眼瞼痙攣の患者さんは、不随意的にまぶたが痙攣し、正常に開瞼していられないので、見たいときに物を見ることができず、次第に日常生活が困難になってしまう病気です。例えば、歩行中や車の運転をしている時、あるいは人と会っているときに突然起こるときもあるので、次第に消極的になってしまい、重症例では社会的活動ができず、悲観して家に閉じこもってしまう人もいます。
眼瞼痙攣は、パーキンソン病や薬剤性のものもありますが、ほとんどは本態性のものとされています。つまり、原因がよくわかっていないのですが、瞬目を司る信号に異常が生じているものと考えられています。また、痙攣は両眼に生じます。
この眼瞼痙攣は、まばたきが多くなる程度の軽症のものから、意志とは無関係に眼輪筋が痙攣して、両眼が閉じてしまい、容易には開瞼できない重症のものがあります。(このような場合、指を使って開瞼しようとします)。また、眼輪筋だけでなく、他の顔面筋や時に咽頭、舌なども痙攣し、痛みを伴う場合をMeige症候群といいます。
本態性眼瞼痙攣の多くは、40歳代後半以降の、特に女性に多くみられますが、20歳代の方で発症する場合もあります。
治療は、ボツリヌスA型毒素(ボトックス)を通常1.25単位〜2.5単位を片眼6ヶ所、両眼で12ヶ所の皮下に浅く注射します。この薬は、神経筋接合部に作用して、神経終末からのCa依存性アセチルコリン遊離を阻害して、眼輪筋の麻痺をきたします。このボツリヌス療法は、わが国では1997年から認可され、現在では眼瞼痙攣の第1選択の治療法となっています。
効果は数日から遅くとも1週間以内に発現し、3〜4ヶ月間持続します。効果が消失すれば、反復して注射をします。
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