自然を愛して、本物の自然を求めて、旅をしたい。
今年の桜探訪は、ゴールデンウィークの前半を利用して、岐阜県の三大桜の一つである飛騨高山のさらに奥にある「臥龍桜」と「荘川桜」を訪ねる。
「臥龍桜」は、江戸彼岸桜で樹齢1000年の古木で、咲いている様が龍が臥せている姿に似ているので、その名がついている。ちょうど満開で、1000年の古木は充分に心を癒し、眼を堪能させてくれた。非常に大きな幹周りと大きく羽ばたいている沢山の枝。誇らしげに咲き誇っている桜の花、花、、、。樹齢そのものを充分感じさせる偉大な風貌をした大きな古木であった。
一方「荘川桜」は、御母衣ダムを造る時、湖底に埋まる所、地元の皆さんの熱意により移植され、奇跡的に生き長らえた樹齢450年の二本の桜である。まさに、移植に耐えダム湖畔でじっと自然の厳しさに耐え抜いてきたという、自信に満ちた威風を放っていた。しかし花の方は、ようやく一輪咲き始めた頃で、満開には一週間ほど早く、ちょっと残念な思いをした。
今回の旅のもう一つの目的は、日本の誇る世界文化遺産の一つである白川郷を訪ね、合掌造りの宿に泊まる事であった。
最初に白川郷の部落が目に入ったのは、山あいをドライブしている時で、まだ芽吹いて間もない樹木の合い間から、突然現れた合掌造りの家並みは圧巻で、想像以上の素晴らしい光景で一瞬メルヘンの世界に飛び込んだ思いであった。100軒ほどの部落であるが、殆ど全ての家があの茅葺の合掌造りの屋根であった。2時間ほどで部落全体を一回りできる小さな部落である。冬の大雪と生活の糧養蚕、そして大家族制を支えるのに適した合掌造りの家。まさに生活の知恵、その地方の生活慣習から生まれた文化遺産そのものであった。大事に後世まで残し、伝えていきたいもの。現在は、部落は観光客相手に、民宿とお土産屋、そして茶屋などで生計を立てている。
その日の宿は、部落の外れではあるが、憧れの合掌造りの民宿であった。女将に気持ちよく迎え入れられ、家族的な雰囲気の中、一番風呂に入り、囲炉裏のある部屋で色々な話を聞きながら、山菜中心の暖かい夕食を頂いた。
宿泊した翌日は、合掌造りの屋根の吹き替えの日であった。合掌造りの中でも大きな家で、50年に一度の葺き替えでめったにその機会に遭遇できないと、女将の説明があった。そしてその維持には大変お金がかかり、文化遺産に指定されても、補助金だけではとても足りないとも話していた。
それに立ち会えたのはラッキーだった。部落の人々とボランティアの方々が、朝早くから集合し、その数500名ほどで一日で屋根の片側を葺き替える。屋根には300名以上の人達が上がり、それぞれが屋根の葺き替えの役割を果たしていた。その光景はまさに壮観であった。青い眼も混じった沢山のカメラマンや、NHKの取材班が良い場所に陣取って活気に溢れていた。(後日NHKスペシャルにて放映)
その日は快晴で、後方にはまだ白く雪を抱いている白山山系を配した素晴らしい光景は眼に焼き付いている。
今回の旅は「小さな思い出」を作るのにふさわしい満足したものであった。
|