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コラム V AD/HD児への接し方と教育/子育て中のQ&AU・軽度な発達障害
コラムのU【教育とQ&AのT】のページが一杯になりましたので、続きをこれからこのページに載せていきます。
1      発達障害の子育て支援:身近に専門家を  2008年10月12日 毎日新聞
 LD(学習障害)やAD/HD(注意欠陥多動性障害)など発達障害への関心は高まったものの、現状では支援を担う専門家は不足している。通常の子育て支援の中にどう組みこんでいくかが問われている。【大和田香織】
 東京都品川区にある「学研」の発達支援教室。「この文を読んでみて」−−文章の中の助詞を四角で囲んだ紙を女性スタッフが差し出すと、小学2年生のM君(8)=川崎市=は大きな声で読み上げた。 「牛乳、ヘ、飲みます」 「どう直したら良いかな」 「ヘ、じゃなくて、を、だ」 「よく気がついたね」
 M君は、文字や図形の形を書き写すなど、読み書きの一部が苦手で、LDと判定された。週1回、別の小学校の通教指導に通い、書き取りや、漢字を一文字ずつ目で見る練習を続けている。学研の国語クラスにも通っており、この日はスタッフと1対1で漢字の一部を覆うシートなど専用教材を使って勉強した。
 母親(45)は「1年の途中から習う漢字が増え、苦労するようになった」と振り返る。障害に合った指導をする学習塾を探したが、どこも満員だった。今年1月、学研の教室を知った。今は書ける漢字も増え自信を取り戻したという。
 川崎市では市立小学校7校で通級指導の「ことばの教室」を開き、各校に教員4人を配置している。だが、通う子どもは380人にも上る。
 日本発達障害ネットワーク(JDDネット)副代表の山岡修さんは「05年の発達障害者支援法施行や07年の特別支援教育の制度化で、LDやアスペルガ―症候群などの子も通級指導の対象となり、支援の枠組みは整った。ただ、支援の質・量とも不十分だ」と話す。
 学校で相談に乗る特別支援教育コ―デイネーターを配置する小中学校は9割を超える。しかし、06年に大阪の「LD親の会」が行った調査では、コ―デイネーターの存在を「知っている」との回答は半分以下だった。せっかくの機能を生かしきれていない学校が多いことがうかがえる。
 山岡さんは「市町村などでの検診で不適切な助言を受けて親が悩むケースもある。身近な場所で適切な助言が受けられるように専門家を養成することが急務だ」と指摘する。
 国立特別支援教育総合研究所の発達障害教育情報センターは今年8月、特性に応じた支援方法や教材などを網羅したサイト(http://icedd.nise.go.jp/blog/)を開設した。笹森洋樹総括研究員は「今の大きな問題は、無理強いや叱咤(しった)激励の繰り返しで子どもが自信や意欲をなくしてしまう。『二次障害』だ。正しい情報提供が肝要だ」と話している。
 全国私立保育園連盟は昨年2月「気になる子」にどう対応しているかを調べた。それによると「気になる子」は4才児で5.8%、5才児で5.4%だった。その理由を見ると、「多動がはなはだしい』が17.3%で最も多く、「言葉の遅れ」の13.2%がこれに次いだ。障害を疑われる子を現場が気に留め、何らかの支援を心がけていることがうかがえる。
 調査をした社会福祉法人「杉の子保育会」(東京都世田谷区)の星野勤理事長は「障害と判定されれば行政から費用の加算も認められるが、早期に判定するのは難しい。障害が確定しなくても支援を行うことが大切で、現場はすでに工夫している」と語る。
 通常の子育て支援の中での取り組みについてJDDネットの山岡さんは「翌日の持ち物を説明するとき、言葉だけでなく版書するなどの工夫をしたらクラス全体で忘れ物が減るなど、障害への配慮が他の子にもいい影響をもたらした事例がある」と指摘。発達教育センターの笹森さんも「障害の可能性のある子には、親子教室などの通常の子育て支援の中で対応できるようになることが理想だ」と話す。
【西田・・・発達障害についての解説は他の所にあるのでここでは略しました・・・】
更新日時:
2008/10/14
2      育児に悩む母 孤立しないで「相談の場ある」 福岡・小1殺害1週間 西日本新聞2008年9月25日
 福岡市西区の小戸(おど)公園で、内浜小1年富石弘輝(こうき)君(6つ)が殺害されて25日で1週間がたった。逮捕された母親の薫容疑者(35)は病身で思うような子育てができず、問題を1人で抱えこんでいたとされる。育児に悩む母親が孤立するのは珍しくない。そんな親子を支援する人々は「相談の場はある。1歩踏み出して」と訴える。
 弘輝君は計算など一つのことに集中する性格の一方、環境が変わると集中できなくなったり、教員の意思が伝わらなかったりしたという。薫容疑者は昨年夏、福岡市中央区の同市教委発達教育センターを訪れ進路を相談したが、小学校に入学後は姿を見せなくなっていた。笠原嘉治所長は「悩みを伝えてくれれば相談に応じたのに」と肩を落とす。
 市教委によると、行政による育児支援の対象は就学前が対象だが、就学後も障害児に対応する同センターや臨床心理士がいるこども総合相談センターで対応可能。福岡県教委も24時間、育児についての電話相談を受けつけている。
 民間団体もあり、子育て支援情報誌を発行しているフラウ主婦総合研究所(福岡市)は、親子が孤立しないように転勤家族と地域との交流パーテイ―などを開催。浜砂圭子社長は「悩みを知らないと、どんな支援が必要かも分からない。まずはグループを探すなど行動してほしい」と呼びかける。
 学習障害(LD)などの子どもの保護者でつくる「北九州LD親の会・すばる」(北九州市)も親子の集いなどを通じて特有の悩みを共有することで、心理的負担を和らげているという。ただし、保護者の中には内向的で、子育てサークルに参加できない人も少なくない。
 情報交換可能なインターネットサイトを運営している育児情報誌リトル・ママ(福岡市)の森光太郎編集長は、自宅で外部とつながりが持てるネットの有用性を説き「とにかく相談できる場にたどり着いてほしい」と願う。
 横山正幸・福岡教育大学名誉教授(発達心理学)は「小さいことでも気軽に言ってほしい、といった地道な声掛けを、行政も民間も続けることが大切だ」と話す。
 「理想の母になれず」弁護士に薫容疑者
 福岡市西区の小戸公園で富石弘輝君(6つ)が殺害された事件で、殺人容疑などで逮捕された母親の薫容疑者(35)の弁護人は25日、福岡市で記者会見をし「薫容疑者には弘輝君にはいろんなことをしてやりたい、またできるはずといった理想の母親像があったが、病気の為、それができないことで悩みを深めてしまったようだ」と述べた。
 弁護士によると、薫容疑者は病気の為手足が不自由で、8月から体の痛みがひどくなり、事件の10日前から自殺用に(金魚の水槽に空気を送り込む)ゴムホースを持ち歩いていたという。弘輝君は授業を最後まで落ち着いて受けられないことから、特別支援学級に通っていた。
 薫容疑者は子どもの世話を満足にできないことに負い目を感じており、事件当日は弘輝君にトイレの介助を頼んだ際「何もしてくれないのに自分はお手伝いばかりさせらている」と言われて絶望し、弘輝君をゴムホースで絞殺したという。薫容疑者は「一人で悩みを抱えこんで事態を悪化させてしまった」「弘輝に申し訳ない」と悔やんでいるという。
(西日本新聞 夕刊 2008年9月25日)
 
★この痛ましい報道に接した時、最初に思ったことは、お母さんが心から信頼できて、相談できる人がまわりにいなかったのを大変残念に思いました。一番身近におられたはずの、学校現場の校長先生や担任の先生と相談できていなかったのでしょうか。軽度な発達障害【AD/HDやLDや高機能自閉やアスペルガー症候群】のある子どもたちの子育てや教育には、親御さんや周りの人たちには、特別な配慮が必要です。他の新聞報道によると、このお母さん一家は、特別支援学級に子どもを入れるために、転校してきたのだそうです。お母さん自身は、息子に暴力をふるわれて体にあざができていたそうです。もっと親身になって側の人が相談に乗って上げられたら、この事件は起らなかったのではないでしょうか。
 2度とこのような悲しい事件が起こらないように、行政はきちんとした、細かいことにも機敏に対応できるサポート体制確立し、民間の団体とも手を取り合っていく必要があります。その為には、国から予算や人的な援助が今早急に必要です。
★この私のホームページ【青空】も、必要を感じておられる人々に、微々たる力ですが、何らかの手助けが出切ればと思い続けております。電話やメールでの無料教育相談もしておりますので、お気軽に連絡をいただければと思っております。 【西田 清】
更新日時:
2008/11/12
3      自分の特性知り セミナーで改善 読売新聞 2008年9月16日
(上)自分の特性知り セミナーで改善
 発達障害は、障害者施策の枠外にあり、『谷間の障害』とも言われてきた。保育、教育、就労などの支援を国や自治体の責務とした「発達障害者支援法」の施行から3年。教育現場を中心に子どもへの対応が進む一方で、大人の生活支援の取り組みがようやくスタートした。(飯田裕子)
 苦しみの原因 東京都の練馬区の近藤浩子さん(仮名、38才)は約8年前、書店で注意欠陥・多動生障害(AD/HD)を題材にした本を読み、衝撃を受けた。そこに書かれていた障害の特徴が自分にぴったり当てはまったからだ。
 「子どものころから、とにかく鈍くさくて」、成績は悪くなかったが、体操着に着替えるのも給食を食べるのも、必ずみんなから遅れた。母親に「あんたは駄目な子」と言われつづけたのがつらかった。後先考えずに行動するため、高校では不用意な発言で友達が離れていった。卒業後就職し、職場で知り合った男性と「衝動的に結婚」。すぐに男の子が生まれたが、片付けがうまくできず、家の中は脱いだ洋服やバッグ、本などがうずたかく積みあがり、足の踏み場もなかった。台所に漂う異臭の元を探したら、腐ったたまねぎが出てきたこともあった。
 パチンコばかりの夫との離婚を目指し、運送会社に再就職したが、「時間の感覚がつかめず」、遅刻の連続。みんなが簡単にこなしていることが、なぜ自分にはできないのだろう―。幼いころからずっと抱えてきた苦しみの原因が、脳の機能障害にあることが分かった。専門クリニックでの診断はAD/HDだった。
 当事者のノウハウ 会社の移籍を巡るストレスや家族関係などでうつ病を患っていた時、NPO法人「大人のADD&ADHDの会」を知った。同じ障害に苦しむ人と語り合い、自己管理の方法を学ぶセミナーに参加した。助言に従い、衣類乾燥機を買うと、洗濯物を干し忘れてかびさせることがなくなった。携帯電話のメモ機能を使ったスケジュール管理で、大事な用事をわすれないようにになり、遅刻も減った。「生活が大きく改善しました。当事者の体験を基にしたノウハウなので、実用性が高いんです」。セミナーを主催しているのは、自身もAD/HDの白井由佳代表だ。障害の特性に応じた家事の仕方や、身だしなみなどを整える方法などを教えている。「自治体などの施策は主に子どもが対象。大人の発達障害者が直面している困難を乗り越えるための支援が必要だ」と白井さんは訴える。
 専門デイケア 支援法が施行され、発達障害のある大人の暮らしを支える動きが始まりつつある。これまでに、発達障害者支援センターが全国62ヶ所に設置された。東京都中部総合精神保健福祉センターでは今年、自閉症と似ているが言葉の遅れが見られないアスペルガ―症候群の人を対象に、自立と社会参加に必要な技術の習得を目指すデイケアが始まった。
 社会性やコミュニケーション能力の向上に重点を置き、電話のかけ方やあいさつの仕方などを学ぶ。掃除や調理などにも取り組んでいる。同センターの菅原誠・生活訓練課長は、「対話が苦手な反面、高い記憶能力を持ち、知識が豊富な人も多い。集団プログラムの開発は難しいが、ここが一つのモデルになれば」と期待を込めている。
 大人の診断は困難 発達障害は、生まれつきの脳の機能障害だ。社会性や他人とのコミュニケーションに問題がある自閉症や、アスペルガ―症候群、注意が散漫で衝動的に行動する注意欠陥・多動性障害(AD/HD)、読み書きや計算が苦手な学習障害(LD)などがある。知的には問題がない人が少なくない。2000年に文部科学省が全国の小中学校を対象に行った調査では、知的な遅れは認められないが、発達要害の疑いがあるとされた児童・生徒は、全体の6.3%だった。社会的な不適応や挫折体験から、うつ病や脅迫性障害などの二次障害を併発することもある。
 北海道大学の田中康雄教授(児童精神科)は、「診断には発達段階に基づいた判断が必要なので、大人になってから行うのは難しい。二次障害が重なると、発達障害が見落とされてしまうこともある」と話している。2008年9月16日
 (下)能力生かせる 就労環境作り
 広がる支援プログラム 人材育成など課題 大人に発達障害者の自立を支えるカギとなるのが就労だ。従来の障害者支援に加え、発達障害の特性に応じたサポートの始まっているが、実際に就労までにこぎ着けるケースは、まだ少ない。(飯田裕子)
 計算は苦手 巨大な倉庫が集まる千葉・浦安の臨海地域にある新晃(本社・千葉県船橋市)の安浦営業所。大手コンビニチェーンの約600店舗への商品に仕分けや配送を行っている。
 パート従業員の小田陽子さん(仮名、32才)が、大きな台車を押しながら、菓子の箱が積まれた棚の間を進んできた。送り先の店舗ごとに、商品を一台の台車にまとめるのが仕事だ。手元のシールに書かれた品番に従って、商品の箱を棚から取り出し、台車に載せていく。
 小田さんは、注意欠陥・多動性障害(AD/HD)と学習障害(LD)があり、人とのコミュニケーションがうまくとれない。計算や字を書くのが苦手だが、読書は好きで、司馬遼太郎や陳舜臣の歴史小説をよく読むという。高校を出て、親せきの紹介で生花店に勤めたが、代金の計算ができず、1ヵ月で退職。その後、地元の商店などの面接を何度もうけたが、採用されることはなかった。
 働ける喜び 26才の時、精神科を受診して、発達障害がある事が分かった。2006年11月から約3ヵ月間、障害者職業総合センター(千葉市)で、発達障害者のために開発された就労支援プログラムを受講。仕事の手順を分かりやすく記したマニュアルの作り方や、分からないことがある時の質問の仕方などを学んだ。ストレスを和らげるストレッチなど、パニック防止に役立つ自己コントロール法も教わった。
 以前から通っていた福祉作業所の職員や、千葉障害者職業センターなどの支援で、新晃の面接を受け、採用された。2週間の実習期間中は、同センターの「ジョブコーチ」と呼ばれる指導者が、一緒に通勤経路を確認したり、仕事の手順で理解しづらい点を分かりやすく説明したりと、常に寄り添ってサポートした。
 小田さんが働く浦安営業所の山中正浩所長は、「これまでの経歴を細かく記した履歴書をもらっていたし、あらかじめ、障害の特性を詳しく説明されていたので、不安なく受け入れることができた」と話す。十数年ぶりに仕事に就いた小田さんは「採用試験に落ち続けて、何もかも嫌になった時もあった。いろいろな人に支えられて働けるようになり、本当にうれしい」と喜ぶ。
 雇用の壁 小田さんが障害者職業総合センターで受けた発達障害者のための就労支援プログラムは、昨年から東京と大阪、今年度から滋賀と沖縄の障害者職業センターでも実施されている。今後、全国の障害者職業センターに広げることが検討されている。
 発達障害者のためのプログラムと、従来の障害者就労支援を併用し、就労を目指すことが可能になったが、実際に採用までにつながるケースはまだ少ない。昨年度、ハローワークの紹介で就労した障害者延べ4万5565人の大多数が、身体、知的、精神の障害を持つ。発達障害を持つ「その他」は、近年急速に伸びてはいるものの、全体のわずか0.8%だ。「発達障害のことがまだ雇用側によく知られていないことが大きい」(障害者職業総合センター)ためとみられる。
 宇都宮大学の梅永雄二教授(発達障害臨床心理学)は「発達障害者の中には、IQ(知能指数)が高かったり、特定分野の専門知識を持っていたりするなど、高い能力を示す人も少なくない。障害の特性に配慮しながら、本人の能力を生かす支援ができる人材の育成が必要だ」と話している。2008年9月17日
 
 
更新日時:
2008/09/21
4      日本・教育への公的支出 最下位 2008年9月10日の複数の新聞報道から
 経済協力開発機構 GDP比で3.4%
 経済協力開発機構(OECD)は9日、加盟国の教育政策の取り組み状況(2005年時点)を公表しました。
 日本の教育機関に対する財政支出の国内総生産(GDP)比は、04年度から0.1ポイント低下して3.4%(OECD平均は5.0%)となり、数値が比較できる二十八カ国中、最下位だったギリシャに抜かれて最下位でした。
 調査によると、日本の教育支出の構成比は、財政68.6%、私費31.4% 。特に家計負担の割合が22.0%と高く韓国に次いで2番目でした。年間の教育支出を児童・生徒ひとり当たりで換算すると、高等教育(一万二千三百二十六ドル)などはOECD平均(一万五千五百五十九ドル)を下回り、初等教育(六千七百四十四ドル)などではOECD平均(六千百七十三ドル)を上回りました。
 
 
 
更新日時:
2008/09/11
5      僕だけじゃない 先天性障害 デイスレクシアの悩める青年 毎日新聞 2008年9月1日
 若い時はうまくいかないのが当たり前。キレたり暴発しなくても、みんな悩んでいる。「デイクレクシア」とは、読んだり書いたりすることが苦手な先天性障害で、南雲明彦さん(23)は2年前に自らの障害を知った。さわやかな好青年に見えるから、みんな気がつかないが、これまでも引きこもりや自傷行為、精神科への入院を繰り返した。「僕だって誰かを刺したくなっていたかもしれない。」。意識が薄れてしまいそうな猛暑の午後、悩める若者について聞いた。【野沢和弘】
 視力が悪いわけでもないのに、文字がにじんだりゆがんだりして読み取れない。文字を書くとマスからはみ出す。偏とつくりが逆になる。「みんながそんなふうに見えるものだと小学生のころ思っていた」
 高学年になると黒板の文字を書き写すのについていけなくなった。「先生、書くの速いですよ」「お前が遅いんだ」。周囲をキョロキョロ見る癖がつき、カンニングとまちがえられた。‘‘おちゃらけキャラ”を必死に演じ、なんとか笑いでしのいできた。
 デイスレクシアの発現率は日本で5%、英語圏では10〜20%と言われる。5%といえば大変な数だ。東京ドームに五万人の局が入ればそのうち2500人、どの教室にも1人や2人という勘定になる。有名人もいる。例えばトム・クルーズ。ハリウッドの人気俳優は脚本を渡されると、読み上げてもらって耳から覚えるという。
 トム・クルーズほどじゃないが、南雲さんも小中学校のころ、女子にもてた。良くラブレターをもらったが、文字で愛を告白されても困ってしまう。なかなか返事が書けないのだが、そこがかえってクールに見えたりする。それにしても、どうして女子は交換日記や文通みたいなものをやりたがるのだろう。「もっとちゃんと書いて」。返事を出せずにいると、相手はますます細かい字でびっしり書いてくる。良いのはいつも初めだけだ。
 新潟・越後湯沢の生まれ。親と先生がよく酒を飲んでは、子供のことを話題にするような土地柄だった。子供のことなら地域の大人たちはなんでも知っている濃密な人間関係のなかで育った。
 授業に付いていけなくなったのは高校生になってから。転校を繰り返し、定時制高校に転がりこんだが、そのころから脅迫性障害の症状が出て、ひっきりなしに手を洗わなくてはいられない。自分が汚いものに思えて仕方がない。自室の壁を殴り、血だらけになった。精神安定剤を飲んで寝てばかりいた。精神科病院への入院も経験した。
 このままだと自分が駄目になる。寝床の中で一念発起し、家を出ることにした。もちろん反対されたが、両親もどうしていいのか分からなかったのだろう。最後は息子の背を見送るしかなかった。東京での生活費は両親からの仕送りだけでは足りず、アルバイトをした。ファーストフード店、ホテルのウエイター、英会話教室の営業など何でもやった。メモを取れといわれ、できないので携帯電話を出してピコピコ文字を打ちこんでいたら「ないやってんだ!紙とペンを用意しろ」。でも書けない、書けないということを言えない。
 「苦しくて苦しくてどうしようもなくて。それをどう伝えていいのか。誰に伝えればいいのか分からない。彼の気持ち、何となくわかります」。もがきながら乾ききった砂の中に埋もれていく。「彼」とは秋葉原で無差別殺人を犯した男のこと。「誰だってドーンと行ってしまう要素あるんじゃないですか。勉強しろと言われ、それが嫌で爆発する。仕事でも一方的にしかられ、それを我慢し続けて・・・」
 誰でもよかった、と見知らぬ相手にやいばを向ける不可解極まる事件が相次いでいる。やり場のない焦燥やいらだちが若い世代の中に渦巻いている。南雲さんの転機は2年前に訪れた。学習障害やデイクレクシアの子を支援しているNPO法人に出会い、自分によく似た子供がたくさんいることを知った。デイクレクシア?ああ、そういうことだったのか。肩の力が抜けたような気がした。僕だけじゃなかった。
 格差とか派遣とか「蟹工船」ブームとか、若い人が生きにくい世の中ではある。ましてや先天性障害を抱えた南雲さんの苦労は・・・。なんて、お涙ちょうだいの話にはしたくない。苦労はしてきたが、自滅もせず、暴発するわけでもない。それは女の子にもてから?そうかもしれない。男なんて若いころは女の子のことばかり考えたりしているものだ。
 文字を読めず、自宅の住所も上手に書けなくても、新宿の街を歩けば必ずホストクラブに勧誘される。それもかけがえのない自分のキャラクター。家族に大事にされ、幼いころから愛情をたっぷり浴びて育ってきた。どんなにつらいことがあても、自分を信じられる根っこがあれば大丈夫。
 デイクレクシアを知り、なぜ自分が苦しんできたか分かってから、それをみんなに伝えたくなった。障害のある子や家族の相談に乗り、頼まれれば講演に出向く。自分を表現し、誰かに伝えることに生きがいを感じている。苦しんでいるのは自分一人じゃなかった。誰だってそうだ。当たり前のことだけど、つらいのは自分だけじゃない。
★デイスレクシア
 【知的な遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するなどの能力のうち、特定のものができないのが「学習障害」で、中枢神経に何らかの機能障害があると推定される。このうち特に読み書きに困難を伴なう場合を「デイクレクシア」という。ギリシャ語の「できない」(dys)と「読む」(lexia)に由来する。耳から入る情報、目から入る情報などを正確に自動的にすばやく処理できないことから起る。】★
更新日時:
2008/09/02
6      発達障害の脳科学 奈良県立医大教授 飯田順三さん 毎日新聞 奈良版 2008年4月1日
医療最前線 発達障害の脳科学
 近年わが国における子どものこころの問題に対する関心は急速に高まっている。児童精神科の外来は常にあふれており、初診の予約は3ヶ月待ちという状態が通常となっている。この状況は発達障害の受診者数の増加によるところが大きい。
 高機能自閉症や注意欠陥多動性障害や学習障害等の知的障害の認められない発達障害だけで全国の児童に7〜8%いるといわれている。このような子どもたちは視線が合わない、他人の感情を理解できず平気で人の嫌がることを言う、場の雰囲気が読めない、思い道りにならないとパニックになる、多動で集団行動ができない、忘れ物が多、すぐかっとなりやすいなどの行動上の問題があり、これまではこれらの症状は「親の愛情不足だとかしつけができていない」と言われ、親のせいにされてきた。
 しかし近年ではこれらの問題は決して親の責任ではなく、脳の機能障害によるものであることがわかってきた。PET(陽電子放射断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像化装置)などで脳の活動性を調べると、自閉症では課題を行う際に健常児に比べて前頭葉や側頭葉にある海馬、扁頭体、紡錘状回、そして小脳などの血流が低下していることがわかった。
 本学病院での我々の児童思春期グループは注意欠陥多動性障害児について行動上の問題を親や教師による観察だけでなくて、客観的な指標として脳波の特殊な成分である事象関連電位を用いている。ある種の音を聞いてもらい、その刺激による脳波成分をとらえているのであるが、健常児と比べると潜時や振幅が異なり波形が異なる。そしてそれらの一部が症状重複度と相関することがわかってきた。
 このことから親の主観的な意見だけではなくて客観的に症状を把握することができ、薬物による治療が有効であるかを判定することができるようになってきた。ぜひとも専門医に診てもらうことをおすすめします。今、発達障害の脳科学的なアプローチにより症状を客観的に把握し、治療を行う時代が到来してきている。
 
更新日時:
2008/08/10
7      子どもの心の心療 深刻な医療機関不足 2007年3月2日
【落ち着きがない、家庭内暴力・・・受診者増え、数年待ちも】
落ち着きがない、いつもいらいらして家庭内暴力がひどい,友達関係がうまく作れない、学業の課題に集中できない・・・と、子どもの精神科を受診する人が増えています。ところが、専門の医療機関は不足し、とても深刻な状態です。子どもの精神疾患の専門病院、東京都立梅ヶ丘病院長の市川宏伸さん(医学博士)に聞きました。(中東久直)
東京都立梅ヶ丘病院長 市川宏伸さんに聞く
 
Δ10年で患者の数は3倍にも
 東京都立梅ヶ丘病院ではこの10年間で、20歳未満の患者の数(年間)は、2・5倍から3倍になっています。20歳未満の人口は確実に減ってきているのに、年間に受診する子どもは急増しています。
 軽度発達障害を抱える子どもたちの苦しみは、教育現場や新聞、テレビで注目されるようになってきました。梅ヶ丘病院の外来に来る子どもたちを見ても、かっては5人に1人でしたが、今は5人に2人になっています。発達障害全体では5人に3人です。
 ところが,全国的に見ると、「子どもの心の心療に専門的に携わる医師」(精神科医・小児科医)は、200人から300人しかいません。子ども専用の入院施設がある病院は数が少なく,公立医療機関がほとんどです。 おとなの精神科の入院病床数は全国に33万〜34万床です。ところが18歳未満の子ども専用の入院病床数は千床を切るというのが現状です。治療を受けたいと思っても、2、3ヵ月待ちは当たり前、中には数年待ちという地域も出ています。
 東京都内では、子ども専用のベッドがある病院は,梅ヶ丘病院(8病棟142床)と、公立学校共済組合・関東中央病院の2ヶ所だけ。全国的に千を切る病床のうち、約4分の一が梅ヶ丘病院です。関東・甲信越などから、子どもたちが心療を受けに来ています。
Δ医療保健の点数が少なく
 なぜ「子どもの心の心療」にあたる医師、医療機関が少ないのか。その原因は、大学医学部で、「子どもの心の心療」についての講義が少なく、専門講座がほとんどないことにあります。専門的な知識を持った教官・医師が非常に少ないため、正式なコースを持ち、専門的な研修が受けられる場所がほとんどない。医師が働く場所も非常に限られています。
 その背景には「子どもの心の心療」では、医療保険の点数が少なく、経済的な裏付けがないことがあります。
じっくり話を聞く事が出発で、その後の療育が大切です。心理士、作業療法士、精神保健福祉士、専門の看護婦や保育士などが医師と一緒にチームを作り、療育に取り組みます。小さな子どもたちの場合は特に、マンツーマンにならざるを得ません。人手と時間がかかる割には、保険点数が低い。梅ヶ丘病院でいうと百円の費用を要しても、五十円ぐらいしか戻どらないくらいです。
 大学病院や民間病院は、採算が取れないのでなかなか手を出せない。国や公立病院の果たす役割が大きな分野になっています。
Δ「予防」という医療の役割も
 厚生労働省は2005年3月、「『子どもの心の心療医』の養成に関する検討会」をつくり、議論を続けています。05年度報告書では、@一般的な研修を受けた小児科医・精神科医A一定の研修を受け、専門性がある小児科医・精神科医B専門的研修を受け、もっぱら「子どもの心の心療」に携わる医師―の三つに分け、養成に向けたイメージを示しています。子どもの心の「問題」が注目されるなか、ようやく第一歩を踏み出した所です。
 軽度発達障害の子どもたちは、いじめやからかいの対象になりやすいところがあります。周りとの関係で、不安やうつ傾向といった二次障害を引き起こさないか心配です。学校現場では、子どもたちの苦しみへの「気づき」を大切にして、対応してほしい。私たち医療の側も、外に出て啓発し、「予防」という医療の役割も果たしていかなければと思っています。
 教育、心理、福祉、労働などの現場の人たちとの連携がますます必要になっています。一緒になって家庭、社会という背景にある問題を考えていきたいですね。
 
※軽度発達障害
LD(学習障害)、高機能自閉症、アスペルガー障害、AD/HD(注意欠陥多動性障害)などの発達障害が含まれます。
 
しんぶん 赤旗 2007年3月2日 
ほのぼの.MID
更新日時:
2008/05/28
8      ADHDの子を持つ母 喫煙率2倍超 2007年5月9日 毎日新聞
寝屋川の専門医 167名のアンケート
 片付けができない、注意力が散漫になり落ち着きがないなどの症状がある脳機能障害「AD/HD」(注意欠陥多動性障害)の子どもの母親の喫煙率が、同年齢の女性より2倍以上高い事が専門医の調査で分かった。
 海外では、妊娠中の喫煙によって子どもがAD/HDになる率が約3倍になるとの報告があるが、国内で喫煙と発症の関連を調べた報告は初めて。喫煙の新たな健康被害を示す結果として注目される。
 AD/HDの子どもを600人以上治療している安原子どもクリニック(大阪府寝屋川市)の安原昭博院長(小児精神科)が今年1〜3月、患者の母親167人(平均39.1歳、出産は平均29歳)に無記名アンケートをした。
 その結果、習慣的な喫煙の経験がある母親は78人で、喫煙率は46.7%。これに対し、厚生労働省が親全体を対象にした調査では、母親の喫煙率は17・4%(01年度)、日本タバコ産業の調べでは20〜30代女性で20・9%(05年度)と、ともに半分以下だった。
 また、167人のうち、20〜24歳で出産した母親の喫煙率は87.5%(厚生労働省は34・7%)と極めて高率。喫煙を始めた年齢も約4割が未成年時からで、もっとも早い人は10歳から吸っていた。
 妊娠中に喫煙していた人も34.7%。うち約半数は平均妊娠2・5ヵ月目で禁煙したが、安原院長は「胎児の脳は妊娠3ヵ月くらいまでに形成され、この時期の禁煙では遅い可能性がある」としている。
 海外では、妊娠中に母親が喫煙すると、子どもがAD/HDになる率が約3倍になるという米ハーバード大の研究などがある。安原院長は「AD/HDは遺伝要因もあるが、喫煙が関係するのは間違いない。全国規模で調査し、喫煙の危険性を知らせる必要がある。」と話している。
海外と同様の結果
 国立成育医療センター病院総合診療部医師で「子どもの防煙研究会」世話人、原田正平さんの話「喫煙が大きな健康被害をもたらし、妊娠の可能性のある女性は特に注意が必要なことは明らかだ。今回の調査だけで喫煙とAD/HD発症に絶対的な因果関係があるとは言えない部分も残るが、このような研究のない日本で海外と同様の結果が出た意味は大きい。」
更新日時:
2008/05/28
9      AD/HDは実在する疾患
Dr赤ひげ・comHP  週間米国健康ニュース デイリーニュース 2007年8月20日
 注意欠陥・多動性障害(ADHD)は,脳内物質ド−パミン産生の変調によって起こる実在する疾患であることが2つの研究で示され、ともに米医学誌「Archives of General Psychiatry」8月号に掲載された。
 第1の研究は、米国立精神衛生研究所(NIMH)のPhilip Shaw博士らによるもの。研究グループは、AD/HD患児105人と健常児103人(平均年齢10歳)のMRI脳スキャンおよびDNA検査を比較検討し、さらに6年後にAD/HD患児のうち67人の評価を行った。その結果、ド−パミンD4受容体(DRD4)に特定の変異のある小児はAD/HDのリスクが高いことが判明。しかし一方で、このDRD4変異を持つAD/HD患児は長期的な転帰が良好で、知能もやや高い傾向があることが分かった。
 第二の研究は,米国立薬物乱用研究所(NIDA)のNoraD.Volkow博士らによるもの。向精神薬リタリン(一般名:塩酸メチルフェニデート)の使用経験のない成人AD/HD患者19人と健康な成人24人に、リタリンまたはプラセボ(偽薬)のいずれかを注射した後、脳スキャンを実施した。その結果、AD/HD患者には脳ド−パミン系の機能低下が認められ、リタリンによって機能の改善が見られた。このことから AD/HDにド−パミンの減少が関与していることが示されたほか、AD/HD患者が薬物乱用に陥りやすい理由も説明できるとVolkow氏は述べている。ニコチン、コカインなどのほかの薬物もド−パミン機能を向上させるもので、患者は「気分よく」感じるのだという。
 
 AD/HDは実在する疾患ではなく、薬剤を売るために作られた疾患であるとの神話が横行しているが、今回の知見はAD/HD
が正当な疾患であり、薬物治療などの措置を要するものであることを示すとVolkow氏は述べている。(HealthDay News 8月6日)
 
 
更新日時:
2008/05/28
10      大人のAD/HD『超先延ばし』脱出へ  
当事者フォーラムでの講座から
 子どもだけでなく、成人も注目されるようになった注意欠陥/多動性障害(AD/HD)。不注意・衝動性・先延ばしなどが特性といわれます。当事者が、社会生活での経験、悩みや対処法語り合った、当事者フォーラムから「超先延ばし脱出講座」を紹介します。
・AD/HD(注意欠陥/多動性障害)
 脳機能障害の結果起こる発達障害。主な症状は多動性・衝動性・不注意。大人になれば自然と治癒されるとされてきたが、最近は成人も症状が現われるとされ、認知されてきている。サポートと工夫でコントロール可能な障害。
★責任感強く「忙しい」が口癖・・・まず時間感覚を正常値に
◆目先のことに気をとられて
 「初の海外出張。でもなぜかパスポートを作る事ができず、出張は中止に」「遅刻魔。実は約束の3時間前から準備は始めているが、関係のない事ばかりして、出かける準備は後回しにしてしまう」「公認会計士の資格を取って独立を決意、参考書を買い揃えた。でもなかなか勉強する気になれない。次第に言い訳や周りの人への責任転化をしはじめ、人間関係にひびが入り、離婚・・・」「超先延ばし脱出講座」で出された事例です。
 先延ばしとは、期日までに行わなければならない仕事や用事があるのに、目先の事や自分の興味のあることに気をとられ、すぐにとりかかれなかったり、あるいはとりかかろうとしないためにしばしば先延ばししてしまうこと。講師の白井由佳さんは、フォーラムを主催する「大人のためのADD&ADHDの会」代表です。
「先延ばしには必ず罪悪感が伴ない、人間関係が悪くなることも多い」と。自身も、結婚祝のプレゼントをもらったが、なぜかお礼ができずに、ずっと先延ばしし、結局その知り合いと縁遠くなってしまったという、辛い思い出を語りました。
◆疲れやすくからだが動かなく
 一人で抱えこむタイプ、完璧主義なタイプなど、先延ばしする理由は違いますが、共通しているのは、「忙しい」が口癖だったり、責任感は人一倍だったり、「やらなければならないこと」リストがいつも頭にあって、それに押しつぶされそうになっていること。「そして最後はプツント切れて逃げる。安易な方向へ逃げてしまう」と白井さんは指摘しました。
 先延ばしは、普通でもよくあること。でもAD/HDを抱える人は、原因に大きく違った点があります。一つは、「AD/HDの時間軸は、普通の人とかなりズレている」こと。たとえば目をつむって1分を測ってみます。かなり早く目を開けてしまう人、何分たっても目を開けない人、両極端なのがAD/HDの人。時計が遅れているのに気がつかなかったり、長電話、長メールをついしてしまって貴重な時間をつぶしてしまいがちだといいます。
 また疲れやすいことも一因。ちょっと動いただけでもぐったりしたり、夕方ぐらいから死んだように体が動かなくなる・・・・。「情報フィルター機能がないためです。すべての情報が同じように入ってくるので、ちょっと外に出ただけでもくたくた。ボロぞうきんのようになってしまう。だから先延ばししてしまう」と白井さん。
★今を大事にすることも
 自分でできる先延ばし対策は?
「まずは時間感覚を正常値にすること。携帯アラームを使ったり、電磁時計を複数用意したり、第三者に声をかけてもらうこともいい」と白井さん。「別の人にスケジュールがち密すぎないかチェックしてもらうこともお薦めです」と。疲れやすい人は、元気な朝の時間を活用することもいいといいます。
 先延ばしのフォローも大切だといいます。できるだけ早めに、素直に「できません」ということ、できなかったことで音信不通にならずに、素直に謝ることなどをアドバイス。
 白井さんは「今を大事にすることも大切です。どんな状況も、人生に無駄なことはない、必要なときなんだと思って、一瞬一瞬を大切にすること。先延ばしを一つ克服したら、自分にご褒美を上げることもいいかもしれませんね」と笑顔で話しました。
 
しんぶん赤旗 2007年1月17日
更新日時:
2007/05/01
11      脳の発達と体と心を育てる食生活を保障しましょう
T 子どもたちの全面発達を保障する為に、生活リズムの確立と、日本食を中心とした、食生活の改善をしましょう。
1 脳の活動を活発にするためには、人間の本来あるべき姿の、早寝、早起きが、特に成長期である子どもたちには大切です。
AD/HDの子どもたちは、夜遅くまでTVやファミコンをしていますと、体は眠っても神経は興奮した状態が続いたままで休まりません。ですから体は朝起きても、脳の神経は疲れ切っていますのでなかなか覚醒しません。ですから、リタリンを飲んでも効き目(効果)がありません。リタリンの効果をあげる為にも、生活リズムを整えて、少年期までは夜遅くまでのテレビやファミコンはやめて、読書や読み語りなどの楽しい生活で、十分に安眠できる生活が、脳を育てるのにはとても大切です。
2 脳や体を育てる時期の子どもには、朝食抜きなどはもってのほか。もちろん子どもだけではなく、大人でもです。一日の活動の素となる朝食を大切にしましょう。朝食は、一日の活動の素となり、特に午前中の体の活動や脳の活動のエネルギー源として重要です。脳は8才頃までに基本的には大人の95%ほど出来てしまうといわれています。言葉のネットワークは、9才〜12才の頃に完成すると言われます。AD/HDの子どもたちは、前頭葉の血流が低下しているので、ド-パミンの出が悪いといわれています。前頭葉等の活動を良くするために、神経伝達物質(ド-パミン等)の素になるアミノ酸を含んだ、良質のタンパク質を摂取することが必要です。日本人に最近増えている癌や成人病の原因といわれるハムやソーセージ等の肉製品(有害な添加物や防腐剤等の入った)は、成長期の子どもたちには、出来るだけ食べさせないようにしてください。それらを食べる場合には、なるべく添加物の入っていないものしましょう。
頭の良い子に育てるには、アラキドン酸やDHAが多量に含まれている食品を摂ることが重要です。全ての子どもたちの体と脳を発達させ、脳の活動にも良い栄養素は、さば、いわし、たら、ぶり、さんま、あじ等の魚の食品に多く含まれています。バランスの取れた日本食(穀類2対肉類1)を摂るのが良いといわれています。
U 食生活の根本的な見なおしをしましょう。
1 現在の肉食中心の生活を改める。
「肉類2」対「やさい・穀類1」の現在の食生活から⇒「肉類1」対「やさい・穀類2」の食生活に根本的に改める。
何万年というい穀類中心で暮してきた日本人は、穀類を消化するために長い小腸になっています。日本人と欧米人とを比較してみますと、日本人のほうが小腸の長さが1メートル以上長いのです。大人で普通6メートルの長さがあります。ですから日本人は、消化が良すぎる肉製品中心の食生活では、腸の中で便が固まって便秘になりやすいのです。また、宿便が溜まりガスが発生して、子どもなどは腎うえんや発熱などを引き起こします。
2 パターン化した食事の内容を改める。
なるべく有害な添加物や、農薬をあまり使っていない低農薬の材料で、バランスのとれた日本食を中心にしましょう。
★お薦めできないパターン化した食生活。
@ハハコトス(子と烏)Aお母さんは休め(手抜きともいう)は、なべく回数を少なくし、パターン化した食事は止めましょう。
@ハハコトカラス⇒ハ―ハンバーグ、ハ―ハムエッグ、コ―コロッケ、ト―トンカツ、カ―カレーライス、ラ―ラーメン、ス―スパゲテイ
Aオカーサンハヤスメ⇒オ―オムレツ、カ―カレーライス、サン―サラダ、ハ―ハンバーグ、ヤ―やきそば、ス―スパゲテイ、メ―目玉焼き
◎食べて欲しい料理としては、「お母さん大好き」の献立。
お―おから、か―かば焼き、あ―あずきご飯、さん―さんまの塩焼き、だ―だしまき卵、い―いも料理、す―寿司、き―きんぴらごぼう
3 3食はしっかり、おやつは1回。
一日の活動のエネルギーとなる朝食と、昼食はしっかりと食べさせましょう。パンとハムとコーヒーなどという貧しい、添加物の多い食事は止めましょう。パン食の場合には、市販のパンは防腐剤や添加物が沢山入っている事が多いですので、自宅でパンを焼くのが安全です(自動的にパンを焼いてくれるパン焼き機が、結構安く市販されています)。学校給食のパンは子どもの安全を考えて、防腐剤が入っていませんので、2日ほど置いておくとカビが生えます。
食品は、早くカビが生えたり、腐ったりするのが当たり前で、長い事腐らない方が食品添加物や防腐剤が入っていて危ないのです。パンは消化が早いですので、脳ヘのエネルギーの供給が早く切れますが、お米の場合には消化がゆっくりですので、それだけ脳の活動のエネルギー供給が長く続きます。
また、刺激の強いコーヒーや紅茶等は子どもには飲まさないように(西洋では子どもには牛乳です)。
米飯の場合には、米に1割ほど麦を混ぜますと、ダイエタリーファイバーが含まれていて消化にも良いし、体の中で消化されるとき、ビタミンを作り出します。大便は、朝必ずしてから登園、登校させましょう。
4 その他に脳の働きを良くする食べ物では、大豆は頭脳食の王様といわれます。豆類は体にとって良質の蛋白質源として知られています。醤油、味噌、納豆、豆腐等私たちの生活にとっては、無くてはならないものです。これらの物も添加物や腐剤などを使用していないものを選んで、使用しましょう。
大豆の中には、レシチンなどのリン脂質が含まれています。これは、頭が良くなり老化を防ぐ食品としても注目されています。
アメリカやカナダなどに行きますと、寿司や豆腐がダイエット食、健康食品として大もてです。今、日本食が健康食として、世界中から注目されています。豆腐などは、あちこちの町のスーパーで売っております。
5 間食は、体の幹になる骨や、健康な血液を作ったり、歯茎の発達(噛む力)のために必要な食品をとる。カルシュウムや植物性の蛋白質のあるもの、歯ごたえのあるものを食べさせる。
6 夏には特に気をつけないと、飲み過ぎで健康破壊に!
飲み物は、水、麦茶、ほうじ茶、牛乳(1日には1本程度、あまり飲ませますと肥満になります)などが良い。市販しているジュース、コーラ、色つき砂糖水(別名を清涼飲料水とも言う)、スポーツドリンクなどには、リンゴ酸、乳酸、糖分、合成着色料等が多く含まれており、飲まない方が安全です。成長期の子どもにとっては、特に有害です。腎臓病、発ガン性、虫歯、骨折、肥満、食欲不振をまねくことがある。これらの中に含まれている多量の糖分は、一缶だけで子どもの1日分の摂取量を超えてしまいます。糖分の過剰な摂取は、体内のビタミンCと結びついて、小便と一緒に体外に排泄されてしまいます。その結果、ビタミンC不足を招き、いらいら(パニックの原因)や薄い血液(病気になりやすい)の原因になります。さらに、カルシュウムと結びついて排泄されるので、カルシュウム不足を起こし、骨折や虫歯になりやすくなります。最近、小児糖尿病が増えてきているのにも関係しているのではといわれています。
7 その他に気をつけてほしいこと
@ャンクフード(がらくた食品)と呼ばれる添加物の沢山入った加工冷凍食品等は、化学物質過敏症の原因になるといわれています。それ以上に怖いことは、発癌の原因や、遺伝子破壊を起こさせて、障害発生の原因にもなるといわれます。
A安全の為には、グルタミン酸ナトリュウム(○○の素とかいう商品名で売られています)は使用しないで、以前からつかわれている天然の調味料など、煮干とか昆布とか鰹節とかを使いましょう。
化学調味料の多くは、石油を原料として作られており、塩の仲間で、約3分の1の塩分があります。女性に多い肩こりや頭痛、高血圧は化学調味良の使用を止めるとかなり改善されます。
8 箸を上手に使えるようにしましょう
箸を正しい持ち方で使えることは、学校に行った時に、鉛筆をきちんと持てる、文字を正確に美しく書く事に直結します。箸を上手に持てているのを見ると、とても美しく見えます。躾という文字を分解しますと、身を美しくするという文字に二分されまように、他の人から見ても美しく見えることが原則です。自然に身につくことではなくて、きちんと身につけることが出来るまで指導が必要です。これは親の責任です。躾というのは子どもたちが社会生活を営む上でのもっとも基本的な事を身につける事、社会から親に依託された、最も大切な親の責務です。園や学校では、その上に立って集団の一員としての社会的な躾を身につけ、実践する場所です。
 
V 今日からすぐ実行出きる安全な食生活【あなたと私の合言葉・・・袋(ふくろ)の味から、お袋(おふくろ)の味ヘ】
1 調味料は天然のものに変え、塩は自然塩を、砂糖は白砂糖ではなく三温糖かキビ砂糖、黒砂糖に。油は缶入り(ペットボトルは劣化します)の、べに花油やひわり油にし、醤油、味噌、酢、バターも防腐剤の入っていない天然醸造のものにすれば、それだけでも家庭の食生活の半分は改善されたことになります。
2 副食やお味噌汁には、繊維性の多い食べのもや日本人に不足しているカルシュウムを含む物を取り入れましょう。特に、昆布類、ワカメ等は大切です。
3 食事の用意に参加させましょう。
家族や親が用意した物を食べるだけという受身の生活ではなく、食事の用意に参加するという行動で、家族の一員としての自覚と、責任感を身につけさせましょう。
★さあ、今日から安心出来る食生活をこころがけましょう。
更新日時:
2007/05/01
12      大阪市内の小中学校、養護学級最多一万541人 発達障害認知広がり 毎日新聞 2006年7月1日
 大阪市内の小中学校にある養護学級の在籍児童・生徒数が今年度、過去最多の1万541人に達したことが、府教委の調査で分かった。82年度をピークにいったん減少したが、95年度に増加に転じていた。学習障害(LD)や高機能自閉症などの軽度発達障害が広く認知され、専門的指導へのニーズが高まったことが要因と見られる。文部科学省は将来的に養護学級を無くし、すべての子どもを普通学級で受け入れる方針を打ち出しているが、専門教員の養成など教育環境の整備が急務となっている。
 文部科学省によると、全国の養護学級の在籍者も同様の傾向。73年度(13万3733人)をピークに95年度(6万6039人)まで減少したが、翌年から再び増加し昨年度は9万6811人に。内訳は△東京都5587人△兵庫県4288人△京都2010人―など。今年度は再び10万人に達する可能性がある。
 大阪府内では、小中学校の全在籍者数も82年度がピ―ク(133万3092人)だったが、以後は減り続け、97年から70万人台で推移。一方、養護学級は、94年に6348人と、いったん82年度(1万318人)の約6割に減少。増加に転じた後、今年度は前年よい732人増となった。障害種別では、知的、情緒、病弱の増加率が肢体不自由より高かった。
 一方担任は2000年度の2191人が、今年度は2806人に増えたが、担任一人あたりの児童・生徒数も3.23人から3.76に増加している。府教委は、増加の背景に軽度発達障害への認識に広がりのほか△地域の小中学校に通学させたいという保護者が増加△全国的にも養護学級の整備率が高い(97.6%)―などがあると分析。しかし、現場からは増加に対応しきれないとの指摘がある。府内のある小学校養護学級担任は「多くの子どもを少ない専門の先生が指導し、十分な目配りができない」と話す。
大阪教職員組合は「学級増は在籍増に見合っていない」と訴えている。
 河相善雄・兵庫教育大学教授(特別支援教育行政学)は、「養護学級をなくすという文科省の構想は評価するが、現状からは改革への不安のほうが大きい」と話している。〔花岡洋二〕
ことば 養護学級
 学校教育法に定める「特殊学級を指す。同法は、知的障害や肢体不自由など障害のある子どもたちのために、小中学校などの「設置できる」としている。全国のほぼ半数の小中学校にある。定員は8名としている。文部科学省は03年度、報告「今後の特別支援教育の在り方について」などで、将来的には養護学級を無くし、障害のある子を普通学級に在籍する「特別支援教育」に移行する方向性を打ち出している。
★以上毎日新聞の記事
 
★毎日新聞の記事をみて思った事。(西田の感想です)
・通常学級で軽度の発達障害をという事に関しては、いろいろな意見があります。@今障害児学級で個別指導などで適切な教育を受けている子を、通常学級で教育できるのか。A重い障害のある子どもの居場所が無くなるのではないか等、多くの意見が保護者や教育現場の先生から出され、その意見に押されて、文部科学省も、「固定の障害児学級も残す」という事を言わざるをえなくなっています。
日本の様に1学級の子どもの定数が、40人もいるのは、OECD(経済協力開発機構)加盟の30ヶ国の中で、ワーストワンの韓国の42名に続いてワースト2です。教育にお金を使っている率も、ワースト2です。国際的には、1学級の標準定数は20名です。日本は40名、標準定数の2倍も1人の先生が教えなければなりません。その上に、軽度発達障害の子どもの個別指導までしなければならないとすれば、オーバーワークで心身ともに疲れきってしまいます。
今、教育現場ではノイローゼや、うつになってしまう先生の数が増加していル現状があります。
・アメリカや多くの先進国などでは、初等教育は1学級の定数は20名以下です。アメリカではLDやAD/HDと診断され、親が要求すれば自分の校区の学校に、通急学級(不得意な学科だけ個別指導を受けられ、他の教科は普通学級で受ける)を設置してもらい、そこで教育を受けられる権利が保障されています。アメリカの映画俳優のLDの軽度の障害のあるトム・クルーズは、高等学校を卒業するまで、英語の時間だけ通急学級で学んで、才能を開花させたのです。
 あの経済的には苦しいといわれている、キューバでも1学級20名です。経済的には豊かといわれる日本では、すぐにでも20人学級にすることができるのです。小人数学級にすれば、軽度な発達障害の子どもだけでなく、他の多くの子どもたちの才能をもっと開花させることができます。30人学級とは言わず、20人学級を目指して頑張りましょう。
更新日時:
2007/01/18
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Last updated: 2008/11/12