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根性を科学する


 
 
文 織田淳太郎   今度は”プレッシャー対根性”を科学する




平成19年11月30日(金)  火事場のバカ力25
 
 
前出の沢村忠。
 
彼は朝、晩と毎日2回の息吹を行っているが、10息吹を3セットとする1回の所要時間は約20分だという。
 
私が週3回ペースで行っているジョギングの所要時間も20分から30分である。
 
このジョギングに関して付け加えるならば、私は目を半眼状態にして走る。
 
これは思考の流れを緩慢にするための手段である。
 
さらに、4歩に1回、または4歩に2回のリズムで腹部からの意識的な強い呼気を挟む。
 
この利点の1つは呼気がごく自然に腹部から行われること。
 
それによって体内に酸素が効率よく回り、したがって肉体的な辛さも半減することにある。
 
 
 
 
 
平成19年11月29日(木)  火事場のバカ力24
 
 
有田教授によると上記の座禅呼吸法において、セロトニン神経の活性化が始まるのは、開始5分あたりからだという。
 
さらに、活性がピークに達するのは開始15分前後。
 
それから先は活性状態が上下に揺らぎながら、開始30分後あたりに一種の飽和状態が訪れる。
 
「ようするに『もういいかな』と思ったころにやめればいいわけです。
 
それがだいたい20分から30分ぐらいの間に訪れるということですね。
 
その後、セロトニン神経はしばらく活性してますが、時間の経過とともに徐々に衰えていく。
 
柔道のヤワラちゃん(谷亮子)がいますね。
 
彼女は試合の直前に座禅のようなことをやっているそうです。
 
だからこそ試合では神経をグーッと高めることができるのだと思いますよ」
 
 
 
 
 
 
 
 
平成19年11月28日(水)  火事場のバカ力23
 
 
つまり、呼気に腹圧という負荷をかけてやるのが、ここではポイントになります。
 
そのための有効な手段が、呼気のときに声を出すことです。
 
仏教ではよく「南無阿弥陀仏」などの短い題目を唱えますね。
 
あれも呼気に負荷をかけているのと同じで、その辺にも念仏の効果というのが現れている。
 
ただし、難しいお経を覚えながら唱えてはダメです。
 
思考が働いてしまうと、セロトニン神経は活性しにくいんですよ」
 
 
 
 
 
 
平成19年11月27日(火)  火事場のバカ力22
 
 
「座禅の呼吸法では、とにかく呼気に重点を置きます。
 
お腹を絞りながらゆっくり吐いて、吐いて、吐き切るわけです。
 
その呼気への意識集中によって、言語脳である左脳の働きが抑えられるわけですが、腹圧呼吸によってセロトニン神経が活性化することが研究データで明らかになっています。
 
しかも、セロトニン神経の活動レベルが上がると、運動の神経に確かな影響を与える。
 
これは動物実験でも確認されていることで、大脳から「動かせ」という指令がきたとき、神経筋をいっそう刺激して、筋収縮を一段と高めるわけです。
 
セロトニン神経もまた、”火事場のバカ力”に一役買っているんですよ。
 
 
 
 
 
 
平成19年11月26日(月)  火事場のバカ力21
 
 
「座禅」、「念仏」と呼気のかかわり
 
では、この”バカ力”は、いかに脳内ホルモンとかかわってくるのか。
 
結論を言えば、「脳内ホルモンの活性化=パワー」という図式は浮き彫りにされるが、興味深いことに、ここでも、呼吸、特に呼気が深く絡んでくるという。
 
気力や食欲をコントロールする「セロトニン」。
 
脳幹にあるセロトニン神経から放出される神経伝達物質である。
 
このセロトニンの神経を鍛える最適な方法が、呼吸法などのリズム運動だとする学者がいる。
 
東邦大学医学部の有田秀穂教授その人である。
 
 
 
 
 
平成19年11月25日(日)  火事場のバカ力20
 
 
また、通常のウェートトレが主に外筋を強化にするのに対して、息吹には内臓周辺の内筋を強くする効果があります。
 
体の奥には物凄いパワーが潜んでいるということですよ」
 
試しに、息吹を行っているときの沢村の肉体を触ってみた。
 
驚いたことに、全身の筋肉が鋼のように堅くなっている。
 
さらに、その左肩を力まかせに押してみた。
 
左肩はやや後方に揺れただけで、下半身は床に張り付いたままびくともしなかった。
 
「臍下(せいか)丹田はまさにパワーの源です。息吹のときは、蹴られようが、体当たりされようが、何をされても平気ですよ」
 
沢村は笑った。
 
現在、62歳。
 
日々の鍛錬を怠っていないとはいえ、初老の肉体に漲るその激しい”気”は筋力のメカニズムだけでは説明しきれないパワーの源泉をどことなく物語っているような気がする。
 
 
 
 
 
 
平成19年11月24日(土)  火事場のバカ力19
 
 
 以上の呼吸の過程で、全身の筋肉は強固に締められる。
 
特に呼気では筋肉の締め付け度合いが一気にボルテージを上げるが、この呼気における「カーッ」とも「グォーッ」とも聞こえる一種無気味な気迫を、いったいどう形容したらいいのか。
 
沢村が口にする。
 
「息を吐いているときは、丹田から”気”が全身に広がっていく。
 
熱伝導というか、手足の先まで熱くなり、全身から汗が滲んできますね。
 
闘いでは、この息吹を利用するわけです。
 
攻撃は強い呼気とともに行い、標的を促える瞬間に息を「ハッ!」と腹で切る。
 
厚さ数十センチの氷柱や堅い煉瓦を手刀や正拳で叩き割ったりできるのも、この呼気のパワーによるものです。
 
 
 
 
 
平成19年11月23日(金)  あるがまま
 
 
織田先生のサイトの紹介
 
http://www.asahi-net.or.jp/~zg8h-nkns/oda.htm
 
あるがまま
 
「医者にうつは治せない」
 
「メンタルコーチング」
 
他多数紹介されています。
 
 
 
 
 
平成19年11月22日(木)  火事場のバカ力18
 
 
私が懇意にしている人物に、1970年代の日本に空前絶後のキックボクシングブームを巻き起こした沢村忠がいる。
 
剛柔流空手3段の猛者でもあるその彼に、息吹を見せてもらった。
 
以下、そのやり方を簡単に記すと・・・。
 
まず腰の幅を維持したまま内股で立ち、利き足を半歩前に出す。
 
そこから両足裏の母子球を支点としつつ、両踵を体の内側へと絞り込む。
 
その状態から丹田に落とし込むように、鼻から息をゆっくりと吸い込む。
 
さらに、吸気が下腹部から肺に行きわたると、今度は丹田に圧力を加えながら息をゆっくりと口から吐き出していく。
 
 
 
 
 
 
平成19年11月21日(水)  火事場のバカ力17
 
 
そういう意味で、私たちが運動部などで訳もなく強要されてきた「気合い」という根性の一形態。
 
軍隊主義を彷彿させるこの腹の底からの大声が、スポーツにおいて定着した理由も、この「シャウト」によって説明できるかもしれない。
 
「キック界の鬼」に漲(みなぎ)る「気」
 
シャウトといえば、ある伝統的な呼吸法を紹介する。
 
息吹(いぶき)。
 
沖縄の「唐手(とうでい)」から受け継がれてきた空手の心身鍛練法である。
 
 
 
 
 
平成19年11月20日(火)  火事場のバカ力16
 
 
なかでもシャウト。
 
これは、前出のハンマー投げや重量挙げだけでなく、あらゆる瞬発系スポーツの現場で見ることができる。
 
ボクサーは攻撃時に切るような呼気を入れ、スキーのジャンパーは大声を発しながらサッツ(踏み切り)に入る。
 
スピードスケートの清水宏保もスタート直後には瞬間的なシャウトを入れているという。
 
福永教授によると、脳が興奮したときのパワーのアップ率は、平均的な人で30%程度だが、内向的なタイプほど、”バカ力”のアップ率は高くなるという。
 
日常生活において、強く働いている理性にパワーの抑制が、一気に解き放たれるからである。
 
 
 
 
 
 
平成19年11月19日(月)  火事場のバカ力15
 
 
「運動機能を司る脳細胞の運動野は、筋繊維や健を損なわないように、常に理性による抑制がかけられています。
 
心理的限界が生理的限界を上回らないようにするためですね。
 
ですから、100万本の筋繊維のある筋肉部分を動かそうとしても、通常は全力でもせいぜい70万本ぐらいの筋繊維しか収縮しない。
 
しかし、脳からのインパルスを高めることで、100万本に限りなく近づけることは可能です。
 
その方法のひとつが、「シャウト」といって大声を出すことです。
 
また、大きな音を聞かせる「ショット」というものがありますが、それらが脳に一種の興奮状態を作る。
 
それが理性を解除し、人は自分が限界だと思い込んでいる以上の力を発揮できるわけです。
 
同じような理由で、理性を失わせるアルコールも予想外のパワーを生み出すことに役立ちますが、ただし、体力的に長く続かない(笑)」
 
 
 
 
 
 
 
 
平成19年11月18日(日)  火事場のバカ力14
 
 
ところが、筋繊維の太さが同じでも、ここでまた力の個人差が出てくる。
 
理由は二つあります。
 
ひとつは筋繊維の質。
 
つまり、瞬発系の白い筋肉(速筋)が多いか、持久系の筋肉(遅筋)が多いかということです。
 
そして、もうひとつはが脳からの「動け!」という命令が強いか弱いかということなんです」
 
脳からの命令。
 
つまり、神経衝撃(インパルス)である。
 
福永教授によると、このインパルスが強ければ強いほど、多くの筋繊維が反応して収縮するという。
 
 
 
 
平成19年11月17日(土)  火事場のバカ力13
 
 
「たとえば、太腿の外側の筋肉(外側広筋)には、約100万本の筋繊維があります。
 
その本数にはどうやら個人差というものがないんですね。それなのに、筋肉の断面積1平方センチあたりで、8キロの力を出せる人もいれば、2キロしか出せない人もいる。
 
なぜかと言えば、筋繊維の太さが関係してくるからです。
 
 
 
 
 
平成19年11月16日(金)  再開へ
 
 
こちらの方、しばらく更新していませんでしたが、近日、コツコツ再開しますのでよろしくお願いします。
 
 
 
 
 


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