私が出来ること
1      私の指導方針
 私の指導生徒の過半数が受験生です。私は勉学への向上心を育む端緒としての受験を否定しません。何故なら、学ぶという人間の行いはその行いを通じて人間を成長させると考えるからです。当初の目的は何であれ、人間は学んで成長するのです。受験教科である語学・数学・理科・社会は人類が数千年に亘って育んで来た文化の成果です。政府や教育委員会の意図はともかく、子供がその成長期に一生懸命に文化の端緒を得ることに精進することはその後の人としての人生の必須条件であると考えます。
 一方、頑張っているのに成果が出ない、何をやっていいか分からない、子供が全く勉強しないなど、勉学の端緒すら得られないご家庭からの依頼も多々あります。各ご家庭にそれぞれ原因が存在します。それを、緊密な信頼関係を通じて解明し、改善に向けて指導するのも私の役割です。
 そもそも、基礎学力未修得の子供にいきなり学校などの成績結果を要求するのは野蛮です。子供にも事情というものがあるのです。学校や塾での交友関係・学習環境のみならず本人の成長過程における様々な桎梏など、大人の側は細心の注意と粘り強さをもって対応しなければなりません。
 
 小学生
 まだ未熟な成長過程に在る小学生には精神的・肉体的個人差が生じます。その実情を無視して学級という枠組みに嵌め込んでしまう学校制度自体の本来的な瑕疵が生徒の個性伸長の大きな壁となっています。生活時間のほとんどを過さなければならない学校環境が低いレベルでの平準化を原則としたものであっては向上心に目覚めた児童には堪ったものではありません。
 かつて田中角栄という政治家が、「大学の教授よりも小学校の先生の給料を多くすべきだ」と語っていました。多分、無垢な心を育む仕事は最高の教師に任せるべきだ、と、言いたかったのでしょう。結果は、小学校教諭の給料が少し上がり、教育には何の関心も無いサラリーマン先生が増え、いわゆる教育再生法なるものが国会を通過する事態となりました。
 私の経験から申し上げれば、子供の能力への的確な理解は優れた親でも至難です。却ってマイナスになると分かっているつもりでもつい叱ってしまい、その度に後悔します。その瑕疵を補い得る優れた指導者との出会いも結局は偶然に頼るしかないのかもしれません。
 公立学校は本来最低限の知識を児童に身に付けさせることを役割とし、生徒の個性を伸長させることを目的とはしていません。子供の教育機会の場として自由選択が可能な私立小学校や塾・家庭教師の需要が高まるのは向上した社会の当然の結果でしょう。
 小学生には大いに遊んでもらいたい、学校の成績などに縛られずに腕白と揶揄されても自由な心を育んでもらいたい、というのが私の心情ですが、やはり、勉学にも勤しんでほしいというのも本音です。高学年になればそれなりの学習能力は備わっているでしょう。問題はその対象です。様々な選択肢があるはずです。大人達は児童の選択の門戸を広げてやらなければならないと思います。
 受験に限らず、将来の夢を育みながら、学習能力を向上させることが私の役割であり、それを全うする自信は有ります。
 
 東京在住時、公文の中学受験専門教育機関である創研学院の校長と意気投合し、家庭教師の合間週一度だけ講師として授業を行い、その後に毎回午前二時三時まで自由が丘で語り合ったものです。教育理念を実践している人物はやはり居てくれる、としみじみ実感させられた嬉しい思い出です。
 
 中学生
 教育改革が叫ばれている現時点においても公立中学の教育内容は中途半端なものです。将来の大学進学を目指す生徒にとっては余りに低く、一方で小学校で基礎を疎かにしてきた生徒には無味乾燥した内容となっています。さらに、少年法改正によって罰則が強化されては、体は大人もどき、精神は子供の中学生には辛い状況でしょう。
 東京の世田谷の「ひのき」という塾で一時期地元の中学生を指導していました。結果的には早稲田実業や青山学院・ICUなどに合格して行った生徒が、駅前でも平気で喫煙していました。勿論、注意すれば従い、私の前では素直な可愛い子供達でしたが、体の大きな彼らの振舞いは一般の大人達にとっては眉を顰めざるを得ないものだったでしょう。
 単なる過渡的な反抗期の少年では済まされない程の存在になってしまった彼らに、大人社会は真剣・慎重に対応しなければなりません。
 価値観が多様化・相対化し過ぎたこの日本社会において、まだ十代半ばの子供に将来の夢を具体化してそれに向かって努力せよ、という激励は当事者には虚しい罵声でしかないでしょう。そもそも大人自身が子供に如何なる夢を与えたらよいのか分からなくなっているのです。
 一方、子供達の間でもこの時期から明らかな差別化が始まっています。経済的に爛熟期に入った日本社会では、衣食足りた上での生活態度の違いが深刻なギャップを生み出しているのです。すなわち、進学などに関して向上心を持っていると自負している生徒は、そうでない生徒とは接触を控えます。そして、大学受験・就職という過程がさらなる関門として新たな差別化が進むのです。
 
 高校生
 高校課程の義務教育化が論議の対象となってから久しいにもかかわらず、いまだに実現には程遠い状況です。何故なら、その内容は非常に高く、余程の向上心を持った学生でなければ習得は困難だからです。高校卒業という資格は画餅となり下がり、そもそも大学生の学力自体が疑われる段階に日本の教育制度は陥ってしまいました。
 一方で、いわゆるトップ大学の入試レベルは年々専門化し、同じ高校生という肩書には雲泥の差が存在します。
 高校生の傍若無人がよく話題になりますが(勿論、不謹慎な振る舞いは子供に限ったものではなく、逆に大人のそれの方が目に付くと言ってもよい程です)、私も何度か遭遇したことがあります。例えば、電車内で七八人の体は大人以上の男子高校生が車両の一角を占領し、荷物を通路に放り出したりしているので、伸ばした脚を蹴り飛ばし、文句を言ってきたので怒鳴り付けました。ああ言えばこう言うという小賢しさにうんざりしながらも、一人ひとりを糾弾すると、やはり暴力を振るって来ました。体格は皆私を凌駕していましたが、最後は迫力に押されたのか、荷物を持って逃げて行きました。何とも悲しい気持ちになりました。
 親にも学校にも手に負えない、いわゆる「不良」を何人も指導していますが、一対一だと逆に純情で素直だったりします。かえってその後は礼儀正しい青年になってしまって、「お前、大丈夫か」と、心配させられたりすることも多々あります。一方、学校や世間では全く目立たない子供の内奥の業に驚かされたりすることもあります。
 彼らには大人の都合での一方的押し付けは絶対に通用しません。しかし、法律的大人になるまで待つなどという悠長な考えでは取り返しが付かなくなります。
 勉強が出来るからと安心せず、逆に勉強が嫌いだから叱るということにも気を付けなければなりません。
 精神的には子供なのに大人として扱うには忍耐が必要ですが、彼らも大人になる過程にあるということを踏まえて、厳しく温かく接し、見守らなければならないということでしょうか。私も反省が絶えない課題です。
 
2      中学・高校受験を目指す方々へ
 中学・高校受験では、各学校の個性が入試に反映します。総合的実力養成は勿論のこと、早い段階からの志望校を熟知した対策が望まれます。また、いわゆる難関校の入試問題は学習指導要領の内容とは別物であると考える必要があります。
 灘・筑波大学附属駒場・筑波大学附属・学芸大学附属・お茶の水女子大学附属・開成・麻布・栄光・聖光学院・駒場東邦・桜蔭・女子学院・雙葉・フェリス・慶應普通部・慶應中等部・慶應・慶應女子・早稲田高等学院・早稲田実業中等部高等部・ラサール・海城などの難関中学校入試・難関高等学校入試に、十全に対応します。 2009年度受験のご家庭には、ご相談の上、詳細な授業計画を立てて合格特訓指導・短期集中指導として実践します。この時期ですと、原則として過去問演習が中心になりますが、基礎力養成が必要な場合は、自習課題を提案しながら、合格に向けた最善のロードマップを作成します。
中学受験
 
 志望校の出題内容を分析し、ご家庭の事情を踏まえた上で、生徒の個性に合った授業計画を立ててゆきます。
 歴史の有るいわゆる名門校と大学合格実績だけを売り物にする学校とは大きな差があります。ご家庭には、学校は中高六年間という子どもにとって宝石のような時期を過ごさなければならない主要な環境であるということを前提にしっかり第一志望校を選択することをお勧めします。
 結果として、優れた指導者に恵まれた学校からは大学への進学についても結果を出しているということはうれしい事実です。
 私は、大学進学への実績も含めてそれぞれの学校の有り様をしっかりと調べた上で志望校を決定すべきだと考えます。私の知る範囲でも、教育者と呼ぶに値しない者がいわゆる進学校の理事長に就いたりしている例は稀ではありません。
 勿論、第一志望校に合格するための絶対条件は学力です。
 ここでは、高いレベルでの出題傾向と私の授業方針を述べさせていただきます。
 (四谷大塚などの中学受験専門塾の校長・トップ教師との親密な交流は多々ありましたが、彼らの能力は大学受験にもそのまま超一流として対応出来る程のものでした。優れた小学生には小学生という枠を超えた指導が必要なのです。)
 
 算数
 傾向
 数列・確率・図形などの理解力は高校数学のレベルが要求されます。もちろん公式の丸暗記は求められませんが、逆に自ら式を立てられる程度の柔軟な思考力が必須です。また、いわゆる頭の良い子でなければ解けないような知能問題も必出です。
 開成・麻布・筑波大附属駒場・灘・ラサール・栄光学園・桜蔭・女子学院・雙葉などでは塾・市販教材による既成の解法では合格レベルには達しません。初めて体験する設問に柔軟に対応する読解力・思考力・判断力が求められます。
 対策
 この時期、別にいつまでも頭の良い子であってもらうことを目的にする必要はありませんが、与えられた数的問題に純粋に立ち向かうという姿勢を習得してもらうことは無駄ではありません。この能力は将来の進学過程においても必ず要求されるものです。
 さらに、文章や図表によって示された法則性をその場で把握した上での応用力も試されます。訓練が必要です。
 算数の楽しさは、高度な公式などに頼らず、身近な道具(線分図・面積図・樹形図など)を利用して想像力豊かに様々な解き方で難問にチャレンジ出来るところに在ります。マニュアル的な解法を覚えさせるだけが受験算数対策ではありません。問題の解決策を立体的に考えるという思考力養成の基本が算数には有ります。
 設問の意図の理解、式の作成、合理的な計算、という過程を身に付けさせます。
 
 理科
 傾向
 高校教科書レベルの一般的知識と深い理解力が求められます。例えば、電流回路ではオームの法則に基づく計算が前提とされ、生物では免疫のメカニズムやDNA・RNAの転写・翻訳の知識が必須です。通常の受験参考書では扱われないバイオテクノロジーや核分裂・核融合、地球規模での気候変動などのメカニズムも問われるでしょう。特に、iPS細胞・クローン関連などは必出です。
 当然、植物・昆虫・天体などの瑣末的な細かい知識も要求されます。 
 また、中和などの化学関連では大学入試の形式を先取りした出題が目立ちます。
 対策
 リンゴは落ちるのに何故月は落ちて来ないのか、夕方西の空が真っ赤に染まると何故次の日は雨になるのか、満月が出る時何故赤いのか、どうしてオーロラや虹には様々な色が有るのか、蜃気楼は一体何なのか、電気を流すと豆電球や蛍光灯が明るくなるのは何故なのか、同じ惑星なのに水星・金星・火星の見え方が異なるのはどうしてなのか、などなどの素朴な疑問に対して、夢を壊さぬことを心掛けながら、知的好奇心を満足させる授業をいたします。
 計算問題については、算数同様、設問の意図を理解した上で、正しい式を立ててから計算に取り組む姿勢を身に付けさせます。
 
 国語
 傾向
 論説文は中堅校においても大人の読む文章で出題されます。灘・開成・桜蔭においては、大学受験レベルの難文が出題されています。語彙文法の確実な知識を前提とした読解力と一般教養が必要です。開成・桜蔭・筑駒・麻布・雙葉などではそれらを前提にした上での記述力が合格の絶対条件となります。塾などの単なるマニュアル的記述作業では通用しません。さらに、ドストエフスキー・アウシュビッツ・シベリア抑留・南北問題の本質などの教養が求められます。
 物語文では「子供の感性」も求められます。登場人物の状況を客観的に把握しながら、その心情をも理解しなければなりません。
 自由作文的要素の高い出題も目立ちます。
 対策
 優れた入試問題は教養の宝庫です。簡潔にまとまった文章を集中的に把握して理解するという学習を継続することは思考力向上にも大いに役に立ちます。勿論、しっかりした文学作品・評論文などに折に触れてじっくり親しむだけの本当の意味でのゆとりを持つことが理想ですが。
 論説文については、原則として、先ず文章全体から筆者の意図を見通し、次の精読過程で文の構造と用語の文脈上の正しい意味を理解しながら、最後には真に筆者の伝えようとしている内容を出来れば批判的に把握しているということを心掛ける授業をいたします。また、生徒に余裕があれば、文章を端緒として発展的な理解を深めることも目指します。
 物語文については、あえて受験という目的意識を払拭した上での日頃からの文学への親しみの余裕を持つことが理想です。感受性豊かな環境の中で、感性を磨くことが私の役割でしょうか。
 記述については、設定文の随所に点在するキーワード・キーセンテンスの確認能力・統合能力を向上させた後、自分の言葉を使っての表現能力の養成を目指します。
 そして、豊かな心の醸成を常に心掛けた指導を行います。小手先の作文などは誰にも退屈なものです。
 
 
 社会
 傾向
 設問に対する長文読解力を前提とした、教科書・参考書を超えた時事的な知識が要求されます。
 勿論、地名・歴史的固有名詞などの暗記も中学レベル以上のものが要求されます。
 上位校では、日本史全般のみならず世界史近代現代の重要知識まで要求されます。例えば、「アウシュヴィッツ」の記述を求められたり、チェチェンやパレスチナ問題に関する知識を問われたりします。ご家庭の日常生活での一般教養を問うものと言えるでしょう。
 対策
 私は一般紙の社説を読むことを生徒に勧めています。小学校高学年ともなれば、社会に対して大いに関心を抱いてもらいたいと考えます。勿論、偏見に陥るのを防ぐのが大人の役割です。物事に対して、自分はこう考える、という基本的姿勢はこの時期から身に付けさせなければなりません。
 上位校入試には、大学受験用の資料集を適宜利用しながら幅広い教養を教授します。
 
 低いレベルで申し上げれば、学校側は、将来の大学受験実績を目的として一般の小学生には過大な要求をする傾向にあります。しかし、問題が難問であれば当然正解率は下がり、無理な勉強の必要は無いと考えます。基本と応用という、当り前のことがここでも前提となります。
 やはり子供の各成長段階に応じた対策をしっかり行い、次の段階に進む、という知恵を親は持たなければなりません。自分でも分からない問題を子供に理解することを要求するのは、愚かです。
 五年生までは、子供の能力を最大限に育むための努力をすべきだと思います。勿論、全てのレベルに私は対応しますが、六年生からは、子供の現時点の成長過程を踏まえた上で、相応しい学校のレベルに応じた対策が必要です。
 少子化問題が叫ばれながら、中学入試は逆に苛酷になっています。子供の成長にとって何が必要かを、親はしっかりと認識した上で、中学受験にのぞまなければなりません。
 
 高校受験 
 
 近年、公立高校の健闘が目立つようです。しかし、それは結局は東大・早慶・医学部などのいわゆる名門大学進学実績を通じてのものです。埼玉県内においても、大宮高校の猛追を受けた浦和高校が今年になって進学実績を前面に出すようになりました。公立高校も経営事情はひっ迫しているようです。また、公立中高一貫の足音も無視出来ぬ程になって来ているようです。
 子供を少しでも世間的評価の高い大学に進学させたいと考えるのは人情です。その前提として、様々なレベルで高校での過当な競争がまかり通っているということでしょうか。大学全入時代とは名ばかりで、高校受験生にとっても、その試練のすそ野は広がるばかりです。
 問題は、高校受験生にとって、私立と公立の入試テストの難易の差が大き過ぎるということです。私立は中学課程を超えた準備が絶対条件で、公立は学校の内申にも気を使わなければならず、さらに誰でも解けるような問題を本番でどこまで間違わないで済ませるか、という訳の分らぬ対策が求められます。
 やっと自我に目覚めた矢先に、不条理を突き付けられたというのが、中学生達の実感ではないでしょうか。
 
 国立・私立の難関校に対しては特別な対策と準備が必要です。ここでは数学・英語・国語について具体的対策を述べさせていただきます。
 
 数学
 国立私立と公立の差が最も如実に表れます。
 高校三年生時に指導したある生徒は、中学時代から数学が不得意で、通っていた有名私立進学校では数学の無い文系コースを取っていました。しかし、それでも中学三年の高校受験時、北辰テストで埼玉県内では十番でした。勿論数学は満点でした。公立の数学はそのレベルなのです。この例は、一部の生徒と大多数の生徒との数学力の差が中学三年時には埋め難い程になっていることを意味します。
 傾向
 国立私立高校受験では、中学課程の内容理解を問うだけの出題はほとんどなされません。すなわち、初歩的な方程式や原点を頂点とした二次関数、図形のマニュアル的な証明はあくまで最低限の道具で、全く別次元のアプローチが要求されます。高いレベルの数学的思考力が必須であるということです。
 中学受験を経ないで難関高校進学を目指す場合、受験算数を一から学習する必要があります。数的・図形的処理をその根本から理解しなければ歯が立たないというのが現実です。一方で、かつて私が指導していた早稲田実業の生徒は、中等部一年生時で高校入試の数学の難問レベルに十分に対応出来ました。
 対策
 期間と生徒の適応能力の問題もありますが、私の授業では中学課程はなるべく早く済まし、数的・図形的処理能力の根底からの養成を図ります。
 勿論、文字式・図形証明・方程式などの基本を確実に理解させた上でのことです。
 
 英語
 傾向
 開成高等学校・早稲田大学高等学院や慶應義塾女子高等学校などの最難関校では中学課程のレベルを遙かに超えた長文読解力・判断力・語彙力・文法力が要求されます。
 対策
 全般的にはセンター試験レベルをこなしてゆけば対応出来ます。構文・文法は大学入試教材を利用しながら、高校最上位校の長文演習を地道に継続し、最後に私大上位校の入試問題にチャレンジするという過程で十分です。和英については基本を押さえておけば大丈夫でしょう。
 勿論、高校受験生に大学入試対策をそのまま適合させようとするのは無茶です。私の授業では、大学入試レベルの教材を使用しながらその要点を押さえた対策を実践します。
 
 国語
 学校によっては古典・漢文の知識が要求されますが、基本的なものです。大学受験用の基本テキストを一通りマスターしておけばよいでしょう。
 現代国語は、読解力・一般教養・語彙力・文法力をしっかり身に付けなければ対応出来ません。その為には、志望校の傾向を踏まえた大学入試問題での演習が必要です。記述対策でも国立大学レベルで早い段階から準備しておくべきでしょう。
 また、慶應が文法に拘ったりするように、学校によっては知識分野で詳細瑣末が要求されることもあります。志望校に対応した別個の対策も必要です。
 
 
 中高一貫が中心となった現在、高校からの募集は激減しています。しかし、灘・お茶の水女子大附属・筑波大附属駒場・筑波大附属・東京学芸大附属・開成・早稲田高等学院・早稲田実業・慶應・慶應志木・慶應女子・豊島岡女子・浦和明の星・海城・桐朋・城北・巣鴨などの門戸は開かれています。
 
 ご家庭は子供の有り様をしっかりと認識した上で、進学先を考えなければなりません。
 
3      大学受験を目指す方々へ
 
 大学受験では、教科ごとの個別対策が重要となります。その上で、合格の為に全体のバランスを図った授業をします。
 また、東大理三・京大医学部・東京医科歯科大・東北大医学部などの難関国立大医学部、慶應義塾大医学部・自治医科大・東京慈恵会医科大などの難関私立大医学部・医科大進学希望生徒には、数学VCや物理U・化学U・生物Uの詳細演習授業を行います。
 
 生徒の状況と志望校に適合したロードマップを作成し、それを着実に実践します。2009年受験のご家庭には、基礎から応用までの学力を夏休み中までに完成し、9月以降は過去問演習を加えた集中特訓指導を行います。
 勿論、学校・予備校の講習補習にも対応いたします。
 また、国立大学の大学入試センター試験対策はもとより、私立大学のセンター試験利用入学試験にも高得点を前提とした対策を実践します。
 
 数学
 V・Cまでの全範囲を指導します。各単元の基礎概念解説から、東大・京大レベルの柔軟な思考力を前提とした入試問題演習まで行います。
 傾向
 U・Bまでは、解法暗記よりも、柔軟な思考力を求める出題傾向にあります。すなわち、方程式・確率・場合の数・三角関数・微積・数列などの公式をただ当て嵌めれば済む問題を正解するだけでは合格は覚束無いということです。公式を自ら導く過程で理解を深めた上での応用力が求められます。様々な角度からのアプローチが可能な良問を選んで演習を行います。
 Vの微分積分は、解法の理解が大前提となります。その習得過程でどこまで数学的センスが養われるかが鍵です。時間と忍耐が必要です。
 対策
 全般的には、論証力を前提として、関数・確率・数列・幾何それぞれに取り組まなければなりません。
 論証は、正解への過程を第三者にも納得させ得る客観的記述の為の数学的道具(文法)です。
 関数は、高次関数・三角関数・微積のみならず、曲線・ベクトルにおいても基底となる「場」です。究極的には、「点」が二つまたは三つの力で相対的にどの様な運動をするかを立体的に捉えることが鍵となります。
 確率は数的処理能力の養成が重要となり、数列は幾何と共にイマジネーションをどこまで豊かに展開出来るかが課題となります。
 数列は級数も含めて数的処理を記号的にも把握する力が前提となります。
 幾何は定理を自ら証明し得るレベルの理解を前提として、視覚的直観力を養成する為の日頃の図形処理の作業が必須です。
 以上の認識を踏まえた上で、過去問・数学演習テキストから良問を選んで実践的に指導します。
 
 生物・化学
 教育現場が模索段階の新課程にも必要十分に対応します。
 傾向
 教科書・参考書の内容を超えた長文思考問題が国立・医科大では出題されており、小手先の暗記では対応できません。複雑な計算問題も含めて本質からじっくり指導します。
 生物では、バイオテクノロジー関連の著しい進歩に呼応した結果か、ES細胞のみならずES様細胞の知識が必要です。さらに、感染症が社会問題になっていることの当然の結果として、ウイルス・細菌への免疫のメカニズムの理解が詳細を極めています。
 また、化学も含め、地球環境問題への高い問題意識も受験生に求められています。
 対策
 国立・医科大の過去問はもとより、教科書・参考書・資料集の他、医学書・パソコンなどを利用した専門的な授業を進めています。
 具体的には、教科書参考書の精読と理解を随時その内容の質問を受けながら、肉付けし、更に過去問演習により各単元の内容理解を何倍にもしてゆきます。
 期間が一年以上有れば、基本事項の詳細授業と同時に上記のレベルで指導いたします。
 
 物理
 数学の実用学という側面から、物質世界の整合性を求めるという立場で指導します。
 公式の成立過程を、具体的現象面からのアプローチに始まり、更に想像力も働かせて理解するという訓練が必要です。
 電流・電磁波・磁界・素粒子・エネルギー分野など、化学との重複授業が必須です。
 今後、核分裂・核融合はもとより、素粒子・磁力分野が重視されると考えます。
 
 現代国語
 高レベルの読解力養成にはいわゆる教養が前提となることを踏まえて、語彙・文法の知識習得も重視した総合的な能力向上を図ります。設定文の筆者や論題の背景をも視野に入れた授業をします。読解力は、小論文に必須の創造的能力向上にも繋がります。
 国立・私立ともに読解力と教養が前提です。 
 一方、国立二次では記述力、私立では選択力というように、極端に出題形式が異なります。(慶應義塾は論文のみです)
 私立大学の傾向と対策
 問題文の読解がどこまで客観的に必要十分になされたかが問われます。また、客観的であるためには所謂常識を身に付けることも必要になります。すなわち、誰もがそう考えるであろうという判断力と同時に、各大学の傾向・レベルに沿った読解の仕方が求められるのです。それを分析し、指導するのが私の仕事です。
 国立大学の傾向と対策
 客観的内容把握と同時に意識レベルをも反映させる表現力が求められます。また、文章を簡潔にまとめる凝縮力も加味されなければなりません。
 一定以上の授業時間・授業期間を前提として、生徒の意識レベルの向上を目指した指導を行います。
 具体的には、様々な話題とその探求を入試問題・資料を用いながら実践します。
 
 英語
 読解力養成の過程で一般教養・構文・語彙・文法の力を高めてゆきます。
 私立大学の傾向と対策
 詳細な瑣末的イディオム知識が問われますが、平素においては中長文読解を通じて知識習得を図るべきだと考えます。丸暗記テキストは受験三四か月前から始めればよいでしょう。多分、その頃は8割は習得しているはずです。瑣末に拘る作業は、念には念をという余裕が有る場合に意味があります。
 国立・慶應義塾大学の傾向と対策
 一定以上の語彙・文法の知識は問われますが、メインは、現代国語同様読解力・記述力となります。また、和英も必出で、言語力も要求されます。
 基本テキストに加えて様々な教材を通じて英文解釈の総合力を高めます。その上で、文法・構文・イディオム習得を前提として和英演習を行います。
 
 ご要望であれば、私のオリジナルプリントによる洞察力養成をも目指した演習を行います。
 
 優れた入試問題は教養の宝庫です。予備校や市販の問題集も勿論過去問に基づいています。私は、良文・良問を通じた筆者・出題者の意図を捉える過程で自然に知識が深まっているという授業を目指しています。
 
 論文・記述
 医学部・慶應義塾・国立二次試験ではテーマ読解の上での表現力が問われます。
 特別な授業設定が必要です。
 教養習得と同時に世の事象に対する一定以上の批判的見解を身に付けなければなりません。半年以上の期間が必要です。
 
 古典・漢文
 古典世界への興味を醸成する授業をします。源氏物語・史記・論語・唐詩選はもとより、様々な作品を通じてのイマジネーションの展開が期待されます。時空を超えた作者達との共感の喜びにまで行き着けたら本望です。
 
 世界史・日本史
 人類史の大きなウネリというものを実感させ、その上で個々の知識の習得を確実にします。歴史はロマンだけではなく、リアリズムで成り立っていることを知らせます。入試問題やオリジナルプリントを通じて、論点の演習も行います。
 遅きに失したとはいえ近年漸く入試においても現代史が重視されるようになりました。第二次世界大戦の勃発過程とその後の人類社会の有り様の理解が学生にとって最重要事であることはあまりに当然です。人類史という視点で世界史・日本史を捉えなければなりません。
 現在、日本史の教科書を読み物として全体を把握することを自習課題としながら、過去問を通じて各時代の詳細な理解を深める授業を進めています。演習として、いわゆる十五年戦争への過程を幕末まで遡って世界史との連関を理解させています。
 
 政治経済・現代社会
 現代史という観点から、現在進行形の事象の因果関係を理解させることを基底とした授業をします。
 各国の歴史的実情を踏まえた上での国際関係の展開可能性の把握の仕方や経済・社会・民生などの統計資料の読み方を指導しながら、人類の現在の有り様をグローバルに捉える高い視点を身に付けさせます。
4      私の生徒達
 プロ家庭教師として160人以上の生徒を個別指導して、各人に深い思いがあります。
 ここでは、思い出すままに、プライバシーを侵さぬ程度に述べさせてもらいます。
 
 家庭教師の仕事に携わって間も無い頃、弟子の上智大生が、自分にはとても手に負えないと言って助けを求めて来ました。生徒は小学六年生で、伯父さんは当時の外務大臣だったということもあるのか、かなり傲慢腕白な子で、お母さんもなかなかの方でした。フランスで育ったということで、日本語もままならぬ中、帰国枠外で中学受験したいという希望でしたが、期間は半年しかありませんでした。詳細は伏せるとして、とりあえずお母さんの渋々の同意の下、生徒を完全に従わせ、上智・慶應・東京外大の学生達も使って徹底的な特訓を行い、第一志望校に合格させました。半年という限定された条件でも、為せば成る、ということを私自身も学ばせてもらった体験でした。その後、ご家庭とは何度も旅行や会食を共にする程、親しい関係となっております。
 
 横浜で四谷大塚の教室の校長をしていた友人から何人も生徒指導を頼まれましたが、当時小学六年だった女生徒には今も頭が下がります。非常に闊達な子で、中学受験では大ベテランの手にも余るということで、引き受けました。しかし、向上心ある素晴らしい子でした。多分、個別指導に向いていたのでしょう、ひたむきに私の授業を受けてくれました。
 受験の最終段階の12月、お父さんが重病で入院しました。母娘で看病もしなければならない状況で、その子は一度も私の授業を休みませんでした。手術は成功し、第一志望校の合格発表にはお父さん自らが出向き、その合格結果を私に報告してくれました。その子は、私が日頃指導していた心構えを本番で出来たから受かったと言ってくれました。それは、分からない問題にいつまでも拘泥しないで、他の問題で頭を切り替えて、再チャレンジしろ、という、何でもないものでした。それを実践したその子は立派でした。
 その後、大学受験の際も、私の引っ越し先のさいたま市にも往復四時間掛けて通って来て、早稲田大学の理工学部に合格しました。今は、院生として更なる勉学に励んでいます。
 
 早稲田を卒業して、コンピューター関連のキャリアウーマンとして活動しながら、近年も私の生徒の良い先輩としていろいろ手伝ってくれている女性がいます。
 中学受験当時、自力で一人娘をいわゆる名門小学校に通わせながら、高いプライドを維持する彼女のお母さんの姿は、一目置くしかありませんでした。彼女はボランティア活動にも携わっていたらしく、受験後、東南アジア旅行に誘われました。ボランティアに関しては私独自の考えがあったのですが、母娘で熱心に誘うので、承知しました。
 いまだに世界でも最貧国のある国は、首都でさえ水道も電気もままならない、という状況です。
 そこで、難民キャンプでの活動を生き様としている日本人女性としばらく行動を共にしました。当時まだ三十前後の方で、その国内においても差別されている山岳民族の部落を訪ねた際、彼女はその地域特有の言語にも堪能で、かつての戦闘で障害者となっていた人々も周りに集まって来て、笑顔で語り合っていました。
 帰国の際、地元の人々も集めて食事会を設けました。
 その女性も参加してくれて、敢えて尋ねてみました。「貴女は何故このような活動をなさっているのですか」。彼女は、恥ずかしそうに答えてくれました。「私は、困っている人達と一緒に居ると、安心出来るんです」。
 彼女はその後、朝日新聞の「天声人語」や特集記事でも取り上げられていました。
 私の生徒も当時の彼女の年齢になっています。あの時はまだ中学生だったその子が今後更にどのように展開するか、楽しみです。
 
 東京小岩の生徒も忘れられません。高校受験から大学受験、さらに大学進学後も付いて来た男子でした。
 柴又に近く、行き帰りに帝釈天や矢切の渡しに立ち寄ったりし、楽しい思い出ばかりです。
 身長が190前後で、腕力も非常に強く、風貌が松田優作タイプでしたが、可愛いことこの上無い生徒です。
 愛情深いご両親の下、すくすく育つ中、地元の実業家のお父さんが、「息子が小野沢先生に付いて行くと自分で決めたので、私は何も言うことはありません。宜しくお願いします」と、第一志望高校合格の後も、歯科医を目指して私の授業を受け続けたいと、嬉しそうに話してくれて、感動すら覚えました。一度信頼したら絶対的に従うという、強い意志が感じられ、身が引き締まりました。
 勉強が嫌いだ、ということ以外では、ほとんど叱る必要の無い子でしたが、ある時、手に包帯をしているので、「どうした。喧嘩でもしたか」とそれを突きながら聞いてみると、「バスの中で横暴な奴が居たので、やっちゃいました。殴ったら、歯に当たって」と申し訳無さそうに頭を下げます。苦笑しながらわざと、「馬鹿め。唾液でも感染する病気があるんだぞ」と叱ると、はたと気付いたように、「あ、そうですね。済みません」と謝るので、「喧嘩するなら、相手を選べ」と肩を叩きながら笑ってしまいました。
 日大の附属高校に進学した後、さすがに気が抜けたのか、最初の中間テストでは142人中141番だったので、「何だ、これは。どうせ取るなら、上からでも下からでも一番を取れ。先生はな、高校時代は何時も、下からダントツの一番だったんだぞ」と発破を掛けると、唖然としていました。
 最後、残念ながら2番の成績でしたが、日大の歯学部に推薦で進学し、取り敢えず、ご家庭の期待には副うことが出来ました。
 
 大学卒業後も私に付いて来る生徒は何人も居ます。
 先ず思い出すのは、中高時代、とにかく家や学校では厄介者で、子供の前では腫れものにでも触るような態度の親の懇願で引き受けるのですが、実は内には高い向上心を秘めていた、という生徒達です。
 ある生徒は、高校一年時、万引き・喫煙・盛り場競馬場徘徊・遅刻の常習犯でした。兄が開成高校から医科大に進学しており、何らかのプレッシャーがあったのかも知れませんが、いわゆる問題児という印象は全く受けませんでした。
 指導を開始して間も無い頃、雨の中、家の門の前でお母さんが立ちすくんでいました。「息子が家出をしてしまったんです。どうしましょう」。お母さんを叱っても仕方が無いので、「帰って来たら連絡してください」とだけ言って、その日はそのままにしておきました。翌日の夜電話があり、「帰って来たので、またお願いします」と言うので、やはり仕方無く、行ってみました。本人がうじうじしているので、わざと怒鳴り付けました。
 「馬鹿野郎。家出するなら、二三週間は帰って来るな!」。
 その後、私の授業を一回も休まずに一橋大学に進学し、後輩の生徒達の良い兄貴分としても十年以上付いて来てくれています。補助として家庭教師もさせていますが、ご家庭の評価は私を凌駕しています。
 近年の合宿などの際は運転手兼教師として、網走・修禅寺・秩父・伊香保などに何度も同行させていますが、墓所・札所巡りが趣味で、修善寺では深夜、一人じゃ怖いということでそれに同行しました。修善寺は、空海・漱石・紅葉などの縁の他、範頼・頼家の終焉の地としても有名ですが、その墓所で、止めろと言うのに不謹慎にもフラッシュを焚きまくり、要するに心霊写真が目的だったのでした。
 彼の大学院進学が決まった時、祝いの酒席を設けて乾杯しながら、「お前、これから一体どうするんだ?学者にでもなるか」と聞くと、「詐欺師にでもなろうかと思います」などと真面目な顔をして言うので、思わず、「おい、がっかりさせるなよ。何だ、詐欺師とは。もう少しマシな生き方があるだろう」と、やや本気で叱ると、珍しく逆らって来ました。
 「だって、俺が大学に入った時、お前なんか、なれても結局は詐欺師が精精だ、って言ったのは先生じゃないですか」。
 すっかり忘れていました。これには頭を下げて謝るしかありませんでした。
 
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Last updated: 2008/11/26