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ここでは、内容的には二つに大別してあります。
T AD/HD・LDの発達と教育・接し方
◎『第1部 基礎編』『第2部 実践編』の後に、各地(ベトナムのホーチミン市の大学での感想も含む)で行いました講座や、研修会での感想のアンケートを載せましたので、ご覧いただければと思います。
U AD/HDの子育て中のQ&A
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![]() ![]() T AD/HD・LDの発達と教育・接し方
文責 教育相談員(元教師・前ポップコーン事務局長) 西田 清
(この文章は、あくまでも私個人の考えている内容です。ポップコーンの会の見解や内容ではありませんことをお断りしておきます。)
第1部 基礎編
AD/HDの障害について
1 障害の発生と特徴
(1)障害の歴史と重なり
欧米では100年以上前から問題として言われてきました。文献としては、1845年にホフマンが「もじゃもじゃペーターの話」の絵本の中で、じたばたフィリップの話として書かれたのが、文献としては、ADHDの初めての話だそうです。1902年にステイルが医師として初めて本格的な記述を行った。それ以後研究が多く行われるようになってきました。
1957年には、ローファー博士が多動性症候群と発表、1966年微細脳機能障害、1977年(ICD−9)過動症候群、1980年DSM−V注意欠陥障害、1987年DSM−VーR ADHD 1992年ICD10、1994年DSM-W AD/HD(注意欠陥/多動障害)と変わってきています。
以前は、微細脳損傷(Minimal Brain Damage)と呼んでいたものを、分けたものです。
・行動上の問題を示すものをAD/HDに
・Dyslxia【・デイスレクシア(読み書き障害)】と学習上の問題を示すものをLDに、両者の間には、重なりのある場合もあり、AD/HDとLDの両方を併せ持っている場合もあります。AD/HDの人で、LDを持って人は統計では40%〜60%(別の統計によりますと50%〜80%、平均70%というのもあります。)居るといわれています。AD/HDとLDと高機能自閉性障害、又はAS(アスペルガ−症候群)の3つを重ね持つ人もいます。
(2)英語のAttention Deficit/Hyperactivity Disorders の頭文字を取ってAD/HDと言います・日本語訳では「注意欠陥/多動性障害」と訳されていますが、注意に欠陥があるのではありません。注意を持続する、集中をコントロールする事が難しい障害です。「過去の経験や現在の状況を総合的に捉えて、今どうすべきかと判断する前に、思いついたら後先のことを考える前に行動を起こしてしまいます。したがって、過去の経験から学ぶことが不得意です。『判断よりも反応が先行してしまう障害』」と理解するのが適切だと思われますので、注意欠陥/多動性障害と言う訳語は、あまりふさわしい言葉ではないと思います。私は誤解を招かないように、AD/HDという言葉を使っています。AD/HDは精神科医が診断します。多動性のないADD(注意欠陥)の人もこの中に含まれます。DSM-Wの診断からは、それまで一緒になっていた診断基準が、不注意と多動性・衝動性に分けて診断されるようになったことから、ADHDの文字の間には/(スラッシュ)が入ってAD/HDと表現されるようになりました。したがって、正確にはAD/HDという表記になりました。
実行機能の障害・自己コントロールの弱さです。本人は「こうしなければ」とすることを分かっていても、行動をコントロールする事が出来ません。『分かっていてもできない』と言う、困った脳のシステムを持っています。
A男女比は4対1で、男子の多く、3才から4才の頃に発症が多く見られるといわれ、7才までに発症するといわれています。この事からわかりますように、保育園や幼稚園での早期発見と、早期治療が非常に重要になってきます。特に早期発見をして、9才頃までに適切な治療や療育をすることで、発達が促進され、行為障害等の二次障害を防ぎ、自分の特徴を生かして才能を発揮できるように育つことが確認されてきました。
診断基準が男児の症状を中心にしているので、多動の無い女児の場合には発見され難いということがあるようです。アメリカでの最近の研究では、女児についてはもっといるであろうと言われるようになってきています。女性に多いと言われている不注意優勢のADDは、最近の研究では、思春期頃になって発見されることが多いと、最近のアメリカの本には報告されています。中学校や高等学校では、この点に注意してください。
アメリカでは、人口の3%〜7%居ると報告されております。日本では2003年3月に文部科学省は、通常学級に在籍する4万人以上を対象に調査した結果の最終報告を発表をしました。知的発達に遅れの無い児童生徒のうち、学習面や行動面で著しい困難を示す者は、6.3%(学習面で著しい困難4.5%・行動面で著しい困難2.9%・学習行動ともに著しい困難1.2%)いるという。実に40人学級の通常学級では、LDかAD/HDはクラスに2人〜3人は居るという計算になります。この事実は、従来から言われていた市町村段階での医療関係の調査結果とほぼ同じような結果です。5才頃になるとかなり正確に診断できると言われています。
(3)LD(学習障害)とは「Leaninng Disorders 」の頭文字を取ったものです。算数障害、読字障害、表出障害(文字や絵がかけない等)、特定不能の障害などの4つに分けられます。アメリカでは3%〜5%(最近では10%とも言われる)、日本でも3%は居るであろうといわれて来ましたが、文部科学省の調査でも同じような結果が報告されています。
(4)自閉性障害 AD/HDと自閉性障害は、医学的な診断としては重ならない事になっていますが、最近では重複した診断もされるようになってきています。実態としては自閉性障害と、重なっている場合があります。自閉性スペクトラムは、高機能自閉、アスペルガー症候群、カナ-タイプの自閉、広汎性発達障害などがあります。
2 AD/HDとは(アメリカのDSM-Wより)
A (1)か(2)のどちらか
(1)以下の不注意の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6ヶ月以上続いたことがあり、その程度は不適切で、発達の水準に相応しないもの。
不注意
(a)学業、仕事、またはその他の活動において、しばしば綿密に
注意することができない。または不注意な過ちをおかす。
(b)課題または遊びの活動で注意を持続することがしばしば困難である。
(c)直接話しかけられたときにしばしば聞いていないように見える。
(d)しばしば指示に従えず、学業、用事、または職場での義務をやりとげることができない(反抗的な行動または指示を理解できないためでなく)。
(e)課題や活動を順序立てることがしばしば困難である。
(f )(学業や宿題のような)精神的努力の持続を要する課題に従事する事をしばしば避ける、嫌う、またはいやいや行う。
(g)(例えばおもちゃ、学校の宿題、鉛筆、本、道具など)課題や活動に必要なものをしばしばなくす。
(h)しばしば外からの刺激によって、容易に注意をそらされる。
(i )しばしば毎日の活動を忘れてしまう。
(2)以下の多動性-衝動性の症状のうち6つ(それ以上)が少なくとも6ヶ月以上持続したことがあり、その程度は不適応的で、発達水準に相応しない。
多動性
(a)しばしば手足をそわそわと動かし、またはいすの上でもじもじする。
(b)しばしば教室や、その他、座っていることを要求される状況で席を離れる。
(c)しばしば不適切な状況で、余計に走りまわったり高い所へ上ったりする(青年または成人では、落ち着かない感じの自覚のみに限られるかもしれない)。
(d)しばしば静かに遊んだり余暇活動につくことができない。
(e)しばしば「じっとしていない」または、まるで「エンジンで動かされているように」行動する。
(f)しばしばしゃべりすぎる。
衝動性
(g)しばしば質問が終わる前に出し抜けに答えてしまう。
(h)しばしば順番を待つことが困難である
(i)しばしば他人を妨害し、邪魔をする(例えば、会話やゲームに干渉する)
B 多動性ー衝動性または不注意の症状のいくつかが7才未満に存在し、障害を引き起こしている。
C これらの症状による障害が2つ以上の状況において(例えば、学校[または]家庭)存在する。
D 社会的、学業的または職業的機能において、臨床的に著しい障害が存在するという明確な証拠が存在しなければならない。
E その症状は広汎性発達障害、精神分裂病、またはその他の精神病性障害の経過中にのみ起こるものではなく、他の精神疾患(例えば、気分障害、不安障害、解離性障害、または人格障害)ではうまく説明されない。
3 AD/HDとLDの関連について
(1)障害との関連
@AD/HDとLDは、両方を併せ持っている人が40%〜60%(50%〜80%という統計もある)は居るといわれています。
AAD/HDは精神科の医師が診断をします。
Bコンサータを服用した70%〜80%の人に、効果が認められると言います。リタリンは2007年の10月に使用禁止。一度の服用で12時間効果が持続するコンサータ(6才〜15才未満、条件があるが18歳未満まで使用できる)2008年から使用されています。・学校に行っている場合には、担任の教師の協力のもとで薬の効果などを記録してもらう必要があります。
(2)対人関係、教育の基本的な構え
@AD/HDの子は、集団参加の時に多くの問題を起こします。
A多動のない子の場合、気が付かないで放置されて、学力低下になることが起こりますので、注意が必要です。
BAD/HDとLDが重なっている場合には、LDの指導も取り入れた指導が必要です。
4 いくつかの原因説があげられます。
・症例の多くに遺伝的な要因が見られるといわれています。アメリカのハーバード医学校のジョセフ・ビーダーマン博士によると、両親のどちらかがAD/HDを持っている場合には、子どもの58%がAD/HDであると報告しています。まだ原因がはっきりとつきとめられていませんが、大きく分けると以下の二つの原因説があります。
@前頭葉機能障害説
前頭葉の血流の低下等による代謝の低下。神経伝達物質のド-パミンの不足。
AD-4(ド-パミンレセプターの異常)の遺伝子に問題があるといわれる説
その他には、・あるタイプのAD/HD児には、幼児期に頭を強打したのが原因という説
・右半球機能の弱さや注意調節機能の障害の説
・親が麻薬中毒やアルコール中毒が原因ではという説
注ーAD/HDについての詳しい内容については、医学上の専門的なことは、私達で出した『AHDHの子育て・医療・教育・改定新版』315ページ、2200円+税 2007年11月出版、クリエイツかもがわの本のAD/HDの専門医の岩坂精神科医の書いた部分をお読みください。最近では、アメリカの専門書の翻訳本や、日本の専門書も沢山出版されています。情報が多すぎて、それに振り回されるほどです。しかし、世間での理解や、教育実践はこれからです。
(2)社会的な関係を結ぶのが困難な場合が多い。
(3)大人になっても、症状が残る人がいる。
(4)9才の節(昨日までのこと-過去-2次元・今現在の事ー1次元・これからの未来-3次元 現在と過去の経験から、未来を推し量る事が出来るようになる)を越えると大人の思考に近づく事が出来るようになるが、AD/HDの子どもは、脳の未熟性のために、発達が数年遅れることがあるといわれています。そのために、小学校の3年生頃から、同じ年代の子どもたちとの思考の差が出てきて、友達関係などでうまく行かなくなる事も起こることがあります。
(5)叱咤激励は、自分はできない、駄目な人間だと、自己評価の低下を招く事も起こりますので、セルフエステイーム(自尊感情・自分の良い所や、弱点も知った上で、自分の良さをきちんと評価して頑張れる)を高めるられる対応が、家庭や園や学校では絶対に必要です。
5 AD/HDの特性を伸ばした指導を
AD/HDの良い面を生かして、伸ばす指導をする事がとても大切です。
(1)好奇心が旺盛なので、自分の好きな事には最後まで頑張れる。好きな事を見つけて、育ててやる事が大切です。エジソンがそうだといわれております。
(2)他の子よりも違った観点で考える事が出来る(豊かな発想をする事が出来る子が多い)ので、創造性が豊かである点を大切にする。モーツアルトが、この点を伸ばしてもらって成功した例です。
(3)行動力と決断力が優れているので、この点を生かしてやる。日本では、織田信長や、坂本竜馬などがそうだったといわれております。
これらの面を伸ばして、社会で生き生きと活躍している人もたくさん居られます。
第2部 教育実践について AD/HDと教育
1 初めに
(1)二次障害を防ぐ事・困った子ではなく、困っている子ととらえる。
予後を左右すものとしては、幼児期からの育児や学習の問題(学校教育を含む)や、不適切な対応から起こる、二次障害があるかないかが大きく影響してきます。特に幼児期から小学校の中学年までに適切な行動や考え方を身につける、この時期が特に大切です。
(2)保護者への支援で一番大切な事とは
子育ての大変な時期に、療育者や保育者や教職員が保護者に対しての一番の支援は、『親御さんたちの辛い苦しい子育てを理解し、共感をし、支援をし、共に歩む』事が一番の任務です。『親の躾が悪い、なんという子育てをしているのだ』などという全く不当な、無理解な、間違った事を言われて苦しんできた親御さんが多いのです。まず、親御さんの努力や苦しみに共感して、そこから共に歩む事がとても大切です。
2 療育、教育現場では
(1)AD/HDに対する理解の不足
教育現場では、AD//HDへの理解が不足しています。文部科学省の07年度からの小中学校での特別支援教育が始まり、少し前進し始めました。特に最近思いますのは、高等教育の現場の教職員の理解が、特に遅れているのが目に付きます。1人の専門家より、全員の取り組みが大切です。AD/HDを正しく理解しないで、AD/HDという言葉を流行語のように安易に使う事は、厳に慎むべきだと思います。
(2)他の障害との関連
AD/HDの子は、診断的には知的な遅れがないのが条件です。実態としては、LDや自閉性障害と重なりのある子がいます。AD/HDの教育を進める場合には、LDや自閉性障害・ASの教育実践から学ばなければならないことが沢山あります。
V AD/HD児の教育についての一考察と提案
1 AD/HD児は増えているのでしょうか?
保健士さんや保育園、幼稚園、学校の先生などから良くこの質問をされます。残念ながら、統計が日本ではありませんので、なんとも言えません。診断できる医療機関などの箇所が増えて、AD/HDと診断される子どもが増えてきた以上に、AD/HDの子どもが増えてきているのではないかという思いを持っている人は、医療関係者や教育関係者に多いようです。私も増えてきているのではないかと、心配をしている一人です。
2 増加している(?)原因は不明
アメリカや日本でも研究していますが、今のところはっきりした事は分かっていません。ただ、有害な食品添加物、農薬、環境ホルモン、ダイオキシン等の何らかの社会的な環境が関係しているのではないかという警告をしている学者の論文などがありますが、まだこれだという事は分かっておりません。
3 保・幼・小・中学校などにおける現状
(1)AD/HD児やLD児の様子
1学級の国際標準定数は20名です。
先進国といわれる国【OECD・経済協力開発機構2002年調査】で、いまだに40人以上の学級定数(1クラスの定員)で教育しているのは、韓国【42名定員ワーストワン】と日本【40人定員ワーストツウ】ぐらいです。他の加盟30ヶ国の殆どは、25名までです。そういう意味では、日本は教育後進国です。
@AD/HDの専門家は、教える場合、1学級11人〜15人の人数ならば通常学級で教える事は出来るが、定数30人などで教える事は論外(無理)であるといっています。まして、日本のような40人もの学級定数では、論外の論外と言うべきでしょう。
A通級学級の必要性
アメリカではAD/HDやLDと正式に診断されれば、在籍している学校に、通級学級を開設してもらい、通級する事が出来る権利が保障されているそうです。日本では、市町村の中のある特定の学校にあるので、そこの学校に週に数時間だけ、校区外から通うの事になります。時間がとても少ないので、熱心な先生がいて指導してもらえても、効果は限られてしまいます。映画俳優のトム・クルーズは読字障害【デイスレクシア】のLDですが、ハイスクールまで英語の時間は、通級学級で指導を受けたおかげで、活躍の基礎が築かれたのです。耳から情報を取り入れるのが得意な彼は、今でもセリフは読めない文字があるので、他の人に読んでもらって完全に覚えてから演技をします。彼は、自閉性障害の理解を世界に広げた映画『レインマン』に、この映画は、障害に対する理解を深める映画なので、自分も協力したと申し出て出演したのです。
B適正就学について
保育園や幼稚園では、なるべく早く障害を発見して、早期に障害に応じた療育を保障する事が望まれます。就学に関しては、小学校の教育をどのような環境で保障してあげるのが良いのか、前年度の早い機会に小学校や養護学校などに体験入学させて、何処で子どもが生き生きと学習活動が出来るのか、しっかりと考えてください。適正就学でなかった場合には、子どもが大変に苦労をします。不適応から、二次障害などを起こして、学力低下などからうつ症状になったり、不登校等になる場合がかなりあります。幼稚園や保育園の時、小学校への就学を選択するときは、中学校までを見通して、どの学校がよいかを考える。中学校への進学の時には、高等教育をどうするかを考えて中学を選択する事が大切です。長い見通しをもって就学先を決めてください。全国の病弱児の特別支援学校では、AD/HDやLDの障害に適切に対応してもらえなくて不登校になった子どもの在学率は、50%を越えていると言う現実が報告されています。
C教職員の理解を早急に
学校現場には、AD/HDの知識はあまり普及していません。全教職員の理解と実践が、早急に進むような取り組みが求められています。
(2)不十分な日本の医療・教育行政
@早期からの療育と教育施設の拡充が早急に必要です。特に、幼児期に診断治療をしてもらえる、児童精神科の医師の不足を解消する必要があります。
A就学指導委員会の問題
AD/HDやLDの知識を持った人を早急に増やす必要があります。就学指導委員会のなかで、AD/HDやLDについての知識を持っている人が少ないために、医師にAD/HDと診断され、診断書を提出しても、知的に高いからと言う事で、親が入級を希望しているのにも関わらず、障害児学級に入級を認めないないなどと言う事がおこっています。
B遅れが目立つ前に、適切な指導を
遅れが目立ってきて、どうにもならなくなってから入級をする場合が多いですが、それでは本人が劣等感からなかなか抜けられませんし、皆に追いつく事も難しくなります。セルフエステイームが低下しない低学年のうちに必要に応じて、個別に適切な教育を受けさせる事がとても大切です。障害の有る無しに関係無く、全ての子どもに言える事ですので、特に気をつけて欲しいと思います。
(3)AD/HDの子どもの場合、問題行動の現れる場面が大きく2つに分かれます。
@園や学校で現れる子ども
家庭内では小人数であるので情報量が少ないので,いらいらしない。家庭内では父親や祖父等が極端に厳格で、自分の感情を家庭内では出せない場合等もあり、トラブルは少ない。園や学校などの大きな集団の中に入ると、刺激が強過ぎるために、問題行動が大きく現れる、または、厳格過ぎる家庭の反動として、学校で感情の爆発をしてしまう子がいます。この場合は、家族は子どもの学校での状態を理解するのが難しい場合が多い。
A家庭に帰ってから問題行動が現れる場合。園や学校ではなんとか自分を押さえて我慢していたのが、その反動で家に帰ると衝動行動や暴力行動が出て、兄弟や家族に当り散らす場合があります。学校ではあまりAD/HDと気付いてもらえないために、親の子育てや躾のせいにされて、先生や他の人から親が非難されることが起こります。多動がないADDの場合や、LD、高機能自閉の場合には、おとなしいので学習に集中していなくても気付かれないために、小学校4年生以後に学力不振になり、それが原因で不登校になる子がかなりいます。不登校児の2割ちかくがそうだったという調査結果もあります。
(4)学習形態は、どれが良いでしょうか。
障害がきちんと分かった場合には、早期の個別の対応が絶対に必要です。小学校の1年生から障害に応じた教育をしてもらいますと、思った以上に成績が伸びる、自立する為の人格形成にプラスになる子が多いです。学力の遅れが顕著になってからの個別の対応では、遅れを回復するのは困難な場合が多いです。
@理想的なのは、通級学級で
自分の学校で、毎日不得意な所の学習を通級学級で個別に教えてもらい、皆と一緒に出来る教科については通常学級で、が理想的です。
Aそれが無理な場合には、テイームテイ-チングの先生をつけてもらう。
B多動や衝動性が強かったり、大きな集団だと集中できない子の場合には、情緒障害児支援学級に所属させて、個別や小集団での学習や、集団参加へのルールなどを身につけられるようにすることも重要視しましょう。そして、落ち着いて集団参加が出来、一緒に学習しても内容が理解できるようになった教科については、基本的には特別支援学級と、通常学級でも学ぶ事もできるようにも、配慮しながら。特別支援学級での役割や学習を、もっと重要視して欲しいものです。
C休憩時間や放課後に教える事は?
文部科学習が数年前に出した中に、「休憩時間や放課後に教える方法も・・・・・」という方法は、子どもの立場から言えば、ストレスを解消する仲間との楽しい遊び時間を奪われる事になります。また頑張って授業に集中をしてきたAD/HDの子には、放課後や休み時間に個人指導をされることは、心理的にも肉体的にも絶えられません。また、教師側から言いますと、日記指導、テストの採点、クラブ活動の指導、生活指導、教材研究と準備、研修、会議等がびっしりと入っているために、そのような時間を見出す事はとてもできません。
W AD/HDの特性を生かした教育を
1 ADHD児の特性や、良い面を生かした教育を
親も教師もAD/HDの良い面を重視して、子育てや教育をしましょう。個別の適切なサポートがあれば、持っている能力を引き出し、高める事が出来ます。えじそんくらぶの高山恵子氏は、講演で次のように述べています。
『AD/HDとうまくつきあうには@注意欠陥は、ひらめきや斬新な発想に結びつきます。A多動は、エネルギッシュな活動や雄弁である事です。B衝動性は、実行力・行動力に優れている』
実際に、このような特性を発揮してきた人も沢山居られます。その中でも有名なのは、エジソンやチャーチル、ケネデイ、モーツアルト、日本で言えば織田信長や坂本竜馬なだがそうだったといわれております。今活躍中の黒柳徹子さんもそうだといわれております。私と付き合いのある方では、お医者さんや大学の先生、ジャーナリスト、パソコンの技術者などで活躍されている方が居られます。
2 AD/HDの子どもから見た、望ましい先生とは
(1)良い事はきちんと誉めてくれる先生
(2)子どもが好きな先生
(3)子どもの言い分をきちんと聞いてくれて、子どもと共に歩んでくれる先生
(4)子どのの課題がなにかを、きちんと把握して、その上で指導を貫いてくれる先生
(5)失敗を笑われない、そういう学級運営をしてくれる先生(これが一番大切です。)(6)子どもの表面的な言動に左右されずに、本当の思いをキャッチしてくれる先生
(7)子どものパニックにパニックで応えない先生
・AD/HDや障害のある子以外の子どもについても、望ましい教師像については全く同じだと思います.
3 通常学級で学ぶ場合に、気をつけて欲しい事。AD/HDの子どもたちが、今現在通常学級に在籍している場合が多いようですので、その時に気をつけて欲しい事をまとめて見ました。本当は、その子に合った教育環境で、個人指導をもっと受けて欲しいと思っています。
◎子どもたちが生き生きと活動できる学級を目指して
望ましい学級とは
(1)民主的な学級作りと運営で、安心して心を開き,発言の自由が保障されている学級集団が第1に必要です。お互いの特性(違い)を認め合い、助け合う集団があれば、発達障害を持つ子どもたちも,安心して集団の中で学習や生活ができる。
(2)担任の教師は、子どもからの兆発や、困難な問題行動があった場合には、柔軟に対応しつつ指導を貫く。
(3)子どもたちが、今ないをしなければならないのかを理解できるように、学級の規則や、指導内容を分かりやすく、明確に言葉や文字や絵などで教室に提示されていること。
(4)子どもたちが学習に集中できないような騒音や、ふさわしくない環境から守る。電車の騒音の中のような、し切りのないオープン教室等は、最もふさわしくない環境である。
(5)望ましくない学級は、担任が厳格過ぎる。また反対に、学級の規律が乱れてしまって指導が行き届かない学級。
4
教室の環境
@1日のスケジュールをきちんと決めて、予定表等に書いて、啓示しておく。
A明る過ぎたり、暑過ぎたり、寒過ぎたりする環境は、生活リズムを崩す事がありますので、注意が必要です。
Bテンションが上がり過ぎて興奮が収まらない場合には、刺激の少ない静かな部屋に入れて、クールダウンさせましょう。
(2)子どもの座る位置
@人の出入りの激しい場所はなるべく避けて、集中しやすい、教師が注意を促しやすい前列の中心から少しはずした横に座らせましょう。教師の真正面ですと、他の子がAD/HDの子の動きに影響されて落ち着きが無くなることも起こりますので。
AT・ Tの先生が付ける場合には、他の子どもの授業の集中の邪魔にならない位置が良いでしょう。
(3)机の並び方
@通常学級での机の並び方は、注意が他に散る事が少ない前を向いての並び方が良いでしょう。
Aグループ学習などの場合には、なるべく先生と正面に向き合える位置が良いでしょう。
5 授業で考慮したい事(集中する時間は、15分以上は続けるのは困難な場合が多いので、工夫が必要です)
(1)学級担任だけしか居ない場合
不得意な教科については、困難な場合が多いですが、1時間内に5分間の個人指導が出来るように取り組んで見てください。
(2)教師の発問について
@一度に複数の内容の指示は出さないようにします。これは、高機能自閉、AD/HD、LDの人には共通の指導法です。一度に複数の内容を言われると、混乱して指示を受け取れません。1回の指示には、1つの内容にしましょう。
A曖昧な言い方ではなく、具体的な指示でないと理解できません。言外でその場の雰囲気で、察しなさいというようなことはAD/HDの子や、自閉性障害の子には出来ません。穏やかに、そばによって静かな声で、具体的に行動を起こせるような指示を出しましょう。
(3)学習時に使用すると効果的な教具
@視聴覚機器を使った指導では、余計な刺激が排除されているので、比較的集中できます。AD/HD、 LD、 自閉性障害の子どもは視覚から情報を取り込む事が得意な子が多いです。
特に、パソコンなどを使っての指導は、LD等を併せ持っている子には、とても有効です。感じを読めるが、書けない人にはもっとも有効な表現の手段になります。
A幼児期から、出切るだけ自分で判断する機会を作って、自己決定の出来るように育てる事が大切です。
(4)授業時間について
@45分は集中が続かないので、内容を15分程度に3つぐらいに分けて行いましょう。指導の課程は小ステップで、少しの努力で結果が出て、評価してもらえる事が大切です。
A出来たことに関しては、子どもにすぐに分かるように、言葉や動作やシールを貼るなどで、具体的に視覚も利用して誉めてあげましょう。誉められルことで、セルフエステイームが高まり、やる気が高まります。
Bすぐ忘れる子には、ノートが何冊もあると何処に書いたのか分からなくなるので、教科ごとにラベルを貼ってページを分けて、1冊のノートでよいようにしましょう。
(5)教科の学習について
★算数や国語、英語などのじっくりと考える教科は、気持ちが集中しやすい午前中にしましょう。
☆国語について
@テーマに沿った話しは、自分の思いを話すのは苦手です。なるべく無理の無い目標を設定し、やり遂げる事が出来たという達成感を身につけられるようにします。そのためには、簡単な問題から入り、次にやや難しい問題、そして最後はまた易しい問題で出来たという満足感を持たせて終わります。(これは他の教科も同じようにしますと、結構喜んで学習に取り組んでくれます)
ただし、このような配慮された内容は、通常学級の担任の先生がいくら頑張っても、1人でできる事ではありません。副担任や、T・Tの先生などの援助が無い場合には、通常学級での指導はとても難しく、担任が気をつけていても、結果的には十分な指導はできない事が多く、学力低下から、子どもが自信を無くしてしまうケースが多いです。
A文章などをとばして読んでしまう場合には、読んでいる行を指で押さえさせます。大切な個所は、赤ペンや蛍光ペンで線を引いたりマーキングしたり、抜き書きをさせるなどの工夫が必要になります。
☆算数について
@パソコンを使ったり、まなぶくんやPCピコ(学研の視聴覚機器)等の画面を使って指導は、画面に注意を集中出来るので、ゲーム的な要素も入っていると、比較的喜んで学習してくれます。
A間違えた場合、やり直しをさせると、すねてしまってやらなくなる事が多いので、ゲーム感覚でやれる市販のプリント等を数種類用意して使うと、喜んですることが多いです。
B足し算はわりと簡単にしますが、引き算はてこずります。同じように、かけ算はできても割り算で苦労します。逆の考え方は、理解するのに苦労するようです。
☆英語 一番大変なのは、アルファベットを書字の学習障害を併せ持つ場合には、なかなか書けないことです。読めても書けない場合がありますので、ペッパーテストの成績はあまり良くないです。練習では書かせるだけでなく、厚紙で文字を切り抜いて触らせて、指の感覚からも認識させるようにしましょう。bとdとhとaや、pとqやnとmとw等がなかなか書き分けられませんので、特別な指導が必要です。
☆理科や社会科は、事柄を記憶したり、図や写真があるので理解しやすいので、好きな教科になる子が多いです。理科などは、他の子よりもADHDの子の特徴である、その子独自の考えを出せるので、好きになって個性を発揮できることがあります。
☆体育について
@統合機能に弱さがある子がいますので、その面に注意して指導をすることも大切です。
A自分の得意な種目の時は良いのですが、不得意な種目の時は、違う場所で練習をして、ある程度出来るようになってから、皆と一緒にすると良いでしょう。みんなに笑われるとすごく傷つき易い心を持っています。
◎自分の言った言葉が、相手にどのように受けとめられたかを、顔の表情や雰囲気や動作で判断する事ができないという障害がある子が多いので、平気で相手の傷つく事を言ってしまいます。逆に自分が同じような言葉で言われると、すごく傷ついて、けんかになってしまう事が多いです。
A感覚、統合的な運動面の弱さを乗り越えさせるために、縄跳びや水泳、自転車乗りなどの運動をさせましょう。
☆図画工作について
@生活経験を多くさせて、自分で作る遊びなどを多くさせましょう。文字や絵を描く事に障害を持っている子が多いので、絵本などの読み語りや、絵を書けるようにする取り組みを幼児期からしましょう。
A絵を描く事や、絵本を使っての言葉の指導は、保育園、幼稚園、小学校の中学年までの重要な教育課題です。絵を描けるようになると、次に文字も書けるようになります。絵と文字の指導や、絵本の読み語りの具体的な指導は、『AD/HD・LDの発達と保育・教育』西田 清著 クリエイツかもがわ(2008年6月に完売、販売は終了しました)に詳しく書きました。
☆学級の係り活動(動ける活動を保障する)
授業中に動いても、皆に認めてもらえるノート集めやプリント配りなどで、動きたい衝動性を満足させて、他の子からは係り活動を頑張っているなあと評価してもらえるようにしましょう。その子に適した係り活動をすることで、苦手な事を克服できる方向へ導いて行きましょう。
☆学校行事への参加について
初めての行事など、珍しい事には興味しんしんで参加します。運動会や卒業式などの練習は、初めは喜んで参加しますが、何回もやりますと嫌になって参加しなくなりますが、当日になるとまた雰囲気が変わるので、参加できることが多いです。
(6)宿題の出し方について
@宿題は、量より質を重視しましょう。集中が長く続きませんので、仕上げるのに時間がとてもかかります。他の子よりも量は少なくしましょう。特に漢字の書き取りの練習などは、同じ事の繰り返しなので、嫌で嫌で拷問を受けているように感じますので、少なめにしましょう。
A忘れ易いので、学校に来てから思い出してしても、宿題をしてきたと認めてください。できるだけ家でも宿題があるかどうかを、チェックしてもらう事も必要です。
(7)連絡帳を活用する(小学校の高学年や中学校では特に配慮を)
@宿題は1冊のノートに出してもらう。そうすれば忘れないし、他の教科の先生の宿題の量も調節してもらえますので、できる範囲の宿題を、量も配慮して出してにしてもらえるようにしてもらいましょう。
A◎連絡帳の表紙の裏にポケットをつけましょう。そのポケットに宿題や連絡のプリントなどをいれることにしておきます。本人や父母や教師が見て点検すれば、全てが分かるようにしておきますと、忘れ物や連絡のプリントなどが何処かにいってなくなる。Eメールでの連絡のも有効です。
保護者が封印したくなるような連絡と内容は、厳禁です。
B次の日の連絡なども、視機能の障害のために、時間がかかったり、黒板の連絡をなかなか写せない子がいるので、小黒板に書いて、消さないで残しておいて時間がかかっても写せるようにしましょう。
5 トラブルにどう対応するか
(1)AD/HDの子の中には「自分の行動や言葉が、相手の子にはこんな風に感じ取られているのだ」と言う事を、総合的に、客観的に判断する事がなかなかできません。不適切な行動をした場合には、叱るのではなくて「どのように行動したり、適切な言葉を相手にかえすのか」を、すぐその場で具体的に教えて、身につくように練習をさせましょう。
(2)衝動性や怒りを押さえるために、爆発しそうだという場合には、逆数の数唱に弱い面を利用します。「5秒待って。大きくお腹で息を吸って。5・4・3・2・1・」と逆に数えさせる事で、注意を逆数を数える事に集中させることで、衝動性をおさえさせます。先生や親も子どもと一緒にして、クールダウンして下さい。本人が、教室から出ていって、クールダウンできる場合には、それを認めてやりましょう。
(3)暴力行為や、刃物などの使用で友達等に危害が及ぶ場合には、その場で厳しく対処しなければいけませんが、暴力での指導は、やがて暴力的なAD/HD児を育てることになりますので、暴力の手段は使ってはいけません。幼児期から、善悪の判断ができるように、時間はかかりますが教えていきましょう。
(4)友達のおもちゃや文房具なども、人のものと自分のものとなかなか区別ができない事もあります。欲しいと思ったら衝動的に手が出てしまう事があります。本人には、盗むという意識はありません。 本人に聞いてみると「知らないうちにポケットに入っていた。放ってあったからいらないと思った。落ちていたので、拾った」という感覚なのです。なかなか大変ですが、小さい時から、疑われるような行動はしないように、正義感のある子に育てましょう。
6 本人に自分の障害を、何時頃どのように理解させたらよいでしょうか?
これは大変難しい問題です。
@できれば、本人が自分の障害について、聞いてきた時が良いと思います。なるべく、子どもが前向きにがんばっている時が良いでしょう。自分の事がある程度理解でき始める小学校の中高学年が良い。子どもは自分が他人と違う事について悩む事が少ないし、自分の特徴やよい面を理解すると、セルフエステイームが低下する事も少なく、自立的な子に育ちます。
A子ども自身が自分について知りたい、そして親がAD/HDという事を前向きに捉えている事が重要です。否定的に親や教師が思っている時には、子どもにも否定的にしか伝わりません。良い面をきちんと親や教師が伝えてやる事。また、子どもむけの絵本やワークブック等も利用したらと思います。(コラムTに所の、AD/HDの参考書の、子どもむけの本のところに載せてある絵本『ひとりじゃないよオットくん』なども使ってみてください。)
B中枢神経刺激剤のコンサータ(12時間有効)を飲む場合には、薬についての正しい知識を、本人になぜ飲むのかも含めて、きちんと説明して納得させておく事がとても大切です。☆Eli Liliy社が開発した副作用が少なくて、よく効くAD/HDのための新薬アトモキセチン(Atomoxetine)が、今アメリカのFDA(Food&Drug で認可され、使用されています。非中枢神経刺激剤が登場し、日本でも治験と申請がされています。
C学級の同級生や、父母などに説明する時には、親の了解を得る事は勿論です。次には、本人の意思も確認して、プラスのイメージが他の子どもや父母にも伝わるような内容で、話すのが良いでしょう。担任の教師だけの勝手な判断だけで、クラスの子どもに話すなどの事の無いようにしましょう。場合によっては、AD/HDの子どもが、まだ告知を受けていないなどのために、不登校などに追い込んでしまう事も起こりかねませんので、慎重に取り組んでください。
7 理解を広げる努力と課題がこれからとても大事になって来ますので、専門的な知識と、実践をもっと早急に広げて行く努力を皆さんでして行く必要があります。
X 保護者の方へのメッセージ
実行には、様々な困難があると思いますが、リラックスしながら頑張りましょう。
1 身辺自立は、心の自立に結びつきます。
2 家族や兄弟の中の位置付けをしっかりとして、家庭内での役割分担(お手伝いなど)の責任を果たさせましょう。責任を持って仕事をやり遂げる事で、自分の行動に自信を持たせましょう。家庭内の労働(お手伝い)をやり遂げる事で親や兄弟に評価される事で自信を持てますと、プライドが満足されて、思春期の荒れを自分で乗り越える事が出来ます。10年先までを見とおした、対応をしておきましょう。
3 親が良い対応を見せる事で、他の兄弟も適切な対応のし方を学びます。
4 幼少期に中の良い友達を、1人で良いですから作るようにしましょう。
5 AD/HDの子の子育てに時間と手を取られますが、あなたも大好きよと、他の兄弟にも愛のメッセージを表現してください。
6 夫婦の役割と分担をして、お互いにストレスの発散もしておかないと、長続きしないで、挫折する事もおこります。適当にリラックスしながら、協力して頑張りましょう。
理解してくださる先生を見つけたりして、何時でも相談出切る仲間を作っておきましょう。
7 心から信頼できる人を、親以外に作りましょう。大人になって安定した生活を送れているAD/HDの人の多くは、自分のそばに心から信頼できる人の存在があります。
★この項目の後に、この内容とは若干異なりますが、各地での講演会場でのアンケートの感想の一部を載せて起きます。
★子育てや教育についての具体的なことについては、Q&Aのコラムを見て下さい。
☆教育実践などについては、ポップコーンの出版した本も参考にして下さい。医療は岩坂医師のページを、子育ての事については、楠本さんのページを、教育について西田のページを「ADHDの子育て・医療・教育改定新版」2007年11月・クリエイツかもがわを見てください。例会では、悩みなどについての話し合いをしていますので、ご参加ください。
以上
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| [2] U AD/HDのQ&A T親との理解 U子どもに告知する問題 V 子どもを信じての子育てを W 毎日新聞の記事への疑問 | ||
親の会の例会や保育所、幼稚園、学校の研修会で、最近よく話題や質問が出てくる事柄について、これから少しずつ現時点での考えなどを載せて行きたいと思います。ここにあげたのは、こんな方法や考え方もありますよ、という一つの例やヒントとです。これから実践が深まるにしたがって、もっとよい方法などが開発されて行く事を願っています。
T 親と保育者や教師が理解し合うのがなかなか困難なのですが。(保育所、幼稚園、小中学校でよく出る質問)
Q:
子どもさんがどうもAD/HDでは無いかと思われるのですが。どのように話しをしたらよいでしょうか。
A:
保育園や幼稚園、小学校の先生方に良く質問をされたり、相談を受けます。相談を受けて下さる児童相談所や、母子通園センターや、教育相談所、医療機関などを紹介する前に、こんな取り組みをしてみませんか。これらの取り組みのあと、親御さんと話し合って、相談所に行ったり、精神科(AD/HDは精神科で診断します)で診断を受けましょう。きちんとした診断を受けて、親・療育・教育・医療関係者の協力のもとに頑張りましょう。
@親御さんとなんでも話しが出来る関係になっている事が一番大切です。信頼関係が出来ていない場合には、何を言ってもなかなか納得していただけないと思います。また、診断をどうしても受けていただけない場合もありますが、子どもには有効な対応をしてあげましょう。
Aその子どもの悪い面ばかりを連絡しておきますと、信頼関係は築けません。良い所は必ずありますので、その面もきちんと評価して連絡をして下さい。良い面を見つけて育てる観点を、保育者や教師が持つことは、他の子どもに対する見方や保育・教育実践にも良い影響を与えます。今日はこんな悪い事をしました、家でもっときちんとしつけてくださいと、毎日書かれたら誰でも落ち込んでしまいます。まして、家でも一生懸命に取り組んでいる親ほど、落ち込んでしまう事が多いのです。問題点も知らせる必要はありますが、こんな事が出来ましたと、親のセルフエステイームも上がるような連絡帳にしましょう。
B保育者や教師が、AD/HDや他の障害についても、正しい認識をもっている事が大変重要です。正しい知識(自閉は情緒の障害ではなく、認知・発達障害である)を持っていないと、30年ほど前に間違った認識で『自閉性障害は、親の子育てや躾が不十分でそうなった。親のせいだと言われ、情緒障害が原因だ。』等という全く間違った不当な事を言われ、親が苦しんだ歴史を繰り返す事になります。そのような間違いを2度と繰り返してはなりません。AD/HDがマスコミ等で取り上げられるようになった今でも、まだAD/HDについての認識が無かったり、浅いために、表面的な認識から親の躾のせいにする事があちこちで起きています。そのような事にならないように、十分に医師にたずねたり、専門書や職場での研修を深める事が大切です。薬で治療したほうが、薬物乱用は少ないという統計があります。
C親御さんが、我が子の状態をなかなか認めないことがありますが、焦らずに、親御さんに心から共感しながら、理解を深めて行く努力が求められます。親御さんも、自分のお子さんがAD/HDかなと思い当たるふしがあっても、認めたくないのが親心です。親御さんが自分の子どもがAD/HDかも知れないと思って、決心して自ら医療機関や相談所などに出かけて行った時には、そう診断されると納得し、これからどのように育てていったら良いのかの手だてや方向が分かります。自分の子育てのせいではなかったのだと、ほっとされると同時に、育児に頑張と喜びが持てるようになります。
◎私自身も同じような経験をした事がありますが、はじめて我が子がAD/HD(他の障害であっても同じです)だったと知った時のショックから、立ち直る過程には、次のような過程をたどる人が多いです。
・どうしても始めはその障害を認められない。分かっていても認めたくないという時期。この時期には、なかなか他人の言葉を取りいれるだけの余裕はありません。→・障害を認め自分の力でなんとか頑張ろうと、様々な所や療法に頼ろうとする時期→・自分の子どもにあった方法を、夫や兄弟、他の人の協力を得ながら工夫、開発しながらしていくうちに、子どもの発達が見えるようになり、子育てに喜びを見出して行けるようになる時期。
ですから、親御さんがどの状態におられるのかをしっかり把握して、適切なアドバイスと、心からの共感をする事で親御さんとの心を結べるように努力をしましょう。決して親が無理解だなどと責める事のないようにし、親御さんが心を開けるような関係を作り出してください。
U 子どもに告知する問題
Q:
本人に自分のAD/HDということについて、何時どのように理解させたらよいでしょうか。
A:
これは本当に難しい問題だと思います。しかし、この問題を避けて通るわけには行きませんし、不適切な対応をしますと、本人が二次障害を起こしてしまうことも起こりかねませ私の実践や、ポップコーンの例会での話し合いの内容をあげておきます。『』の中の文は、専門医の岩坂先生の意見です。
ともすると、今までは父母と教師サイドだけで考えられてきたきらいがありすぎました。先日、ある親御さんから、このような相談を受けました。「子どもにはまだ家でも告知していないのに、私(親)に無断で、先生だけの判断で、クラスの子や学級の親に、子どもがAD/HDだと告げられてしまったので、どうしたらよいでしょうか。」
調べて見ますと、同じようなケースがいくつもありました。このような事は、あってはならない事です。これからは、医師との連携が絶対に必要です。親・医療関係者・療育・教育関係者が連携して一番その子どもに相応しい伝え方が出来るようにして行きましょう。1人1人の子どもに合った、伝え方を考えていきましょう。その場合に少しでも参考にして欲しい事柄をいくつかあげておきます。
1 親・教師・医師が連携して
本人が自分のことをたずねて来た時がよいと思います。子どもが前向きにがんばっている時がよいでしょう。つまり、子どものセルフエステイ−ムが高い時です。AD/HDの大人の人の意見でもありますが、「本人がある程度、自分の得意な面や苦手の面を、他人に話せるようになっている事が必要でしょう。」自分の特徴やよい面を理解すると、セルフエステイ−ムの低下も防げますし、自主的な子どもに育つ可能性が高くなります。
『AD/HDという言葉を出さなくとも、小学校低学年から、本人が何が得意で、何が苦手なのか具体的に話し合っていくことは、セルフエステイ−ムを育んで行くために大切でしょう。告知の時期は、個人の発達レベル・家庭・学校など周囲のサポート体制・AD/HDのタイプ・重症度によって、ケースバイケースが第一前提条件です。したがって、AD/HDと診断がついているのであれば、主治医と時期・告げ方について相談する必要があると思います。』
2 AD/HDを前向きにとらえているとき
子ども自身が自分の事について知りたいと思っている事。その上にもっと大切な事は、親や関係者がAD/HDを前向きに捉えている事が重要です。親や教育関係者が、否定的に捉えているときには、子どもにも否定的にしか伝わりません。言葉で言わなくても、否定的な態度が現れるので、すぐに子どもにはわかるのです。本人のよい面を、きちんと言葉にして伝えてやる事がとても大切です。その時には、子どもむけに現在出版されている、AD/HDを理解できる絵本やワークブックなどを利用するのもよいと思います。又、親自身がペアレントトレーニング等の講習を受けて、子どものよい面を知り、適切な接し方を身につける事が必要です。
3 薬(コンサータ)について
薬を飲む場合には、本人になぜ飲むのかも含めて、正しい知識をきちんと説明して、納得させておく事がとても大切です。そうしないと、飲むのを嫌がったり、なぜ僕だけが飲まなければならないのか悩んだり、劣等感を持ったりしてしまいます。
『薬の服用に関しては、出来る限りビタミン剤とか、胃腸薬とかごまかさずに、落ちつける薬、いらいら虫をおさえる薬、目がねのような役割などと、本人の自覚できる部分を補うための薬であることを、伝えていくべきだと思います。』
4 クラスで伝える場合に
教師がクラスの子や、父母などに説明する必要がある場合には、@事前に親の了解を得る事が鉄則です。A次には、本人の思いも確認して、本人の状態が良好な時を選んで話してください。本人の状態が悪い時や、友達などと揉め事を起こしているときにはしないで下さい。そのような時にAD/HDの話をすれば、否定的にクラスの子に伝わってしまいます。
苦手な部分だけでなく、よい面をおおいに評価して、プラスのイメージがクラスの子や父母に伝わるような内容で話してください。その時には、他の子にも同じような内容があれば、同じように良い評価して誉めてあげてください。AD/HDの子だけ誉める事の無いようにして下さい。
B親に無断で、担任の教師だけで、クラスの子に話す事は厳に謹んでください。話す場合には、その学校の教師全員が、正しい知識と接し方を事前に身につけておく必要があります。間違った対応や、まだ告知を受けていない子などの場合には、子どもを不登校などに追い込んでしまう場合もあります。
『本人、担任、学校の他の先生がAD/HDと知る必要はあると思いますが、他のクラスメート、保護者にあえてAD/HDと説明するより、あくまでも本人の特徴として、まず伝えて行くべきだと考えています。そうしないと、キレル子、障害児という印象で、その子全体が見られてしまう危険性があるからです。どうしても病名を告げる必要がある時は、AD/HDの部分をもつA君、という形で説明すべきでしょう。』
V 子育ては大変だよね
以下は掲示板に書き込まれた内容を許可を頂きましたので、ここに一部分を整理をして載せさせていただきます。
どこの家庭でも、同じような子育ての悩みはありますね。
Q:どうしたらよいでしょうか。
A 子どもを信じてあげられませんでした。
書き込み
先日ちょっと事件がありました。息子が小銭を持っていたので、「どうしたの」と聞くと「怒らへん?」「うん」「おばあちゃんのたんすからとった」との返事。とにかく、人のものを勝手に取ることはいけない事を言って聞かせましたが、ショックです。息子は文房具をため込むくせがあります。それも勝手に誰の物でもとって自分の箱に入れてあります。その都度言って聞かせていたのですが、今回のことで一層不安になりました。
その後、図書館で借りたビデオがないことが判明。明日返却日なのにない・・・と、その夜大騒ぎになりました。息子の聞いても「とってない、さわってない」の返事。最後に見たのは息子。主人も私も信じて上げられず、かなり怒鳴って探させました。
ビデオはテレビの後ろに落ちて、その上から書類が落ちて、隠されて見つからなかったのです。息子の言っていたことは正しかったのですが・・・。こんな事が続いて、親子関係が悪化していくばかりで、辛いです。
B ご存知かとは思いますが(ご存知じゃないかもしれませんが)AD/HDの診断を受けています。私は成人で結婚もしていますが、子どもはいません。だから、まだまだ子どもの気持ちに近いので・・・子どもの気持ちでお母さんの文章を読んだ感想を書きます。
お母さんの書き込みを見て、子どもの頃の自分を思い出しました。よく自分の身に覚えのない事で怒られました。その中のいくつかは、わたしが原因だったこともあったのですが、たまに私が原因ではなく、母の思い込みで起こられたこともありました。でも、そういう時は「日頃の行いが悪い」と言われて、よけい怒られたような気がします。
親の(ほうが間違っていた場合には)建前無しに、「ごめんなさい」と言ってもらえたら・・・子どもは安心します。・・・というか、私自身は親からの素直な言葉が欲しかったのです。
間違って叱られた時、「どうして親はあやまらないのかな?」って、子ども心に思っていました。お母さんが謝ってあげたら、大丈夫だと思います。でも、親のプライドにじゃまされて、素直な気持ちで「ごめんね」って謝っていないのなら、・・・今からでもいいから謝ってあげて下さい。
「大人は子どもに謝らないものかな?」と・・・いわれのない理由で怒られたとき、自分は悪くないのに怒られていた事が判ったとき・・・哀しみと一緒に、心に穴があいたような気持ちがしました。
「どうして大人は子どもに対して、自分の非を認める行為が出来ないのだろう?」
謝ってほしい・・・というよりも、「心がほしい」のだと思います。「悪い事は悪い」「良い事は良い」でうやむやにはしてほしくないのです。
さきにも書いたけど、疑ったことを息子さんに謝っているのであれば、大丈夫だと思います。失礼な事を書いてしまったかもしれないですが・・・。AD/HDの子どもが、大人から疑われた時の悲しい気持ちを思い出したので書き込みせずにはいられませんでした。
C AさんとBさんの書き込みを読ませていただいて、その通りとうなずきました。なかなか子どもに対しては、親や教師は自分が間違ったと後から気付いても、プライドが邪魔をして謝るチャンスを逃してしまう事が多いですね。でも、謝る事が、子どもの心をどれだけほっとさせるのか考慮して見てください。間違った時には、お父さんやお母さんや先生も謝るんだ、という事が分かれば自分が間違えた場合にも、謝る事が出来るようになります。親や教師が謝らないでごまかしたりしますと、子どもは嘘を言ってごまかしても良いのだと学んでしまいます。
問題を起こした時ほど、丁寧な指導や対応のし方を学ぶ事で子どもは賢くなって行くのです。子どもは、親の言うようには育たないが、親のする行動から学んで育ちます。
それから、分かってほしい事は、AD/HDの子どもは時には、自分の物と他人の持ち物をなかなか区別できない事があります。ですから、他人の物を取るという意識がないまま、他人の文房具などを自分の物と思い込んで持って帰る事も起こります。また、他の子が机の上に放りっぱなしにしておくと、「いらない、落ちていた」という感覚で持って帰る事もありますので、その時には、どのように対応したら良いのかも具体的に、すぐその場で教えて対応の方法も練習させてください。あとで教えても、忘れてしまっていますので、効果はありません。
良くない行動には、毅然とした対処が必要ですが、彼らの特性を理解してあげて接してください。本当は、とても優しい心の持ち主の子どもたちなのですから。
子どもの時には、善悪がはっきり分かりません。ですから、子どもが間違えた時には、ただ叱るのではなく、こうするのが正しいのだよと、具体的に望ましい方法を教えてあげましょう。1回ではすぐに理解できなくても、何回も望ましい方法を教えてもらう事で、次回には正しい方法をとる事が出来るようになります。根気良く頑張りましょう。
A ありがとうございます。
BさんCさん、アドバイスありがとうございます。謝るには謝ったのですが・・・。
いつもなのですが、この時も私が謝ったら涙目になって、私の手を振り払って怒って、「アホ、お母さんなんかどっか行け」って言います。私がなにか言うたびに「どうでもいい」とか「こんな子はほうっておいたらいい」とか言うので、謝っている自分が情けなくなってきます。
「お母さんが謝っているのに、いつまでもそんな事を言うんやったら勝手にし!」って事になってしまうのです・・・。
この様子(今回に限らず)を傍らで見ている姑は、「親がなめられてどうするん!」って怒ってくるのでそのストレスがまた子どもに行っているように思います。
子どもは親の言うようには育たないが、親の行動から学んで育ちます・・・たしかにそうですね。肝に銘じます。いつもキレテばかりいる、こんな母親に育てられてこの子は、まともに育たないかも・・・ってちょっと苦しいです。愚痴ばかりですいません。
B お母さんの気持ちが痛いです。
お母さんを求めながら、「でも、信じてくれないじゃないか」と息子さんの心が葛藤しているのですね。「勝手にし・・・」という言葉は、私も何度も言われました。そのたびに見捨てられたくなくて、でもどうしたらよいのか分からなくて・・・パニックを起こしていた。呆然としていたら、「何ぼけっとしているの」と怒鳴られるので、とりあえずどこか他の部屋に行く。でも、自分の何がいけないのか?よく分からないからしばらくしたら、怒られた事など忘れたかのように、また母を慕っていました。・・・こうやって自分の子どもの頃を思い出して、あの頃、母は私に何を求めていたのだろう・・・と考えます。
私はお母さんに「どんなことがあってもあなたは私の子どもで、私には必要な存在なのよ。」・・・ということを、示して欲しかったんではないかなと思います。私は、母に抱きしめてもらった記憶がありません。
ずっと大人になるまで、私が母親にとって必要な存在なのかわかりませんでした。たまたまある事件から、子どもにまともな愛情を示せない母が、どれだけ私のことを大切に思っていてくれていたか知る事が出来ましたが、それまで、母と私の愛情は交差する事はありませんでした。
これは私がお母さんにして欲しかったことですけれど、息子さんが涙目で怒ったら抱きしめたらいかがでしょうか?こんな事を書いたら、私もお母さんを抱きしめたくなりました。お父さんを抱きしめたくなりました。
母の日ですので、二人に会って抱きしめ様と思います、(多分、はたかれそうな気はするんですけれど)
C お母さん、子どもを心から信じてあげて下さい。
(そんな事、言われなくても信じてあげていると思いますが、念のため)
心のどこかに、子どもを信じきれない部分がありますと、言葉に出さなくても子どもには敏感に分かるものです。むしろ、言葉の数の少ないこや、言葉が出にくい子のほうが、言葉にだまされませんから、相手の本当の心を敏感に察するものです。あなたが私の子どもで良かった、と心から思いぎゅっと抱きしめてあげて下さい。そうすれば、本当に愛してもらっているのだと分かります。これは大人になっても、同じですよ。子どもは親が寿命で亡くなるまで、親には、たとえ子ども自身が60才になったとしても、いくつになっても甘えたいものです。
それから、姑さんにはなかなか理解してもらえないかもしれませんが、あきらめないで、長い事かかるかもしれませんが、AD/HDのことを分かってもらうような工夫をして行きましょう。お母さんが、確信を持ってしっかりと取り組んでいれば、必ず分かってくれます。お母さん1人で取り組むのではなく、家族のみんなの力も借りましょう。そして、同じような悩みを抱えた皆と、知恵を出し合いましょう。
A 重ね重ねすいません
とても参考になる生の声、ありがとうございます。呆然としたら〜とりあえず、どこか違う部屋に行く・・・まさにウチでは、よくある風景。怒鳴って私(親)のストレスは解消されても、息子の心の傷になるんですよね・・・分かっていても止まらなくなる自分が怖いです。寝顔に泣いて謝る毎日で・・・お2人のアドバイス、心がけます。私に「ダメだダメだ」という思考しかなく、「子の子を育てなければ!」という強い信念が持てていないのかもしれません。カツを入れてやってください。
B ダイレクトな言葉がほしい
ADD・AD/HDの人は、雰囲気を読む、表情を読むという事が苦手です。(ご多分に漏れず私も苦手です)
だから、愛情にしろ、なんにしろ・・・ダイレクトに示してもらわなければ、判らない事が多いのです。だから、お母さんも言葉で上手く表現できないのであれば、行動で好意で示してみてください。「ダメだ、ダメだ」の思いのほうが強いんじゃないですか?育てたいという気持ちがあっても、あきらめの意識があったらダメだと思います。育てたい気持ち・・・それは親になったことがないからよく判らないのです。でも、あきらめの気持ちの怖さはよく分かります。特に、自分自身に対するあきらめの気持ち・・・あれは怖いです。だから、ダメだとは思わずに、思いつく手立てで、思いを伝えてください。きっと息子さんは、お母さんの思いを・・・自分のわかる形で伝えてもらえることを待っていると思います。というか、息子さんはお母さんに、受け入れてもらえる確かさを欲しがっていると思います。お母さんは「気付き」を持っている人だから、きっと大丈夫です。出来ます。私が応援しています。
D 私の体験から
久々に覗いて見たら、素晴らしい内容の書き込みが続いているではありませんか。お母さん「この子を育てなければ!」の思いに押しつぶされているんじゃないかな?とってもしんどい子育てをしているように思います。以前の私がそうでした。「この子を立派な大人に育てなきゃ」って思っていた時は、とても辛く、悲しい子育てでした。どうしてかというと、「育てたいように育たない」からなんですよね。...今思えば、一番疲れる子育てをしていたように思います。
今は子どもは「育てる」のではない「育つ」のだと思っています。そして私も、子どもと一緒に、親として日々育って行くのです。Bさんのおっしゃる通り、どんな人でも、悪い時は謝らなければいけないし、嬉しい時は「ありがとう」を言わなければいけないんですよね。こういう当たり前のことが、子どもを「育てる」という意識の時には、出来ていなかったんですよ。だって上下関係でしょう?
「育てる人間」と「育てられる人間」って…だからつまらないプライドが生じてくるんですよね。どんなに小さな子供でも、いくら自分が産んだ子供でも、一人の人間なのだという事を忘れては行けないんですよね、きっと。私の分身じゃない、1人の人間ですよ。彼らは…皆と習得するスピードは違っても、必ずいろいろな事を学習していってくれると信じて、彼らが「育つ」事を見守りましょう。もちろんその為に必要な事は、ダメな事やよい事をはっきりと明確に教えてあげなければいけません。特にAD/HDの子供や人には、ダメな事をした時には、なぜそれがダメなのか、良い事をした時は、それがどうして良い事なのか、このあたりの事も必ず伝えてあげてほしいいと思います。
うちのパパは、そうする事で、理解しやすくなったと言っていました。ちなみに、うちのパパは、自分でAD/HDだと言っています。『暗黙の了解』ってのが非常に苦手です。理由がわかれば『すっきり』するそうです。
お母さん、少し肩の力を抜きましょう。疲れますよ。
A 私の心中を見事、言葉にしてもらったって感じです。BさんやCさんにも同じ思いでした。またくじけそうになったときは、ここにきます。ありがとうございました。
X 第五回公開講演会・座談会の質問に答えて頂いた高山恵子氏の話の内容をメモ的に書きますので、内容を十分にはお伝えできないかも知れませんのを、お許し下さい。
Q 子どもに怒らないでと思うのですが、なんど言っても聞いてくれないので、つい怒ってしまいます。どうしたら良いでしょう。
A 実行機能の障害がADHDの問題の中心ではないかと思います。
レザックの実行機能で説明しますと
@強い意志を持てない(意志が弱い)ですから、ご褒美などで実行の意志を強める。
A計画立案ができない。スケジュールを立てるのが不得意。必要な物と、不必要の物との区別がなかなかできない。(要らない物は捨てるとか、必要なものはファイルに入れるとか)傍にいる人が、サポートしてやる。
B実行する内容を忘れる。ワーキングメモリー(自分がやる事を覚えている事)に障害がある。例えば、授業中に先生の話を聞いている最中に、他のことに気を取られて先生の話を聞いている事を忘れてしまう。(先生の話も、他のいろんな音も同じ大きさに聞こえてしまう)→「今は、先生の話を聞くんだよ。」と集中させてやる。耳から入る情報は、なかなか覚えられないので、視覚、文字などに書いておく。
何か他の刺激があると、自分のすることを忘れてしまう。なるべく刺激のない席に座らせる事。
C効果的な行動・セルフモニタリング
自分の行動を監視できない。私達は他のことに気がそれても、もともとの事に戻れるが、ADHDの人はもとに戻れない。体育の時間に蟻を見つけると、体育をしている事を忘れて、蟻のほうに行ってしまう。
以上のような事から、なんど言ってもなかなか言う事を聞く事が困難な状態になる。★近くによって、穏やかに、静かに話す事を心がけましょう。かっとなったら、その場から離れるとかして、クールダウンさせます。
私達は内言(口に出さない言葉)できますが、ADHDの子ども達は、思いついたらすぐに口に出してしまいます。→段段と小さな声にしていきます。リタリンを飲むと、待つ事ができるようになります。
例えば、すぐ大きな声で何回でも質問をしてしまう。
@子どもと質問の回数を決めておく。いきなり少なくするのではなく、だんだんと減らして行く。
A休み時間とか、紙に書いて質問する方法もある事を教える。なるべく低学年の時に、質問の回数を少なくしておく。
★ADHDの子どもは、同学年の子どもと比べると、脳の成熟が2学年ほど遅れている子が多い。小学校1,2年生にしてあげるような内容を高学年、中学でもしてあげる必要もある子もいる。学習や宿題も量が多いとやる気にならないので、少なめにしてやる。
★リタリンについて
医師だけでなく、学級の先生と連携して、効果、副作用などをきちんと把握する。
薬は個人差がある。基本的には、医師に処方された量だと良い。初め食欲不振などになる人もいるが、なれるとなくなる人もいる。薬を飲まない時と、飲んだ時の違いを自分で分かるようにすると、自己コントロールができるようになる。
リタリンは覚醒作用がありますが、覚せい剤ではありません。コーヒーなども覚醒作用がありますが、覚せい剤でないのと同じです。
★パニック
パニックが一段落し、落ちついたらあやまらせる。→例えば、パニックで倒した本棚をもとの戻させる。→あなたがそうなった気持ちは、こうなのねとその子に共感する。パニックのパターンにはまりそうだと分かったら、他の部屋に行く等も大切である。
★ソーシャルトレーニング
@非言語的メッセージ(言葉以外のメッセージ)相手の顔の表情や雰囲気から、メッセージを受け取れない。特に、アスペルガーの子は、理解ができない子が多い。日本の社会では、この微妙なニュアンスが分からないと、特に女性は苦労する。ADHDの子は、分かるが衝動性のためについやってしまう。
・お母さんの顔を見てごらん。嫌な顔をしているでしょう。友達の顔を見てごらん。どんな顔をしているのと、顔の表情の表現の意味をきちんと教えてやる。
A子どもに共感する。共感する能力は、本能ではなく、トレーニングで伸びる。体からてくるメッセージに、共感してやる。疲れた顔をしているね。→共感の仕方を教えてやる。
B自己コントロール
友達からの思い、嫌な感じをしているのを感じ取れる事。
C言語的なメッセージ
うまくできた事を誉めてやる。具体的な指示をしてやる。
★思春期・大人に向けて
自分のできない部分を自覚する。何が弱いのか、そのためには何ができないのか、具体的には、どういうサポートが必要なのか。親や先生が、実行機能の代わりになってやってはいけない。できない事を自分で認めるのは辛いが、サポートしてもらえる状況を作ることが大切です。
Y 国際AD/HDフォーラム(2002年8月31日。東京)での質疑の内容から、メモ的にまとめましたので,十分には本人の意図が伝わらないかもしれません。このフォーラムの記録が出版されるようでしたら、そちらをお読みください.
Q 心理的な原因の多動とADHDの違いの見分けは
A 【ビーダーマン氏】
両者の間の違いはない。見ただけでは原因を区別できない。
Q 何才から診断できますか
A 平均は3才ぐらいから発見がされて、治療は平均9才から10才頃からされることが多い。
4才〜6才での投薬は、どうかという考えもあります。発見したら、なるべく早く介入する。介入が遅れるほど,子どもは心に傷をおってしまう。ADHDの他にも、障害や病体があるか調べることも重要です。
Q ADHDを子どもにどう伝えたらよいか
A 子どもが理解できる環境を整える。
ADHDの子どもは、自分が問題を持っていると、本人は思っていません。自分は大変なのだとは思っていません。自分のADHDを理解していないと、うまくいかないのは他人のせいにしてしまいます。親に説明する。親もどうしたらよいか、困ってきているので、対処の仕方を教えてやる。子どもにも、どうしたらよいかをきちんと教えてやる。
Q
ADHDを教師が学校で見つけた場合、親にどのようにしたらよいか。
A 【ナデユー氏】
アメリカでは,先生が親に言うのは禁止されています。そういう学級を作らなければならなくなるという法律があって、予算面のことがありますので。
先生は親と良い関係を、日頃から作っておくことが大切です。親に理解してもらう場合に、ADHDを障害ではなく、単なるレッテルと思っている人には、理解をしてもらうのは難しいです。
★日本では、学校の先生がADHDを知らない人がまだ多いですので、親に責任を押しつける【親のしつけが悪いからだ】ことがまだ多いです。私【西田】は、ここ数年は近畿を中心に、日本の各地を研修の講師で保育所、幼稚園、小中高の学校など数百ヶ所をまわっています。きちんと説明と実践を話しますと、ほとんどの教師は理解してくださいます。頑張りましょう。
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| [3] ★今後の教育に生かしたい SOAAがアンケート調査 2006年4月13日 しんぶん赤旗 | ||
「友達や先生との人間関係に悩む事が多く、学校へ通うのがつらかった―。NPO法人「大人のADD&ADHDの会」は、当事者の子ども時代の思いについて、アンケート調査を行いました。
ADHD成人当事者が体験談や意見 84%とが『通学つらかった』
「ちょうど1年前、発達障害者支援法が施行されました。私たち成人当事者の体験談や意見が、実際的な施策を生み出すもととなると思いました。」
原因がわかればただしい指導が・・・・
調査のきっかけについてこう語るのは、「大人のADD&ADHDの会(通称・SOAA=ソア)」代表の白井由佳さん(39)です。同会は、成人AD/HD(注意欠陥/多動性障害)の社会認知と生活支援を目的として、5年前に発足。現在の会員は824人です。
親や先生の理解が大切に
T 「ADDやADHDの症状のために、学校に通うのが辛いと感じたことがあるか?」との問いには、84%が「ある」と回答。その原因の第一位が「友達との関係」でした。【学校に通うのが辛かった理由は? @友達との関係84%、A勉強についていくこと58%、B 時間を守ること57%、C先生との関係47%、Dその他29%】
「この3項目までは、先生の理解で理解できること」指摘しています。
子どものつらさを先生が理解してくれたかについては「理解してくれなかった」が92%にも。
U 「先生の理解があれば、その頃の学校生活や今までの人生は変わっていましたか?」には6割が「思う」。【先生が辛さを理解してくれなかった】と答えた回答者のみ @すごく思う6% A思う57% Bあまり思わない30% C全く思わない6% D無回答1%
「おしゃべりや忘れ物や頑固さの原因がわかっていれば、正しい指導が受けれれたかもしれない」「他の人にできて自分にできないことは、自分の根性が足りないからだと思っていた」などの声が書きこまれていました。会員で二児の母である広野ゆいさん(33)も言います。「先生に怒られたり、友達にいじめられたりする理由がわからないことがよくあるんです。ですからまた同じ事を繰り返してしまうので、理由が分かるように怒ってほしい。また、普通のやり方ではできないことも、やりかたのちょっとした変更や工夫で解決できることが沢山あります。」
理解する先生が一人いるだけで
V 「今の子どもたちが、社会でもっと生きやすくなるために必要なものは?」
@親の理解72% A先生の理解64% B早期発見・治療63% C特別な教育支援52% D友達の理解47% Eその他26% 「身近な大人が理解する必要性があらわれている」と分析しました。
安田薫さん(34)は、印刷物の製作などを仕事としながら絵画制作も続けています。「いつも時間に遅れてしまうと、それだけで最低な人間と思われてしまう。『人間以前だ』というようなしかり方をしないでほしいんですね。主要5教科は何のために学ぶのかわからなくて全然駄目でしたが、美術の先生だけは私を認めてくれた。理解のある先生が一人いるだけで変わる、と思います。」
調査結果について白井さんは言います。「成人した当事者はいっぱい話したいんだ、ということがよくわかりました。教育集団の中で、具体的にどういう支援があったら良かったのかをみんなで考え、伝えていきたいと思います。」同調査の問い合わせは、電話011−758−8058
★同じ内容の記事が、毎日新聞4月17日に載りましたが、詳しい新聞のほうを載せました。
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