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2007/12/08    テレビ視聴で学んだこと
 NHKスペシャル、新シルクロード(激動の大地を行く、祈り響く道)を見る。宗教対立から来る内戦、その傷跡、そのまさに泥沼の現状を克明に見せてくれる、映像ドキュメントならではの迫力である。カメラが通る車の道だけはどこまでも整備されていて違和を感じさせる。それほど全体は破壊と混乱に満ちている感じがする。中国から地中海へと続くシルクロード、その最後のシリアとレバノンの間の100キロ。そこでは未だに宗教上の対立、紛争の火種があるらしい。「宗教のモザイク地帯」とは始めて聞く言葉だ。シリアの山奥で2000年の間、キリスト教を守り続けてきた隠れ里といわれるマールーラ村。伝説のレバノン杉をまもり続けてきたキリスト教マロン派の人々。世界遺産でもあるというこの地区。モザイク地帯の村。祭りというのが宗派のどちらも信仰の熱いことを誇示するような風になっているというのも、村一番の古老兄弟が、「あの洞窟から銃を撃って外敵と戦ったのだ」と語るのが、90歳を越えた老人とは思われないエネルギーを感じるのも、そういう体験を語って当時の感情を反芻しているからだろうか。この老人の相手をビンタして殴り返されないなら友達だ、というのも、複雑な気持ちで納得できる。レバノンの国旗にもなっているレバノン杉の「荒地にも深く根を張る生命力」も、大国に翻弄され続けてきたこの国の象徴としてありとする意味がよく分かる。ベイルートのジアード君という12歳の子、スンニ派というだけで誘拐され殺されたという、その子の父親の語りが忘れられない。この人は、学校を回り子どもらに訴える。
「私は内戦のときたくさん人を殺してしまった。そのときは自分の神がすべてだと信じていた。君たちが宗教の争いに巻き込まれたときは、今横に居る友達の顔を思い出して欲しい。互いに一人の人間として接すれば宗教を理由に殺しあうことはないはずだ、これがみなへの願いだ」こう言って一枚の絵をみんなで描こうと提案する。共同作業で宗派にかかわらずどの子も同じと実感する。
 この人は息子とよく地中海の砂浜を歩いたという、「スンニ、シーア、キリストって何?」と聞かれて、まだ子どもだからと思って,「果物の名だよ」とごまかしたが、今は「みな同じだよ、平和を求める人間の哀しみなんだよ」と言うとナレーションがあって余韻を残している。これはひとつの哲学でもあると私は感慨を深くした。
 

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Last updated: 2008/10/28