構成も巧みで、二人だけの会話シーンもあれば、安室奈美恵のコンサートや大雪原の真青な空にあがる熱気球の雄大な場面など、静と動のコントラストに退屈する間もありませんでした。
感動する場面も数多くありました。教室を飛び出して暴れまくる佑矢を追いかけまわし精も根も尽き果てる小林先生、最後には机の上に積んであるプリントを紙吹雪にしてまき散らす佑矢に、入ってきたリュー先生がにこにこと「そんなに面白いか!もっとまけよ。」とやさしく机の上のプリントの束をもってきて手渡す場面・・・
生徒の一人が書いた作文を読み上げていた玲子先生の手から作文の紙をひったくろうと暴れる佑矢にむかって「うるさいぞ!静かにしろ!」と、それまで一言も言葉を発しなかった高志が言うと、どの先生の言うこともきかなかった佑矢が「はい」と従う場面・・・
佑矢に慕われることによって自信をつけていった高志が新聞社主催の「青春のメッセージコンクール」で準優勝を受賞する場面等々・・・
この映画の中に「寄り添う」ということばがでてきますが、これは正に灰谷健次郎氏のよく使われる「添う」という言葉を通ずる、教えるのでもなく、導くのでもなく時には挫折しながらも正面から向き合って、共に生きることを実践する先生たちの生の声に聞こえました。
ところでつい最近、東京の文京区で、家庭内暴力に堪えかねた父親が、中学三年の息子を金属バットで殴り殺す事件がありました。なんともいたましく、加害者の父親が社会的に評判のよかった人だけに考えさせられる事件でした。
私はこの映画を観て、人は人によって変わり成長していくこと、そして人間の可能性を信ずること、またスキンシップの大切さを痛感しました。
流山支部も少しづつ親子拳士が増えています。親子が共に手を握り合い、合掌礼で相手と同じ人間として尊重し、組手主体で相手を思いやる心を育てるそんな家族に、家庭内暴力の起こる余地はないと私は信じています。
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