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父母が知れないときの立証責任
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国籍法とは、どのような場合、日本人であるかということを示している法律であり、国際結婚、出産、帰化をする際には、重要な法律となります。
国籍法2条には、子供の国籍取得についての記載があり、1号は、「出生のときに父又は母が日本国民であるとき」としています。これは、当然の規定なのですが、2号は「出生前に死亡した父が死亡のとき日本国民であったとき」としています。これもわかり易い内容です。では問題の3号は「日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有していないとき」とあります。子供の立場としては、大変可哀想な状況ではありますが、父母が2人とも国籍を有していない場合は、中々外国法を考慮しても、該当するケースはめったにありません。しかし、「父母ともに知れないとき」が実際にあり、国籍をめぐり、最高裁まで争われたケースがあります。
フィリピン人女性が出産したと思われる子が、アメリカ人牧師に預け、そのままフィリピン人女性が失踪してしまいました。
国は、同性同名フィリピン人が入国した履歴があり、母親は認識できるので、父母ともに知れないケースにはあたらないと主張しました。しかし、そのフィリピン人女性と母親は本当に同一人物かが問題とされ、確実な証拠がないために、父母ともに知れないときの立証責任が焦点となりました。
そこで、裁判所は、父母である可能性が高くても、それが特定できない場合は、「父母ともに知れないとき」に該当するとしました。社会通念上、父母が特定できない状況を立証すれば「父母ともに知れないとき」に一応あたるとして、国籍取得を争う者(国です)が特定を立証しなければいけないと判示しました。(平成7年1月27日最判、アンデレちゃん事件)
これにより、無国籍を回避する国籍法の趣旨が重要とされることとなりました。
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