親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。と言う書き出しで始まる「坊ちゃん」落語のような流れる文体ですね。−漱石は落語が好きだったと思う−この小説の最後の所を、作家井上ひさしが確か「新・文章読本」で絶賛していた。手元に本がないので−−確認が出来ないが。その最後の文章とは、こんな文章です。
その後ある人の周旋で街鉄の技手になった。月給は25円で、家賃は6円だ。清は玄関つきのいえでなくってもしごく満足の様子であったが気の毒なことに今年の2月肺炎にかかって死んでしまった。死ぬ前日おれを呼んで坊っちゃん後生だから清が死んだら、坊っちゃんのお寺へ埋めてください。お墓の中で坊っちゃんの来るのを楽しみに待っておりますと言った。だから清の墓は小日向の養源寺にある。
この「だから」をえらい絶賛しているのである。日本文学史上にのこる接続詞とか書いていたような気がするが、この「だから」は祈りに似た気持ちが込められている、と書いていた。
確かにこの「だから」は気持ちが入ってますね。だからどうなんだといわれても、いいな−−と思うだけです。
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