主として、室内・病床用ですが、外出用としてお使い頂けるものもあります。
闘病が20年にも及んだ友人・さち子さんとの交友過程で考案された生活用品です。
現代の進んだ医療環境にあっても、人は皆、病を得て患者となった途端に生活の質を激変させざるを得ません。ガン治療によって頭髪を失うことがどういうことかその実際を、当事者の方々とのささやかな交流を通じて知ることになりました。病気自体の苦痛に加えて、明らかな容姿の変化は想像以上に辛いものであり、また、普通ならば意識されることのない効用が、失われて初めて明らかになるということを。
主宰 松澤 多津子
〒023-0865 岩手県奥州市水沢区字桜屋敷393-3
Tel/Fax 0197(23)2165
無数の頭髪は、夏の発汗を自然に蒸散し、その中に含む空気層は冬の冷気から頭部を守り、そして様々な危険を緩衝してくれます。「夏の直射日光に当たると、汗が滝のように流れる 」というようなことは、普通には経験し得ないことです。頭髪はいわば、衣服と同様、第二の皮膚(セカンド・スキン )と言えるかもしれません。従って、そのような役割を担う帽子としては、整容の手立てとしての美的要素を備えた物であると同時に、 保温・保湿・蒸散を助け、皮膚刺激が柔らかく洗濯にも耐える物でなくてはなりません。いわば下着と上着を兼ね備える物ということでしょうか。 そんなところから、素材は綿あるいは綿混紡(冬物でも、表はウールなどにしても裏は綿というように)に天然素材にこだわっています。鬘は使わないと 明言され、コートなどの外出着とのコーディネートを意識した厚手の物を希望される方もおいでですが、就寝時も含めた病床用・室内用が基本です。
癌治療によって末梢神経に障害を来したり、病変部位の摘出によって(乳癌等)、また、全身状況の悪化で四肢の動きがままならない方も少なくありません。片手でも簡単に着脱出来ることは必須の要件です。多くの患者さんはバンダナを苦労して整形し、結び目を前に後ろに回しながら使っておいででした。「必要で、欲しい品がどこにも売られていない」という事実に愕然とし、素人の粗末な手作りでも用を為すのであればと考えて始めたことでした。