黒沢明監督「七人の侍」の最後の一人、千秋実氏が亡くなった。私は昔、全国映画鑑賞団体の総会で、前年の俳優賞かなんかの受賞者として彼が来ていて、もう満足に歩けなかったが、実物を見て感激したものです。
私の人生で一番見た映画と言われると、この「七人の侍」になる。15回−20回はみました。どこがそんなに良いのかと言われても−−とにかく感動してしまったのです。
映像がとてもいいですね。志村喬の勘兵衛役も菊千代の三船も好きです。音楽もいいいです。
この映画の場面で2カ所とても好きな、映画史上忘れることが出来ない、感動のシーンがあるのです。この場面を見るだけで幸せになってしまう。
「野武せりだ−−」と百姓が騒ぎ初めて、水車小屋から侍が颯爽と駆け出す場面。音楽が、それはそれは素晴らしい音楽が高らかに鳴り渡る。百姓が植えた麦畑、麦の穂が画面の手前を占領してます。その麦の穂の先端を右から左へ刀をぐっと腰に構えて、カール・ルイスのようなスピードで、ぐっと腰を入れて、駆け抜ける。たまらん。
もうひとつ、村人と侍が村の中央に集まります。川向こうの家は守れない、焼き払うしかない、と志村は村人に話します。しかし、川向こうの村人は、「ばかばかしい、自分の家を燃やして他人の家を守れるか」と言って、自分たちの家は自分たちで守ると、出ていこうとする。その時。志村が刀を抜いて、そのわがままな村人を追いかけるのです。このシーンの音楽がまたいい。「他人を守ってこそ自分も守れる。戦とはそういうものだ。今後守れないやつは−−」と言って刀を納める。砂煙が百姓とった侍を包み込む。このシーンもたまらん。
そのほかいいシーン、感動の映像というものが無数にあります。たまらん。
今日の週刊朝日の似顔絵教室に、侍の一人宮口精二の似顔絵が、七人の侍のシー
ンで描かれていました。この似顔絵が素晴らしい。書いた人も74歳というおじいちゃんで感動しました。
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