目の健康について


目の健康について

 10   「眼瞼痙攣」は眼科の疾患
更新日時:
H14年7月16日(火) 
 眼瞼痙攣の患者さんは、不随意的にまぶたが痙攣し、正常に開瞼していられないので、見たいときに物を見ることができず、次第に日常生活が困難になってしまう病気です。例えば、歩行中や車の運転をしている時、あるいは人と会っているときに突然起こるときもあるので、次第に消極的になってしまい、重症例では社会的活動ができず、悲観して家に閉じこもってしまう人もいます。
 眼瞼痙攣は、パーキンソン病や薬剤性のものもありますが、ほとんどは本態性のものとされています。つまり、原因がよくわかっていないのですが、瞬目を司る信号に異常が生じているものと考えられています。また、痙攣は両眼に生じます。
 この眼瞼痙攣は、まばたきが多くなる程度の軽症のものから、意志とは無関係に眼輪筋が痙攣して、両眼が閉じてしまい、容易には開瞼できない重症のものがあります。(このような場合、指を使って開瞼しようとします)。また、眼輪筋だけでなく、他の顔面筋や時に咽頭、舌なども痙攣し、痛みを伴う場合をMeige症候群といいます。
 本態性眼瞼痙攣の多くは、40歳代後半以降の、特に女性に多くみられますが、20歳代の方で発症する場合もあります。
 治療は、ボツリヌスA型毒素(ボトックス)を通常1.25単位〜2.5単位を片眼6ヶ所、両眼で12ヶ所の皮下に浅く注射します。この薬は、神経筋接合部に作用して、神経終末からのCa依存性アセチルコリン遊離を阻害して、眼輪筋の麻痺をきたします。このボツリヌス療法は、わが国では1997年から認可され、現在では眼瞼痙攣の第1選択の治療法となっています。
 効果は数日から遅くとも1週間以内に発現し、3〜4ヶ月間持続します。効果が消失すれば、反復して注射をします。
 

 11   眼のまわりの帯状疱疹
更新日時:
H14年11月6日(水) 
帯状疱疹は、ウイルスによって起こりますが、このウイルスは水痘(みずぼうそう)を起こすウイルスと同じウイルスで「水痘・帯状疱疹ウイルス」(varicella-zoster virus)と呼ばれます。
 こどもの時に感染した「水痘・帯状疱疹ウイルス」は、その後体内の神経節に潜伏感染を続け、何らかの原因により免疫力が低下したときに、ある一定の神経の走行に沿って活動を始め、その皮膚に皮疹が出現します。この皮疹は、赤みを伴う小水疱の集まりで、全体として帯状に並びます。のちに水疱内容は膿状となり、出血をみたり壊疽に陥ることもあります。患部にはピリピリとした痛みが走り、このため睡眠不足になることもしばしばです。
 特に顔面の三叉神経第1枝領域(眼神経)に出現した場合、ヘルペス性角結膜炎や、虹彩炎、網脈絡膜炎をきたし、視力低下等の症状をきたすことがありますので、眼科での精密検査が必要になります。
治療としては、抗ウイルス薬の眼軟膏点入(通常1日5回)や内服がありますが、しばしば入院の上、抗ウイルス剤の点滴静注が必要になります。
また、混合感染予防のための抗菌剤点眼や炎症抑制のための低力価のステロイド点眼も併用します。
 

 12   レーベル遺伝性視神経症と遺伝子診断
更新日時:
H14年11月23日(土) 
 
 レーベル遺伝性視神経症はおもに10歳代から30歳代にかけて、両眼性に急性、または亜急性の視力低下で発症し、その後数ヶ月の間に徐々に視神経乳頭の耳側が青白くなり、通常1年以内に高度の視神経萎縮に至り、その結果視力低下、中心暗点という視野異常を来す予後不良な遺伝性の視神経疾患であります。
 レーベル病の80%の患者さんが男性でありますが、その発症の性差は不明です。レーベル病はミトコンドリア病であり、ミトコンドリアDNAの点突然変異により発症します。そのためこの病気は母系遺伝になります。レーベル病の遺伝子診断は、このミトコンドリアDNAの11778番塩基の点突然変異が日本人患者の場合90%近くを占めます。また、他には14484番塩基の点突然変異をきたすタイプがあります。私事で恐縮ですが、わたしが以前勤務していた市川市の病院にはこの疾患の確定診断や疑いの患者さんが何名かいらして、この疾患の病態に対して大いに興味をひかれました。最近は民間の検査会社が有料でミトコンドリア遺伝子の検査を引き受けていますので、診断は比較的容易になりました。


糖尿病・単純型網膜症(AT) 糖尿病・前増殖型網膜症(BU) 糖尿病・増殖型網膜症

| Prev | 目の健康の目次 | Next |


戻る

メールはこちらまで。