Column

AD/HDに関する保護者・教師・医療との連携について

親【保護者】、医療・療育関係者、教育関係者の3者の立場から思いを載せておきます


6    父母・教師・医師との連携のシンポジュウムに参加しての感想と3度目のベトナムでの講義の感想
★2005年2月の公開講演会での、シンポジュウムの感想(アンケートから・今日の問題点が良く分かりますので、ここに載せましたが、個人が特定されると具合が悪いような場合には、一部省略した部分もあります。★印の所のコメントは、西田です。)
 
○父親 AD/HDに関する講演会に、初めて参加しました。小1の息子がいます。人の話を聞けず、友達ができにくいです。でも、人は好きです。AD/HDの本を読むと、当てはまる行動が多く、診断を受けようと思っていますが、なかなか決断できません。本だけでは得られない、生の声を聞くことができて、今後の取り組みに大変参考になると感じ、良い体験になりました。今後もこのような講演会があれば、ぜひ参加したいと思います。
○父親 大変勉強になりました。父親として、母親へのサポートを含め、父親としてどのように考えていくべきか、取り組んでいきたいと思います。
○母親 三つの立場の人から、同じ場でコメントを聞けることは、とても有意義でした。つい感情的になってしまいますが、先生との連携を少しずつ、焦らずに一緒に取り組んでいきたいと思います。特別支援教育、軽度発達障害の各団体が連携して取り組んでいかなければ、平成19年度に期待している教育が受けられないのではないでしょうか。いかに特別支援を、私たちの子どもに、良い方向にするには、一緒に考えていきたいと思います。
(★特別支援教育についての他団体との連携についてですが、全国組織の中央では、えじそんくらぶと日本自閉症協会とLD親の会が、連携していく事で合意されました。奈良県内でも、これからそれらの奈良支部の間で、連携していこうという取り組みが始まりました。)
○母親 私の子どもだけと思っていたのですが、私だけではないと、心の奥がすうっと楽になったような気がします。これからどうしたらいいか、子どもにどう接したらいいのか、子供と一緒に積み木のように組み立てていこうと思います。何時も子どもに対して逃げていたのですが、これからは病院に行き、詳しく聞いて、逃げずに頑張りたいと思います。
○母親 ついつい担任に話しても・…と否定的に思っていたのですが、連携の大切さを知ったので、また気持ちを入れ替えて、担任と関わっていきたいと思います。ポップコーンの会で、それぞれの学校にこのような説明会に行ってもらえたらありがたいです。今現在では「私は良く勉強しています。良く知っています。」といい切られ、子どもを理解してくれない先生が、大変多いように思います。
(★園や学校側から、研修の講師にと依頼や要請があった場合には、西田や楠本さんが出かけていっています。近畿だけでなく、日本の各地に行っております。こちらから一方的に行きます、と言うことはしません。相手の学校側の了解をえてから、話し合いや説明に行っております。教育に介入する事にならにように、この点は慎重に配慮しています。2004年度には、近畿地方を中心に数十校から講師として呼んで頂き、研修のお手伝いをさせていただきました。)
○母親 3才になってすぐAD/HDと診断されました。今日は子どもの通っている保育所の園長先生から、この講演の話を聞き、京都から来ました。いつも、ついつい子どもを大きな声で怒ったり、注意してしまったりしています。大きな声のほうが行動が止まってしまうので、ついつい・・・。しかたない・・・と思おうと自分がいつもしていましたが、やっぱり駄目だなと反省しました。もうちょっと、子どもの独特な考え方を、分かってあげられるママになろうと思いました。
○母親 はじめて参加させていただきました。今日は大変勉強になりました。頭では分かっていても、ついつい感情的になってしまって、ひどい言葉で叱ってしまう事が多く、反省しながら、また繰り返すという毎日になっています。
小1の息子と二人で暮らしています。質問もいっぱいあったのですが、文字で表現する事ができませんでした。今は毎日苦しくて、苦しくて‘しんど―い,という状況ですが、できるだけ明るく、楽観的に見よう、努力していこうと思います。
(★私たちのポップコーンの例会においでください。しんどい事を話し合って、どうしたら良いか知恵を出し合って子育てをしています。はじめて参加された方は、自分の思いを初めて理解してくれる人たちに出会ったとおっしゃって、自分の思いを堰を切ったように話されます。涙ながらにお話になリ、そして立ちあがって頑張って行かれる姿を見ると、母親はなんと強いものかといつも感動させられます。私達のポップコーンの例会は、思いのたけを話し、涙を流す所から始まり、ではどうしていったら良いのかを話し合っています。先生方や療育に携わっている方々の参加もお待ちしています。)
○母親 親・医師・教師の三者の方の生の声を聞かせていただき、参考になりました。将来への不安がいっぱいですが、I先生に診ていただきながら、ポップコーンで他の親子さんのお話を聞かせていただき、子どもと共に歩いていこうと、又、改めて思いました。ありがとうございました。
○祖父母 楠本さん、岩坂先生、西田先生、それぞれのお話が分かりやすくて良かったです。連携の大切さは、常に感じている事ですが、現実は思うように行かない事も多く、涙する事も多いですが、このような場に参加することで、救われています。障害のある無しに関わらず、子どもたちが笑顔で、日々送れることを願っています。もちろん、私たち大人も同じですが。学校内でプライバシーの名のもとに、AD/HDを持っている子どもの情報を、担任が抱え込んでいる事が多い。学校全体で情報を共有し、対応をして欲しいと考えているので、啓蒙活動が大切かなと・・・・。
○祖父母 現在私は二人の子どもを持つ、AD/HDと診断された娘を持つ母親です。娘も結婚して家庭を持つまでは、本人も私や周囲も全く気づかずにいましたが、家庭を持ってから、家事をこなせず、本人はあらゆる努力をして、それがAD/HDであるということを医者に認めさせるまで、3年かかったそうです。
私も1年前に知ったばかりです。今日参加したのは、AD/HDがどういうものなのかをもっと知りたかったし、娘がこのまま家庭生活を続けていけるものか、希望の光を見つけたかったからです。直接には、子ども対象なので、少し観点は違いましたが、少しは気が楽になり、参考になりました。ありがとうございました。
(★AD/HDを持ちながら、家庭生活をされておられる方は沢山おられます。その方々が、どのような工夫をしながら暮らしておられるか、又、どうしたら生活がしやすくなるのか等をAD/HDの主婦本人が書かれた本も出版されています。このホームページでも参考図書のところに載せてありますので、一度その本をお読みになられることをお薦めします。又、AD/HDの方本人のホームページもありますので、そちらも参考になりますよ。)
○医療関係者 ある身障歯科の歯科衛生士での、日頃の診療で問題となる点を抱えながら、どのように関わったらよいのか?と悩む事が多いです。
連携をとりながら、それぞれが学びながら、進めていく大切さを改めて感じ取る機会となりました。引き続き積極的に学びたいと強く思っています。二人の娘の母親として、これまでの生活の中で、もっと早く知っておれば…と思うこともしばしば、又、自分自身に置き換えても、みんな違ってみんないい!楽―に生きていきたいです。
○保育士(保育園) 初めての参加です。保育園児にも、いろいろなケースを抱えた子どもたちが増えてきています。3人のシンポジスとの方々は、それぞれの立場から話され、質問の答えも具体的で、とてもわかりやすかったです。特に、楠本さんは自分のお子さんがAD/HDだという事で、とても説得力がありました。これからも参加させていただき、勉強していきたいと思います。
○保育士(幼稚園) 3才児の副担任をしています。クラスの中に、集団の中ではしんどい子もたしかにいます。その子にとって、どういうふうにしていけば良いか、担任と話しながらしています。今日のお話を聞いて、日々の保育の中でしている事は、間違った方向ではない事を実感しました。私自身は、教職について2年目で、これからいろいろなことに理解を深めて生きたいと思います。聞けてよかったです。ありがとうございました。
○小学校通常学級担任 クラスにAD/HDと思われる子がおり、日々悩んでおりましたが、今日お話を聞かせていただき、少し方向が見えたように思います。もっと勉強して(本も買いました…当日会場でAD/HD関連の本を販売しました)、H君が周りに認められ、良い所を理解してもらえるよう頑張ろうという気持ちになりました。本当にありがとうございました。
○小学校(TT)教員 今まで勉強会や講演会で学んで来ましたが、今回初めて親の立場からのお話、それも、きちんと本音を言ってくださり、とても勉強になりました。又、次回、期待しております。
○中学校障害児学級担任 特別支援教育に向けては、その実現に十分な熟成の時期にはないようだ。でも、そう流れていく必要は感じる。単に教師の有効利用(リストラ・合理化)のためでなく、社会全体の変更のために。コーデイネ―ターについては、手を上げてなれるようなものではないようである。なにより職場で好かれている、まず、一目おかれている人物が、それにあたると言われていた。そんな資質を誰でも持てるように、日々研修が・・。
○養護教諭 親の本音を聞ける機会が少ないので、楠本さんの言葉は、大変心に残りました。多様化をいわれながら、それに対応できない自分に歯がゆさを感じます。「ほめて、共に育つ」心がけます。
○高校講師、児童館ボランテイア 学校は高校ですが、「そうかな?」と思う生徒と接する事はほとんど無いですが、児童館でボランテイアスタッフとして活動していると、色々あります。親が子の診断を受け、AD/HDと理解し、こちらにも積極的に協力を求めてくれると、こちらも対応しやすいです。それでも、周りの子とのいざこざが絶えず、私も叱ってばかりで、ほめるのを忘れてしまう事があります。特に最近このようなことが続いて、自己嫌悪に陥っておりました。「その子を理解し、叱らない、ほめる、何でも一緒じゃなく、認める」わかっていても難しい・・・。
たぶん不安があるから、この会に来たのだと思います。今日は気持ちがすっきり、もう一度頑張っていこうと思えました。今はもう、早くその子に会いたいです。ありがとうございました。
○知的障害者入所更正施設(パート) 障害者に水泳指導をしています。AD/HDについての理解を深めるために参加しました。3名の講師のお話、30分では短すぎるように思いました。特に岩坂氏の話を聞きたかったという個人的な気持ちが強かったので。私のように、全く知識の無いものが、このような講演会にもっと参加し、地域の理解も得られる社会になることを願っています。
○学童保育指導員 現在奈良市の指導員をしています。いろいろな障害を持った子どもたちが、入所してきています。障害児と分かる子は、親も認めていますが、ボーダーラインあたりの子はとても難しく、一人の人間として、その子の良い所をほめるようにしていますが、周りの子との関わりがとても難しい時もあります。親も悩んでいるのが、親の口から聞けて、とても良かったです。親とのコミュニケーションを大切にして、共に子育てをしていきたいと思います。
○学習塾経営 今回、岩坂先生、楠本さん、西田さんのお話を久々にお聞きする事ができ、大変有意義でした。自分自身の環境(当塾での日々の状況)を思いながら、拝聴する事ができました。
こちらでAD/HDの勉強をするようになってから、知識も深まり、又広い視野で子どもたちを見ることが出きるようになった気がします。ただ「先走り」や「決めつけ」には気をつけないとと、改めて思いました。これからも保護者の方々への「共感」を忘れず、多くのお子さんを見つめていきたいと思います。又、特別支援教育について、これからも注目していきたいと思いました。ありがとうございました。
○作業所職員 今日の講演会、ありがとうございました。西田先生の講演は、8年前に娘(重度の自閉症)の小学校就学のときに聞かせていただいた事が
あり、懐かしく思い出しました。現在娘は、西田先生のおすすめによりしっかり養護で頑張っています。
今回この講演会に参加した動機は、養護学校の親達と地域活動を続け(放課後支援、長期休業中の過ごし方、緊急時の預かり合い)ていく中、このたび居宅支援事業を受けるべく、NPO法人を立ち上げていく事になりました。現在準備中です。
又、社会法人の施設で、ヘルパーとして修業中でもあります。地域での活動では、それぞれ障害やタイプの違う子どもを預かっていますので、いろんなことがあります。自分の子どもの知識だけでは方手落ちの対応をする事もしばしばです。今日の講演の内容はとても役に立ちます。勉強させていただき、ありがとうございました。
○大学生 私はある短大で、社会福祉の勉強をしています。大学の講義でも、AD/HDに関する話しが何度か話される事もあったので、AD/HDに関する事をもっと知りたいと思い、この講演会に参加しました。
講義を聴いている時は、一つの事例にすぎないですが、楠本さんの話しを聞くと、やはり子どもというのは、純粋な心を持った人間であるのだなあと、改めて理解できたと思います。「良い所を誉めてあげることが大切」この言葉は、講義の中で先生が何度か言われる言葉なので、私も今後施設実習やボランテイアを行うときに、良い所を誉めてあげたいと思いました。
 
★3度目のホーチミン市での教員養成大学での集中講義で考えたこと★
 2004年2月16日〜29日、2週間、ベトナムの
ホーチミン市の幼児師範学校に併設されている、ハノイの師範学校の分校で障害児教育教員養成課程で、ボランテイアとして毎日5時間、集中講義をしてきました。試験は2回実施して、5単位を与えてきました。
今回は、鳥インフルエンザが流行っていた時期で少し心配でした。しかし、ホーチミンに着いてみると、その影響はレストランや食堂で、卵と鳥肉の料理は全くだされませんでした。メニューそれ自体から外されていました。これは徹底していました。
日本に帰ってきて、京都の浅田農産の無茶な営業を見て、なんと日本ではいいかげんな対応かと情けなくなりました。ベトナムでは,サーズの時の対応が機敏で、流行を病院内だけで防いだ経験が、今度の鳥インフルエンザの対応に、きちんと生かされていました。危ないのは,むしろ日本のほうで、経験が生かされていませんね。
 
1期生は元滋賀大学教授で、べトちゃんドクちゃん(アメリカ軍の撒いた枯葉剤の為に2重胎児で生まれた子)を支援していた藤本文朗先生が、大変な努力で立ち上げてくださった教育課程です。2期生になってからは、それを立命館大学が引き継ぎ、今年度はJICA(ジャイカ)から資金援助をしてもらって運営していました。2004年8月にハノイで2期生の卒業式が行われました。2000年のときの1期生の時には、5月と11月の2回で、3週間行き、主に自閉の話と、教育実践を話してきました。AD/HDの話しもしましたが、初め聞く話だったので、なかなか理解してもらうのが難しかったです。
今回の2期生には、自閉(高機能自閉・アスペルガ―も含めて)の他に、重点としてAD/HDとLDの講義と実践報告もしてきました。また学生や大学当局からの要請もあり、私も養護学校で子どもを相手に1時間、通訳つきで公開授業もしてきました。また、5人の学生の実習授業にも参加して指導してきました。
50時間の講義の中で、AD/HDについては、10時間割きました。最初は、学生に聞いてもAD/HDは居ないといっていましたが、最後の日の授業になると、15人の学生(養護学校の先生や、ホーチミンの師範学校の教官、ハノイ大学の教官などが学生で、専門性をつける為の再教育です)の内、9人はそういう人に出会ったことがあるというように認識が変化しました。
インターネットなどで言葉だけは知っているようでしたが、AD/HDやLDの概念がなかったので、見つけることができなかっただけで、実際にはいるのです。
ベトナムでも、AD/HDやLDという言葉は、報道されるようになってきていますが、まだ認知度は低いです。もっとも、日本でもまだまだですけれども。
ベトナムでは、障害児関係の本がまだ殆ど出版されていませんので、この師範学校の講義がとても重要な情報源です。そこで,日本から行った講師の先生方の講義禄を、ベトナム語に訳して教科書として使うと言う事で、一生懸命に訳していました。私のレジュメもベトナム語に訳していましたが、専門用語でベトナム語には無い場合もあり、苦労をしていました。
ベトナム各地から来ていましたので、これらの卒業生が地方に帰って、新しい知識と実践を広げていく芽になって欲しいとのメッセージを彼らに託して帰国しました。
ホーチミン市では、ストリートチルドレンの働けるレストランをボランテイアで運営している日本人、定年退職の教師で、知的障害者の人にさおり織りの技術を教え、作業所を運営している大阪の人、知的障害者の働けるカフェを作るために頑張っている若い女性、自らも視覚障害を持ちながら、視覚障害者に日本のマッサージの技術を教えようと計画している人等、素晴らしい日本人のボランテイアに出会いました。日本人の無名な人で、素晴らしい人が沢山いるのだと、改めて感じられた今回のベトナム行きでした。
話しは少し変わりますが、イラクにボランテイア活動に行っておられて、ストリートチルドレンの保護や、劣化ウラン弾の調査をしにいったボランテイア。それらの人が人質になったのを、日本内外の人の努力で開放された事をうれしいことです。しかし、その人たちを自己責任の名のもとに、非難中傷することは許せません。ある週刊誌など、無茶苦茶を書いていて、まさにこれはペンの暴力です。自衛隊が行かなければ、アメリカ軍が市民を殺さなければ、人質事件は起こらなかったのです。
人質が解放されたのは、無名の日本人のNGOの人達が、それこそ手弁当でイラクの民衆のために尽くしてきたからです。この様に世界中で頑張っている素晴らしい人達が、日本にも沢山居るという事を誇りにして欲しいと思います。機会があれば又、ベトナムにボランテイアで行きたいなあと思っております。
更新日時:
H18年2月19日(日)


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