映画「メフィストの誘い」はゲーテの「ファスト」を下書きにしているそうな。で、ファストはとても読めないので、手塚治虫の「ファスト」を買ってみる。が、なんか全然わからないので解説を読む。以下その解説。
ファストは、ドイツ語の普通名詞だと「げんこつ」という意味で、ゲーテの作品では、有名な固有名詞として登場する。いかにも嘘っぽい名前だから、ゲーテの創った架空の人物と思われがちだが、15世紀から16世紀中葉までドイツに実在した人物である。彼が生まれたのは1480年頃。 彼の生まれた頃のヨーロッパの大きな出来事というと、1481年にスペインのカスティーャで異端審問が始まり、その翌々年には後年宗教改革の大立て役者となるマルチン・ルターが誕生している。ファストの青壮年期には、当時の権力者や知的指導者のほとんどは、新教旧教いずれかの旗幟を鮮明にし、血みどろの死闘を演じていが、ファストはどちらの陣営の誘いにも応ぜず、いかなる非難も意に介さず−ちなみにルターはファストに関する悪口を彼の円卓語録に残している−いずれの権力、権威にも頭をさげず、一人ひょうひょうと、自由自在、気随気儘に生き抜いたのである。
ファストの大胆不敵で自由な生き様や愛すべき性格に魅せられて、彼の死後伝説本が作られ、以後世界中の文学者たちが−時にはベルリオーズ、グノー、リストのような作曲家も−争って作品化に挑戦したが、規模にせよ深さにせよ、最大のものがゲーテの作品である。
ゲーテは20代のはじめから死ぬ直前まで「ファスト」に深く関わったが、手塚治虫も全く同様であった。手塚氏には「ファスト」三部作がある。第一作が、彼が21歳の時昭和25年に出版された、この本の「ファスト」。子供向けに漫画化している。二番目が、日本を舞台にした「百物語」42歳の時の作。最後が絶筆となった「ネオ・ファスト」
手塚治虫もよっぽと好きだったのだろう。
私は西洋文学は若い頃読むチャンスを逃してしまった。ドイツ文学は、北杜夫の異常に好きだった「トニオ・クレーゲル」一冊です。今更遅い。
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