クラブハウスの2階の北側の窓から、外をながめると、ショベルカーで削り取ったばかりの山肌がみえます。そんな風景に興味を持つのは私だけかも知れませんが、斜めに走る地層に好奇心がそそられてしまいました。5月のはじめ、テニスの合い間にすぐ際まで近づき、観察し、その後ちょっと調べてみましたので、この「コラム」に載せていただくことにしました。
地層は、全体にもろい砂層からなり、間に5本から7本ほどの紅い線が左上から右下(ほぼ西から東に下がる様子)に走っています。砂層は細かな粒子のそろった部分や小さな丸みのあるレキの混ざった部分などが幾つかの層をつくっています。紅くみえる層は、どれも似た厚さの薄い層で、例えば、下の方にはっきりとみえる部分は、厚さ15mm程度で、10mmの赤褐色の微粒子の上に張り付くように5mmほどの黒い層が重なって出来ています。
こんな様子を手がかりに調べてみたのですが、その特徴から関東平野の基盤となっている上総層群(カズサソウグン)の露頭で、今から2000万年から200万年前に堆積したものの一部分と考えていいようです。随分昔の話です。当時、関東平野は、お椀型の海で、周りの山地から運ばれた土砂によって次第に埋め立てられ、地層が溜まりながらさらに沈んでいくというようなことを長い時間繰り返していました。やがて広い平野が出来たわけです。平野の底は海面下4000m程に達しています。
ところが、この寺田辺りの地域はちょうどお椀の縁に当たる部分なのです。そのため、上総層群といわれる古い地層が、地表面に現れているわけです。単純に考えれば、東に下がった地層はおそらくそのまま関東平野の底深くにつながっているはずです。
平野部では、その上にその後の川が運んできたレキ層や、有名な(かつてどなたもお勉強したことのある)関東ローム層などのローム層が堆積しているわけです。この近辺も、古い相模川が運んだレキ層が所々で見られるのですが、寺田のこの部分はその後に浸食され、たまたま隆起した古い地層が目の前に現れているということなのでしょう。
あの崖は、安全かどうか?心配になるところですが、それは・・・ご想像にお任せします。むかし、少し話を聞いたことのある地学の大家は、「崩れない崖はない」と言っておられました。ただし、それは千年、万年のスケールでの話でしょう。
知ったかぶりをして書きましたが、実は素人。人に聞いたり本を調べたりの内容ですので、品質保証なし。もし、お気づきのことがございましたら、ご教示ください。
紅い線と黒い層の話は、機会があれば続編にて。
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