に戻れるわけではないけれど
両親の愛情に守られていた日々を
懐かしく感じる年になったのでしょう。
 
最初は手探りで始まった暮らしも
「もも」に連れられて町を歩くうちに
たくさんのお友達ができました。
 
「もも」の具合が悪いときには
「いけないね、早くよくならないとね」と
声をかけてもらったり。
 
「もも」の好きなお米屋さん
「もも」の好きな八百屋さん
「もも」の好きな豆腐屋さん
「もも」の好きな魚屋さん
「もも」の好きなパン屋さん
 
「もも」としか会話できなかった・・・
他人を恐れる日々は過ぎ去り
今は、ヒトらしく
ほんの少しの笑顔と共に
挨拶ができるようになりました。
 
一歩、一歩
「もも」の小さな歩幅にあわせて
私の時も
刻まれていく
ふたりで歩くこの町が
大好きです。
 

35   ペット可住宅
更新日時:
H15年8月22日(金)
「もも」が暮らしているのは
ペット可マンションです。
ご近所サンに迷惑をかけない
常識的な判断を求められる程度の
規約しかありません。
そのため、どこまでが許容範囲か
不透明です。
ワン!ならよくて
ワン・ワン・ワン!なら
NGになる日がいつかくるかもしれない。
イヤなことをイヤだと感じて
「もも」が吠えたときに
周りの人はどう思うか。
 
かつて「もも」と暮らしていた
マンションの上の階の住人は
一晩中、同じ歌を大きな音で流す女性でした。
不眠症になったハハは管理会社を
通じて改善を求めましたが
一度も聞き入れられたことは
ありませんでした。
 
そのあとに引っ越した先では
ミニチュアダックスと生活している
若いご夫婦が上の階でしたが
一晩中お留守番させることが
しばしばで、夜中に寂しがる
声が聞こえてきました。
 
カーテンを防音仕様にかえて
内扉にも防音シートを貼って
外からの音を遮りつつ
「もも」の声も外に漏れないよう
工夫していますが
早く「もも」のご機嫌が治ってくれることを
祈る週末の夜でした。