道院長の独り言

H18年11月11日 土曜日
流山支部だより 平成8年 11月号「うさぎ」より その2
構成も巧みで、二人だけの会話シーンもあれば、安室奈美恵のコンサートや大雪原の真青な空にあがる熱気球の雄大な場面など、静と動のコントラストに退屈する間もありませんでした。
感動する場面も数多くありました。教室を飛び出して暴れまくる佑矢を追いかけまわし精も根も尽き果てる小林先生、最後には机の上に積んであるプリントを紙吹雪にしてまき散らす佑矢に、入ってきたリュー先生がにこにこと「そんなに面白いか!もっとまけよ。」とやさしく机の上のプリントの束をもってきて手渡す場面・・・
生徒の一人が書いた作文を読み上げていた玲子先生の手から作文の紙をひったくろうと暴れる佑矢にむかって「うるさいぞ!静かにしろ!」と、それまで一言も言葉を発しなかった高志が言うと、どの先生の言うこともきかなかった佑矢が「はい」と従う場面・・・
佑矢に慕われることによって自信をつけていった高志が新聞社主催の「青春のメッセージコンクール」で準優勝を受賞する場面等々・・・
この映画の中に「寄り添う」ということばがでてきますが、これは正に灰谷健次郎氏のよく使われる「添う」という言葉を通ずる、教えるのでもなく、導くのでもなく時には挫折しながらも正面から向き合って、共に生きることを実践する先生たちの生の声に聞こえました。
ところでつい最近、東京の文京区で、家庭内暴力に堪えかねた父親が、中学三年の息子を金属バットで殴り殺す事件がありました。なんともいたましく、加害者の父親が社会的に評判のよかった人だけに考えさせられる事件でした。
私はこの映画を観て、人は人によって変わり成長していくこと、そして人間の可能性を信ずること、またスキンシップの大切さを痛感しました。
流山支部も少しづつ親子拳士が増えています。親子が共に手を握り合い、合掌礼で相手と同じ人間として尊重し、組手主体で相手を思いやる心を育てるそんな家族に、家庭内暴力の起こる余地はないと私は信じています。
H18年11月1日 水曜日
流山支部だより 平成8年11月号「うさぎ」より その1
最近見て感動した映画「学校U」を紹介します。
北海道、滝川市にほど近い小さな街にある滝川高等養護学校。リュー先生こと青山竜平が担任する一年F組にはそれぞれに障害をもつ九人の生徒と、リュー先生の他に玲子先生と、大学を出たばかりの新任の小林先生が共に学んでいます。
知能の発達の遅れはさほど重くないが、いじめによる心の傷からひとことも言葉を発しなくなった高志、片時もじっとせず猛烈に暴れまくる佑矢、そんな二人を中心にこの小さな教室で起こったさまざまな出来事が、山田洋次監督の卓越した手腕で、観る人を涙と笑いの感動に誘い、観終わった後も心に清々しさが残る佳品です。
リュー先生を演ずる西田敏行は「釣りバカ日誌」の浜ちゃんや、NHKの大河ドラマでの主役 果てはミュージカルまでこなす日本では珍しいオールラウンドの名優ですが、この映画でもリュー先生になり切って「やはり西田は凄い」と思わせます。玲子先生役の石田あゆみは、あの大ヒットした私も大好きな「ブルーライトヨコハマ」からかれこれ三十年すっかり
演技派女優に変身しやさしくてしんの強い教師役を好演しています。小林先生役の永瀬正敏は小泉今日子の夫ということだけしか知りませんでしたが、初めてこの映画の小林先生の熱演振りを見て、可能性をもった魅力ある俳優であることを知りました。
また、「北の国から」の純や、「男はつらいよ」の満男役で有名な吉岡秀隆はあの陰影のある個性で高志役を、また神戸浩は、佑矢役を独特の個性で、文字通り熱演しています。その他中村富十郎、泉ピン子、原日出子の脇役陣も各々適役を好演し、あらためて山田監督の適材適所の人材活用の妙に感嘆しました。
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Last updated: 2009/1/4